肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

「三成さんは京都を許さない 1巻」さかなこうじ先生(新潮社くらげバンチ)

 

石田三成がなぜか滋賀県庁職員となって京都に喧嘩を売る漫画
「三成さんは京都を許さない」にかんたんしました。


(何話か無料で読めますよ)

三成さんは京都を許さない ―琵琶湖ノ水ヲ止メヨ― | くらげバンチ

 


本屋さんで平積みされていたので買ってみました。

ローカルネタが満載で面白かったです。
あと、石田三成島左近がラブホで修行する話がよかったです。


内容としましては、現代に転生した石田三成がどういう訳か
滋賀県庁に就職して、滋賀県愛全開で京都府ぶっ●すと気を吐く漫画であります。

石田三成さん……あなた聚楽第京都市)で働いてたのにそれでいいんすか(笑)



滋賀県京都府に対するコンプレックスはなんとなく知っています。

この漫画で「京都許せねえ!」動機として挙げられている

 ・比叡山延暦寺が京都のモノ扱いされている
 ・琵琶湖の水をなぜか京都市が管理している
 ・京都民から滋賀県民は「滋賀作」と蔑称をつけられている

ですとか、

 ・「うっせえ琵琶湖の水止めるぞ」という滋賀県民の啖呵(意地)

ですとか、

 ・琵琶湖で分断されているので県民同士はあまり仲が良くない

というなるほどな事情ですとか、
そう言えばどれも本物の滋賀県民から聞いたことありますわ。


私自身も滋賀県についてそこまで詳しい訳ではないのですが、
「どこに行っても平和堂がある」というのは「確かに!」と激しく納得しました。



こういうご当地漫画って「出落ち」になりがちですが、
一定のクオリティを保ったまま1巻を終えられているのはすごいと思います。

10巻も20巻も続けられるネタではないかもしれませんが、
作者さんや読者さんの「滋賀愛」を出し切るくらいの勢いで
突っ走ってほしいと願います。



これからどんな展開になるんでしょうか。

滋賀あるあるでこれからも進んでいくのか、
ご当地ネタが尽きて石田三成を始めとした歴史人物ネタ中心になっていくのか、
どちらでもないオリジナルキャラの恋愛話とかになっていくのか。


滋賀は歴史上の人物もイベントも豊富ですから、
まだまだネタは掘ってこれそうですね。

甲賀とか信楽とか土地ネタもたくさんありますし。

大津宮の興亡とかに踏み込んだらディープ過ぎて人気落ちますかね。

吉村昭ファンとしては「大津事件」を取り上げてほしいです。



昔、内閣総理大臣織田信長というたいへん面白い漫画がありました。

これも出落ち漫画と見せかけた超良質のギャグ漫画で、
順調に話を重ねていったものの、最後の方はさすがに政治ネタが尽きて
柴田勝家お市の恋愛ドラマで尺を稼いだりしてましたね。

あの漫画は羽柴秀吉切れ者かつイイ奴だったり
選挙に弱い徳川家康がかわいかったりして好きでした。



それにしても近年の石田三成人気はたいした勢いです。

「仕事は真面目で有能だけどコミュ力に問題あり」というキャラクターが
スペシャリスト人気・ゼネラリスト軽視」の現代庶民感情に合うのでしょうか。

あるいは「忠義を尽くした末の無念の死」というストーリー(脚色)が
皆の同情を集めているのか、単に無双でイケメン化されたからか。

あの兜のデザインでけっこう得しているような気もしますね。



滋賀県ゆかりの武将……

石田三成大谷吉継浅井長政明智光秀あたりは既に人気者ですから、
次は六角定頼・義賢と、時代は異なりますが山本義経佐々木道誉辺りの
人気が出てきますように。

堅田水軍の人気が出て滋賀県の暴走族が湖族に鞍替えしたらおもしろいと
思います(他人事)。

団鬼六とかも滋賀県出身でしたっけ。
近江商人系の大企業もいっぱいあるし。
すごいな滋賀県

 

 

マルハニチロの「あさりめし」

 

マルハニチロさんの冷凍食品「あさりめし」にかんたんしました。

 

東京深川の味あさりめし|冷凍食品|商品情報|マルハニチロ株式会社

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ゴールデンウィークということで、食事は手抜き気味です。

こういう時の強い味方が冷凍食品。
数十年前と違って、近頃は本当においしくなりました。


近所のスーパーでこの商品を見つけたときはオッと驚きましたよ。

冷凍食品のごはんものと言えば何と言っても焼飯・ピラフで、
鶏ごぼうごはんやチキンライスが後に続く感じでしょうか。

そこにあさりめし。

あっさり系。

うれしい!

 

あさりめし……

おいしいけれど、こしらえるのは面倒な料理です。
砂抜きと出汁づくりがハードル高いんですよね。

貝類は「剥き身を買ってきてバターで炒める」に逃げがちです。

それが手軽に食べられるなら、そりゃ嬉しいですよ。



さっそく食べてみました。

……うん。
しみじみおいしい。静かにおいしい。じんわりおいしい。

ああ、これいいわ。
「ウマッ」ではなくて、「うん、うん(いい笑顔)」という感じ

冷凍食品、ここまで来たか。
十代少年向けの茶色い油もの炒めものではなく。
デキる女性を狙った青の洞窟的シュッとした路線でもなく。
(どちらも大好きです)

そろそろ油ものミートものがしんどくなってきた世代、
たまには貝類とか身体によさげなものが食べたい世代にジャストフィット。


鰹出汁がほどよく染みたごはんがおいしい。

むちっとしたあさりがたくさん入っていておいしい。

ネギと海苔がさりげなく後味を格調高く締めてくれておいしい。

どれも騒がしくなくて、静かに調和しているこの感じ。
うれしくておいしいです。

 

 

パッケージには「東京深川の味」と書かれていました。

有名な深川めしを意識したのでしょう。

残念、私は深川めしを食べたことがありません。
本場江戸の味との比較はできませんのであしからず。

 

 

400gということでボリュームも問題ありません。
おかずの有無によりますが、一人で満腹、二人で程よいくらいでしょうか。

カロリーは100gあたり63kcalです。
冷凍チャーハンの1/3くらいになりますので、罪悪感も少ないっす。
ていうか普通の白ごはん(100gで169kcal)の半分以下のカロリーのか。
あさりでかさ増ししてるからでしょうかね。

貝類のような歯ごたえのよい食べ物は、量が少なくても脳が満腹感を
覚えやすいのでおすすめ食材ですよ。
よく噛めばボケ防止にもなるのです。

 

 

以上、とても気に入ったのですが、ひとつだけ不満というか混乱がありました。

冷凍食品のごはんものですから平皿に盛りつけてレンジにぶっ込むのですが、
平皿で調理するとお箸で食べにくいのです。

それで、スプーンで食べたのですが、あさりめしをスプーンで食べている自分に
なんだか混乱してしまうのです。
チャーハンやピラフならこんな悩みはないのに。
こんな形で出会わなければ私たちは……という気分になってしまいます。


や、茶碗に移せばいいんですけどね。めんどいじゃないですか。

茶碗でレンジ入れればいいんですけどね。中の方が解凍できなさそうじゃないですか。


この、「和もの冷凍ごはん」をどう解凍して、どう食べるかというのは
私の今後の研究テーマになりそうです。



それにしてもあさりめし、いいですね。
こういう路線、アクリの方々にはもっと突き詰めていただきたいです。

冷凍食品は競争が熾烈だと聞きますが、このあさりめしが生き残ってくれますように。

 

 

 

 

「松永久秀」編 天野忠幸さん(宮帯出版社)

 

最近出た書籍「松永久秀-歪められた戦国の“梟雄”の実像-」にかんたんしました。

 

宮帯出版社/商品詳細 松永久秀 歪められた戦国の"梟雄"の実像 天野忠幸 編

 

長い記事になりますので、興味のある箇所だけでも読んでいただけると幸いです。

 

 

松永久秀……戦国時代ではそれなりに有名な武将であります。


古くは何度も織田信長に刃向った「裏切りの謀将」として。
あるいは「主君と将軍と大仏を殺した三悪の魔将」として。

信長の野望での義理の低さから「ギリワン」と呼ばれたり、
最期は自爆したとの俗説からボンバーマンと呼ばれたりもしています。

近頃では信長の野望201Xなどで三好長慶大好きなツンデレ強面おじさん」として
別の側面がじわり有名になっていたりもしますね。
彼が主役の舞台「飛ばぬ鳥なら落ちもせぬ」はつくづく傑作でした。
「飛ばぬ鳥なら落ちもせぬ」企画演劇集団ボクラ団義 - 肝胆ブログ


何にせよ、おおいにキャラ立ちしている人です。

 

この書籍の帯にはこんなことが書かれています。

主家滅亡 将軍殺害 大仏消失
三悪”逸話は後世のねつ造だった!
三好義興も足利義輝も殺しておらず、大仏消失も敵陣の攻撃以上の意味を持たない。…(中略)…三好長慶に対しては、謀反どころか専横な振舞いすらなく、忠義を尽くした。…(中略)…久秀にとって下剋上とは、江戸時代に創作されたような、傲慢な振舞いをしたり、上位者を殺害したりする単純な話ではない。それまでの社会秩序や世界観をしたたかに変えていこうとする運動であったと言えよう。(本書「松永久秀の再評価」より)

 

読んだみたところ、多くの興味深い切り口で研究が進展していることに
敬意と関心を抱きつつも、“実像”が明らかになったとまでは言えない状況、
「俺たちの久秀研究はこれからだ!」という段階のようですね。

三好長慶松永久秀の時代はこれまでの研究の蓄積が薄くて、
室町時代研究の延長線、あるいは織豊時代研究の前史として時々触れられつつも、
基本的には「ポテンヒット」で放置されてきました。

信長以前の畿内が人口に膾炙するにはいましばらくの時が必要なのでしょう。



書籍は4章構成です。

学術書なので内容をかいつまんで説明するのは難しいのですが、
一応私の感想を添えさせていただきます。



序章 総論

 

松永久秀の再評価(天野忠幸さん)

三好家ファンの間では有名な天野忠幸さんが執筆されているパートです。
この書籍全体のプロデュースもなされているようで。

天野氏による松永久秀のポイントは

 ・永正五年(1508年)、大阪府高槻市生まれ説が有力。
  三好家譜代家臣ではなく、三好長慶によって抜擢された。

 ・三好長慶・義興を裏切ったことはない。義興が病に倒れた時は悲嘆している。

 ・母と妻を大事にする家族愛に溢れた人物である。

 ・足利義輝を討ったのは久秀ではなく、三好義継や息子の松永久通などである。
  隠居していた久秀は三好家次世代の行動に不安を感じ、足利義昭を保護した。

 ・その義昭が反三好勢力のところへ出奔したのは久秀の失態である。

 ・東大寺炎上は、東大寺三好三人衆に味方し陣地を提供したからであり、
  結果として大仏殿は焼けたが、久秀は大仏の再興に向けて尽力している。

 ・久秀は信長上洛時に降伏したのではなく、足利義昭一派として同盟を結んだに
  過ぎない。その後、久秀は信長に背いたというよりは、筒井順慶を支援した
  足利義昭に手切れしたのである。信長に背いたのは最後の一度だけ。

 ・「平蜘蛛を抱いて爆死」は第二次大戦後に生まれた俗説である。

辺りでしょうか。

これまで天野忠幸さんが主張されていたことを再度まとめられている感じです。

そうなると、松永久秀という人物は

三好長慶・義興死後の三好家次世代の暴走や、三好三人衆・篠原長房・
 足利義昭織田信長など実力者たちのうねりを
上手くさばききれなかった、
 本来は楽隠居していたはずの気の毒なお爺ちゃん」

ということになってしまいます……。

三好義興が死なずに三好家と畿内政局があのまま安定していたら、
久秀は長慶の思い出を胸に余生を過ごせていたのかもしれませんね。

三好義継や松永久通では制御不能になった天下政情を鎮めるために隠居撤回。
(久通はともかく、義継はいきなり三好家総領になったのだから無理もありません)

気の毒な、本当に気の毒な……。

 

 

第1章 久秀を取り巻く人々

 

松永久秀の出自と末裔(中西裕樹さん)
松永長頼(内藤宗勝)と丹波(高橋成計さん)
久秀の義兄・武家伝奏広橋国光と朝廷(神田裕理さん)
松永久秀と将軍足利義輝(田中信司さん)
松永久秀興福寺官符衆徒沙汰衆・中坊氏(田中慶治さん)

それぞれ興味深かったのですが、
三好政権(義輝和睦後)の政権運営に興味のある方は「松永久秀と将軍足利義輝」、
呉座勇一さんの「応仁の乱」を読んだ方は「松永久秀興福寺官符衆徒沙汰衆・
中坊氏」のパートが面白いのではないかと思います。

三好長慶松永久秀勢力が増す中、上野信孝や進士晴舎(ともに義輝近習)は
どんな気持ちだったんだろう、そりゃムカつくよね、口惜しいよね、とか。

奈良における「興福寺」の存在って本当に大きいなあ、叶わんなあ……とか。

色々思うところがありました。


個人的には「松永長頼(内藤宗勝)と丹波」に惹かれます。

松永長頼(久秀の弟で、丹波を支配した有能武闘派ですよ)の事績は
兄以上によく分からないですし、丹波戦国史も滅法複雑でよく分からないですし。

全盛期の松永長頼は若狭進出まで手掛けていたのですが、
三好長慶・義興父子の死後、赤井直正との戦で戦死してしまいます。

何しろ丹波という土地は山と盆地の連続で一国一面支配が難しい上、
波多野・宇津・赤井……と国人方も戦は強いわ離合集散するわで厄介なのです。
(後に明智光秀さんも苦労されていました)

「じゃ、丹波よろしく」と新参者に任せた長慶も長慶ですし、
それを相当程度まで上手くこなしていた長頼も長頼だと思います。
(同じく、あの大和支配にトライして一定の成果を出した久秀も久秀です)

ディープですが、丹波戦国史は面白いですよね。
天下≒畿内のすぐ隣にある魔境という感じで。

細川京兆家の内乱でも丹波国人衆は重要な役割を担いましたし、
もう少し勉強してみたいと思いました。

なお、どうでもいい話ですが丹波には「鬼饅頭」というあんこの塊のような
暴力的でおいしいお菓子がありまして、何度か食べたことがあるのですが
「普段からこんなん食べている人たちならそりゃ戦強いわ」と得心した記憶があります。

 

 

第2章 久秀の城と町

 

大和多聞山城研究の成果と課題(福島克彦さん)
松永久秀と楽市(長澤伸樹さん)
松永久秀信貴山城(中川貴皓さん)
久秀の時代の堺(藤本誉博さん)

この章は久秀の城郭と内政です。

関西の人にとって一番興味深いのは「堺」論でしょうか。

教科書とかでも堺の「自治」を強調されてきた経緯がありますので、
細川家や三好家との関わりが濃かったような新説は一般に馴染みが薄く、
かつ、受け容れられがたいような気がします。

堺の人の中には「俺たちは自治都市堺の末裔、お上なんかには頼らんわ」という
気概をお持ちの方がいるかもしれませんし、「むしろ時の権力と上手くつきあう
ことに定評のある町ですよね」とか口にしたら怒鳴られるかもしれません。

歴史研究が地域の人々にどう受け止められていくか、見守りたいと思います。


多聞山城・信貴山城の研究、楽市の研究については詳しく知りませんでしたので、
楽しく勉強させていただきました。

とりわけ城郭研究はどうしても織豊期以降、なんなら江戸時代初期の
「総石垣」「漆喰壁」「天守閣」な美しい城に注目が集まりますので、
中世山城は……地味で、研究が遅れているのも仕方ないのかな、と思います。

読ませていただく限り、研究者の中には(一般人も?)「安土城最高」という
前提がありそうな雰囲気で、多聞山城のように「プレ安土城」っぽい城を
どう位置付けていくのか皆さん苦労されているっぽいのは面白いです(笑)。

また、松永久秀については「三好家時代」と「織田家時代」の両面があって、
どの事績がどちらの時代のものなのかを判定するのが大変そうです。
確かに、三好家時代なら「先進的」という評価になりますし、
織田家時代なら「織田家好取組の横展開」という評価になりますから、
判定は慎重にせねばなりません。

着実な研究・分析を続けられている学者の方々には頭が下がる思いです。

 

 

第3章 久秀と戦国の文化

 

松永久秀茶の湯(神津朝夫さん)
法華衆の宗徒」松永久秀-永禄の規約を中心に(河内将芳さん)

文化・宗教面の軌跡です。

久秀は九十九茄子・平蜘蛛釜と所持していた名物がよく話題になりますね。
茶の湯を始めたのがけっこう遅いのは知っていたのですが、
長慶死後はあまり茶の湯活動が確認できないのは存じませんでした。

史料の関係で断定はできないのですが、1554年義輝追放後~1564年長慶死亡の
十年間くらいしか茶会記録には登場しないようです。

その後はそんな気分になれなかったのかもしれませんし、内乱や信長との戦いで
忙しかったのもあるでしょうし、大仏が焼けて気まずかったのかもしれません。
茶の湯が織田家系武将にも急速に広がっていく中で、「オールドファン」として
「最近の茶の湯はつまらん」みたいな心境だったのならかわいいと思います。


法華宗徒としての久秀、「永禄の規約」の意義などは以前から論じられていました。
割と真面目な檀家だったようで、そのおかげで法華宗関係者からは感謝されたり、
キリスト教関係者からは憎まれたりしています。

いかんせん精神的な領域ですので、史料から法華宗徒としての久秀の内面を
語るのは難しいのですけど、代わりに久秀母のエピソードが紹介されていて
微笑ましかったです。

三好長慶松永久秀、更には当時の豪商・茶の湯関係者は宗教界との関係が強く、
そのことがまた現代人による彼らの人物理解を難しくしていると思います。
長慶や千利休を学ぶには禅宗にも触れざるを得ませんし、久秀は法華宗だけでなく
興福寺との関係を考慮する必要がありますし。

敷居、高いですねえ……。

 

 

第4章 各地の下剋上

 

関東足利氏と小田原北条氏(長塚孝さん)
陶晴賢の乱と大内氏(萩原大輔さん)
斎藤道三・一色義龍父子と美濃支配(木下聡さん)
安見宗房と管領家畠山氏(弓倉弘年さん)
宇喜多直家(森脇崇文さん)

真っ黒なラインナップですね。
ここで唐突に、久秀とは直接関係しない各地の下剋上メンツの紹介となります。

ページが余ったのかと一瞬考えてしまいました(笑)。


この章はおそらく、天野忠幸さんによる計らいで、
「戦国時代当時の下剋上・家格秩序の相場観」を読者に醸成したいという
趣旨で挿入されたのでしょう。

天野忠幸さんによる著作でしばしば出てくる当時の常識の具体事例として。

 ・足利義輝や細川晴元を殺さなかった三好長慶をヌルいという人がいるけど、
  そんなん当時の常識やからね!
   ⇒古河公方を滅ぼさなかった北条家、土岐頼芸を追放に留めた斎藤道三

 ・当時の家格秩序ってすごいんだからね、そうそう克服なんてできないからね!
   ⇒大内義隆死亡後に大友家から晴英を招聘した陶晴賢

 ・家格秩序が凄いから、成り上がり者はみんな姓を変えるんだよ!
  三好・松永のまま偉くなった連中の頭がおかしいんだよ!
   ⇒「斎藤」ではもたないので「一色」に改姓した義龍

 ・そもそも下剋上を「人間性の邪悪」に紐づけるのではなくて、
  当時の情勢や立場を考慮しないとダメだよ!
   ⇒宇喜多直家の生涯

というような思いを汲み取ってほしいのかな、と。


安見宗房の縁者(安見右近)が安見流砲術の祖になっていたことや、
津田監物(畿内に鉄砲を伝えたといわれる人)が宗房と地元が同じ(交野市)とは
存じませんでした。

この宗房さんもマイナーながら面白い人物ですよね。
応仁の乱以降、河内は傑物癖物が続出して大変なことになっています。


信長の野望 創造で陶晴賢さんの顔グラが超イケメンになったせいか、
厳島の戦いのこんな記述……

世に言う厳島の戦いである。大内軍を率いた総大将は陶晴賢だったが、毛利軍の前に大敗を喫し、厳島の地(現広島県廿日市市)で波乱に満ちた生涯を閉じた。享年三十七と伝わる。いうなれば、晴賢は大内氏に殉じた最期であったとさえ評せよう。

を読んだだけで「クッ……」と涙ぐんでしまいました。
顔グラって怖い。
201Xの晴賢さん欲しい。

 

 

私見

 

二点だけ、全体を通じた個人的な感想を書きます。

 

①木沢長政と遊佐長教の存在感。

各章の中で、ちらちらっとこの両者の名前が出てきます。
(特に大和史料の中における木沢長政)

河内・大和史の中で、あるいは河内畠山家の歴史の中で、
両者はやはり異常な立ち位置にいるのだなとあらためて実感しました。

三好長慶が勃興する中で両者は滅び去りましたが、少し歯車が違っていたら
歴史は全然異なる方向に進んでいたのかもしれません。
それだけの深さ・大きさを感じる両名であります。

201Xで☆4で出てきてほしいです。
異聞 御館の乱で「死者の復活」はアリだと分かりましたし。
まつりさんも秀吉さんもドン引くような河内異聞が見たいの。

信長の野望「大志」での登場・能力アップにも期待しています。
どんな「志」設定になることやら。

 

②三好家「戦史」研究の薄さ。

桶狭間、姉川、長篠、川中島、三方ヶ原、河越、厳島、耳川……。
戦、とりわけ「野戦」は戦国時代の華であります。

三好家だって負けちゃいません。
元長時代の桂川原や大物崩れ、
長慶時代の太平寺、舎利寺、江口、教興寺、
松永久秀東大寺大仏殿とデカい戦は何度もやってます。
実は篠原長房が織田信長毛利元就二人を相手に戦ってたりもします

メンバーも人数も装備もすこぶる豪華です。
日本でもっとも早くから大量の鉄砲でドンパチしている連中なのです。

それなのに、「講談感」がまったくない。
「戦国時代のベスト合戦!」みたいなムック本にもまず登場しない。
戦国時代か? という大坂の陣島原の乱が出てきたりするのに。


この本でも久秀痛恨の敗戦として「辰市の戦い」が何度か紹介されますが、
詳しい戦の推移などは記されておりません。

もっとも、桶狭間や長篠が異常なくらい戦術レベルの研究や議論がされているだけで、
日本史における戦の研究はみんなそんなものなのかもしれませんけど。

それでも、一般人の関心を惹きつけるのはやっぱり「戦」ですよね。

専門の学者さんが研究するテーマではないのかもしれませんが、
もう少し三好家の合戦方面の話題が盛り上がってほしいと思います。


三好家って、「足利将軍権力の解体過程」「プレ織豊政権」として、
政権構造論から有名になってきていますから……。
持っている講談は文化芸術方面ばかりですから……。(除く鬼十河)

どうしても一般受けしないです。

普通の人は政権構造なんて興味ないです。
信長の桶狭間に興味はあっても足利義昭とのデリケートなバランスなんて興味ないです。
秀吉の水攻めに興味はあっても朝廷や諸大名とのデリケートな折衝なんて興味ないです。
家康だけゲーム化されないのは政治的人間なイメージがついてるからだと思いますし。


ようやく飯盛山城や多聞山城など「城」方面の話題が盛り上がってきたので、
そこから「野戦」方面のアピールにも繋がって欲しいなあ。

 

 

以上、とても長くなって恐縮です。

学術書ですし3,500円もしますので誰にでもおすすめという訳ではないのですが、
松永久秀に興味のある方はお目通しいただくと絶対楽しいと思いますよ。


3,500円……。

 

 

そうだ。三好家に必要なのは戦史研究だけではない。
「新書」だ。千円以内でサクッと読める本なのだ。

 

 


大手出版社さんが三好家の新書を出してくださいますように。
応仁の乱」の二匹目のどじょう扱いでもいいですから。


頑張れば採算取れるくらいは売れると思います!(根拠なし)

 

 

「装甲騎兵ボトムズ(TV)」高橋良輔監督(日本サンライズ)

 

いっぱい語りたいので、ちょっと長い記事になります。

テレビシリーズの「装甲騎兵ボトムズ」(全52話)を視聴し、
その格好よさにかんたんしました。

 

ボトムズWeb

 

 

ボトムズ……最低野郎たちの挽歌……
ご存知の方も多いような、それほど多くもないような。

ネットをよく見る方なら、こんなコピペを見たことがあるかもしれません。

■一般人の認識

ガンダム:安室とシャーがたたかう話
エヴァ:パチンコ、あやなみが可愛い
マクロス:歌う
ギアス:何それ
ボトムズ:アストラギウス銀河を二分するギルガメスとバララントの陣営は互いに軍を形成し、もはや開戦の理由など誰もわからなくなった銀河規模の戦争を100年間継続していた。
その“百年戦争”の末期、ギルガメス軍の一兵士だった主人公「キリコ・キュービィー」は、味方の基地を強襲するという不可解な作戦に参加させられる。
作戦中、キリコは「素体」と呼ばれるギルガメス軍最高機密を目にしたため軍から追われる身となり、町から町へ、星から星へと幾多の「戦場」を放浪する。
その逃走と戦いの中で、陰謀の闇を突きとめ、やがては自身の出生に関わる更なる謎の核心に迫っていく。


よくできたコピペだと思います。

私もボトムズは遠い昔に再放送で数話見たことがある気がするだけで、
あとは第2次スーパーロボット大戦Zマジンガーとゲッターの次くらいに
愛用していた程度の知識しかありませんでした。

(主人公のキリコがとても格好いいので印象に残っていた)


で、最近TSUTAYAでレンタルしているのを見つけたので、
何箇月かかけて全52話を観てみたのです。


観た結果……


観てよかったです!
こんなに素敵なラブストーリーだったのか! と驚きました。

何よりキリコが本当に格好よい。
ボトムズこと登場メカ(AT)がいい。
トーリーに見応えがある。
主題歌とBGMに嵌まる。

これは……昔からボトムズの世界観に夢中になってしまう野郎どもが
多いのも納得です。

もっと早く観ていれば、私も古参の最低野郎になっていたことでしょう。

これからはルーキー最低野郎としてOVAの視聴に移ろうと思います。

 

折角なので、ボトムズの魅力を私なりに書いていこうと思います。
ネタバレ要素を含みますのでご留意ください。

 

 

 

 

 

 


トーリー

 


大まかなあらすじは冒頭のコピペの通りです。

<オープニング>
銀河規模の戦争が終わる頃、機密作戦に参加していたキリコは
「素体」と呼ばれる謎の女を発見してしまう。


<ウド編(第1クール)>
「素体」(最高軍事機密)を見てしまったキリコは軍や「秘密結社」から
追われる身となり、「ウド」という宇宙の吹き溜まりのような町に潜伏する。

ウドでは秘密結社と繋がりを持つ「治安警察」と敵対することに。

治安警察の中には、オープニングで出会った「素体」の女がいた。
女の正体は「パーフェクトソルジャー(PS)」と呼ばれる人工的に
肉体や反射神経を強化された兵士だった。

戦いの中、キリコは素体の女のことを何故か「フィアナ」と呼んでしまう。

フィアナ(素体かつPS)もまた、誕生直後に初めて見た人間である
キリコに惹かれていた。

治安警察と軍が衝突し、ウドが灰燼と化す中、キリコとフィアナは
離ればなれとなりながら町を脱出する。


<クメン王国編(第2クール)>
傭兵となったキリコは内乱が続くクメン王国にいた。

相手側はウドの治安警察と同じく、「秘密結社」と繋がりを持っていた。
ので、相手側のところにフィアナがいる。

キリコは戦場で青い機体の敵と相対する。
その実力は「パーフェクトソルジャー」そのもの。
キリコは相手のことをフィアナだと勘違いするが、相手の正体は
二人目のPSこと「イプシロン」だった。

この内乱にも軍が介入してきて相手側の勢力は壊滅。
キリコはフィアナを連れてクメン王国からロケットで脱出。


<謎の宇宙船編(第3クール)>
クメン王国から宇宙に逃れたキリコとフィアナは、謎の宇宙船に取り込まれた。

宇宙船の中には誰もいない。

とりあえずフィアナといいムードになりかけたところ、
突然船内に「レッドショルダーマーチ」が鳴り響く。

モニタに映し出されるレッドショルダーの暴虐な戦記映像。
そう、キリコは「吸血部隊レッドショルダー」の生き残りだったのだ。

自分の穢れた過去を思い出したキリコは苦しむ。


<惑星サンサ編(第3クール)>
宇宙船が辿り着いたのはレッドショルダーがかつて荒らしまわった惑星サンサだった。

キリコはかつてレッドショルダーの手で家族を失った女に命を狙われる。

加えて、秘密結社の追っ手としてイプシロンが襲来。

死闘の果て、キリコはイプシロン勝利する。
そのことはすなわち、キリコがパーフェクトソルジャー以上の戦士であることを
意味していた。


<惑星クエント編(第4クール)>
キリコの正体は、何千年にも亘る戦争の果てに出現した「異能者」だった。

そして、全宇宙の歴史は数千年前の異能者である「ワイズマン」の手で
影から操作されていたことが判明。

ワイズマンはキリコを自らの後継者に選ぶ。

キリコは仲間を裏切り、秘密結社を従え、ワイズマンのもとへ向かう。
(秘密結社の正体はワイズマンの尖兵だった)

ワイズマンがキリコに力を引き継ごうとした瞬間、キリコは芝居をやめ、
ワイズマンを滅殺する。

「たとえ神にだって、俺は従わない」

神殺しとなったキリコは、自分の力を誰からも利用されないよう、
また、フィアナと同じ時を過ごすことができるよう、
フィアナとともにコールドスリープに入る。

 

以上。
すみません、軽く触れるつもりが長くなりました。



トーリーの魅力は……重厚なSF史劇を舞台装置として活用しながら、
キリコとフィアナのラブストーリーを描き切ったことにあると思います。

レッドショルダー、パーフェクトソルジャーという互いの出自。
陰謀と虚実に彩られた二人の出会い。
戦争で幾度も引き裂かれる邂逅。
イプシロンというライバル。
そして、神と運命の克服。

恋を盛り上げる要素がすべて詰まっているといっても過言ではありません。

むせ返るような戦闘シーンに心躍らせつつ、全52話を通して背骨となっている
キリコとフィアナの関係に注目してみましょう。


……それにしてもフィアナさんがラストまで生き残ってくれてよかった。

こういう位置づけのキャラって、40話くらいで死ぬイメージがあったもので。
コールドスリープ後の運命がどうかはともかく、最終話でようやく二人が
安息できたことは何よりのハッピーエンドだと思います。

 

 

登場人物(キリコの魅力)

 


ロッチナさんの渋すぎる次回予告(本編の役割はキリコストーカー)や
ココナさんの親近感の湧くウザかわいさが大好きなのですが、
クメン編の登場人物はみんなキャラが立っていて超好きなのですが、
魅力的な人物が多すぎるので一人ひとりに触れるのはやめておきます。


主人公のキリコ・キュービィー

この方は“超人”“異能者”と呼ぶに相応しい強さを持った人物です。
他のロボットアニメ全般と比較しても、キリコさんほどのパイロットは
そうそうおりません。

パイロットの腕で見ればガンダムアムロさんやマクロスのマックスさんなどの
怪物も思い浮かびますが、こと「生き残る」一点にかけてはキリコさんがすごい。


キリコさん、けっこう負けてるんですよね。

治安警察や軍にもしばしば追い詰められているし、
イプシロンさんにはしばしばボコボコにされたし。

「全話を通して無傷のまま無双しました」という訳ではないのです。

ですが、キリコさんは撃墜されつつも絶対に生きて帰ってきます。
むしろ撃墜されてからが本番なんじゃないかというくらいタフです。
半分はロボットアニメ、半分はコマンドーって感じに。

更に、回を追うごとに操縦技量もめきめきと上がっていき、
最終的には何度か負けたイプシロンをも圧倒するようになっていきます。

敵が強くなれば、その分キリコさんも強くなって、絶対に生き残る。

こんな兵士は怖すぎます。畏怖の対象です。

 

そして、「強さ」以上のキリコさんの魅力。

それは「人格」であります。
キャラクター性に惚れ惚れしてしまうのです。


かわいい。

無口なのに、内心ではけっこう饒舌なのです。
毎話毎話、ラストシーンなどで詩というか散文を語ってくれます。

そこは俺にとって、懐かしい匂いのするところだった。 手には冷たい鉄の肌触りしかなかったが、慣れ親しんだ温もりが蘇ってきていた。
俺はおふくろの胸に抱かれたような気持ちになって、いつの間にか眠ってしまった……。

クメンでの旅が終わった。自分だけのために選んだ地獄をフィアナのために捨てたのだ。愛……かつて俺が愛のために戦っただろうか。

ココナ、ゴウト、バニラ、シャッコ。みんなに会えて良かった。そして、フィアナ……。

仏頂面でこんなことを考えているのか! とキュンキュンします。

フィアナの前で格好つけて酒を飲んだ時なんて、口にした途端むせまくって
「なんでこんなものを、みんな美味そうに飲むんだ……」ですからね。

こんなん惚れてしまうやろ。

  

弱い。

長年の戦争で、キリコさんの内面はぼろぼろなんです。

レッドショルダー時代のトラウマに苦しむキリコさん。
昔のことを思い出さないようにしているキリコさん。
人とのかかわりを極力避けようとするキリコさん。

きっと、もともと誰よりも傷つきやすい人柄だから無愛想なキャラになったんだ。

こんなん惚れてしまうやろ。

 

やっぱり強い。

トーリーで触れた通り、自分は誰にも支配されないと、
遂には神殺しまでやってのけます。

目的を果たすためなら、フィアナを始め仲間をも裏切ったふりをします。
なんなら躊躇なく仲間を撃ち抜きます(死なない程度に)。

この意志の強靭さ。

フィアナのためならどこにだって殴りこんでいきます。
フィアナのためならイプシロンにだって勝ってしまいます。


キリコさんの魅力を色々挙げましたが、私が思う一番の魅力は
「目的を絶対に果たす」意志の強さ・ブレなさです。

余計な口上をべらばら謳うこともなく、黙って突っ走ってやり遂げる。

こんなん惚れてしまうやろ……。



メカの魅力(アーマードトルーパー)

 


ボトムズの世界では、人型機動兵器のことをアーマードトルーパーと呼びます。
ガンダムで言うモビルスーツマクロスで言うバルキリーです。

このアーマードトルーパー(AT)、うっすい鉄板でつくられたやっすいメカで、
敵の銃弾は簡単にコックピットまで貫通し、挙句簡単に爆発します。

通称「鉄の棺桶」「ボトムズ(最低野郎)」


量産品ですから、あちこちでスクラップが落ちています。
キリコさんはいつも簡単に乗り捨て、また現地でATを調達するのです。

数えてませんが、全52話で10回くらい乗機が爆発していた気がします。


でもこの量産感がいいんですよね……。
「あとはパイロットの技量次第です」という突き放した感じが。

私はガンダムシリーズの量産機ではジムよりもザクよりもリーオーが好きなんですが、
このATはあのリーオーの魅力を更に高めたような機体だと思います。


ATの挙動で好きなのは、空から降下してきた時の着陸時のアクション。
スクワットみたいな動きで衝撃を殺すあの膝の動きが格好いい。

ローラーダッシュももちろん疾走感と迫力があって好きなのですが、
個人的には「横スライド」時のATが無機質な兵器の美しさを感じて
更に好きです。

例えばクメン編終盤で、キリコのもとにポタリアとキデーラとシャッコが
助けに来てくれるシーン。
三機揃って崖を横スライドで下りながら援護射撃してくれる場面に痺れました。

複数の量産機がシンクロして横に並んで動くさま、なんかいいんですよねえ。
真ゲッターロボ対ネオゲッターロボでプロトゲッター2が襲いかかってくるとことか。


量産機の魅力とはまた違いますけど、最終話付近でキリコが「ラビドリードッグ」を
駆るところもよかった。

この機体、キリコさんには珍しい青色の機体ですが、
実はかつてイプシロンが載っていた「ストライクドッグ」の派生機なんですよね。

同じ秘密結社系統ですからたまたまかぶっただけなのかもしれませんが、
やっぱりライバルを想起させるメカで活躍する主人公という構図はグッときます。


AT、格好いいです。
フィギュアとか見つけたら買ってしまいそうです。

量産機にロマンを感じる方などは是非ご視聴ください。

 

 

主題歌とBGM

 


オープニングテーマの「炎のさだめ」、エンディングテーマの「いつもあなたが」

ともに名曲です。
52話ずっとこの曲なのですが、聞き飽きることはありませんでした。
炎のさだめの方が有名っぽいですけど、個人的にはいつもあなたがの方が好きです。

歌っているのはあの織田哲郎さんだそうで。
ZARD相川七瀬さんに楽曲を提供したり、踊るポンポコリンの作曲をしたりと
幅広く活躍されている方ですが、ボトムズもやってはったんですね。
後から知って驚きました。

 

BGMの「THE UNIVERSE END M-14」

ゾクゾクするような殺伐としているような不穏極まりないような、
不思議なくらい心に残る名曲です。
ロボット大戦でも使われていましたね。

フィアナとの出会いや戦闘シーンなどで流れていましたが、
何故か第3クール・第4クールになってくると使われなくなりました。

印象が強すぎるからでしょうか。
個人的にはもっと聞きたかったです。

 

「レッドショルダーマーチ」

本当に唐突に流れるので、インパクトが凄かったです。
一緒に観ていた友人がしばらく口ずさむようになってしまったくらい。

オリジナル曲ではなく、イタリア映画から持ってきた曲だそうです。
スタッフの発想というか、対応力にかんたんします。

ターンタッカタカタカターン。

 


終わりに

 


色々語りましたけど、あらためてまとめると「キリコさんの魅力」が一番かな、
と思います。

同じ世界観の続編や、メカとしてのATが出てくる続編なんかも惹かれますが、
やっぱり一番観たいのは「キリコさんが活躍する続編」なんです。
OVAを借りるのがいまから楽しみです。

 

こうしてつらつら書いてみると、ボトムズを知らない人には冗長で、
ボトムズを知る人には今更感のある内容になってしまった気がいたします。

文章を書くのって難しいですね。
実力不足が恥ずかしいです。



ルーキー最低野郎としてもっと腕を上げられますように。

 

 

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「エプロンひめのキラキラ☆プリンセスケーキ」作 藤真知子さん / 絵 みずなともみさん(WAVE出版)

 

女の子向けの絵本「エプロンひめのキラキラ☆プリンセスケーキ」に
かんたんしました。

 

エプロンひめのキラキラ☆プリンセスケーキ【WAVE出版】

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アニメ調のかわいい女の子がケーキをつくって活躍する内容です。
巻末にケーキのレシピも載っているのでちびっ子の喰いつきは抜群でした。
(断りかねて、別のレシピのケーキを焼いてあげて一緒に食べました)


75ページくらいですので、何回かに分けて読み聞かせするには程よい分量ですよ。


以下、ストーリーのネタバレを含みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


トーリー。


エプロン姫がケーキづくりの修行の旅に出ます。

親戚の伯父さんがケーキコンテストを主催しているところに出くわします。
叔父さんは各国のプリンセスからモテモテで、ケーキコンテスト優勝者と
結婚することになっています。

叔父さんはまだ結婚したくないのでエプロン姫にもコンテストに出てもらって、
「叔父と姪は結婚できない」という微妙にリアルな口実で結婚を逃れようとします。

エプロン姫は焼いたケーキにある仕掛けをします。

コンテスト当日。
エルザか雪女みたいな氷系能力者のプリンセスが乱入してきて、
エプロン姫の友達を氷漬けにしてしまいます。

エプロン姫は自分のケーキを燃やして投げつけて氷姫を撃退します。

実はエプロン姫、ケーキに「ダイヤモンドをぎっしり散りばめたデコレーション」を
施していて、そのダイヤモンドを燃やしてしまったのです。

こうしてエプロン姫は武勲を理由にコンテストで優勝。
めでたしめでたし。

 


個人的に感心したのは、ダイヤモンドを燃やすクライマックスのシーンです。


探偵ナイトスクープでも取り上げられたのでご存知の方も多いと思うのですが、
ダイヤって燃えるんですよね。
もともと炭素の結晶ですから、燃えると全部二酸化炭素になっちゃうそうです。

左巻健男さんという理科教育で有名な方がいらっしゃって、
何かの著書で実験のエピソードが載っていたことを覚えています。

確か、化学で習う理論を実際に生徒に見せてあげよう! ということで、
実演にトライしたということでした。
教育者の鑑ですね。

で、苦心してダイヤの原石を手に入れたものの、ガスバーナーの火を当てる
くらいでは全然燃えてくれない。

最終的には燃えにくい素材で熱を溜める仕組み(窯のようなもの?)をこしらえ、
そこにダイヤを入れ、酸素ボンベで酸素をぶっかけながらバーナーで加熱という
荒業で、ついにダイヤは白く輝いて燃えたそうであります。

生徒さん方は感動したことでしょう。
ここまでやってくれる先生に出会えるなんてなかなかないことです。

 

 

そういう訳で、ダイヤは燃えるのです。

800度くらいで燃えるそうですから、エプロン姫は800度の火の玉を
ぶん投げたということになります

ジョジョの奇妙な冒険第2部のエシディシが使用する「怪焔王の流法」が
500度なので、エプロン姫の瞬間最大攻撃力は柱の男以上という計算になります。
(厳密には温度だけでなく量を比較せねばなりませんが)

さすがはプリンセス。

 

そんな話を聞かせてあげると、ちびっ子も興味津々になります。

「ダイヤって燃えるんだよね!(燃やしてみたい)」とご婦人方の宝石を
凝視するようになりますから、教育効果はばっちりですね。

子どもに化学への関心を抱かせるネタをさりげなく仕込んでくれている、
作者さんの技量はすごいものだと思います。



絵本って、侮れないですよね。

子どもと関わることがないと、絵本と関わることも減ってしまいます。
自分にとっても新鮮なインプットとして、引続き絵本と付き合っていきたいです。


そして逆に、子どもたちが大きくなったらゴルゴ13の名作
「死闘ダイヤ・カット・ダイヤ」を紹介してあげるつもりです。

ダイヤモンドの価格がどうやって決まっているか知ってるかい……? とね。



ダイヤの価値を“幻想”という人も多いですが、
私個人はそういうファンタジーが嫌いではありません。

永遠の輝きだと信じていいと思いますし、
ダイヤを贈ることに意義を感じてもいいと思います。



一種の信仰として、ミームとして、これからもダイヤが輝き続けますように。

 

「ブラックティガー 第2話」秋本治先生(集英社グランドジャンプ)

 

秋本治先生の新連載「ブラックティガー」の第2話にかんたんしました。

 

最新号の内容|集英社グランドジャンプ

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(立ち絵からして格好いい)

 

 

「ブラックティガー」は女性ガンマンを主人公にした西部劇漫画です。

ページ数多めの1話完結型の漫画で、年数回の不定期連載になる模様。

 

おおきくは「美人が外道を撃ち殺す」バイオレンス漫画です。

1話の時点で「格好いい!」という印象が強く残りましたが、
今回の第2話では格好いいのはそのまま、なおかつスカッとしました。

端的に内容を要約すれば、
ロリコン死すべし。


私も最近の事件をひきずっているのかもしれませんが、
「よしっ!」と思ってしまいました。

天誅もの」の伝統的殺され役といえば悪徳政治家ですけど、
現代世相だと「賄賂・汚職」よりも「市民の安全を脅かす悪漢」の方が
シンプルに共感できるのかもしれません。


物語の終盤、難敵と戦うか和解するか決断を迫られる場面があるのですが、
「どれだけ有能だろうがロリコンは殺す」という
主人公の真っ直ぐな姿勢がとてもいい。

るろうに剣心斎藤一ヘルシングアンデルセン神父なんかが代表事例ですが、
自分の中の絶対的な善悪基準に従って即断即決するキャラはいいですよね。

ブラック・エンジェルズの「親がみていようがみていまいが外道は殺す!!」を
思い出してしまいましたよ。
(こんな台詞が週刊少年ジャンプに載っていたんだからおおらかな時代でした)

 

 

この「ブラックティガー」、とにかく力強い魅力に溢れています。


まず作画が力強い。
最近の漫画では珍しいくらい画面が「黒い・濃い」のです。
土と火薬の匂いが濃厚で、荒涼としていて、塵芥のように人が死ぬ。

服を脱いでいる時の主人公は黒い画面の中で白い花のようなアクセントですが、
服を着ている時の主人公は一番真っ黒で審判の鎚のように強大なのです。

両津勘吉でもMr.クリスでもない、秋本治先生の新境地ですね。

 

トーリーも力強い。

ところどころ強引で漫画的なのですが、ページの分量を踏まえて
バトルシーンに尺を割くためにはこれでいいのだと思います。

意外と、西部劇や時代劇って工夫しないと展開が地味になるんですよね。

例えばいくら「凄腕」のガンマンだからといって、
一瞬で40人を殺害するのは無理だと思います。

でも、40人を瞬殺した方が絶対にストーリーは盛り上がりますから、
「スネイルマガジンといった専門用語」と「迫力ある作画」で
強引に納得させてもらった方が読者も楽しい。

荒唐無稽過ぎない、白けさせない加減を見極めたうえでの
力強いストーリー展開。

さすがだと思います。

 

 

以上、「いい映画を観た」ような読後感に浸れました。

こち亀時代からそうなのですが、秋本治先生のストーリー構成は
昭和の名作映画シリーズ……例えば寅さんや眠狂四郎のように、
「どの作品から観ても大丈夫」「どの作品も安定して面白い」という
美点を有しておられて、これは希有なスキルだと思うのです。

尋常でない抽斗と研鑽なしにはこんなことはできません。
ものづくりの道の手本のようなお方だと思います。

 

安定して面白い読み切りを創作できるベテラン漫画家さんのことを
もっと評価し、もっと敬意を払う風潮になりますように。

 

 

 

 

「'17大相撲夏場所番付表、相撲界の毛利三兄弟」

 

’17夏場所の番付表にかんたんいたしました。

 

番付表 - 日本相撲協会公式サイト

 

先場所からのことですが、やっぱりまだまだ4横綱という豪華な番付表に
目が慣れませんね。

稀勢の里による80年ぶり「初優勝から3連覇」(前回達成者は双葉山)に
期待が集まっておりますが、怪我の具合が未知数ですし何とも言えません。

個人的にはV40という新たな目標を見つけた白鵬の逆襲に期待したいと思います。



横綱陣に注目が集まりがちですが、関脇陣も3人と珍しいことになっています。

春場所時の序列と成績は

 玉鷲  8勝7敗
 高安  12勝3敗
 琴奨菊 9勝6敗

という結果だったのですが、今場所もこの序列通りの番付となりました。

12勝して大関取りがかかる高安を東に持ってくるという噂もありましたけど、
玉鷲も勝ち越している以上、飛び越すことは不自然だという判断なのでしょう。

それにしても関脇陣が3人いて3人とも勝ち越しているというのはすごいことです。



前頭では、イケメン千代の国が筆頭まで上がってきました。
大変嬉しいです。
ぜひ臆せずに上位陣を引っ掻き回してほしい。



今場所は幕内の下位陣にも注目です。


十両から返り咲いた、未完の大器千代大龍
近代アスリートの真逆の道を進んでいるようなこの古き良き「お相撲さん」、
ぜひ大暴れして三賞をひょっこり獲ったりしてほしいです。


前頭十五枚目で踏み止まっている妙義龍と魁星。
信じられますか、あの妙義龍と魁星が崖っぷちなんですよ。
3関脇が盛り上がっている横で、この元関脇たちがどれだけ気を吐くか。
絶対今場所は気合が入っていると思います。

 

 

ところで、今日は次のニュースが気になって番付表に集中できませんでした。

しこ名で毛利元就“三本の矢”そろう 若隆元、若元春、若隆景が3兄弟関取目指す (スポーツ報知) - Yahoo!ニュース


荒汐部屋の「若隆元」「若元春」「若隆景」、
名付けて相撲界の毛利三兄弟。
(「若元清」はいません)


少し前に、貴乃花部屋「貴景勝」も話題になりました。
201Xで異聞御館の乱が絶賛開催中のあの上杉景勝由来です。

相撲界、戦国時代がブームなんでしょうか。


ちなみに若~の毛利三兄弟、本当に実の兄弟ということですが、
中国地方出身ではなく福島県福島市出身との事です。

福島市なら毛利家より伊達家の方がしっくりきますけど、
兄弟仲を思えば避けた方がいいのかもしれませんね。

毛利家にしても「若隆元」さんの健康が心配になっちゃいますが。
「若元春」さんの嫁取りが心配に(略)。
「若隆景」さんの養子が(略)。


そう言えば荒汐部屋にはモルとムギという猫がいて人気です。

『荒汐部屋のモルとムギ』出版記念 猫と力士のあかるい写真展 - ほぼ日刊イトイ新聞

あざといかわいさで国人衆を懐柔するさま、まさに謀神の手練手管。
これからの荒汐部屋の発展に期待ですね。

 

 

最後に。

佐田の山、市川晋松さんがお亡くなりになったそうです。

色々とエピソードはありますが、何よりもあの「大鵬」全盛期に喰らいついて
横綱に昇進された方なんですよね。
ある種、現代の稀勢の里に通じるものがあるような……。

ご冥福をお祈りいたします。

 


明るいニュースも残念なニュースもありますが、
これからも大相撲が盛り上がっていきますように。

 

「'17大相撲夏場所の結果 帰ってきた白鵬」 - 肝胆ブログ