肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

「観応の擾乱」亀田俊和さん(中公新書)

 

中公新書の「観応の擾乱」(かんのうのじょうらん)にかんたんしました。

 

観応の擾乱|新書|中央公論新社

観応の擾乱は、征夷大将軍足利尊氏と、幕政を主導していた弟の直義との対立から起きた全国規模の内乱である。室町幕府中枢が分裂したため、諸将の立場も真っ二つに分かれた。さらに権力奪取を目論む南朝も蠢き、情勢は二転三転する。本書は、戦乱前夜の動きも踏まえて一三五〇年から五二年にかけての内乱を読み解く。一族、執事をも巻き込んだ争いは、日本の中世に何をもたらしたのか。その全貌を描き出す。

 

 

同じく中公新書の「応仁の乱」に続いて、中世史本が売れていますね。

ちょっと驚くべき世相だと思います。
混迷深まる現代を中世室町期に仮託している読者が多いのでしょうか。

 

 


観応の擾乱」は上記あらすじのとおり足利尊氏・直義兄弟の対立によって初期室町幕府が分裂・内乱した事件のことを指します。


足利尊氏・直義兄弟は鎌倉幕府打倒・建武新政打倒において仲の良い兄弟として知られておりましたが。

いったい兄弟の間に何があったというのでしょう?


兄弟対立の原因は「太平記」の頃から色々と言われていて、一番メジャーな通説は足利家執事の「高師直」さんが邪悪な人柄だったせい説、他にも尊氏さんは後醍醐天皇と対立したくなかったけど直義さんが後醍醐天皇政権を崩壊させる主導をして尊氏さんがそのことを恨んでいた説などがありますね。

 


こちらの本では……可能な限りの一次史料を駆使してこうした通説を退けていきます。

とりわけ高師直さんについては通説で言われているような「私利私欲・傲慢」に対してかなりフォローが入っております。


その上で観応の擾乱の真因を「恩賞充行」「所領安堵」「訴訟」などへの不満、更には天災による不穏な世情・食糧不足等に求め、

不満の矛先は、当初は恩賞充行の業務を担っていた執事高師直に向けられ、次いで勝利したにもかかわらず味方の武士たちに報いようとしない直義に向かった。恒常的な災害の多発も、観応の擾乱を激化・長期化させたと推定できるのである。

とまとめられております

 


観応の擾乱は最終的に高師直さんも足利直義さんもお亡くなりになり、足利尊氏さんが勝利いたしました。

尊氏さんは息子義詮さんと室町幕府態勢を整備し、南朝勢や反乱勢に対して優位な地盤を整えていく……
観応の擾乱後の室町幕府は「迅速な恩賞充行・迅速な所領安堵・迅速な訴訟」を特長とした、武士にとって「努力が報われる政権」になったのだと著者の亀田俊和さんは論じてはります

(官位や幕府ポストの恩賞化も進みました) 



当書籍は観応の擾乱の経過を一次史料をもとに丹念に論じており、世間に知られている通説一つひとつに検証を当て、擾乱後に完成した室町幕府の長所を的確に評しているという、優れた研究本だと思います。

人物評価については著者の私見がけっこう入っている印象ですけどね。
それもまた楽しいものです。
研究者でない一般読者にとっては、平板な解説よりも“思い”が入っている方が接しやすいですし。

 


今日的にはこうした「一次史料から導く実像」という構成の歴史本がメインストリームになってきていて、具体名は挙げませんが小説家等による「●●の真相!」「●●という陰謀!」「●●は逆説的にはこう言えるんだ!」みたいな虚像説・根拠なし説は嘲笑される風潮になってきていますね。

まっとうな流れではあります。
が、こうなってくると読者のリテラシー頼りになってきますので、歴史ファンという群団も「学問的アプローチ派」と「難しくて地道な話は嫌いでおもしろければいいじゃん派」に分断されていくんでしょう。

私は前者の方が好きなんですけど、後者を切り捨てて「歴史が一部の人にしか分からない趣味」になっていくのもちょっとなあと考えています。
あんまり後者を嘲笑するのも、歴史カテゴリ趣味への間口を狭めているようで。

どんな雑説でもいいからまずは歴史に興味を持っていただいて、そこから学問的アプローチにも触れていくような美しい流れが構築できるといいんですけどね。

 

 

 

あらためて「観応の擾乱」新書に話を戻しますと。


同じ新書の「応仁の乱」に比べて分かりやすいですか? と聞かれれば。

事案の中身は応仁の乱より遥かに分かりやすいです。

高師直さんに批判が集まった、足利直義さんに求心力が集まった、尊氏さん&師直さんが追い出された、師直さんが死んだ、尊氏さんと直義さんが和睦した、今度は尊氏さんに求心力が集中した、直義さんが逃げた、直義さんが死んだ、その後の室町幕府は……という流れが明確ですので、「応仁の乱はどういう流れで進んだか」より「観応の擾乱はどういう流れで進んだか」の方が絶対に答えやすい。

こちらの本は観応の擾乱全幕を丁寧に描写してくれていますので、この本を読めば事案の中身は間違いなくインプットできることでしょう。

 


読後感を問われれば。

応仁の乱は「施政者もそれなりに頑張っているけど、世の中は思ったとおりに動かない」という現実を……
観応の擾乱は「施政者とは民意に振り回されて責任だけは取らされる気の毒ポジションに過ぎないのではないか」という現実を……

どちらもふんだんに味わわせていただけます

こういう新書を買いそうな経営者・ミドルマネージャークラスの方には「つらい」かもしれません(笑)。

 


歴史情勢トータルでの理解しやすさで言えば。

応仁の乱の方が「室町時代後期の雰囲気」を掴みやすくて、観応の擾乱は「室町時代初期の雰囲気」を掴みにくいかもしれません。

応仁の乱の新書は奈良興福寺の立場から当時の空気感がリアリティ高く伝わってくるのですが、観応の擾乱は「なんで当時の武士はこんなに恩賞にこだわるの?」という肝心なところが分かりにくいためです。
観応の擾乱については、できれば「南朝研究の最前線」あたりも一緒に読んで建武新政期からの経緯を把握しておかないと、「観応の擾乱」単品では深いところが理解しにくい気がします。

 

 

私の印象ですが……

鎌倉幕府の崩壊も、
建武新政の崩壊も、
観応の擾乱の経緯も、
尊氏さんが気前よく大名に所領を与えまくったのも、

当時の日本社会が「恩賞水準」「実務速度」の相場観を形成する過渡期であったために起こった悲劇だったのではないかと考えています。

 


元寇も国内内乱も。

当時の日本人にとっては源平合戦以来の大変革期でありまして、政権によって動員される各地の軍勢の皆さんは「どれくらい頑張ったらどれくらいのスピード感でどれくらいの褒美がもらえるか」という相場観が白紙の状態であった訳です。

いくら命が軽い当時の事とはいえ、戦に出れば銭もかかるし人も死ぬし悲しくて痛いのです。
それで「恩賞? ないよ。」とか「恩賞? 3年待って。」とか「訴訟? 10年かかるよ。」とか言われたらキレてしまうのもむべなるかななのです。

 


とりわけ建武新政観応の擾乱南北朝終結までの流れは、施政者の野望や人間性がどうこうではなくて、実態は武士たちによる「施政者ガチャ」「施政者リセマラ」に近かったんじゃないかなというのが私の感覚ですね。

ガチャ1回あたりのコスト(内乱負荷)と、引いた施政者による実務改善効果の天秤。
そうした試行錯誤とバランス調整の末に出来上がった室町幕府は、それまでの政権に比べれば「気前の良さ」「実務スピード」がまあ満足いく水準だったんだと。

だんだん分かってきた相場観の中において、「納得感」の高いものだったんじゃないでしょうか。

 

 


そんなことを考えさせられた本でありました。

やっぱり、経営者やミドルマネージャーにとっては「つらい」内容であります。
でもおすすめですよ。


あと、両統迭立問題がここまで尾を引いていることを踏まえれば、施政者サイドの方々は大義を割るようなことをしちゃいけないってのが何よりの歴史的教訓ですね。
室町幕府応仁の乱以降に権威が分裂しちゃいましたが、無理やりにでも分裂させなかった江戸幕府はなかなかたいしたものです。

 

 

 


さあ、中世史のブームが続いているうちに。

足利義満さん期の南北合一と後南朝問題」か、「細川京兆家~大内家・浦上家・三好家界隈」の新書もシレッと出版されて、地味に売れたりしますように。
あるいは、「畠山義就さん以降の河内畠山家」を詳述するような新書を。

 

 

「応仁の乱」呉座勇一さん/中公新書 - 肝胆ブログ

「南朝研究の最前線」編 呉座勇一さん/監修 日本史史料研究会(洋泉社歴史新書) - 肝胆ブログ

 

 

 

 

PSPの「ディシディアフィアナルファンタジー(無印) ストーリークリアまでの攻略」スクウェアエニックス

 

 

PSPの初代ディシディアファイナルファンタジーを今更プレイし始め、思った以上に面白くてかんたんしました。

 

www.square-enix.co.jp

 


とりあえず基本ストーリーはクリアしましたが、その後のやりこみ要素プレイはこれからです。

また、PSP友達がいないので対CPU戦しかやったことがありません。


そういう初心者の感想という前提で宜しくお願いいたします。

 

 

 

以下、ストーリー攻略までのネタバレを含みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ディシディアファイナルファンタジーはお祭りゲーで、歴代FFの主人公・ボスキャラが勢揃いして3D対戦格闘をやる内容となっております。

初代版の参加者は以下のとおりです。


 1  光の戦士(Warrior of Light:通称WOL) / ガーランド / カオス

 2  フリオニール / 皇帝

 3  オニオンナイト / 暗闇の雲

 4  セシル / ゴルベーザ

 5  バッツ / エクスデス

 6  ティナ / ケフカ

 7  クラウド / セフィロス

 8  スコール / アルティミシア

 9  ジタン / クジャ

 10 ティーダ / ジェクト

 11 シャントット(ストーリークリア時点では顔見せだけ)

 12 ガブラス(〃)

 


基本的には各作品から2名ずつですね。

続編では人気キャラが追加されたりしているようです。

 


個人的には、1から「Monk of Light」、6から「エドガー・ロニ・フィガロ」も参戦してほしかったですね。


1のWOLさんはファミコン版のパッケージ通りな戦士スタイルで、ディシディアのストーリーでも主役サイド代表格な扱いで大変格好よかったのですが。
私は「1はモンクを活躍させてこそ」というスタイルだったので、モンクを差し置いて……モンクのEXバーストが「ヘイスト! ヘイスト! ヘイスト! たたかう」だったら最高なのに……とか思ってしまったのです。
(完全に私情です)


6はティナさん参戦に何の違和感もありませんけど、回転のこぎりやオートボウガンで戦うエドガーさんもいたらゲーム的に面白いだろうな、と思いました。
イケメンだしストーリーを膨らませやすいキャラだし。

 


FFは1と3~7しかプレイしたことがなくて、2と8~は未プレイなんですが、このディシディアは問題なく面白かったです。

知らない作品のキャラクターもけっこう魅力的で、久しぶりにFFに手を出してみようかなと思いましたよ。
特にファミコンパッケージ絵を再現したフリオニールさんの姿と、10のジェクトさんなるキャラのイケてる旦那ぶりは好印象でした
2か10をプレイしてみようかしら。

 

 

 

ストーリーがまたよかった。

FF1を軸とした内容だったので、1経験者には特におすすめですよ。


タイムリープものですし。
ラスボスはカオスさんですし。


更に更に、カオスさんをやっつけ……各作品の主人公が元の世界に消えていく中……

 

最後に残った光の戦士さんの眼前には。


なんと「コーネリア城」の姿があったんです!!


FF1のオープニング再現!



FF1の前日譚だったのか……!!
光の戦士の手にはディシディア世界で手に入れたクリスタル。
「そして… たんきゅうのたびははじまった」なんだね……!!

 

という。



素直に感動してしまいました。
何このオールドゲーマー泣かせな演出。
こんなんPSP世代の若い衆が分かる訳ないやろうに。


こりゃあ、ますます1から光のモンクと光の戦士2号と光の赤魔術師が参戦してもらわないとですね。
(1の個人的ベストパーティはモ戦戦赤

 

 

 

ストーリー面のFF1リスペクトだけではないですよ。

演出面全般が各作品をリスペクトしまくっていて、「スタッフどんなけFF好きやねん」という感じです。


いちいち挙げていたらキリがないんですけど。

2は先に挙げた通りパッケージ絵再現が超かっこよかった。
3はオニオンナイトさんの「ファイガ」がファミコン版演出そっくりで嬉しかった。
4はセシルさんの「あんこく」の構え・演出がまんまで痺れた。
5はエクスデスさんの「そして わたしも消えよう 永遠に!!」に唸った。
6はケフカさんの過剰なウザさが原作通りで笑えた。
7はクラウドさんvsセフィロスさんの構図が原作最終局面どおりで感動した。


……などなど、プレイするたびに発見がある感じです。

 

 

 

攻略面

1~10までの各主人公ストーリーをクリアした後、決戦シナリオに移っていく流れになります。

各主人公ストーリーの難易度は高くありません。
決戦シナリオでは好きな主人公を使うことができますので、お気に入りの主人公を一人選抜して集中的に育てておくといいでしょう。

 


私のおすすめは5のバッツさんです。

HP攻撃の「フラッド」と「パラディンフォース」が優秀過ぎます。
ヤバい時は逃げ回ってフラッドを出しておけば大丈夫です。
パラディンフォースは陸地で一発当てれば、対CPUならばそのままパラディンフォースを連打しているだけでハメ殺せる性能です。

その他の技も、EX時の「ゴブリンパンチ」も隙がありません。

キャラクターは若干アホっぽいというかマイペースというかですけど、まあだいたい原作通りっちゃ原作通りですし。
ディシディア版の3Dグラフィックは瞳がとても澄んでいてかわいいんですよ。

 


他、主人公勢で動かしていて楽しかったキャラクターは4のセシルさんと6のティナさんでしたね。

慣れたら強そうな印象だったのは7のクラウドさんと9のジタンさんと10のティーダさんあたりです。

 


プレイに当たっては、チュートリアルなどの弱い敵を相手に「防御」「回避」の練習をしておくといいでしょう。
このゲームは「技をとりあえずぶっ放す・置いておく」ことは不利に働くことが多く、相手の攻撃を防いだ・かわした隙を狙って攻撃を入れていくのが重要です。


対CPUの立ち回りとしては、彼らは対空性能が低い印象です。
スト2で言うと昇竜拳サマーソルトキックを出せない感じ。
上空から攻撃されると上手く反応できないことが多いですので、先ほど挙げたバッツさんやセシルさんの「パラディンフォース」、ティナさんの「メルトン」なんかがとても有用です。

 


レベルはとても重要です。

このゲームは「ブレイブ攻撃」と「HP攻撃」の2種を使いこなしていく必要がありまして、基本はブレイブ攻撃、ブレイブが溜まったらHP攻撃、というセオリーなんですけど。
肝心のブレイブ攻撃が、レベルの影響を強く受ける仕様なのです。
レベルが高い敵が相手だとブレイブ攻撃を捨ててHP攻撃メインに切り替えていく必要がございますので留意ください。

当てやすいHP攻撃を持っていないキャラクターはクイックバトルでレベル上げをしておくのが無難です。

逆に言えば、レベルが高い相手でも「敵の攻撃を確実に防御・回避し」「HP攻撃を確実に入れていけば」勝つことは充分可能です。

 

 

 

おすすめのプレイパターンとしましては。

 

難易度の低いキャラクターをとりあえずクリアする。
クラウド⇒セシル⇒ティーダフリオニール

 ↓

クラウドさんで2週目をプレイして、7-2面で召喚獣「マジックポッド」を入手する。
(1周目の7-3面で手に入るマジックポッドはAUTO版という別物)

 ↓

貯まったPPで「エクスデス」「Lv(CPU)/LvCAP+●●」を優先的に開放する。
エクスデスさん(CPU)はとても弱いので、レベル上げの相手に最適なのです。

 ↓

クイックバトルでエクスデスさん相手にお気に入りキャラのレベルを60~70程度まで上げる。
メニュー画面でチョコボが空を飛んでいるタイミング(経験値up)を逃さず、召喚獣マジックポッドを活用してエクスデスさんに大ダメージを与え経験値をガッポリ貰いましょう。
(このゲームはHPダメージ比例で経験値が入る仕様です)

 ↓

クイックバトルで「レベル76のジタンさん(強さ:6)」を倒し続けて「盗賊の小手」を手に入れる。

 ↓

クイックバトルで「レベル85のクラウドさん or 皇帝さん(強さ:6)」を倒し続けて「シーフの帽子」を手に入れる。

 ↓

それぞれ装備すればアイテムドロップ率が上がる。
両方が手に入る頃にはレベルが100になる。
 
 ↓

クイックバトルで適当なレベル100のキャラクターを倒し続けてレベル100に相応しい装備を手に入れる。
(源氏装備あたりが使いやすい気がします)

 ↓

プレイに充分慣れたところで、クイックバトルのエクスデスさん相手に未攻略キャラのレベルを30程度まで上げる。

 ↓

未攻略キャラのストーリーをクリア。

 ↓

レベル100&充実装備のお気に入りキャラで決戦シナリオをクリア。

 ↓

エンディングの画質クオリティに感動する

 

 

……というところです。


レベル100と言うと大げさに聞こえますが、あまり時間はかからないです。
このゲーム、レベル上げは楽です。


どちらかと言うとアイテムドロップの方が大変です。
私の実体験ではどちらも1時間程度のクイックバトル連戦で手に入りました。
(バッツさんのパラディンフォース嵌めでやっていたので楽でしたが、そのぶん眠かったです)

無理に盗賊の小手やシーフの帽子を手に入れなくても大丈夫なんですけど、このゲームはアイテムの入手経路が「ドロップは効率的」「ショップは非効率的」という仕様ですので、早めにドロップ率を上げておくと後々が楽です。

 

 

 

 
とりあえずクリアしてからが本番のゲームっぽいので、私ももう少しプレイし続けようと思います。

最近のFFを知らない人にも昔のFFを知らない人にもおすすめできる良作だと思いますよ。
中古だと500円くらいで手に入りますし、BGMも歴代の良曲が揃っていますし。

 

 

どこかで私にも対戦友達が見つかりますように。

 

 

 

 

「VRのAV」鑑賞会に参加してみた感想

 

VR(バーチャルリアリティ)のAV(アダルトビデオ)を鑑賞する会に参加してみたところ、正直「微妙だな」と思いつつ技術の進歩っぷりや今後の可能性にはかんたんいたしました。

 

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以下、直接的な表現は書きませんがいかがわしい内容を含みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


仲間内で「ビットコインの次に流行るのは何かなあ」と雑談していたところ、誰かが「VRのAVでしょう」と言ったので皆でVRのAVを鑑賞することになりました。

こういう時、思い立ったが吉日的に体験してみるのはいいですね。
経費で機材を揃えられる立場というのも素晴らしい。

 

 

私はまっとうなVRもいかがわしいVRも初めてで、他の参加者も未経験者が中心でした。


VRを体験するにはヘッドセット(バーチャルボーイのようなスターライトスコープのようなもの)を頭にはめる必要があります。

つけてみたところ、けっこう重たかったです。
シニアや女性にとってはまだまだ改善が必要な気がいたします。


段取りをしてくれた人がイケていて、男性用と女性用で一台ずつヘッドセットを用意してくれていましたし、化粧がつかないようにアイマスクみたいなやつも買ってくれていました。
そっか、ファンデーションとかが付いてしまうのか。

その時初めて、眼鏡をかけていたらヘッドセットをかぶれないことにも気づきました。
日ごろ眼鏡で暮らしている人は、VRを経験する時はコンタクトを用意いたしましょう。

 

 

まずは男性向けのAVを観てみることに。

あんまりAV詳しくないのですが、普通のAVが凄まじいラインナップの数で新作も続々つくられているらしいのに比べれば、VR対応のAVはまだまだ数が少ないそうです。
もちろん、女性向けのAVは更に数が少ないです。

 


まずはソフトを選ぶのですが……。


……?


なんか、ジャンルが偏っている気がします。

この理由は、何本かざっと観てみて合点がいきました。

 

 

ソフトを再生してみます。


おお、すごい。
首を振ったら上下も左右も見わたすことができます。

正面には3Dのきれいな女優さんがいます。
上には天井があります。
下にはおっさんの素足があります。
右には壁や書類棚が。ここはオフィスのようです。
左には……誰かいる! 同僚的な人が仕事しています。


どうやら同僚的な人にばれないように女優さんといかがわしいことをする設定のようです。
なるほど、左右に広い視界を活かすため、誰か脇役を登場させた方がいいという発想なんでしょう。

 

 

適当に早送りしてもらいながら流れを観てみました。

 


まず、「すごいな」と思ったところ。

画像が3Dで立体感があり、更にはヘッドフォンから立体音響が入ってきますので、自分の顔面付近の臨場感がすごくありますね。
女優の顔や胸は普通のテレビ画面とは全然違うリアリティがありました。
密着やおっぱいが好きな人はVRいいと思います。

今後の技術発展を予測するためにも、こうしたVR世界を体験してみるのはおすすめいたしますよ。

 


一方、「微妙だな」と思ったところ。

3D画像にしているせいか、画質は普通のテレビ画面に比べて粗いです。
動画ファイルも重たそう。

顔面近くと比べて、腰くらいまで距離が離れると3Dのありがたみは薄れます
引いた絵図が好きな人はVRの恩恵があまりないかもしれません。

 


何より「問題だ」と感じたのは……


自分の視点が着座、あるいは寝転んだ状態で固定されているというところです。

女性向けのものも含めて5-6本流れを観てみたのですが、視点は全部同じでした。
すなわち、「自分は相手にされるがまま」という構成しかないのですよ。


こうなってくると、シチュエーションだとか行為の流れもマンネリしてまいります。


オフィスなり病室なり旅館なりで、なんしか自分は寝転んでいる役、相手は何もかもやってくれる役です。


これはいけない!

これはいけませんよ!


こんなのマグロ製造機じゃないですか。

こんなのが普及してVRのAVで青少年が性を学ぶようになってしまったら。

男も女も「寝っ転がっていたら後は相手がなんとかしてくれるだろう」というマインドになっちゃって、ベッドの上にマグロ2丁ヘイお待ちですよ。
インタラクティブなコミュニケーションなんて成立しなくなっちゃいます。

 

 

他にも嗅覚と触覚が欲しいなとか、髪の毛がボサボサになるだとか、ヘッドセットを外さないとティッシュジョークグッズの在り処が分からないだとか、ミサイルが落ちても死ぬまで気づかないんじゃないかだとか、まあ色々とみんな意見を交わしておりましたけれど。

「視点固定はつまらん! すぐに飽きる!」という声が一番多かったですね。
デートのような屋外シーン・ドラマシーンも乏しくなりますし。


これは製作者の問題ではなく、技術上の問題でしょうけど……。
更なる発展の上、能動感のある仕様にならないと爆発的な普及には繋がらない気がいたします。

もちろん「VRが有する臨場感(特に顔まわり)」「女性目線という新しいAV体験」などは一見の価値がありまくりなのですが、現段階では「一家に一台」ほどの浸透は難しいでしょう。

 


また、「制作費用がかかりそう」という意見も多かったです。

VR対応AVを撮影できるレーベルは限られてるっぽい。

個人や弱小法人はこれからも従来媒体でのコンテンツ制作を続けるのでしょう。
動画がどれだけ増えてもピンク雑誌や薄い本はいまも現役ですし、仮にVR-AVが普及しても他のアダルト媒体が駆逐されることはなさそうですね。

 

 

あらためてまとめますと、実用性充分! ハマってしまう! とは現段階では言い難いものの、体験としてはすこぶる面白いし技術の進歩にびっくりできますよ! というところです。

好奇心さんには充分にご飯を与えてあげましょう。

 


引続き技術の改良が進んで、ますます楽しいコンテンツが生み出されていきますように。

VR活用テレビ電話で遠隔地のお客様と商談とかやってみたいですね。

  

 

「ウルトラマンゼロVRの感想」田口清隆監督 - 肝胆ブログ

 

 

 

「つぶ昆おこし」神宗とあみだ池大黒のコラボ商品

 

 

昆布の神宗で販売している「つぶ昆おこし」がおいしくてかんたんしました。

 

www.kansou.co.jp

 

 

神宗は「塩昆布」の老舗さんです。
こちらの塩昆布は味加減が最高で、常備しておくと幸せになれるマジックフードであり、関西人の多くにとってのソウルフードでもあるんですよ。

 

 

老舗というと頑固一筋な印象を与えるかもしれませんが。


本店は淀屋橋オフィスビルの一階に入っていて格好いいですし、
しょっちゅうお菓子メーカーなんかとコラボ商品をつくってはりますし、
意外と機動的かつ柔軟な経営をなさっている印象です。

 


こちらの「つぶ昆おこし」もそんなコラボ商品のひとつ。

パートナーはあみだ池大黒さんです。
大黒さんは超有名な大阪名物「岩おこし・粟おこし」や新進気鋭のポンポンブランド「pon pon Ja pon」を展開してはる企業さんですね。

 ⇒ブランド情報 - あみだ池大黒通販サイト

 


そんな大阪を代表する両店がタッグを組んで制作した「つぶ昆おこし」


普通「おこし」と言えば水飴&しょうが味ですが……


こちらの商品は「メープルシュガー」×「粒状の昆布(神宗人気商品)」の組み合わせなんです。

メープルと昆布ですよ。

びっくりするような組み合わせだと思いませんか。

 


でも、これがおいしいんですよねえ。


分量のバランスが巧みで、メープルは水飴味を引き立てるような穏やか調味、昆布は更に裏方で水飴・メープルの味を増幅するような仕事に徹しています。

メープルゥ! 昆布ゥ! みたいなトンガリバランスではありません。

甘い……メープル風味だ……うまみが濃い……昆布のおかげなんやろなあ……という、やわらかな余韻を楽しめるお味なのです。

冷静に味わったらけっこう濃厚な甘味・うま味なんですけど、口当たりがやわらかいので濃さに気づきにくいんですよ。

 


それにしても、メープルと昆布がこんなに相性いいなんて。


考えてみれば、みたらし団子やカンロ飴のおいしさだって「砂糖」×「醤油(うま味)」ですもんね。

甘味とうま味(グルタミン酸……醤油や昆布)の組み合わせは鉄板なのかもしれません。

 

 
そこに加わる「おこし」ならではのサクポリ食感がまた楽しい。

さすがあみだ池大黒さん。
鮮やかな歯応えでやんすねえ。


サクポリうまうまサクポリうまうまというハッピールーチンに浸ってしまいます。

 

大坂の繁栄と共に「おこし」は<身をおこし・家をおこし・国をおこす>と言われ、大阪名物となり 広く人々に親しまれるようになりました。


こんな縁起ええこと言われたら食べ過ぎてしまいますわ。

 

 

とは言え、みたらし団子やカンロ飴をたくさん食べることができないのと同じで、甘味うま味が乗算されている分たくさん食べるとどうしても口飽きして参ります。

飲み物を用意しておくのも大事ですけど、「あと一個……!」を辛抱する自律が何より大事ですね。
食感の軽さに騙されて一気食べせず、少しずつ食べるようにいたしましょう。

 

 

以上、つぶ昆おこしのご紹介でした。

一箱50gと軽いですし、324円と価格もお手頃です
ちょっとした手土産にとてもいいと思いますよ。

 



以前コラボしていた「昆布コメッコ」もおいしかったんですよねえ。

こういう楽しい企画を継続してくださりますように。

 

 

 

 

東京玉子本舗の「N.Y.キャラメルサンド」

 

 

差し入れにいただいた東京土産の「N.Y.キャラメルサンド」がすこぶる美味しくてかんたんしました。

 

www.nycsand.com

 



東京の友人がうやうやしいお土産をくださりました。


こげ茶色のスタイリッシュなパッケージ。

「N.Y.CARAMEL SAND」という意識が高そうなネーミング。

なんだか「特別オーラ」を放っている箱構えです。

 

 

もちろん、オーラだけの見かけ倒しではないですよ。

 


こやつ、うまいんです。

めちゃめちゃうまいんです!

 


金色の小袋を開けてみれば、思いの外うすうすなクッキーサンドがお目見え。

キャラメルは中に潜んでいるため、軽く食べられそうな優しいルックス。

 



齧ってみると……。

 



サクゥ!

チョコォ!!

キャラメ甘ぁ!!!


モサモサッモサモサッ

「もう1枚ィ」……!!

 


という感じの味わいに乱暴されてしまうのです。

上品なのに強引な魅力ですよ。

貴族化した蛮族という感じですよ。

 


すごい。

めっちゃうまい。

 


食感が素晴らしいですね。


しっかり味のクッキー、しっかり味のチョコ、しっかり味のキャラメル。
下手をすれば胸焼け惹起モノのヘビィートリオですのに。

濃いキャラ三人衆が外側のサクサク食感と内側のとろとろ食感に包まれて、軽やかに食べ切れる達者バランスに仕上げられているんですよ。

 


こんなうんまい東京土産が誕生していたんですね。

こんなん貰ったら恩知らずになろうにもなれませんわ。

 

 

 

 


……とは言え。


実は、

 
「キャラメルかぁ……」

「……味濃さそうやなあ」

 
というのが率直な第一印象でした。

キャラメルって、食べたい気分の時と食べたくない気分の時の差が大きい食べ物だと思うのです。


あったかいキャラメルを冬場とか疲労した時とかにいただくのは素敵ですけど。

ねちゃねちゃ後残りするキャラメルを夏場とか爽やかな気分の時とかにいただくのはイマイチじゃないですか。

 


このお土産を頂いた時、私は正直キャラメルを食べたい気分ではなかったのです。

(本当にすみません。反省しています)

 

 

ところが、先に食べ始めた人たちがみんな、


「むおっ」


とか言って一瞬黙り、やにわにガツガツむさぼり始めるではありませんか。

 

 

え?

どしたん。

おいしいの?

 


と私が聞いているうちに、他の人は2袋目に突入しています。

 


……周りが美味しそうに食べていると食欲って湧いてきますよね。

我ながら浅ましいのですが。

 


で、冒頭の味のご紹介に繋がった感じです。

偏見フィルタは人生を楽しむのに邪魔なものだと痛感いたしました。

 

 

 

後から調べてみたら、東京駅の大丸1階でいっつも行列になっているところ、あれがこのN.Y.キャラメルサンドの売り場やったんですね。

何回か通りがかったことがあるのに知りませんでした。
「行列=自分には関係のない店」と即決してしまっていたようです。

あの行列を思い出すと、また買ってきてね☆と頼むのは憚られますが……。


また食べたいです。

自分で買えっていう話ですね。

 

 

更に調べてみたら、このお菓子は「東京たまご ごまたまご」の会社がこしらえてはるんですって。

 
ごまたまご……。

 
すみません、東京ばな奈派でした。

これからは時間に余裕がない時は東京ばな奈を買って、時間に余裕がある時はこのN.Y.キャラメルサンドを買おうと思います。

 

 

行列は嫌なので、できればブランドが毀損しない程度に支店を出してくださいますように。

 

 

 

 

 

「キン肉マン 完璧超人始祖編(46巻~60巻)」週刊プレイボーイ web comic

 

 

キン肉マンの「完璧超人始祖編」にかんたんしました。

 

www.s-manga.net

 


キン肉マンシリーズは息の長い作品で、初めは週刊少年ジャンプで初代連載を、その後は週刊プレイボーイキン肉マンⅡ世を、そして現在はプレイボーイのWeb連載で初代キン肉マンの続きを連載しております。
(その他、スクラップ三太夫にウォーズマンがゲスト出演していたりマッスル・リターンズという読み切りがあったりもします)

 


私はリアルタイムで初代もⅡ世も見てきた人なのですが……

その中でも今回(コミックスベース)完結した「完璧超人始祖編」は大傑作でありました。
バトル漫画としてもストーリー漫画としても、漫画史に残ることは間違いないと思います。

 


話のあらすじとしては、初代キン肉マンの終了(キン肉星王位争奪編決着)後、平和が戻った地球に完璧・無量大数軍(パーフェクト・ラージナンバーズ)という完璧超人軍本隊が攻めてきた……彼らの背後には完璧超人を生み出した「完璧超人始祖」(パーフェクト・オリジン)が存在していて……というものです。

なお、完璧超人始祖編は厳密には38巻から始まるのですが、しばらくは完璧・無量大数軍との戦いで、完璧超人始祖が登場するのは46巻からですので当記事では46巻以降のみを扱います。

38巻の新シリーズ初戦テリーマンvsマックス・ラジアル」など紹介したい名バウトはいっぱいあるのですが今回は省略です。

 


完璧超人始祖とは、以下の十一名であります。


零式 ザ・マン
壱式 ゴールドマン(悪魔将軍)
弐式 シルバーマン
参式 ミラージュマン
肆式 アビスマン
伍式 ペインマン
陸式 ジャスティスマン
漆式 ガンマン
㭭式 シングマン
玖式 カラスマン
拾式 サイコマン



この方々、ストーリー上は敵役なのですが、実力・人格・貫禄ともに超絶格好いい人揃いでして……!
漫画やアニメによくある「少数精鋭敵集団」の中でも、この完璧超人始祖は最高クラスの魅力を有してはると思いますよ。


何より、「年月の経過」「変わりゆく絆」「取り戻したい過去と繋ぐべき未来」という人の世における重厚真正なテーマを、漫画家としてますます純熟してはるゆでたまご先生が渾身のストーリー・画力で完結させてはります。

これは……女房を質に入れてでも見届けねばならないでしょう!

 

 

 

 

以下、ネタバレをたくさん含みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

46巻以降の完璧超人始祖によるバトル※を順に紹介していき、私の感想やコメントなどを添えさせていただく流れで書いてまいります。

※ネメシスさんは省略することになります。
 主役のキン肉マンが一度も登場してこないんですがご容赦ください。

 

 

 

○悪魔将軍 vs ミラージュマン● (決め技:地獄の断頭台)

 

遂に始まった完璧超人始祖同士の戦い。
読者は「悪魔将軍がかつて完璧超人始祖だった」ことを知って驚愕です。

しかし、僅か2話(実質1話)でミラージュマンは瞬殺されました。
将軍様超強い。強過ぎる。

ミラージュマン、幻影を張って超人墓場(と地上超人の粛清)を守っていたことが後から判明して、なかなかバウトに集中できてなかったんじゃないかとも言われていますが。
実力を充分に発揮する前に、数十年ぶりに登場した将軍様を引き立たせて敗れ去りました。

完璧超人始祖の中ではカラスマンに並んで気の毒なお方です。

 

 

○悪魔将軍 vs アビスマン● (決め技:地獄の断頭台)

 

完璧超人始祖勢の中で、私が一番好きなアビスマンの登場です。

正面からのぶつかり合いでは完璧超人始祖の中でも最強。
超人墓場の鬼たちからすっごく畏れられている貫禄。
人呼んで「パーフェクト・ザ・ルール」。
笑い声は「モガッモガッ」。

ストイックなのに気さくというところが個人的にたまりません。


アビスマンは悪魔将軍自慢の「硬度調節機能」を一撃で破壊するという大戦果を上げはりましたが、やはり4話で敗れ去ってしまいました……。
新シリーズ、テンポ良く進んでいます。

とは言え、将軍様とアビスマンの会話の一つひとつが「昔は仲良かったんだろうな」感、「憎しみ合っている訳じゃない」感がありありと湧き出ていて、この辺りから早速「完璧超人始祖の強さに漂う哀愁」が感じ取れます。
完璧超人始祖編の成功はこの時点で予兆が見えていたと言っても過言ではないでしょう。

アビスマンは「正面からの潰しあいでは最強」「背中も謎のすごいバリアで守られている」と明確に設定されましたので、後から超強い完璧超人始祖が登場するたびにアビスマンの株も上がるというおいしい立ち位置を得ることができました。
実際、将軍様以外のキャラクターが挑んでいたら何名も犠牲者を出していたかもしれませんね。

 

 

○ジャンクマン vs ペインマン● (決め技:ジャンククラッシュ)

ここから将軍様はひと休みして、悪魔騎士たちが完璧超人始祖に挑みます。

一番手はジャンクマン。
好きな食べ物はジャンクフードだと今回明かされたジャンクマンです。

相手のペインマンは全身が「超すごい緩衝材(エアバッグ的なもの)」。
かつて悪魔将軍さんですら傷つけることができなかったそうです。
「鋲でぶっ刺す」ファイトスタイルのジャンクマンにとっては相性最悪です。


詳細は伏せますが、とんでもない発想でペインマンを撃破したジャンクマンはめっちゃ男を上げました。

「一番首~~っ…召しとったりィ~~~~ッ!!」

という勝利の咆哮もイイですね。


敗れたペインマンも、やはり完璧超人始祖らしい老成された発言をなさっていました。

「残念ながら何ひとつおまえの師匠ゴールドマンとは意見が合わなかったがなぁ~」
「だがなぁ…私はそれが楽しかったのだよ そして ついぞわかりあう日は来なかった」
「やつは我らと袂を分かちこの超人墓場より姿を消した」
「その後に訪れたのは悠久の沈黙と偽りの平穏…それはとても哀しいものだ」
「いや わかりあえなかったのが哀しいのではない」
「ただ言い争いができなくなった… それが私は哀しいのだ」

このような台詞回しは現在のゆでたまご先生ならではだと思います。
ゆでたまご先生自体、週刊少年ジャンプにおける完璧漫画家始祖のようなお方ですしね。
「よかった頃」「つらかった頃」「再ブレイクしている現在」という濃密な人生を過ごされてきた作者の魂があちこちに籠っているように思えます。


既に「役目を終えた神々」となっている完璧超人始祖たち。
しかし、彼らは本当に滅ぼさなければならない相手なのでしょうか?

このペインマン戦で、ますます完璧超人始祖ファンが増えてきました。

 

 

●スニゲーター vs ガンマン○ (決め技:エルクホルン・テンペスト

 

地上に現れた完璧超人始祖たち。
ピサの斜塔でスニゲーターがガンマンに挑みます。

これまでは哀調を帯びた始祖たちばかりでしたが、今回登場したガンマンさんは超パワフル、超シンプルです。
もともと始祖の中でも「地上の下等超人なんて粛清しちまえ」というタカ派
純粋なパワーファイトでスニゲーターを圧倒します。

スニゲーターは幾つかの勝利フラグを積み上げたのですが……完敗。
あらゆる技がガンマンには通用しませんでした。

完璧超人始祖、初白星。

 


●プラネットマン vs サイコマン○ (決め技:ファントムキャノン)

 

今度はプラネットマンがサイコマンに挑みます。

結果は惨敗でしたが、プラネットマンの立ち絵が超格好よかったです。
初代の頃とデザインがまったく違う。
こんなイケメンキャラだったっけか。


相手のサイコマンは、完璧・無量大数軍との戦いでも「グリムリパー」という変名で登場しておりました。

更にこのサイコマンさん、いきなり「マグネット・パワー」を使い始めたり、ガンマンさんと口喧嘩し始めたり、仲が良かったのはシルバーマンだけと独白したり、外連味と禍々しさをたくさん振り撒いてくださいました。

この方のお陰で、「完璧超人始祖内の人間関係」「マグネット・パワーの秘密」などの伏線・ストーリー展開が濃厚になっていくのです。
始祖編には欠かせない名脇役ですね。

 


○サンシャイン vs シングマン● (決め技:コンプリートサンド・セメタリープレス)

 

「“都合の悪いことは忘れよ!”悪魔超人には記憶力の欠如が必要なんだよ」

「うる」
「せーぞ」
「バカがぁーーっ!!」
「なぁシングマン あんたは確かに義理堅い大した人物さ…」
「だが いつまでもおまえたちの時代じゃねぇ」
「明日は明日で天気になればそれでいい」


という名台詞とともに、サンシャインが見事な騙し討ちでシングマンを破ります。
シリアス続きな完璧超人始祖編の中では楽しいバウトでしたね。

Ⅱ世以降、サンシャインはキャラクターの掘り下げがどんどん進んでいます。
出てきて何か話すだけでしみじみ人情シーンっぽくなるのはずるいぞ。
そんなサンシャインが大好きです。


シングマンは全身が地球外物質で出来ている防御特化型の始祖なんですが。
なんか「強いんだけど始祖の中ではいつも貧乏くじを引いてそう」という人の良さで損をしてそうなキャラでした。

サンシャインによって空の彼方に吹っ飛ばされて退場しましたので、ひょっとしたらどこかで生存しているかもしれませんね。

 

 

○ザ・ニンジャ vs カラスマン● (決め技:悪魔忍法クモ糸縛り)

 

ニンジャ初勝利!!

超人血盟軍“Lの陣形”!!


など、いろいろと見応え要素はあったのですが、始祖編の他の試合が名バウトばかりなので地味な印象のエピソードでした。

どちらかと言うと場外で騒いでるブロッケンJr.の方が目立っていた気がします。


相手のカラスマンは回避特化型の始祖ですが、あまり他の始祖たちとの絡みもなく……。
若干寂しい役回りだったように思います。

2話で敗れたけど貫禄はあったミラージュマンと、
6話も登場できたけど印象が薄いカラスマン、
どちらが幸せかなあ、という具合です。

デザインがイケメンだし、戦い方がギミック多めなので、Ⅱ世向けのキャラだったのかもしれません。

 

 

アシュラマン vs ジャスティスマン○ (決め技:ジャッジメント・ペナルティ)

 

悪魔六騎士のトリを飾るのは実力者アシュラマンです。
Ⅱ世ではシリーズラスボスも務めたほどで、悪魔超人の中でも最強格と言っていいでしょう。


その相手は……


なんと「裁きの神 ジャスティス」
まさか初代キン肉マンで「ゴールドマンとシルバーマンの戦いを裁いた神様」の設定がここで拾われるとは……!

このジャスティスマンが異常に強い。
アシュラマンが何をやってもまるで通じない。
ジャスティスマンの攻撃は一撃でアシュラマンの腕を破壊してくるのに。

他の超人が噛ませ扱いされるならともかく、あのアシュラマンが、です。

先に逝った悪魔超人の腕を召喚し、火事場のクソ力的なものまで発現しても……
ジャスティスマンに完膚なきまでに叩きのめされてしまいました。


「完璧超人始祖といっても、倒せないほどではないな」

と思っていた読者の心胆も冷え冷えです。


この方の登場で、始祖の強大さがあらためて強調されました。


ジャスティスマンは、外野のサイコマン・ガンマンに構うことなく「アシュラマンが示した火事場のクソ力の正体」「かつてゴールドマンとシルバーマンが求めた力の正体」について独り思惟に耽ります。
周りと議論するより、内省に励みたい人柄のようです。

よく考えたら、この方ほど「考え続けている」キャラクターはキン肉マンで初めてかもしれません。

 

 

バッファローマン vs ガンマン● (決め技:ハリケーン・ギガブラスター)

 

完璧超人始祖編、個人的ベストバウト第3位!!


パワーファイターとパワーファイターのぶつかり合い。

迫力、構図、台詞、何もかもが最高水準の試合です。

特に130話の純粋ファイトと、131話の「強いーーーっ ガンマン強過ぎるーーーーっ!」の構図は是非一読いただきたいですね。


決着のつけ方もよかったです。

ストーリーとバウトが濃厚に合致しています。


ガンマン、漢です。

一番喧しい始祖は、一番繊細な始祖でした。

そんなキャッチコピーがつきそうです。

 

「シャババ…ババ…バッファローマン…」

最期にちょっと笑わせてくるのもずるいと思います。


このバウトは52巻です。

 


テリーマン vs ジャスティスマン● 

 

完璧超人始祖編、個人的ベストバウト第2位!!


私が一番好きな超人、テリーマンが遂に登場です。

しかし、テリーマンを以てしてもジャスティスマンは無敵。
まるで付け入る隙がありません。
テリーマンアシュラマンのように完敗してしまうのか……?

という流れで。

 


決着の流れは詳述しませんが、この戦いはバトル漫画史上でも屈指の名エピソードであり、また、現在のゆでたまご先生でしか描けない内容だと思います


純粋なバトル、超人プロレスとしては、むしろ“塩”かもしれません。
ジャスティスマンの実力が異次元過ぎて、テリーマンが「勝てるかも」「逆転できるかも」という期待・高揚がまるで得られないのです。

ですが、「魂と信念の証明」「男の生き方が男の生き方を変える」という点では……このバウト以上の物語を私は知りません。

テリーマンジャスティスマンという、この漫画屈指の「真っ直ぐな」キャラクター同士が戦ったからこそ描けた憧憬だと思いますし、ゆでたまご先生の原作・作画双方があってこその説得力だったように思うのです。


この試合を読んで、私は「現代に蘇ったキン肉マン」に心底から感謝しましたよ。
それほどの感銘を受けたのです。


こちらのバウトは53-54巻です。

 

 

ブロッケンJr. vs サイコマン○ (決め技:リフトアップスラム)

 

ブロッケンJr.が奮闘します。

ゾーリンゲンの鈍色刃」という最高に見栄えの良い新技も披露してくれました。


しかし……相手は完璧超人始祖。

最後は地力の違いがモロに出て、とどめを刺されそうになります。


そこに、空からシルバーマンが現れて……。

 

 

○シルバーマン vs サイコマン● (決め技:アロガント・スパーク)

 

完璧超人始祖同士の争いは、マグネットパワーとキン肉族奥義の原型が乱れあう激戦となりました。

サイコマン、すごいですね。
完璧・無量大数軍時代と合わせて、これで4戦目です。
この方もガンマンさん同様、意外な裏表のある方でした……。


試合はシルバーマンが「アロガント・スパーク」というえげつない殺人奥義を繰り出して決着しました。
(一見の価値ありです)

 


そして、それ以上に……物語はここで重大な局面を迎えます。

こちらも重大なネタバレになりますので詳しくは書きませんが……。

完璧超人始祖編独特の哀切が最高潮を迎えるのです。

 


この辺りから、完璧超人始祖の首領「ザ・マン」の表情に変化が見られます。

普段は血走った目をしていて大変こわいのですが……

ときどき、目から血管が消えて、とても切ない表情をする場面があるのです。
もらい泣きしそうになってしまいます。

血管と眉間の描き分けだけでザ・マンの心情を描写できるゆでたまご先生の画力がすごい

 

 

○悪魔将軍 vs ザ・マン● (決め技:神威の断頭台)

 

間違いなく完璧超人始祖編、ベストバウトです。


細かいことは申しませんが、ここまで積み重ねてきた始祖たちのドラマが凝縮されています。

作画も素晴らしいです。
将軍様が立ち上がってくるだけで格好いいんですよ。

ストーリーも、作画も、シリーズ最終試合に来て一番の高みを出してくださっています。
もうなんと言うか、読者としてはただただ「ありがたい」という気持ちです。

 

将軍様の使命感も、
ザ・マンの表情も、
かつての情景も、
どれもこれもたまらないのです。


この試合に限らずですが。
始祖たちの回想シーン、涙的な意味でめっちゃいい仕事してるんですよ。

みんな楽しそうで、仲良くて、活き活きとしていて……。

時間って、どうして止まってくれないんでしょうね。

 

 

 

 

 

過ぎ去った時と、託すに足る未来とが交錯した、素晴らしいシリーズだったと思います。

かつてキン肉マンに触れた方に限らず、たくさんの方に読んでいただきたいです。

 

 

新シリーズも既にWebで始まっています。

完璧超人始祖編を超える物語というのが正直想像できませんが……(贅沢な不安)。

 


引続きキン肉マンが盛り上がっていきますように。

久しぶりに「ザ・マシンガンズ」の試合も見たいです。

 

 

 

 

 

大阪府岸和田市の「三好実休戦没地」「貝吹山古墳」「久米田寺」「久米田池」

 

三好実休さんと畠山高政さんが激突した久米田合戦の現場界隈散策が楽しくてかんたんいたしました。

 

三好実休の碑 - 岸和田市公式ウェブサイト

久米田古墳群 - 岸和田市公式ウェブサイト

久米田寺 - 岸和田市公式ウェブサイト

久米田池 - 岸和田市公式ウェブサイト

 

 

関西南部ぷらぷら行脚の最終日(3日目)。

岸和田市の久米田合戦古戦場を見てまわるつもりでJR阪和線下松駅で降りました。
久米田寺には久米田駅が近いのですが、三好実休戦没地は下松駅の方が近そうだったからです。

 

 

三好実休戦没地

 

 

三好実休戦没地はとても分かりにくい場所にあります。

下松駅から東側に降りたら、府道30号線(通称は13号線、旧熊野街道でもある)を左に曲がり、積川神社の鳥居があるところまで進みましょう。  

 

↓目印の鳥居。

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白河上皇が熊野行幸の際、この地から積川神社(岸和田のもっと山の方に存在)を遥拝し、自ら筆を執って「正一位積川大明神」の扁額を大書されたとのことです。
(写真の扁額はレプリカ)

 


三好実休さんの戦没地はこの鳥居をくぐって真っ直ぐ、満願寺というお寺の隣の隣にございます。

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↓地図。

 

 

 


実休さん……。

 


三好実休さんは三好長慶さんの弟で、細川持隆さん(育ててくれた恩人……)を下剋上して阿波を支配していたお方です。

詳しい説明は省きますが、軍事でも知略でも風流でも当代最高クラスだったお方で、実力では兄の長慶さんに勝るとも劣らないほどの傑物であります。
千利休さんの高弟、山上宗二さんに唯一認められた武将……「実休ハ武士ニテ数寄者也」でも有名ですね。

本名は「之虎」が正確らしいんですけど、世間的には「義賢」(どうも誤伝っぽい)で通っていたりします。
ややこしいので、最近では戒名の「実休」さんと呼称されることが多いようです。



1562年。

三好家は前年から近江の六角義賢さんと紀伊畠山高政さんの挟撃に遭っておりました。
これを受け、ざっくり言うと北側の対六角は三好義興さんや松永久秀さんなどの畿内衆が、南側の対畠山は三好実休さんや安宅冬康さんといった四国衆が担当していたようです。
(鬼十河さんは前年に病死。タイミングが良すぎる気もしますが病死)


実休さんは若い頃から阿波の精兵を率いて河内畠山家を幾度もボコボコにしてきたお方なのですが。
この時ばかりは「河内返せ」「三好家調子乗り過ぎ」という畠山高政さんたちの士気・練度が相当に高かったのか、実休さんと高政さんの戦いは何箇月にも亘って膠着してしまいます。

 


そして運命の1562年3月5日

遂に三好軍と畠山軍が激突します。


戦いは兵数で劣る三好軍がなお優勢だったのですけど……。

一発の流れ弾(あるいは流れ矢)が三好実休さんの命を奪い、そのまま三好軍は総崩れとなってしまいました……。


戦でも政治でも基本的に「無敵」だった三好兄弟が、遂に敗れたのです。

決着が流れ弾のおかげだったにしても、三好家のコア戦力「四国衆」と何箇月間も互角に渡り合った畠山高政さんの実力はもっと評価されるべきだと思います

ていうか河内畠山家って分裂してたり下剋上されてたりして目立たないんですけど、中央政権を握ってきた細川家と「同格」の超名門大名ですからね。

 



この戦没地から、実休さんが陣を構えていた貝吹山古墳までは1kmほどです。

想像ですが、劣勢だった畠山軍は熊野街道を目指して後退した(熊野街道に出ないと春木川(轟川)に邪魔されて逃げられない)、それを追って実休さんたちも西側に向かって追撃した、そこを久米田池を経由してきた根来衆の往来右京さんたちが背後から鉄砲を浴びせた、という経緯でしょうか。

 


敗戦後、三好家四国衆は安宅冬康さん・篠原長房さんたちの手腕により奇跡的なスピードで立て直されます。
そして、飯盛山城で籠城していた三好長慶さんや京を捨てて南下してきた三好義興さんたちと一緒に「教興寺合戦」で畠山軍に大勝。

六角家も京から撤兵し、五畿内を完全に抑えた三好家の権勢は絶頂期を迎えますが……。

 


実休さんを失った痛手はやはり大きかったと思います。

三好家には有能な将も奉行も揃っていましたけど、いわゆる「将の将」たる力と立場を有する人は長慶さんと実休さんと義興さんの三人だけだった印象なんですよね。
(三人もいれば普通は充分なんですが)


実休さんが1562年に戦死して、義興さんも1563年に病死(?)して、長慶さんも1564年に息を引き取って。

その後の三好家は……誰も「全体をまとめる」ことができなくなってしまいました。


 

…………。

 


切々としたものを感じながら、久米田寺方面に向かいましょう。

 

 

 

 

久米田古墳群の貝吹山古墳 (三好実休陣地跡)

 

三好実休戦没地から道なりに歩いていくと、久米田寺の手前、久米田中学校の向かいに「久米田古墳群」が現れます。

 

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堺市などと同じく、岸和田にも古墳時代の名残りが残っているようですね。
誰のお墓なのか分かっていないものが多いそうで、こっちはこっちで歴史ロマンを感じます。

 


このうち、最大規模の前方後円墳が貝吹山古墳となります。


先ほどご紹介の三好実休さん、この古墳の上に陣城を築いていたようで……。

バチ当たりな感じも相当しますけど、室町時代や戦国時代、畿内ではこういう古墳を陣地に活用するケースが多かったみたいです。
古墳って高台になっていたり堀があったりで、陣地に必要な要素をふんだんに備えているからなんでしょう。

 

貝吹山古墳には実休さんの遺構はおろか、看板のひとつすらありません。

パッと見はただの丘と池です。

もし三好家の大河ドラマとかヒット漫画とかが生まれたら、この貝吹山古墳も急速に整備されたりするんでしょうか(笑)。

 

↓久米田寺側から池を挟んで見たところ。

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↓登ってみたところ。

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↓心の目で畠山軍を描いてみよう。

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全体的に樹木が茂っていますので、見晴らしはよくありません。
たぶん戦国時代当時は木を伐採して遠目が利くようにしていたのでしょう。

現代では見晴らしよりも緑を優先した方が住民満足度は高そうです。

 

 

久米田寺

 

行基菩薩さんが738年に開基した岸和田の名刹です。

岸和田は京にも吉野にも近いので、南北朝時代北朝からも南朝からも庇護を受けていたそうな。

確か太平記にも記述があったと思いますし、お寺の看板にも足利尊氏さん・直義さんの名前が登場していました。

その後は実休さんと高政さんの戦いで一度焼けてしまったそうで……。



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10月のだんじり祭の際にも来たことがありまして、その際は勇壮で賑やかな熱気に包まれていました。


こうして平時に訪れてみれば、親しみやすさと清閑さを併せ持った、実に「近所にあったら嬉しいであろう」お寺さんですね。

 

 

久米田池

 

最後に久米田池を散策して帰りました。

久米田池は行基菩薩さんによって築かれた大阪最大のため池とのことです。

 

この散歩が思った以上に楽しくて……!

結果的には久米田池の周遊に一番時間を使ってしまいました。

 

何が面白いって、お日様や雲のちょっとした変化、あるいは見る角度によって、池の景色ががらりと変わるんですよね。

 

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水辺っていいですねえ。

野鳥もたくさん飛んでいましたし、こんな散歩しがいのある場所もそうそうない気がいたします。

 

↓「世界かんがい施設遺産」にも登録されたそうで。

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友人曰く、この登録を祝うためにだんじりを走らせていたら事故で一人お亡くなりになってしまったそうですが……(笑えない)。

 

 

 

ちなみに、以前「水なす」を紹介した匠屋さんの店舗もチラ見してきました。

大阪府岸和田市「匠屋の水なす漬」 - 肝胆ブログ

 

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ものすごく複雑な場所にあったので、詳しいルートは紹介できません。
これは地元民の手助けがなければ発見できないっすわ……!

 

来年の水なすも楽しみです。

 

 

 

 

 

以上、三好実休さんを偲ぶ岸和田の旅でございました。

観光地観光地していないので、かえって散歩にはよかった印象です。
実生活の中にちょっとだけ歴史が顔を出している感じが楽しい。

 

但し、久米田寺界隈は地味にアップダウンが激しいので、しっかり歩ける靴でないと厳しいです。

観て回るだけなら、ベストは軽自動車か原付だと思います。

 

 

三好実休さんと畠山高政さんの人気が上がっていきますように。