肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

鎌倉歐林洞の「パウンドケーキ ガナッシュショコラ」

 

バレンタインなのでチョコレートの話題を。

 

鎌倉にあるカフェ歐林洞さんの「パウンドケーキ ガナッシュショコラ」が落ち着いた艶のあるおいしさでかんたんしました。

 

www.tokyu-dept.co.jp

 

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※歐林洞HPがアクセスできない状態だったので、参考に東急百貨店のリンクを。
 画像も同百貨店より引用しています。

 

 

パウンドケーキなので、切り分けてシェアするタイプです。

1本で4人前くらいはありますから、恋人同士が一晩で食べきるには向いていません。
(一緒に暮らしているなら大丈夫でしょう)

 

 

内側がほろほろしていまして、包装から取り出すとき、包丁でカットするときなど、常にケーキのかけらがほろほろほろほろ零れ落ちます。

その辺はちょっと手間です。

 

 

ですが……

このケーキはそんな面倒を消し去るくらいのエロさがあって超おすすめですよ。

 

 

若くてギャルギャルしたような華やかさはないんですけれども。

 

 

表面の暗くてつやっとした外観。

派手さはないけれども確かな美しさ、貞淑さが漂います。

 

口にした途端のほろほろ加減。

淑やかな見た目に反して意外なほどほろい女という印象になります。

 

ですが、次の瞬間から始まるしっとり食感が。

ほろい……? ほろくない……! むしろ別ちがたく!!
なんてことだ、いつの間にか私は彼女の掌中にうわああああぁぁ……みたいな。

 

 

紳士を誑かすマダムのような印象のケーキです。

どんなケーキやねん。

 

なんなんでしょうね、本当に食べれば食べるほど網に絡み取られてしまうような魅力があるんですよ。

 

 

上で申し上げた、ほろほろからのしっとり口当たりも官能度高いんですけど。

 

いいチョコレートを使っているらしき深みのある香り、経験を積んだ大人に照準を合わせた抑え目の甘さが。

気がつけばもうひと口、もうひと口と……堕ちるところまで堕ちなさい系の蠱惑力に満ちているのです。

 

ほんまにハニートラップと言うかマダムトラップですよこれは。

 

若い男を誑かすには最高のケーキな気がいたします。

食べる媚薬やぞこいつはと言い切れます。

 

 

しかもコーヒーや紅茶はもちろん、お酒にも合うんですよね……!

こんなケーキにアルコールまで重ね合わせたらもうえらいことになってしまいます。

もはやバレンタインとかではなくてマダム大感謝祭の始まりですよ。

 

 

 

間違いなく上質でおいしい大人向けケーキになります。

バレンタイン当日に言うなという話ですが、機会があれば試してみてください。

 

 

バレンタインに幸せな時間を過ごした人たちがこれからも幸せでありますように。

 

 

 

 

信長の野望201X「厳島異聞」

 

信長の野望201X「厳島異聞」の陶晴賢さんが格好良すぎてかんたんしました。

危うく大内ガチャに大枚はたきそうになってしまいました……!

 

厳島異聞復刻のリリース

お知らせ

 

 

 

私は後発ユーザーなので初トライです。

 

波状戦ということで、この前の国府台異聞に比べると楽でしたね。

それでもEXのコツを掴むまで何回もしばかれましたが……。

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まだすべての周回追加ストーリーは見ていませんが、陶晴賢さんの魅力が詰まりまくった異聞でございました。

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……という設定で始まる異聞。

ネタバレしない方がいい気がしますのでこれ以上は語りませんが、登場から退場まで終始晴賢さんが大活躍でしたよ。

大内ファンは必見の異聞と言えましょう。

 

 

ちなみに晴賢さん(隆房さん)は魔界にも出てはりますね。

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晴賢さんブームが到来しているのでしょうか。

魔界はまだ始めたところですが、「あなたを魔界に堕とす~♪」の歌声を聞くと「ああ、魔界が帰ってきた!」と感慨に耽ってしまいますね。

 

 

 

厳島に戻りまして。

蘇った大内義隆さんと毛利家の邂逅も情緒深いものがあります。

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こちらもネタバレしませんが、弘中隆包さんと義隆さんの主従ドラマも含めて見どころがたくさんございました。

いいですね、大内家。

防長経略の酸鼻に触れない義隆さんに生者への敬意を感じます。

 

 

村上水軍村上武吉さんも登場しますよ。

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史実と服装に対する突っ込みが鋭いまつりさん。

 

 

 

まつりさんは相変わらずのマイペースーパーレディです。

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攻略面。

 

波状戦は初心者に「くっ……武将の数が足りない……!!」という悔しさを味わわせてくださりますよね。

私も初体験の波状戦「姉川異聞」でボコボコにされたものです。

 

あれから一年。

北条家までストーリーを進められた現在では、EX以外は特に苦戦はしませんでした。

 

 

 

EXのクリア経緯をかんたんに紹介しますと。

(特に上手くはないので参考程度に思ってください)

 

 

EXその1

獣ステージです。

我が軍の獣系畿内人材で攻略します。

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元長さんはこだわって育てた甲斐あって便利です。敵を一掃してくださいます。

私にしては珍しく星4特性をふんだんに移植しましたよ。

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覇権を握りつつ、友達が増えそうな歌声を得て、一向宗への理解も深めました。

これだけきれいな元長さんになると蹉跌も回避可能なはず。
やったねパパ、明日は葬乱だ。

 

 

雑魚は元長さんが、ボスは獣特化の稙通さん・久秀さんが片づけてくださいます。

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EXとはいえ、この段階ではボスもそんなに強くありません。

 

 

 

EXその2

鬼ステージです。

真っ当に鬼に強い信玄さんと、雑魚&天邪鬼殺しの宗滴さんで対処します。

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強い術アタッカーがいればOKなステージですね。

 

 

 

EXその3

屍ステージです。

我が軍の屍キラー血河浅井長政さんと、天邪屍対策の麝香さんが軸になります。

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縦陣が揃えば瞬殺可能ですが、縦陣が揃わないと苦戦する程度の陣容です。

麝香さんも敏捷335だと天邪屍に後れを取るので、クレーターラテを飲んでいきます。

 

 

ボスに苦戦していたらハーデス神Lv10が降臨して始末してくださいました。

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魔界遠征で手に入るハーデス神はビジュアルも含めておすすめですよ。

 

 

 

EXその4

3属性それぞれのボスラッシュです。

蜘蛛→天狗→渡し→鯨と連戦になりますので対応力も継戦力も求められます。

 

立ち向かうはいつものメンバー。

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はっきり言って長慶さんや雪斎さんは必須ではないのですが、編成をいじるのが面倒でついこのまま突っ込んでしまいました。

せめて長慶さんの兵器をファウストに変えるくらいは手間をかけるべきでした。

 

 

3戦目の渡しさんは、物理が効かない冥途を兵器で、効く黄泉を一存さんで処理。

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4戦目の鯨コンビ。

何も考えずにやったら1回コンティニューする羽目になりましたが、その後で麻痺が効くことに気づきました。

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おお……

趣味の小笠原さんを控えに入れといてよかった!

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いわゆる「二天麻痺」というやつですね。

美丈夫光秀さんを持っているのにあえて小笠原さんに委ねてみました。

 

この方を活用したり兵器を強化したりすれば安定周回できる気がしてきましたよ。

私、この戦が終わったら大内練士で冷泉さんを育てるんだ……!

 

 

 

 

 

以上、厳島異聞の攻略メモでした。

 

晴賢さんが格好いいだけでなく、全体的にドロップ関係がよくてありがたいですね。

尼子道場や魔界第二弾とあわせて初心者中級者のブーストにうってつけです。

 

こんなけ新規優遇しているということはまだまだサービスが続くと思いたい。

 

 

 

201Xはストーリーと異聞が楽しみでやっています。

 

まだ異聞になっていない大名家ファンはヤキモキしていることでしょうね。

長宗我部家や九州勢の異聞を待ち焦がれている方は多いはず。

 

そのうち中富川の戦いあたりが異聞になって、長宗我部家ストーリーを掘り下げるとともにシレッと実休さんや長房さんや持隆さんが復活してくださいますように。

 

 

 

 

信長の野望・大志「武田勝頼と武田家(1577年高城川)」&「長篠の戦い・御館の乱(運命の選択)」

 

大志の武田勝頼さんがアホの子かわいいキャラになっていてかんたんしました。

力になりたくなる魅力を振りまいてくださります。

思わず武田氏滅亡回避に尽力してしまいたくなるのです。

 

 

武田勝頼プレイに入る前に、まずは織田家プレイで長篠の戦いを見てみましょう。

 

 

長篠の戦い(1573年頃、武田信玄死亡後に発生)

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史実通り、勝頼さんを織田家・徳川家連合軍が迎え撃ちます。

 

 

信長さんの芝居がかったセリフが格好いいですね。

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重臣たちに諫められるも、あえて決戦を選択する勝頼さん。

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気持ちが前に出過ぎているのは否めませんが、その気持ちが人の心を打つのもまた事実であります。

 

 

イベント決戦。

接敵すると、一斉に連合軍が鉄砲、武田軍が騎馬突撃を発動させる演出が。

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熱いやん……!

 

 

織田家プレイとしては、鉄砲の威力が半端ないので勝利するのはかんたんです。

武田軍の士気がガリガリ削られていきます。

 

 

……そのせいで、山県昌景さんの言行録(昌景さん潰走が条件)を見るのが地味に難しいです。昌景さんの潰走前に武田軍の士気が0になっちゃうことがしばしば。

決戦前にセーブしておくのをおすすめします。

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同じく馬場さんの奮戦言行録も発生します(こっちは勝つだけで発生)。

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敗軍の将となった勝頼さんを迎えに来てくださる高坂弾正さん。

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いずれも有名な逸話ですね。イベントの連続に思わず目頭が熱くなります。

武田家の結束と悲劇のドラマはやはり人を惹きつける力が強いです。

 

 

 

 

武田勝頼プレイ(1577年高城川)

ここから勝頼さんでゲームを始めますよ。

 

まずは周辺の状況。

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武田家はまだまだ充分な勢力を有しておりますが、周辺も強国ばかりです。

弱小勢力かつ有能人材が入り乱れる東北にいかに進出していくかですね。

 

 

勝頼さんの能力。

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お隣の景勝さん・兼続さんの評価が抑え目になってきた中(後述)、勝頼さんの能力はかなり高水準に評価されていると思います。

 

 

続いて勝頼さんの志「虎を継ぐ者」。

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けっこう強力な内容だと思います。

大国との戦が続きますので、とくに兵糧消費減少がありがたいですね。

 

 

家中の皆さん。

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昌景さんや馬場さんを失ったとはいえ、まだまだ人は多いですよ。

 

 

絶対的エースの真田昌幸さん。

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元今川家のエース岡部元信さん。防げ高天神城の悲劇。

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何年か粘れば真田兄弟も元服してきますよ。

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このメンツを見れば何とかなる気が湧いてきますね。

 

 

ゲーム開始直後、昌幸さんの言行録が発生します。

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沼田城……上杉領やんけ。

上杉謙信さんからガチンコで奪えってか。きついなあ。

 

 

ここは御館の乱発生までしばし待つことにいたしましょう。

地味に織田家とは交渉可能(同盟可能)ですし、徳川家も親善は可能です。
難易度にもよりますが謙信さんの死まで平穏無事に待つこともできますよ。

 

 

 

そして始まる御館の乱(1578年頃)

勝頼さんの「運命の選択」が始まります。

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そうだそうだ!

 

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……「金」で迷った男みたいになっているよ勝頼さん!

 

長篠の戦いでは見られなかったアホの子属性が急速に顔を出してきていますよ。

悲劇の勇将キャラから、放っとけない男子キャラにジョブチェンジしちゃいました。

 

 

史実通り景勝さんと手を組む方を選ぶと。

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い、言っておくが、金に目が眩んだのではないぞ(眩んでないとは言ってない)。

 

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北条家は四兄弟も綱成さんもいてブイブイ言わせている頃です。
初戦の相手として相応しいとは思えません。

実際に史実の勝頼さんは織田・徳川・北条連合と戦い続けて最期は族滅に遭いました。

 

とても縁起が悪い選択であります。

 

しかも先ほど紹介した昌幸さん言行録の達成も難しくなっちゃいます。

 

 

 

……ここは、史実を無視して景虎さんを支援しちゃいましょう。

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せやせや!

 

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よかったと思います!

 

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上等です。

初戦は上杉景勝さん、彼らを取り込んで北方の織田家進軍ルートを防いでそのまま東北に触手を伸ばしていく方向でいきましょう!

 

 

 

さっそく沼田城を奪取して昌幸さん言行録を回収。

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挨拶(意味深)。

 

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こういう、過ぎ去った方々が登場する演出はいいですね。

 

 

 

これで勝頼さん関係の言行録はおしまいです。

 

がんばって強敵上杉景勝家を滅ぼしちゃいますよ。

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2枚目の登用画面、能力合計値順にソートされているのですが。

以前に比べると上杉景勝さん・樋口兼続さんの評価が抑え目な印象がありますね。

 

全国の概況としては、織田家をバックに勢力を伸ばしている十河存保さんがウケるというところです。

東北は伊達政宗さんや最上義光さんや津軽為信さんなど優秀な人がたくさんいて、しかも小勢力ばかりで滅ぼしやすいといいことだらけですので一番乗りせねば。

 

 

 

6年後。奥州すべてを制覇しました。

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御館の乱の経緯を尊重し、北条家と景虎さんとは同盟を堅持しています。

 

計算では本能寺の変が起こって織田家が弱体化するはずだったんですが、何かのフラグが崩れたようで信長さんがいまもイキイキと暴れまわっています。

なんてこった。

 

 

いよいよ徳川家→織田家とガチンコするしかありませんね。

 

織田家がここまで拡大すると、兵糧攻めなんかも通用しません。

決戦で連続勝利して戦意を下げていくしかありませんので大変です。
ふだんは委任している決戦も、要所要所で自分で操作するしかありませんでした。

 

 

さらに5年後。

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どんなもんじゃい。

長篠の戦いの借りは返しましたよ。

 

 

武田氏滅亡を回避しただけでなく天下まで取ってしまう。

「勝頼さんを男にした」感があって、まるで自分まで武田家の老臣になったかのようなロールプレイ味がありました。

 

けっこう満足度高いです。

 

 

天下に輝く武田菱。

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信虎さんや信玄さんからの来し方が思い返され、感慨深いものがございます。

 

 

 

大志の勝頼さん。

書籍「武田氏滅亡」が話題になったこともあってどんな演出がされるんやろと思っていたら、まさかアホの子愛しいキャラになってくるとは。

この辺の塩梅はさすがコーエー社ですね。

 

三好家は新説を採用するとファンが喜ぶ、

山中鹿之介さんは伝説を採用するとファンが喜ぶ。

 

一方、武田家や上杉家や織田家といった昔から人気があって定説も新説も珍説も逸話も盛りだくさんな勢力は味付けが難しかろうと思うんですよね。

そんな中で好感度が高いキャラ設定を実現されたことは凄いことだと思います。

(もちろん大志勝頼さんが気にくわない方も相当数いるだろうなとは予想します)

 

 

これからも地元と戦国ファンに愛される武田家でありますように。

 

 

「武田氏滅亡」平山優さん(角川選書) - 肝胆ブログ

信長の野望201X「長篠異聞(後編)のストーリー」※一部ネタバレあり - 肝胆ブログ

 

 

 

ローソンの冷凍食品「野菜を食べる生パスタ(トマト&ほうれん草)」

 

ローソンの冷凍食品コーナーで販売している「野菜を食べる生パスタ」のトマトソースがめっちゃ美味しかったのでほうれん草クリームの方も買ってきたらそっちもやったらうまくてかんたんしました。

 

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www.lawson.co.jp

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どっちも298円というお求めやすい値段で売っています。

ともに300kcalのほどほどボリューム。
これひとつだけで済ませばダイエットメニューになりますし、飲んだ後のシメづかいとかにも使えて便利ですね。

量が少ないのが不満ならパンなりLチキなりを買い足しましょう。

 

 

名乗り通り、野菜たっぷりな内容が嬉しいです。

 

トマトソースの方は揚げナスとパプリカ、ほうれん草クリームの方は揚げナスと揚げズッキーニといんげんとブロッコリー

揚げナスがいいですね。揚げたことでうまみがギュッとしてる感があります。

 

 

加えて、この両商品は「もちもちな生パスタ」「ボディのしっかりしたソース」がとても魅力的です。

 

具も大事ですが、麺料理は麺とスープがうまいのが一番ですよね。

幅広パスタはもっちもちの歯ごたえとべっろべろな食感が楽しい。

ソースは野菜中心と思えないほどしっかりした出汁が出ていてコクウマ。

 

これらがバランスよく合わさって、低カロリー料理とは思えないほどの満足度を与えてくださいますよ。

 

 

トマトソースとほうれん草クリームのどっちをおすすめするかは難しいのですが、私の気分的なものを言えば午前中~昼食に食べるならほうれん草クリームで午後に食べるならトマトソースですかね。

あるいは一人で食べるならほうれん草クリームでわいわい食べるならトマトソースか。

要はどっちも美味しくて、トマトソースの方がアッパー感強いということです。

 

 

 

しかも地味に嬉しいポイントとして、面倒なときは皿に移す必要がない、トレイのまま温めてトレイのまま食べられる構造のやつですからね。

電子レンジとフォークさえあれば食べられるのはありがたいです。

こういう皿に移さなくていい冷凍食品を始めに考えはった人は天才だと思います。
ユーザーの気持ちを分かり過ぎています。

 

 

 

冷凍庫にストックしておくと色んな場面で活躍できる便利な商品であります。

ローソンユーザーは要チェックですよ。

 

 

気に入ったのでどうかロングセラーになってくださいますように。

コンビニ商品は改廃が激しいので、気に入った商品が発売停止になると悲しいのです。
魅力的な新商品が続々現れるのはイイんですけどね。

 

 

 

「年金詐欺 AIJ事件から始まった資産消失の「真犯人」」永森秀和(講談社)

 

講談社のノンフィクションルポ「年金詐欺」終盤の著者課題意識が共感できる内容でかんたんしました。

 

「年金詐欺 AIJ事件から始まった資産消失の「真犯人」」既刊・関連作品一覧|講談社BOOK倶楽部

 

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本の構成は前半がAIJ事件、後半が厚生年金基金そのものの課題を論じるものです。

 

著者は年金業界誌「年金情報」の編集長さんで、厚生年金基金の潮流もAIJ事件もずっと追ってきはった方です。

当時の事件を追っていた方ならご存知かもしれませんが、「某社(AIJのこと)は怪しいですよ」と初めに警鐘を鳴らしたのもこの「年金情報」でありました。

業界誌が「某社の運用成績に疑問がある」と記事にすること自体ごっつい勇気がいる決断だったはずで、惜しみない敬意と称賛をお送りしたいです。
(AIJに運用を任せていた厚生年金基金からクレームを食らいまくったそうです)

 

 

AIJ事件についてはあらためて詳述しませんが、要は偽りの運用成績で厚生年金基金等の投資家を釣っていたというものです。

被害額が二千億円と巨額な上、もともと厚生年金基金という仕組み自体がバブル崩壊以後は青息吐息だったものですから、この事件を契機に厚生年金基金という制度は消滅に向かうこととなりました。

 

そういう意味では単なる巨額詐欺事件という以上に、日本の社会保障制度史に残る大事件だったと総括してもよいでしょう。

 

 

 

当著ではAIJ事件のあらましがよく整理されておりますし、マスコミとしてどこまでを年金情報の記事にし、どこまでをこのルポ本に書くかについて悩みまくったであろうことがよく伝わってきます。

 

ただ、年金制度について詳しくない人にとっては分かりにくいことは否めない……著者が悪いのではなくもともとの制度が分かりにく過ぎるからだ……ですし、AIJ事件についてある程度詳しい人にとっては期待したほどの「新事実」はなかった印象です。

 

本の副題に「真犯人」という過激な言葉(たぶん講談社編集者がつけたしたのではなかろうか)が載っていますが、ネタバレすると明確な真犯人などは出てきません。

暴露本好きがイメージするような「政治家」「暴力団」みたいな黒幕はいませんのでお含みおきください。

 

 

 

その上で、個人的に共感したのは後半の厚生年金基金制度を本当に収束してしまってよいのか」という主張になります。

 

もちろん、現実を見れば厚労省の判断は妥当だとは思うんですよ。

 

かつて社会保険庁もやらかしてしまった通り、年金制度の運営は「極めて高難易度な事務・システムの集合体」でして、ノウハウホルダーを確保するのも育成するのも困難。

一般人の延長線である厚生年金基金が上手いことやっていくのは土台無理がある。
だから押領とか支払漏れとか訳わからん基金会館建設とか起きるんだ。

 

加えて、低金利時代においてはまともな利回りを稼いでいくのも困難。

一般人の延長線である厚生年金基金が上手いことやっていくのは土台無理がある。
だからAIJとか未公開株投資詐欺とかにつけこまれるんだ。

 

「長野県建設業厚生年金基金という闇中の闇みたいな案件も出てきたことですし、もはや厚生年金基金(特に中小企業連合である総合型)の存続なんて無理無理無理……

 

という現実は本当によく分かるのです。

「制度管理」「資産運用」という高難度ミッションを両方ハイレベルにこなせる人がそんな都合よく確保できる訳ないですもんね。

結局はバブルまでの昭和高成長時代、素人でも高利回りを稼げていた(実態は信託銀行や生保に丸投げ)頃にしか実現しえなかった制度だったのでしょう。

 

 

 

でもでも。

 

著者さんの仰る通り、かつて普及していた「税制適格退職年金制度」もすでに収束したいま、「厚生年金基金制度」までなくなってしまうということは、もはや中小企業に年金制度は戻ってこないということと同義だと思うのです。

 

懐かしの財形制度や企業型DC制度のような従業員積立系制度だけでも導入してくれていれば御の字というところで……

企業が従業員に代わって老後資金を準備しておいてくれる(確定給付企業年金等)というのは、一部の大企業や公務員にだけ残された特権ということになってしまう。

 

老後の生活が国民の一大関心事である世の中のはずなのに、こうした企業年金制度の在り方についてはまったく注目も議論もされていないのはどうしてなんでしょう。

ほんまに相撲協会なんかに注目している場合じゃないだろ(笑)。

「AIJけしからん」「長野県建設業厚生年金基金はほんまにひどい」というセンセーショナル部分だけで盛り上がって飽きたら忘れて……というのはよくないと思います。

 

日本の企業の99%は中小企業で、日本の従業員の2/3は中小企業勤めなのです。

中小企業従業員の老後保障制度をもう少し真剣に考えるべきだと思います。

大企業勤めの人はリテラシーも種銭も豊富でそのうえ老後保障まで手厚いって中、本当はリテラシーも種銭も不足しがちな中小企業勤めの人の方こそ「確定給付系」の老後保障が求められているはずなんですが。

 

「じゃあどうしたらいいねん」というとドイツみたいに労働者に資金補助して個人年金に加入させるみたいなアイデアくらいしか思いつかないんですけど。

 

 

 

そんなことを以前からぼんやり考えていたんですが、この本の著者さんが似たような課題意識を発信してくださっていて嬉しかったです。

 

むしろAIJとかよりそっちの方をもっと発信してほしいです。

 

こうした議論こそだんだん健全に盛り上がっていきますように。

 

 

 

「貴乃花親方はいったいどこまでファンと自分を傷つけるのか」

 

理事選後の貴乃花親方の振る舞いが突き抜けまくっていてかんたんしました。

いいんでしょうか、貴乃花親方。

 

 

別に相撲協会現執行部の肩を持つ訳ではありませんし、貴乃花親方の肩を持つ訳でもないのですけど。

白鵬関の取り口や日馬富士関の引退会見にネガティブな意見が寄せられること自体はいいんですけど。

 

 

相撲協会貴乃花親方の対立、もはや落としどころがなくなっている。

相撲関係者は誰も得をしていないし、いたずらにファンを傷つけているだけ。

得しているのは視聴率や雑誌売り上げを稼げるメディアやコメンテーターのみ。

 

……という状況に陥っていると感じるのは私だけでしょうか。

 

 

 

身も蓋もないことを申し上げますが、そもそもほとんどの相撲ファン相撲協会という組織に大きな期待を寄せていないと思うのです。

 

大半のファンが見たいのは土俵上の充実、現役力士の活躍だけでして。

相撲協会はあくまで裏方、そこの組織運営やガバナンスがどうだとかは関心の外だと思うんですよね。

 

ぶっちゃけた話、相撲協会が一流の経営なんてできる訳ないじゃないですか。

興業が黒字になって連日満員御礼を実現しているだけで充分じゃないですか。

 

あのメンバーに、一流企業や省庁並のパフォーマンスを本気で求めているんですかね。

 

 

 

「公益財団法人なんだから」という向きもあるとは思いますけど。

具体的に公益財団法人の一覧とかを見たことある方はどの程度いらっしゃいますか。

ハッキリ言って相撲協会よりはるかにグズグズの組織がいっぱい散見されますよ。

 

世間バッシングが高いからと言って相撲協会の公益財団法人認可を取り消すとなると、認可取り消し理由を明文化する必要が出てきまして、そうなると他の公益財団法人は同じ基準に照らし合わせて大丈夫かという検査が必要になって参ります。

行政がそこまで手間暇コストをかけて、いったい何が得られるというのでしょう。

 

公益財団法人が税で優遇されているのは事実ですが、相撲協会が有り余るほどの経済効果を生み出しているのもまた事実であります。

既得権益ムカつくと単純に言い切るのもちょっとどうかという感がございます。

 

 

 

相撲協会の諸対応がグダグダなのは間違いありませんが、世間一般の組織だってたいていそんなもの、それどころか相撲協会以下のガバナンス組織が大半だと思います。

非難している方も、自分の所属組織を冷静に見て「言う資格がある」と確信できる方がどれほどいらっしゃることか……。

 

もちろん悪いことや不祥事にはそれぞれ非難を浴びせるべきですが、大きな改革や改善まで果たして期待するべきなんでしょうか。

それほどの高度なマネジメントを社会が要請するのだとしたら、相撲協会よりも優先される組織がたくさんあると思うのですが。

 

「年金詐欺 AIJ事件から始まった資産消失の「真犯人」」永森秀和(講談社) - 肝胆ブログ

 

 

 

とりわけ疑問なのが、既に相撲協会内で実権を失っている貴乃花親方がどれだけ世間の支持を得ようと、その先に何があるのか……何もないとしか思えないことであります。

 

相撲協会は国会ではありませんので、世間の支持が高まろうが離れようが、実際のところほとんど影響はないんですよね。

ファンの本場所来場が減ればもちろんダメージはありますが、ファンは協会の内紛なんて関係なしに観戦を楽しんでいるのは初場所で証明済みです。

将来の新弟子や新規ファンの獲得は困難になったでしょうけど、貴乃花親方が仮に協会の実権を握ったとしても具体的にどのように協会を改革したいのかが明らかでないいま、いたずらに対立を盛り上げることは傷口を広げることにしかならないはず……。

 

 

何が言いたいかと言うと、貴乃花親方は相撲協会の改革に直接影響のない世間支持を集めようとするより、堂々と相撲協会内の貴乃花親方支持者を増やす方に注力すべきではないかということです。

 

私見ですが、貴乃花一門の親方衆ですらそう思ってはる気がいたします。

 

 

きつい言い方をすれば、「横綱かくあるべし」と仰っている貴乃花親方自身が、いまやってはることは「変化」「奇襲」で、組織人として「横綱相撲」を取っているように思えないことが残念なのです。

 

 

現役時代の格好いい貴乃花関はどこにいったんでしょう。

相撲協会内で自身が人気・支持を得られなかったことに正面から向き合わず、「あいつらが腐っているからだ」みたいなマスコミ印象操作に同調して、相撲協会の共感を得られないやり方で世間を煽っているというのはどう見ても……横綱相撲的な戦略ではありません。

自身が非難している白鵬関の取り口(受け止めない相撲)を、自身がいままさに土俵外でやっている感じなのは気づいてはるんでしょうか。

 

 

抽象的理念ではなく、具体的に相撲協会の何をどう変えたいのか、そのためのロードマップは、想定される課題と対策は……などの貴乃花ビジョンを明らかにし、是非を協会関係者に問うてくださることを祈っております。

さすがに単にモンゴル横綱を追放したい、愛国主義的な理念を布教したい、というだけではないでしょうし。

……ないですよね?

 

 

 

どれだけマスコミや一般人にもてはやされようが、相撲協会関係者の共感を得られない限り、相撲協会の改革を進めることはできません。

 

そこに向き合わず、相撲協会へのバッシングを煽り続ける姿は……長期的に見れば貴乃花親方自身を傷つけることになると思います。
最近の貴乃花親方の振る舞いは見ていて悲しくなります。
貴乃花親方には組織人としても痛みに耐えて頑張ってほしい。

 

何より、昨今の相撲関係報道は相撲ファンの人格すら否定しているような勢いがありますから、大っぴらには言えないものの相撲ファンのフラストレーションをチャージしまくっているのが実態だと思うのです。

 

 

 

相撲ファンに心を癒す静穏を与えるためにも、

横綱貴乃花親方の貫目を損なわないためにも、

落としどころのない対立煽りがそろそろ沈静化していきますように。

 

 

 

こうした貴乃花親方の行動を生み出したのは相撲協会ですから、こっちはこっちで心底からの反省とケジメを見せてくださいますように。

貴乃花親方を悪者にして満足していちゃおかしいです。

 

一方、相撲協会メンバーの大半だって彼らなりに相撲の未来を考えている訳ですから、メディアには協会の地道な取り組みもちゃんと取り上げてもらいたいですけどね。

 

 

 

「さらばわが青春の『少年ジャンプ』」西村繁男さん(飛鳥新社)

 

少年ジャンプ創刊メンバーにして3代目編集長である西村繁男さんの自伝を読んでみたところ。

ジャンプ創刊時の熱気や個性に満ちたエピソードは期待通りに面白く、その上臨時労働者組合活動潰しのエピソードが昭和経営史の一幕感があって予想外に面白かったものですから大変かんたんいたしました。

 

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少年ジャンプ創刊期のエピソード(第1章~第4章)

月刊誌「少年ブック」の苦戦、月2回刊行誌としての「少年ジャンプ」立ち上げ、好評を受けての週刊化……といった流れを振り返ってくださる内容です。

 

西村繁男さんはジャンプ創刊メンバーの一人(わずか4人の編集員で立ち上げたようです)ですから、どのエピソードも具体的かつ迫真味があって読みごたえがあります。

 

新人重視主義(後発なのでベテラン作家を確保できなかった)、アンケート至上主義、漫画家専属制度(せっかく育てた本宮ひろ志先生たちを他誌に取られぬよう)などなど、現在の少年ジャンプにも繋がるアイデアが次々に出てきてライブ感満点。

漫画や漫画雑誌が好きな方ならわくわくしっぱなしで読み進められることでしょう。

 

 

編集メンバーも個性的でいいですね。

 

著者の西村繁男さんは「外道マン」で「仁死村繁樹」として登場してはります。
(「地獄へ堕ちろ」しか言わない副編集長)

自伝を読んでも、だいたい「外道マン」通りな人物像を想像してしまいました(笑)。

 

初代編集長の「長野規」さんはスケールの大きい人物像で、熱意と経営者目線が両立している魅力的な方だったようです。

「激マン」でマジンガーZの打ち切りを宣言している場面でも筋が通った人物として一目置かれていましたもんね。

 

副編集長にして二代目編集長の「中野祐介」さんは上昇志向の強い叩き上げタイプですが、繊細な一面も持っていて人好きのする方だったようです。

「外道マン」ではムチャぶり編集長として平松先生を追い込んではりましたが、内面ではいろいろとストレスを抱えてはったのかもしれませんね。

 

後輩の編集者「加藤恒男」さんは秀才タイプで、永井豪先生の「ハレンチ学園」をモノにしてきはります。

本宮ひろ志先生を育てた西村氏とはライバル関係にあったようで、いい意味で互いの成果を高めあっていたような描かれ方で好印象でした。

 

 

本の中ではたくさんの漫画家さんが登場してきますが、その中でも著者との関係から本宮ひろ志先生の描写が際立っております。

わたしの胸の中に青春という言葉が、ある光芒をもって飛び交い始めていた。自分には想像もつかない青春を、二月の寒空に靴下もはかず空腹をかかえて、サンプルの絵を見せに来た二十歳になったばかりの本宮に見たのだ。

あるいは、本宮の絵を見ているうちに、自分も本宮の青春に参加できるかも知れないと錯覚したのだろうか。

「じゃあ、おれ、明日までにネームやって持ってきます」

と本宮がぶっきらぼうに言った。

一瞬わたしは、自分の耳を疑った。過去の本宮の最高のペースが、三ヵ月かかって三十一ページの読切一本だった。三回分のネームと言えば、九十ページ分に相当する。

 

言葉通りに一晩で連載三回分の「男一匹ガキ大将」ネームを仕上げてきた本宮先生。

しかも内容は西村さんが唸るほどの完成度。

パネェ……っす。

 

 

 

臨時労働者組合潰し(第5章)

っといっても、西村氏が主体的に潰したわけではありませんが。

西村氏が目撃した集英社小学館(親会社)の労務担当者の冴えっぷりが凄いです。

 

事情としては、少年ジャンプも含め、当時の集英社はフリーの編集者を多く雇用していて、彼らの力は雑誌作りに欠かせなかった。

しかし、フリー編集者の待遇は正社員編集者と比べてあまりにもよくない。

そこでフリー編集者たちが組合を結成して運動を始めた、しかも旗を振っているのはジャンプのスタッフ「遠崎史朗」さんだったという。

 

配下から組合活動家を輩出するとなると、西村氏の立場も苦しい。

 

西村氏は彼らの言い分に同情的だったのですが……

何しろ昭和のことです。

組合側も激しいし経営者側も厳しい。

 

会社は、一切団交には応じない上に臨時雇用者(組合員を除く)を対象とした正社員登用試験」を実施することで臨時労働者組合をボロボロに分断することに成功。

もちろん、これで正社員登用の道が拓かれたので救われたフリー編集者も多かったようなのですが、臨時労働者組合を率いていた遠崎氏は辞職に追い込まれることになりました……。

 

 

と終わったら後味がすこぶる悪い話なんですが、この遠崎氏がユニークな人物で、ジャンプ編集部も人情味に厚くて。

 

遠崎氏は退職後なんと「漫画原作者」としてデビューし、シレッとジャンプで「アストロ球団」などをヒットさせていくのです。

 

 

「よしわかった。遠崎くん、こうしよう。きみは今までどおり、会社に来るんだ。今だって仕事を干されているから、ほとんど座ってるだけだ。その間に原稿を書けばよい。そうすれば現在の収入は確保できる。採用できる原作が書けるようになれば、原作者として独立すればいい」

「そうしていただけると助かります。原作を書かせて下さいとお願いしたものの、当座の生活費は喫茶店のボーイをやろうかと、漠然と考えていたんです。ありがとうございます」

 

なんかもう現代の会社組織とは全く違う熱と勢いと雑さを感じさせられますね。

 

単なる悲惨な話でないことも含めて昭和経営のリアルな場面を切り取ったような触感のある章で、個人的にはとても面白かったです。

 

 

 

ジャンプ編集長として、集英社経営陣として(第6章~第8章)

ここからは駆け足でさくさくと進んでいきます。

自伝という性質上、近年の話は生々しすぎて深入りする気になれなかったのでしょう。

 

サーキットの狼」によるスーパーカーブーム、山止たつひこ先生による「こち亀」の開始、そして鳥山明先生・ゆでたまご先生の登場などなどにより……

ジャンプは発行記録を次々に塗り替えていくことになります。

 

がきデカ」「ブラックジャック」等によりチャンピオンが強かった時代、ラブコメ路線が当たってサンデーが元気だった時代など、ライバル誌も少し触れられていて楽しいですね。

 

ブコメに追随したくなくて「北斗の拳」を世に出した判断は素晴らしいと思います。

「おまえは、もう死んでいる」

このセリフとともに日本中に『北斗の拳』が浸透していった。残虐シーンを映像処理でカバーしたテレビアニメも五十九年には放送が開始された。まさに北斗の一撃は、ラブコメを粉砕したと思う。

 

現代に至るジャンプとアニメのメディアミックス具合について、鳥島和彦氏の鋭すぎる才能を危ぶみつつ着実に発展させていったことも特筆されております。

 

 

その後、西村氏は役員会メンバー入りを果たしますが、ご本人的にはジャンプ時代ほどのやりがいを得られなかったようです。

もちろん自伝には書いてないあれやこれやがあったのかもしれませんが、モチベーションの低下は否めなかったのでしょう。

やがて西村氏は集英社を去ることになり、この自伝も終わりを迎えます。

 

 

 

 

ジャンプが好きな方、とりわけ昭和時代をご存知の方ならそうとう楽しめる本ですよ。

懐古趣味になり過ぎるとアレですが、先人をリスペクトするのは有意義だと思います。

 

これからもジャンプが熱くて魅力的な雑誌でありますように。

 

 

この飛鳥新社の本は絶版っぽいんですが、幻冬舎から文庫版も出ているそうです。