「オリックス、インフラ事業は良薬か劇薬か」にかんたんしました。
記事の要約はこんな感じ。
- オリックスがインフラ投資を拡大している
-運用収益率は5~10年で20%を期待
-インフラ投資残高は1兆円を超え、利益の1割(400億)を稼ぐ
- 関空運営の期間なら44年と、インフラ投資は超長期に亘る
-いまはマイナス金利で資金調達が容易
-でも、金利上昇したらマジやばいよね
インフラ投資を手掛ける「勇気」は称賛されてしかるべきだ。
40年先の環境変化を予想できる人がどれだけいるというのだろう。
44年もあれば。
三好政権 → 織田政権 → 豊臣政権 → 徳川幕府
日露戦争にも勝ったぞ! → アメリカには勝てなかったよ……
ジャパンアズナンバーワン! → バブル崩壊+リーマンショック
くらいの変化は余裕で起こります。
空港事業。
どこでもドアが発明されたら即終了する事業。
そこまで行かなくとも、テロの増加やら、異常気象やら地磁気反転やら、
通信&VRの進化やらブロック経済化やら為替急変やら。
飛行機需要が萎む要因なんて無数にあるのだ。
メガソーラーだって。
電池関係の技術革新が起こればガクッと赤字になるかもしれない。
記事にある通り、金利が上昇したら長期投資は逆ザヤになるだろうし。
(詳しい資金繰りだの契約形態だのは分かりませんが)
でも、だからこそ超長期の投資に挑む人たちは格好いい。
だからこそ預金よりも遥かに高いリターンを見込めるのです。
願わくば。
ビッグディールに夢中になるだけでなく、
事業開始後の地道なサービス向上や安全確保や効率化にも
同じだけのエネルギーを注ぎ込んでほしい。
(新興企業はその辺が不安だ)
事業が傾いたとしても、「インフラ」の責任を重く感じて、
安易な撤退はしないでほしい。
利用者はインフラの事業主を選べないのだ。
いま、東芝が揺れている。
色んな事情が絡みあっているが、
これもまたインフラ投資の失敗事例だ。
この事件を受けて、民間でインフラ投資なんて
やるべきではないと言う人もいる。
その一方で、役所主体の事業なんて上手くいく訳ないと
主張する人もいる。
空港も、道路も、港も、不動産も、金融も、発電も、溶鉱炉も、
年金制度も健康保険も、ガスも水道も、通信網もサーバーも。
インフラは人類の英知の最たるもの。
それだけに難しい。
民がやろうが公がやろうが、難しいものは難しい。
始めるのも適切にメンテしていくのもひたすらに難しいのだ。
こうしたインフラを支えてくれている人は、例外なくヒーローだ。
私は、民間の事業会社がインフラ投資を推進するのに賛成だ。
試行錯誤、様々な成功・失敗を重ねていけばいい。
役所も、よくよく状況を注視して法令や規制を工夫すればいい。
人間が賢い生き物である限り、必ず経験は次の世代に受け継がれていく。
40年後、世の中がもっとよくなっていますように。