肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

アンリミテッド コーヒーバーの「5オンスラテ」

 

アンリミテッド コーヒーバーの「5オンスラテ」にかんたんしました。

 

COFFEE BAR - 東京 スペシャルティコーヒー | アンリミテッドコーヒーロースターズ

 

東京のスカイツリーに行ってきた。

展望台よりも、むしろ土台の鉄骨の太さ美しさに圧倒されたものである。
こんなものを築いてしまう人類すげえ、と思い知らされた。

 

その帰りに立ち寄ったのが「アンリミテッド コーヒーバー」である。
スカイツリーの駅から歩いて1分。近い。

 

友人に教えてもらったこのお店。
知る人ぞ知るようなコーヒー屋さんとのことである。

もとより私はドトールセブンイレブンとマキシムインスタント程度の
コーヒー知識しか持ち合わせておらぬ。
入るのは躊躇われたが、見知らぬ土地のことと覚悟を決めて入店した。

店内はやや手狭、その代わりに雰囲気のある設え。
時間は正午頃。
満席だった。
客層はおじさまおばさまと、西洋人が多い。
いかにもコーヒーをこよなく愛していそうな方々だ。

まごまごしていると、親切そうな店員さんが話しかけてきてくれた。
コーヒーのメニューを見せてもらい、
飲みやすいものだの薫りに優れたものだのを教えていただく。
このタイミングで気づいたが、コーヒーを注文してから席に着く
仕組みになっているようだ。

 

素人によさげな5オンスラテを頼み、席でしばし待つ。
周りの客は思い思いにランチやコーヒーを楽しんでいる。
どのお客さんも屈託なく快さげだ。
あのパウンドケーキうまそうだ。

二階からガヤガヤと人が降りてくる。
なんでも二階はバリスタ教室になっているそうだ。
ということは、降りてきた人たちは皆カフェオープン志望者か。
10人近くいたぞ。こんなにカフェやりたい人が多いのか。
すごいな東京。


……コーヒーが出てくるまで10分は待った。
よく分からないが、カウンターの向こう側で熟練そうなバリスタさんが
真剣にこしらえてくれているようだ。
うむ、ドトールとかと比べてはいけない。
鰻に比べれば短い。

5オンスラテ。
店員さんが席まで来て注いでくれる。
注ぎたてが一番おいしいのだそうだ。
味にこだわっているから、わざわざ席まで来てくれるのか。
まさに感嘆すべき姿勢だ。
ワオ、ハート? 葉っぱ? のようなラテアートをほどこしてくれたぞ。
女子力がぐんと上がった気がするぜ。

 

この日は寒かった。
温かいラテはありがたい。
なんか親切を受けたような気分になる。

口に含んだ。
オアア、うまい。なんぞこれ。まじかこれ。
自分の語彙力のなさが情けないが、なんしか舌と喉がびっくりした。

コーヒーの香ばしさ、苦み、コク?
ミルクの優しさ、頼もしさ。
それから両者が混じりあうハピネス。
「コーヒーの味を構成する要素」がいずれも鮮やかなのに、
いずれもスッと去っていくのだ。

これは。
自分の人生には縁がないような美男美女がいきなり現れて、
なぜかハグされて、バーイと去っていかれたような気分だ。
「えっ……ごめん、もう1回。ワンモアプリーズ」と焦っても時既に遅しな。
家に帰ってから思い出して、後から悶々するような。
1週間経ってからも思い出して、また会えないかなと願ってしまうような。

ふおお、うまいぞ。

もうひと口、もうひと口と。
ゆっくり味わえばいいのに、すぐに飲み干してしまった。
ゆっくり味わえばよかった。
これで500円か600円くらいなのは安いな。
お代わりしたいが、なんかそれは恥ずかしい。
食の軍師的な、
「へっ、カフェで満腹セットかい」みたいなセリフが脳をよぎる。

 

次の予定もある。
結局、すぐに退散することにした。
「お気に入りのカフェでお気に入りのコーヒーを楽しみ、
 長居せずに颯爽と去っていく私」をイメージしながら。

 

ああ、お代わりすればよかった。

 

……近いうちに再訪できますように。