肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

「コーエーテクモホールディングスの株価('17.3)」日経新聞 コーテクHD、命運握る「10年越しの新作ゲーム」  証券部 南雲ジェーダ記者

 

今朝、日経新聞(電子版)の目立つ位置にコーエーの記事が載っていて、
かんたんしました。

 

www.nikkei.com

 

 

印象ベースですが、コーエー社の記事が日経新聞のトップ周辺に
掲載されることは珍しい気がします。

記事をざっくり要約すると以下の通り。

  ・コーエー社の4月~12月業績はいまいち
   (連結営業利益は通期計画のわずか30%)

  ・ここから計画をやり遂げ、増益を果たせるかどうかは
   2/9に発売した「仁王」にかかっている

  ・「仁王」は全世界的に好調な滑り出しで、市場も好感。
   株価は7日に上場来高値(株式分割考慮後)となる2310円をつけた
  

 

「仁王」は未プレイですが、評判がいいようですね。
松永久秀なんかも出てくるそうで興味深いです。
このご時世に、死にまくる前提のハードなゲームが売れるというのも驚きです。

 


さて、コーエーの株価ですが、上場来高値とは実にめでたいですね。
社内や関係者は盛り上がっているのかな。

 

私はコーエーの株を買おうか検討したことがあります。
以前、別のアカウントで信長の野望について、

 ・もう少し三好家が強くなればいいのに
 ・畿内勢力配置を正確にやってくれればいいのに
 ・摂津や河内の国力評価を高めてくれればいいのに
 ・それにしても河内畠山家が哀れだ

みたいなファンの戯言を書いたことがあるのですが、
人様に意見するなら株のひとつくらい持っておくのが筋かなと思いまして。

それで去年('16)の暮れくらいに株価を見たところ、
やたら高止まりしている感じだったので買うのはやめにしたのです。

あれから更に上がったとは。


コーエーの株価推移は以下の通りです。

www.nikkei.com

 

アバウトに言うと、'17.3月現在の株価は2,300円弱。
'9の上場時は600円ちょい、
'11頃の底値だった頃は500円前後、
それから'13の「創造」発売前後からずっと右肩上がりに伸びてきています。

底値の頃に買っておけば今頃4倍以上になっている計算ですね。
'11と言えば確か「天道」が良作なのに「革新」ファンから叩かれて、
その後出た「三国志12」ももうひとつ評判がよくなかった頃でしょうか。
叩かれている時こそ株を買っておけ、ということですかね。

まあ、後出しで何を言ってもですけれど。


コーエーの株価が今後どうなるか、素人の私にはもちろん分かりませんが。

ポジティブ材料としては、

 ・「仁王」が日本でも海外でもヒット
 ・コーエーは「日本の歴史もの」という固有の強みを持っている
  (海外でもサムライ・ニンジャコンテンツは一定の需要がある)
 ・テクモ由来の「やわらかエンジン」なる固有の強みも持っている
  

www.gamecity.ne.jp

辺りが思い浮かびます。


反対にネガティブな材料としては

 ・英邁な君主「シブサワ・コウ」の後継者問題
 ・ゲーム業界全体を襲っている開発費の高騰
 ・海外ライバルメーカーの技術力・資金力のエグさ

などが考えられます。

特に「シブサワ・コウ」およびその奥様の実力が上手く後進に受け継がれていくかは
コーエー特有の課題だと思いますね。
任天堂スクウェア・エニックスは既に代替わりを幾度か経験していますし。


「戦国立志伝」発売頃にかんたんした記事なのですが、

gekkan.bunshun.jp

news.denfaminicogamer.jp

 

こういう極めて面白いインタビューが成立してしまうくらい、
この創業者夫婦は偉大で魅力的なんですよね。

まんま戦国時代や三国志の名君だと思います。
織田信長にしろ武田信玄にしろ劉備にしろ曹操にしろ、
彼らが去った後に家運は傾いている訳ですから。

コーエー家」が代替わりして勢力を拡げていく後北条家的なノリでいくのか、
代替わりせずに現役を貫く朝倉宗滴のノリでいくのか、
残念ながら後半シナリオみたいな人材スカスカ状態になってしまうのか。
注目したいと思います。

 


ゲーム会社の株と言えば、ほろ苦い経験をしたことがあります。

もうずいぶんと前のこと。
私はコナミの「悪魔城ドラキュラシリーズ」が好きで、好きで、
応援のつもりでコナミの株をン十万円分買ったことがあります。

ファンコンテンツへの「課金」に近い心情だと思うのですが、
既に2D路線と3D路線の狭間で迷走し始めていた悪魔城シリーズの先行きが不安で、
せめて1999年ユリウス主人公の新作が出るまでは、
悪魔城伝説ドラキュラ伝説2のクロニクル版が出るまでは、
と願って株を買ったのです。

もちろん、株を買ったら好きな作品が出ると本気で思っていた訳ではないですよ。
当時も、預金しても増えない、ATM手数料で目減りするだけの環境だったからです。
生活の足しにするには株なり何なりの投資をするしかなかったから、
どうせなら好きなメーカーの株を買っちゃえと思ったのです。


それから、コナミの株価は大幅に値上がりし。
上手いこと売りさばくこともできたので、私はけっこうな額の小遣いを手に入れました。

 

……悪魔城シリーズは息絶えました。

 

コナミは株主にとって、正しい経営をしたのです。
資源資本に限りがある中、パフォーマンスのよろしくないコンテンツは
容赦なく切られてしまいました。

投資効率だけで見れば、どの業界でも「舌の肥えた個人客」相手の商売は儲かりません。
品質にケチはつける、
おぜぜは従来作品並かそれ以下しか払わない、
ネットや口コミで悪評は拡げまくる。
オールドでコアコアなファンなんて、経営者から見たら邪魔者なのです。


よくよく考えてみれば、いまにして思えばそれが分かるのですけれど。
好きなシリーズを潰すのに自分が加担して、
それで報酬を貰ったような気になってしまったんですよね。


コーエーの株価とニュースを見て、そんなことを思い出してしまいました。

太閤立志伝6だとか、
ロードとムーブが速くてエンディングの性別縛りをなくしたジルオールだとか、
そういう作品を期待している私はコーエーの株を買わない方がいいのかもしれません。


以上、コーエー(とコナミ)の株価に関する、何の参考にもならない与太話でした。

 


……100年後のイースターの日でいいから、悪魔城ドラキュラが復活しますように。