読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

装甲騎兵ボトムズ「ザ・ラストレッドショルダー」高橋良輔監督(日本サンライズ)

 

 

装甲騎兵ボトムズTVシリーズのウド編とクメン編の間に位置するエピソードを
描いたOVA「ザ・ラストレッドショルダー」にかんたんしました。

 

ボトムズWeb

 


これはいいOVAですね……!

1985年にこんな作品がつくられていたのか。
この30年、私はなぜボトムズに触れてこなかったんだろう。


以下、ネタバレを含みます。

 

 

 

 

 

 


あらすじ

 


ウドの街を脱出したキリコさんがレッドショルダー時代の仲間から声をかけられ、
昔の上官ペールゼンさんにお礼参りにいくという内容です。

仲間たちはどうやってキリコさんに連絡したんでしょうね。
蛇の道は蛇でしょうか。

キリコさんはお礼参りがしたいというよりは、ペールゼンさんが
秘密結社とつながりを持っている可能性が濃厚ということで、
フィアナさん会いたさに話に乗っかったようです。


案の定、フィアナはペールゼンさんのところにいました。
後のキリコの宿敵、イプシロン(全裸)も一緒です。

ていうかイプシロンさんが誕生したところでした。
誕生して初めて目にしたのはフィアナさん。
育ててくれたのもフィアナさん。
これはあかーん。その後のさだめを想わせないで……。

この全裸かつ無垢なイプシロンさんがフィアナとデートするところは
当時(30年前)の女性視聴者が釘付になったに違いありません。


さて、キリコ+仲間3名はペールゼンさんの秘密基地に殴り込みをかけます。
割と正面突破です。

4人とも超強い。
すごい作画でペールゼンを守るレッドショルダー残党を壊滅していきます。
なんだこいつら、全員異能者かよというくらい強いです。


しかし、異変を感じてイプシロンさんが出撃。
全裸ではなくハイレグを想起させるデザインのパイロットスーツに着替えています。


イプシロンさんは生まれた時からパーフェクトなソルジャーでした。
暴れまくっていたキリコたちを1人で叩きのめします。
さすがイプシロン。それでこそイプシロン

あっという間に仲間2人が斃れ、キリコさんも意識を失います。


キリコにとどめ……


それを寸前で止めたのがフィアナさんでした。
フィアナはイプシロンに「これが愛や!」とキスをして思考停止させ、
キリコさんの命を救ったのです。

いいタイミングで意識を取り戻したキリコさんにもばっちり目撃されました。
キリコ、大ショックです。明らかに凹んでいます。

ちゃうんやで、あんたへの愛でイプシロンにキスしたんやで


そうこうしているうちに唯一生き残っていた仲間が最後の力を振り絞って
ペールゼンを撃ち殺し、本懐を遂げました。


基地が爆発する中、キリコさんも秘密結社の皆さんもそれぞれ脱出します。

そしてクメンへ……


というストーリーでした。

 

 

見どころ

 


TVシリーズを観たファンにとって嬉しい部分と、
OVA新出で嬉しい部分に分けて話します。


TVシリーズファンに嬉しい部分。

オープニングがTVと同じ映像で「炎のさだめ」。
あえてOVAオリジナルではないのが嬉しい。
歌だけ地味に再録されていて声が少し違うのも楽しいです。


要所要所で流れるBGMがTVシリーズと同じなのが嬉しい。
「このシーンはこの曲やろなあ」というのが本当に流れてくれるのです。
とりわけ敵基地襲撃で斜面を下りていくシーンに「THE UNIVERSE END M-14」。
作画の良さも相まって最高に盛り上がれます。


キリコやフィアナにまた会えたのももちろん嬉しい。

それ以上に、秘密結社メンバーがボロー、アロン・グラン、キリイと
TVシリーズ死亡メンバーが勢揃いしていたのが嬉しい。
この頃はまだブイブイいわせてたんやなあと感慨に浸れます


イプシロンが鬼のように強いのがひとしお嬉しい。
ひらひら弾を避けますからね。
誕生直後でこれかよ、こんなんにどうやってキリコは勝ったんだと
彼の強敵ぶりと後のキリコの化け物ぶりが再度実感できて感慨に浸れます。

フィアナとイプシロンの絆があらためて強調されたのが悲しい。

そうやろなと思っていた二人の関係を実際に知れば知るほど、
クメン編・サンサ編のキリコとイプシロンの闘争に想いを馳せてしまいます。

 


こうやって並べると、TVシリーズ本編ファンにとっては
まさに「待ち望んでいたOVA」ですね。

スタッフの原作愛を感じました。

 

 

OVA新出で嬉しい部分


新登場のキャラクターたち。

ペールゼンさんの曲者かつ頭おかしい思想行動にも惹かれましたが、
それよりもキリコさんのかつての仲間たちが印象に残りました。


お顔パンパンおじさんのグレゴルーさん。
声はルパンの次元(小林清志さん)。

ペールゼンさんのせいで家族を失い、キャラの影が濃いムーザさん。
声はドラゴンボールフリーザ中尾隆聖さん)。

ムーザに要らんちょっかい出しまくるけど内心は熱いバイマンさん。
声はJ9のブラスターキッド(塩沢兼人さん)。


人物も声も魅力的な連中です。


何より、この連中揃いも揃ってメチャ強い。

敵も味方も元レッドショルダー、ともに精鋭部隊の争いです。
作画の良さも相まって敵集団の技量の高さもよく分かるのです。
明らかにTVシリーズの通常敵よりも手強いと思われます。

それを4人の連携でガシグシ突き崩していく爽快感

ああ、レッドショルダーの中でもこの4人は異常やったんやろな、と
速やかに納得できます。

だからこそ、この4人を1人で圧倒してしまうイプシロン様の貫録も
うなぎ上りなんです。


わずか50分のOVAで、一瞬で視聴者を魅了し、一瞬で殺されていく。

何とも退場させるに惜しい連中でありました。



アーマードトルーパー(AT)および戦闘シーン。

詰まるところATによる戦闘シーンが最高なOVAでした。

敵の新出AT「ブラッドサッカー」がこれまた格好いいのです。
キリコたち4人にはボコボコにされてしまいましたけど、敵方の連携攻撃も
キマってましたよ。

イプシロンさんが乗ったあとはほんまに悪魔みたいな強さ怖さでした。
絶対に戦場で遭いたくない機体です。
青色よりも黒色赤肩の方が見た目の怖さは数段上ですね。


味方側のスコープドッグ改もイカしてました。

ターボダッシュの挙動がめちゃ格好いい。
いつもの直滑降みたいなスタイルのローラーダッシュだけではなくて、
スラロームみたいに上半身を斜めに振りながら走るスタイルで魅せてくれました。

機動戦の描き方が更に上質になった印象です。

また、地味ながらローラダッシュをバックに入れて起き上がる動作とか
よかったですねえ。
ATの操作に慣れている感じが伝わってきます。

 


以上、繰り返しますが本当によいOVAだと思います。

TVシリーズ後につくられるOVAや映画のお手本のようです。

50分ですから、TVシリーズを観ていない方にもあえておすすめしますよ。
この内容を気に入って背景関係が気になってからTVシリーズを観てみるのも
いいんじゃないかなと思います。



まだまだボトムズOVAは出ているようです。
他のOVAも当作と同じくらいの傑作でありますように。

 

 

「装甲騎兵ボトムズ(TV)」高橋良輔監督(日本サンライズ) - 肝胆ブログ

装甲騎兵ボトムズ「ビッグバトル」高橋良輔監督(日本サンライズ) - 肝胆ブログ