肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

装甲騎兵ボトムズ「レッドショルダードキュメント 野望のルーツ」高橋良輔監督(サンライズ)

 

ボトムズOVA「野望のルーツ」にかんたんしました。

 

ボトムズWeb


今度のOVAはTVシリーズ以前のエピソードになります。

いままで見てきたTV・ラストレッドショルダー・ビッグバトル以上に
「戦争記録映画」感が強く、なかなか見応えがありました。


以下、ネタバレを含みます。

 

 

 

 

 

あらすじ。


レッドショルダーという軍の中でも最高機密扱いのえげつない部隊があります。

キリコさんがそのレッドショルダーに入隊することになりました。
入隊早々、先輩方が新入隊員を殺しにかかってきます。
「共食い」とか言って、生き残った奴にしか用はない的な感じです。

生き残ったのはキリコともう一人(実は軍から送り込まれたスパイ)だけでした。

実はキリコがレッドショルダーに転属になったのは裏がありました。
ラストレッドショルダーにも出てきたペールゼン閣下が
キリコの異常な生存能力に目をつけ、キリコが彼の理想である「死なない兵士」
「異能生存体」なのかを確かめようというのです。

ペールゼンの命令でグレゴルー・バイマン・ムーザの古強者トリオが
キリコを殺そうとしてきます。
至近距離で銃を撃ちまくりました。
でも当たりませんでした。

ペールゼン自身もキリコの心臓を撃ち抜きました。
キリコは死にました。
でもすぐに生き返りました(!)。

キリコさんも惑星サンサ戦に投入されました。
戦場のドサクサでレッドショルダーの上官がキリコを殺そうとしてきました。
キリコ相手に奮闘し、相撃ちっぽくなりました。
でもキリコは生き返りました。

ラストシーンでは、レッドショルダーが戦勝パレードをしています。
隊員はみんな敬礼していますが、キリコ・グレゴルー・バイマン・ムーザは
銘々タバコを吸ったり手を振ったりペールゼンを睨みつけたりしています。

これからこの4人は転属になってラストレッドショルダーのエピソードに
繋がっていくのでしょう。

めでたしめでたし。

 

 

……遂に異能生存体というパワーワードが出てまいりました。

異能生存体。
キリコは死にません!
必ず死ぬはずだ、人間ならば!



異能者とは設定されてましたが、まさか「死なない」とまで明言されるとは。

腰が砕けようが心臓が止まろうが、一週間後には戦場復帰可能。
あらゆるご都合主義を駆使してキリコの死亡フラグがへし折られていく。

これでは本格ミリタリーの世界に両津勘吉を投入するのと同じではないか。
ボトムズとはもしかしたら、ものすごく大掛かりなギャグアニメなのではないか。


OVAが戦記映像っぽく、各エピソードが飛ばし飛ばしで展開が速くて、
軍内部の暗闘やレッドショルダーの暴威や戦場暮らしの頽廃が色濃く漂う中、
キリコひとりが一際異彩を放っていて。

シリアスとチート無双とギャグと弾薬を混ぜて混ぜて爆破して、
誰も及ばないところまで到達したオリジナルの境地。

それこそが最低野郎のさだめなのかもしれません。

 

もはやTVシリーズとのつじつまを合わせようとすらしていないのもすごい。

合っていないのにボトムズらしい、ボトムズの世界線が広がっているのもすごい。

小さくまとまっていないぞ。
面白くなかったらただの問題作だが、面白いからこそとんでもない問題作なのだ。


や……。

よくこんなOVAつくれたなあ。
自分の過去を乗り越えてこそのクリエイターだなあ。

TVシリーズ原理主義には到底受け入れられないかもしれませんけど、
この作品は目を背けてはいけないマスターピースだと思いますよ。

 

 

もうなんかキャラがどうしたとかATの描写がどうしたとか
細かいことはどうでもいい気がしてきましたが。

とりあえずグレゴルーたちが再登場してくれて嬉しかったです。
やっぱり評判良かったんでしょうね。

爆発から逃げるシーンでムーザが転んだとき、バイマンがスルーして
先に行っちゃったのが印象的でした。
「ムーザが死のうが知ったこっちゃない」なのか
「ムーザの実力なら死ぬことはないだろう」なのか。
どちらにも読み解ける気がしますし、バイマン自身どちらの思いも
持っているのかもしれない、なかなか深みのある場面でした。

 

レッドショルダーの司令官、リーマン少佐もよかったですね。
いかにも職業軍人の粋を極めた実力者という佇まいで。

絶対にキリコのような存在は許容できないというスタンス。
男です。

敵役、死ぬ役ではありますが、彼は男だったと称えたいです。



戦闘シーンは個々の挙動より、肩が赤い方々がえぐい集団戦術を
何度も何度も繰り出すのが怖くて最高でした。

ひぃぃ、レッドショルダー怖いよう。
新兵もバララント兵もかわいそうだよう。
キリコを嬲るリーマン機のパイルバンカーが固くて太くてカッコいいよう。
キリコ機のコックピットから血が大量に流れているんがもうなんかたまんないんだ。


BGMも一新されていて、不穏な曲調が戦記フィルムっぽいこの作品に
よくマッチしていました。

 

 

以上。


ボトムズとは何なんだろう。

ボトムズはどこに行ってしまうんだろう。

そんな思いを新たにしたOVAでした。
ガンダムシリーズで言えばGガンダムガンダムWだと思います。
マジンガーで言えばマジンサーガです。
ゲッターで言えば「號」以降の原作漫画です。


そのうち「でたな……でたなキリコ・キュービィー!」みたいに
なってしまうんじゃないかと不安でなりません。

ドキドキが止まらないのです。


この先のOVAシリーズが、更におもしろいもの、驚くべきものでありますように。

 

 

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