肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

「子育てとしてのフリーマーケット参加 理想と現実」


フリーマーケットに参加してかんたんしました。


若い親世代の皆さんが、子育てという観点からフリーマーケット
参加したいと仰るのです。


「値付けとおつり計算によって醸成される数字感覚」

「らっしゃいませえありやとやしたから得られるコミュニケーションスキル」

「生産と販売によって成り立つビジネスの基礎」

「もの、お客様、お金に対するリスぺクト」


こういうのを子どもに身につけさせたいよね! と。

 

なるほど、なかなか立派な育児論です。
確かに勤め人のお子さんは商売っ気のある現場を経験する機会に
乏しいですもんね。

頑張ってくだされ。
いってらっしゃい!

 

……と他人ごと決め込んでいたのですが、
けっきょく手伝いに駆りだされてしまいました。

 


朝から夕方まで。

商品はみんなでこしらえたランチョンマットだのエプロンだのの布製品。
主なターゲットは幼児~小学校低学年の親です。
各家庭のちびっ子にも手作りエプロンを着せて客寄せパンダにしています。

うむ、それなりにそれっぽいフリーマーケッターになりました。


これで1日潰したところ、いろいろおもしろい体験ができました。

 

 

売上。

フリーマーケット参加費(ショバ代)と、生地代(原料費)と、
全員分の豪勢な晩ごはん代(人件費)くらいは稼げました。

売れ残り(在庫)は2/5程度です。

これって、在庫がある限りまた出店するんだろうか。
こわくて聞いていません。

 


客層。

人通りの多い場所でやったので、お客さんは順調に集まってくれました。

ただ、子育て世代よりも圧倒的にシニア世代が多い……。
お爺ちゃんお婆ちゃんが、自分たちがおやつを食べるとき用にと言って
幼児用ランチョンマットをたくさん買ってくださったのです。
こちらのちびっ子たちの営業スマイルもだいぶ効いたようで、
「買ってあげたい」というマインドになってくれたのかもしれません。

次回が本当にあるのなら、お年寄り好みに商品をシフトした方がいいのかも。

こういうのを実際に経験すると、若い人向けの商売やる気が失せるなあ。
シニア世代の方が人数も財布も優位なんですもの。

 


体調。

なんかものすごく疲れました。
晩ごはんを食べてお風呂に入って、19時台には寝てしまった……。

一日中にこにこ笑顔をつくって声出ししてばたばた商品運んで
合間に子どもと遊んでしてるとけっこう消耗しますね。

慣れてない者にはダメージが大きいです。
これは気安く手伝えないぞ。

 


子どもたち。

彼らの集中力は1時間しか持ちませんでした。

「帰りたい」
「飽きた」
「喉乾いた」
「遊びたい」
「おやつ開けていい?」

結局、全体の2/3はレジャーシートを敷いてだらだら寝転んだり
子どもたち同士広場で遊んだりでしたね。

そりゃそうだ。

親たちは「パパ、ママ。働くって大変なんだね。いつもありがとう!」とか
「私、大きくなったら●●屋さんになりたい!」みたいなリアクションを
期待していたと思うんですが、親も子も疲れ切っていてそれどころでは
ありませんでした。

まあ、子育てに魔法の杖のような代物はありませんから、
ひとたびのフリーマーケットくらいで何がどう変わることもないでしょう。
継続してやらないとね。
継続してやるのかなあ。




そんなこんなで、理想と現実それぞれにかんたんした一日でした。


ちなみに他のお店はひとりでやってはるところも多かったです。

陶芸とか、ガラス製品とか、ビーズアクセサリーとか、
趣味でつくったものを売っている方がたくさんいらっしゃいました。


自分でつくって自分で売る、という行為。

お金稼ぎの効率はあんまりよくありませんけど、
楽しさ効率はとてもよい過ごし方だと思います。

そういう意味では、子育て論とは別軸で、サラリーマンとかに
参加してもらったら学ぶところが多いのかもしれませんね。

 


次回参加することになったら、今回のPDCAを活かして
売上も従業員の福利厚生も一層充実したものになりますように。