肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

「白竜HADOU 暴力市場編」作 天王寺大先生/劇画 渡辺みちお先生(週刊漫画ゴラク)

 

 

白竜の暴力市場編(豊波市場編)にかんたんしました。

 

www.nihonbungeisha.co.jp

 

 

週刊漫画ゴラクの看板漫画、白竜。

原発編の途中に東日本大震災が起こって連載が中断したり
ドッドッドという独特な擬音が物議を醸したりと、
ごく一部ではメジャーなマイナー漫画であります。


東京の六本木を根城とするヤクザ漫画ですが、
ヤクザ同士の抗争というよりはゴルゴ13のヤクザ版、
パーフェクトヤクザ白竜さんが社会問題に切り込んでいく、
悪を悪が退治していくような内容です。

ミナミの帝王同様、おっさん読者向けの社会勉強漫画と言えましょう。

白いスーツを着て美術館や図書館やピアノバーを廻り
困っている上司に「この一件、私が仕切らせていただきます」と言えば
お手軽に白竜さんごっこができますよ。

 


今週で豊波市場編が完結しました。
(けっして豊洲市場ではありません)


「咲山都知事」と「日本計画会議」が企む豊波市場移転。

汚染土壌地帯にわざわざ新市場を移転させようとする
その真意は何か――!?


というお話です。
どっかで聞いたような内容ですね。

以下、ネタバレを書きます。

 

 

 

 

 

 

豊波市場移転の真の狙いは「永遠に続く汚染処理ビジネス構築」でした。

すなわち、どれだけ大きなハコものをつくっても、その支出は1回限りだと。
それでは利権を貪る系の人たちにとっては旨味が少ないのだと。

そこで、あえて土壌に盛り土をせず、かつ汚染情報をリークすることで、
都民の不安解消に向けた土壌処理を“し続ける”のだと。

安全と安心は違う、アホな都民は安心のためならなんぼ税金を投入しても
喜ぶんだぜイエーイ! という壮大な構想でございました。


邪悪ですね。
それに東京の人はそこまでアホではないと思います。


で、白竜さんがその真相を調べ上げ、
咲山都知事を脅迫して口止め料に100億円を巻き上げ、
なおかつ真相をちゃっかりマスコミにリークしてしまうというオチでございました。

「白竜! お おめえがこの情報を……?」
「咲山との約束通り私は一切 口を開いておりません」
「そうかい……」
「但し」
「但し?」
「どこかから情報が漏れることまでは責任を持てません」
「お おめー それは詭弁じゃ……」
「詭弁でけっこうです
 私は……ヤクザですので!


ちゃんちゃん。

 

32話も使ったのでテンポは間延び気味でしたけど、
ラスト3話くらいは実に白竜らしい展開で楽しかったです。

何より、諸事情による掲載中止がなくてよかった(笑)。


先週今週と2週続けて

「白竜さん……お願い……今夜だけ……
 今夜だけは私をジャーナリストじゃなく女に戻らせて!!」

というサービスシーンを入れてきたのは笑いましたが。
こんなところもゴルゴっぽいですね。

 



今週の週刊漫画ゴラクはいろいろ面白かったです。


「戦国えっち」

松永久秀が主役のしょうもないエロ漫画であります。
梟雄でも忠臣でもない、ただのエロジジイな久秀。

漫画としては特に見るべきところはありませんけど、
こんな楽しそうな松永久秀もいいもんだとは思います。

 


ミナミの帝王 浪速のデリヘル王編」

これは傑作シリーズになりそうな予感があります……!
完結したらまたまとめて感想を書くかもしれません。

 


「激マン キューティーハニー編」

マジンガー映画の件でギレルモ監督とハグしている裏で、
こんなおちゃらけ懐古漫画を描いていることを知る人は少ない。

パンサークローがメタ台詞を連発していて笑いました。

「あばしり一家だ! 全員で出かけるようだ……!」
「我々のキューティーハニーのマンガとは関係無いようだ!」

「悪役なめんな!?」
「レギュラーだからってイケメンぶりやがって!?」

近年の永井豪漫画は台詞の最後に“!?”がつくのが特徴ですね。
独特の味わいがあって好きです。

久しぶりにバイオレンスジャックが出てきたのも嬉しい。

叶うならば、早乙女門土と身堂竜馬の物語をまた見れますように。
可能性は低いでしょうけど。

 

 

以上、白竜を中心とした今週の週刊漫画ゴラク感想でした。