肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

「極食キング」土山しげる先生(日本文芸社)

 

 

 

食キングの続編、「極食キング」がコンビニで売っていてかんたんしました。

 

 普通の食キング⇒「食キング」土山しげる先生 - 肝胆ブログ

 


たいへん懐かしいです。


この漫画、確か「食漫」というグルメ漫画だけを集めた雑誌に
掲載されていたんですよね。

ドラマ化された「食の軍師」も同時掲載されていました。

雑誌はほとんど売れなかったのか一瞬で廃刊になり、
極食キングは別冊漫画ゴラクに、食の軍師は漫画ゴラク本体に移籍。
その他の漫画は打ち切りになったものと記憶しています。

食の軍師の劇中で

最近なんて食い物ネタだけの漫画雑誌まであるっていうじゃないか!!
バカじゃねえの?

って突っ込まれていましたが、その時点で雑誌の売上低迷と廃刊は
見えていたのかもしれませんね。

 


極食キングは相変わらずの土山しげる節が効いた食漫画で、食キング同様、
主人公の北方歳三さんが売上低迷料理店を再建して廻るというお話です。

ライバルに「喧嘩ラーメン」で出てきた織田獅子丸さんが登場したりして
楽しいんですけど、そもそも喧嘩ラーメンを知っている読者がどれだけ
いるんだろうと不安に思ったものでした。


ウリは前作同様の荒唐無稽な料理修行と、親父ギャグそのものな料理名です。

特に今作は料理名がいい意味でひどかったですね。
以下、ネタバレを含みます。

 

 

 

 

 

祇園の舞妓さんからの再建依頼

「全20種類の食材をどれだけ乗せても一杯500円!」
「自分の好きな物を好きなだけ乗せた丼バイキング…か」
「名付けてMY好飯!


○流行らない飲食店五人衆からの再建依頼

「五軒同じ味のハヤシライスにそれぞれの店の一品!
 竹林亭のツクネ
 嵐山のチャーシュー細切り
 中田屋のエビ天用のエビのフリッター
 それらをトッピングして
 紅葉屋の京野菜の味噌汁と
 雅のポテトサラダを付ける
 名付けて五人囃シ!!


○織田獅子丸についていけなくなった明智さんからの再建依頼

「中京区寺町下ル…に旨いステーキの店有り…
 ン!?
 中京区寺町御池…っていうと…
 織田信長明智光秀の謀反で命を落とした…
 本能寺があった場所だ!」
 \\テキは本能寺に有り//


愛媛県松山空港でのラーメン勝負に勝って

「おめでとうございます!
 このラーメンやはり鯛ラーメンと名付けられるのでしょうか?」
「いや…名付けて…ようこそ松山御鯛麺!!


○から揚げ屋さんからの再建依頼

「な…何と六色の色がついている!!」
「きれい!!」
「衣にそれぞれ調味料を加えた
 赤い唐揚げは韓国産赤唐辛子
 黄色はカレー粉
 緑は青のり
 紫は紫蘇の粉のゆかり
 茶色はカツオブシ粉
 そして黒は黒すりゴマだ
 名付けてカラー揚げ!



……当時、この辺で私は単行本を買うのをやめ、立ち読みに切り替えました。

 

 


そして衝撃のラスト。

歳三さんに敗れて以降、落ちぶれまくった織田獅子丸さんの再建を
することになったのですが。


その修行方法はなんと漫才。
W-1GP…お笑いグランプリ選手権に出場せよと。

ジョーダン言うな」
「私は再建相手に冗談を言った事はない!
 己の技術で客の笑顔を自然に引き出す
 それは料理人も芸人も同じ事
 その喜びの大きさを身をもって知る為の修行!」

 


…………。

 

 

そして、歳三さんと獅子丸さんはコンビを組んで
本当にお笑いグランプリに出場し、詳細はとても文章では書けませんが
ものすごくシュールなネタで好評を博します


観客が拍手喝采する中。

 

「どうだ獅子丸…」
「何か知らんが…
 胸が…
 熱くなってきやがった…」

 

 

涙を滲ませ笑顔を見せる獅子丸。

 

 

復活!
獅子丸復活!

 

 

……訳分かんねえ!!

 

 


こうして物語は円満に終了したのでした。

いつもながら、土山先生は飽きてからのお話の畳み方が本当にすごい。
常人では考えられない展開を見せてくださいます。

 

 

 

同じ漫画ゴラクでは「極!!男塾」が「真!!男塾」にリニューアルされました。

土山しげる先生も同じノリで「真!!食キング」を開始してくださいますように。