肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

「メジロの鳴き合わせ会が鳥獣保護法違反の疑いで書類送検」NHKニュースより

 

 

メジロの鳴き合わせ会が摘発・書類送検されていてかんたんしました。

 

www3.nhk.or.jp

 

メジロというかわいい野鳥はその辺をウロウロしていますが、
基本的に飼育NGです。

保護だとか海外産だとか一部の例外を除いて、
飼うのは鳥獣保護法違法ですからお気を付けください。

 

 

こちらのニュース、メジロの「鳴き合わせ」……どの声が
いちばん美しいかを鑑賞する会がガサ入れをくらって
書類送検されちゃったという内容です。


捕まったのは59歳から80歳までの高齢者気味な愛好家グループ12名。
全員が容疑を認めているとのこと。


メジロ大阪府内の山林で鳥もちや籠をつかって捕獲していたそうです。
昭和の頃はカスミ網猟とかヤクザのシノギというイメージがありましたが、
自力で獲ってはったんですね。
自力で獲っててもダメなもんはダメですけどね。

 


何が驚いたって、いまでも「鳴き合わせ会」なんて風流な文人趣味を
続けている集団がいたことです。

 

野鳥の飼育といえば、昭和の文鳥ブームあたりを最後に絶えて久しい
イメージがあります。
鳥山明さんもDr.スランプ文鳥飼育の魅力を熱弁していましたね。


現代では下火になっておりますが、実は歴史の深い趣味ジャンルですから
戦前や江戸時代の文献にはしばしば野鳥飼育が登場いたします。

例えば谷崎潤一郎さんの「春琴抄」ではツンツンヒロインの春琴さんが
鶯や雲雀の声を賞玩しております。

幕末を舞台にした「ブシメシ!(酒井伴四郎日記)」でも偉い人への
手土産に鶯を捕まえたりしていました。


ラジオもCDもyoutubeもない時代、鳥を飼育して朝な夕なの鳴き声に
心を慰められる人はずいぶん多かったのでしょう。


 

 

素人が鳥の鳴き声を学ぶには、サントリーさんのサイトが
とてもよいと思います。

日本の鳥百科|サントリーの愛鳥活動


メジロはこちら。
お馴染みの方も多いと思います。

メジロ|日本の鳥百科|サントリーの愛鳥活動

 

「これなんの声?」と質問される鳥ナンバーワンのキジバトさん。
べーべぼーぽぽー。

キジバト|日本の鳥百科|サントリーの愛鳥活動


ちなみに私はシジュウカラが好きです。

シジュウカラ|日本の鳥百科|サントリーの愛鳥活動

 

 


ともあれ鳴き合わせとは。

鶯にしろメジロにしろ、よい声で鳴く鳥には何百万円という値がついたり
よい声の鳥同士で掛け合わせてブリーディングに励んだりと
そうとうディープな世界です。


お爺ちゃんたち、若い頃に流行していた野鳥趣味をやめられずに
ついつい続けちゃったんかなあ。

数十年前はこういう保護法もなかったようですから、
オールドファンは余計に諦められないのかもです。

 

鳴き合わせ会では米やラーメンなど日用品を持ち寄り、優勝者などの景品にしていたと説明しているということです。


……供述通りなら、金満道楽という感じじゃなさそうですね。
供述をそのまま信じる訳にもいきませんけどね。

 

 

警察サイドも、ガサ入れした5月から今日まで押収した170羽のメジロ
「こいつは国産(アウト)か……海外産(セーフ)か……うーむ……」と
1羽1羽目利きしてはったんでしょうから、労の多い捜査だったことと思います。

お疲れ様でした。

 

なお、鳥獣保護法に違反した場合、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。

昔はどうだったとかあるにしても、やはり法律を守ってこその風流であります。

 

 

それにしても……鳴き合わせ会かあ。

いっかい見学してみたいものです。
合法な鳴き声鑑賞会がいつか開催されますように。