肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

イギリス「ブレジグットによるテイクアウト料理店のピンチ(CNNより)」と日本「外国人留学生に支えられる飲食・コンビニ業界」

 

 

CNNのニュースを眺めていたら庶民的なブレグジットの影響が
紹介されていてかんたんしました。

 

www.cnn.co.jp

 

難しい重要政策の話をしたいのではなくて、
重要政策による庶民の暮らしへの影響についてつれづれ書きます。



私はイギリスに行ったことありませんが、
ロンドンに留学したり勤務したりしていた友達たちによれば
「イギリスは外食が高い。テイクアウト(テイクアウェイ)料理が不可欠」
とのことであります。

お気に入りのカレー料理店・中華料理店を見つけることが
クオリティオブライフに直結するのだとか。

 


今回CNNで紹介されているのは、
イギリスのテイクアウト料理店の店員採用は移民に頼っていて、
もともと人手不足なのにブレグジットで更に悪化しそう、
このままでは閉店が続出しそうだ、というニュースです。


ブレグジットを議論している頃から、イギリスの低賃金業界は
たいてい移民に頼っている、移民お断りはイギリス人が受けるサービスの
質の低下にもつながるんだぞ、とは警告されておりました。

とは言えブレグジットはフィッシュ&チップスやカレーや中華料理の
持ち帰りを念頭に置いて決めたことではありませんので、
その辺の影響はあまり重視されてこなかったんでしょう。

とりあえず勢いでブレグジットを可決したんだけど、
冷静に考えたらテイクアウト料理店が潰れるのは困るなあと
庶民が実感し始めた頃合いということなんだと思います。

 

 

 

一方、日本では。


移民受け入れには消極的ですが、
代わりに外国人留学生の招聘には積極的です。

この外国人留学生さんたちがコンビニや居酒屋等の利便性高いサービスを
支えてくださってますので、彼らが今後も安定的に日本に来てくれるかが
日本の庶民の暮らしにとって重要だと思います。

外国人留学生の採用強化=人手不足に対応、海外で研修も-コンビニ:時事ドットコム



日本への外国人留学生は年々増加していて、
'16年5月1日時点で約24万名と、5年前から5割くらい増えています

24万名といえば寝屋川市の人口くらいですからね。
たいした人数であります。


日本企業のグローバルな成長を支えてもらいたい、
日本と諸外国を結ぶ人材ネットワークを強化したいという大望もあり、
政府は'20年までに30万名程度まで増やしたいそうです。



いまは企業だけでなく大学もグローバルに競争する時代ですので、
優秀な学生、お金持ちの学生は世界中で獲りあいになっています。


日本への留学は


 ・治安がいいので国元の親御さんが送り出しやすい
 ・世界トップクラスではないけれどそこそこ学力が高い
 ・アニメや漫画等の独自文化が魅力的
 ・いまは円安


などのメリットがある反面、


 ・日本経済の低成長ぶりは際立っており、これから大きく発展する気がしない
 ・中国企業等と比べ、日本企業は世界で見れば数が少ない規模が小さい
 ・日本で日本企業に就職するのはまだまだ留学生にとってハードルが高い
 ・日本語は日本でしか通じない(学ぶなら英語や中国語の方が便利)


などのデメリットがありまして、
そんな中でじわじわ留学生を増やせているのはたいしたものだと思います。

留学受け入れ系の対応をしている関係各位の尽力の賜物なんでしょうね。

 


いま、都市部のコンビニで、100%日本人で回している店は少ないです。
ファーストフード店も同様、居酒屋も同様です。


もし、これから外国人留学生が急激に減るようなことがあれば、
いままでのような品質のサービス、あるいは24時間営業などは
維持できなくなる公算が高いと言われています。

我々が甘受しているサービスは、実は「外国人留学生」という
サステナビリティの低い人材基盤で成り立っているのです。



まあ、よくも悪くも日本社会は変化が小さいですから……。

ちょっとやそっとで留学生が急減することはないと思います。
さすがに本気で攘夷とか言い出す人は少ないでしょうし。

 

ただ、テロや天災は怖いですよね。

「日本はテロとは無縁の国」というイメージが崩れると、
留学生は一気に減少しそうです。

また、東日本大震災原発問題のときもそうでしたけど、
海外の方は天災や原発の恐怖に敏感です。
富士山なんかが一発ドカンと噴火したら留学生は一気に減少しそうです。


あとは、アジアの他国でゴールドラッシュのような経済大成長があれば、
やはり留学生はそっちに行ってしまうことでしょう。

対外要因でも留学生の数はおおいに変動します。



こうしたリスクは要覚悟と言えそうです。
宅配業界で起こっているのと同じような問題が
そのうちコンビニや居酒屋で起こるかもしれません。

もとより外国人留学生招聘政策はコンビニや飲食業界のためではありませんが、
いまではこれら業界を根っこから支えるファクターになってしまっております。

庶民の暮らしに密接に関係しますから、頭のどこかに入れておいても
無駄にはならないと思います。



人手不足が急激に進んだとき、深夜営業や24時間営業はやめてくれてもいいけど、
店舗の数はなるべく減らさないでほしいものです。

やっぱり飲食店が多いと町が活気づきますし、
身近なコンビニは抗えないほどに便利です。



引続き、外国人留学生の選択肢に入れてもらえる留学先でありますように。