肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

「文春にバレない密会の方法」キンマサタカさん(太田出版)

 

 

 

「文春にバレない密会の方法」という不倫指南本のくっだらない空気感が
おかしくてかんたんしました。

 

www.ohtabooks.com

 


内容はタイトル通り、不倫……密会……をバレないようにするには
どうしたらよいかというtipsを集めたものです。

しょうもないネタばかりですが、手口のあれこれを世間に流布して
不道徳な配偶者の尻尾を捕まえるとっかかりにしてもらえるなら
それはそれで有意義かと存じます。

こんな本を読んで「よっしゃ俺はこれで大丈夫や」とか思っている人は
きっとボロを出すタイプだと思います。
「なるほど、こうすればアホ配偶者をロックオンできるのか」と
傾向対策分析のチェックに活用するのが正しいのでしょう。

 

 

紹介されている手口としては、言い古されてきたもの、
最近らしいスマホ・アプリにかかわるものが中心です。



言い古されてきたもの


 ・何があっても時差退勤せよ(そりゃそうだ)

 ・途中でタクシー移動を挟め(シンプルに有効)

 ・日頃からマスクを手放すな(女性は特に)

 ・自分の家、相手の家で会うな(即死する)

 ・カーナビは使うな(履歴で死ぬ)


 

スマホ・アプリにかかわるもの


 ・SNSの開示範囲をコントロールせよ(もはや常識)

 ・相手電話の登録名を「保険営業」にせよ(こすいが有効)

 ・あえてケータイにロックをかけるな(不自然さからバレる)

 ・「スマホの現在位置を探す」アプリは入れるな(特にケルベロス

 ・相手によってLINEの背景画像を変えろ(宛先間違いを防ぎやすくなる)

 ・食べログアプリはいいぞ(検索履歴を消去しやすいから)



……ベタベタですね。

繰り返しますが、この時点で「なるほど!」と思った人は
不倫に向いていないと思います。
ダメ、絶対。

 

 

とは言え、「なるほど!」と思ってしまったネタもありました。


 ・メールの下書き機能を使え

   アメリカの元CIA長官が使っていた手口だそうです。
   不倫相手とフリーメールのアカウント・パスワードを共有して、
   下書き欄に「今晩何時に何処で」という情報を書いていくのだとか。
   いろいろ考える人がいるものです。


 ・子供のお稽古は「書道・そろばん」

   要は子供にプールをやらせては駄目だ、という趣旨です。
   プールは見学席でママ友集会が始まる、地域の監視ネットワークが
   強化されていく……とのことで。
   確かに……!


 ・エビオス亜鉛を摂れ

   精液が薄くなったことで不倫がバレるからだとか。
   エビオスは胃腸にもよいのでおすすめだそうです。
   旦那がエビオスを飲みはじめたら疑った方がいいのかもしれません。


 ・同じ種類の下着と靴下を大量に購入せよ   

   恋をするとどうしても身なりに気を使っちゃうので、
   無意識に「不倫相手と会う日はこのパンツ・靴下」になるそうです。
   自然な下着ローテが崩れていないか要チェックですね。


 ・健康診断の前夜は焼肉に行け

   恋をした男は「痩せなきゃ」とか言い出すものだそうです。
   不自然なダイエット宣言を防ぐためにも健康診断であえて悪い結果を
   もらってこいと。
   これは、これだけで不倫を疑うのは無理があるような気も……。


 ・スマホ指紋認証は第一関節で

   普通の指紋なら、寝ているときに指に当てられたら終わりです。
   指紋認証は皮膚の模様ならどこでもいいそうなので、指先以外の
   場所を登録しておくのがコツなのだとか。
   これ、変な場所でロック解除しているのが見つかったら
   余計に怪しまれるような気もします。

 

 

私が一番笑ったのはこれ。

 

 ・2枚目のICカードに「奈良交通CI-CA

   ICカードは使用履歴をチェック可能。
   不倫用に2枚目のICカードを持っておくのが基本だ。
   奈良交通CI-CAは珍しくて土産にもらったと言い張れるし
   見た目もICカードっぽくなくておすすめ! とのこと。
   まさかCI-CAもこんな注目のされ方をするとは思っていなかっただろう。

 

 

こんなんでかんたんしてしまった自分がちょっと口惜しい。

リアリティがあるのかどうかは分かりませんが、
今後はこうした点にもしっかり目を光らせようと思います。

 

 

 

以上、紹介しました通りいい意味でくっだらない内容の本です。

作者さんのペンネームからして金玉がお盛んな感じですしね。


酔っぱらって企画したような内容、
酔っぱらってヒアリングしたようなネタの数々、
作り手サイドはきっと楽しかったこととと存じます。

1,111円+税を払ってまで欲しかった知識ではありませんが、
なんか内輪のアホトークに参加させてもらったようなクスクス感はありました。


何だかんだ言って、こうした本を楽しめるのは出版文化の裾野が
広い証拠だと思うのです。

慢性的出版不況の世の中ではありますが、こうしたネタ本を取り扱える
企画心のゆとりが維持できますように。