肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

「'17名古屋場所結果 白鵬余裕ない説を一蹴する北の富士さんと、幕内の世代構成」

 

 

 

名古屋場所千秋楽、白鵬が大記録を成し遂げている横での
北の富士さんコメントにかんたんしました。
加えて、幕内の世代交代についても感慨深く思っております。

 

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この名古屋場所では白鵬関が歴代1位の1050勝とV39を成し遂げ、
「終わってみれば白鵬」時代再びといった趣であります。


まことに素晴らしい記録ですから、ニュース等でもいつになく
白鵬に好意的な取り上げがなされています。

しばらく稀勢の里・高安フィーチャーが続いていたので
白鵬関周辺の皆さまやファンはさぞ喜んでいることでしょう。

 

一方、近年の白鵬の取組み方……特に立ち合い時の張り差しや
かち上げや変化気味の立ち方について苦言を呈す方も多い状況です。


私の印象では、
何はともあれ白鵬すごい横綱は勝ってこそと称える人が8割~9割、
もっと受け止める横綱相撲しろよ品ねえなとイライラする人が1割~2割、
といったところな気がします。

前者は一般人+貴乃花以前の横綱方の品格を知っている人が中心、
後者は貴乃花時代への憧憬が強い人中心というような気もしますがどうでしょう。

 

 

それで本日の千秋楽。

白鵬日馬富士との熱戦を制した後のタイミングで
舞の海氏がいつも通りの感じに白鵬の立ち合いに嫌味を言って
「それだけ余裕がなくなってきた」という風に評価したんですが。

ああまた始まったと思ったんですが。

北の富士さんが「その見方には反対」「むしろ余裕ができてきたから
なんでもできるようになった」「多彩になってきたと言うべき」
白鵬はもともと好奇心が強いからいろいろ試しているんだろう」と
いった趣旨のことを語り、舞の海氏の主張を一蹴されたんです。


この応酬、すこぶるよかったです……!

いまの相撲界を取り巻く論陣を端的に象徴したやり取りでしたね。
どちらの意見にも支持者がいらっしゃるかと思いますが、
私は北の富士さんの方が素直に相撲を楽しんではるような気がして好きです。

相撲に限りませんが、
自分の理想が先にあって現実が理想に合ってる合ってないと騒ぐのと、
現実が先にあってここが楽しいここがイケてると見出すのとでは
後者の方が生き方上手だと思うんです。


とりわけ白鵬評のあとに北の富士さんが付け加えたコメント、
「若い力士たちが出てきた。白鵬相手に色々と試せばいい」という内容。

これがまた重要だと思うのです。

世代交代は進んできていて、若手力士が横綱陣を恐れなくなってきた。
横綱時代をむしろ金星フィーバーだと前向きに見る者が出てきた。
あいつが金星獲れるなら俺だって、という雰囲気が生まれてきた。
それに応えるように白鵬も引き出しの数々を見せ始めた。

おいおいいまの相撲おもしろいじゃん!


ということですよね。

多くの相撲ファンが漠然と感じていたであろうことを全国放送の解説で
ピタリと言ってくださって嬉しかったのです

 

こうした器量あるコメントは北の富士さんならではですね。

健康不安がありますが、まだまだ解説を続けていただきたいです。
東京オリンピックまで生きられるかなみたいなことを仰っていて切なくなりました。


北の富士さんが解説を降りられた時、舞の海氏は続投するんでしょうか。
誰を相手にしてもバランス悪そうだし、もうそれなら刷新した方が……。

NHKって海外勢も観てますし相撲に詳しくない人も観てますし、
今日的にちょっとそれ大丈夫? というコメントは観ていてハラハラします。
新聞とか雑誌とか観る人の主義主張が特定されてるメディアならいいんですけどね。

 


幕内の世代構成状況

 


今場所の結果……勝ち越した方々の勝数と年齢は以下の通りでした。

20代に太字20代前半は赤字


14勝
 白鵬(32歳)


13勝
 碧山(31歳)


12勝
 栃煌山(30歳)


11勝
 日馬富士(33歳)


10勝
 阿武咲(21歳)
 千代大龍(28歳)
 松鳳山(33歳)


9勝
 高安(27歳)
 御嶽海(24歳)
 嘉風(35歳)
 栃ノ心(29歳)
 千代丸(26歳)
 宝富士(30歳)


8勝
 北勝富士(25歳)
 千代の国(27歳)
 豪風(38歳)
 佐田の海(30歳)
 錦木(26歳)
 荒鷲(30歳)
  

ちなみに若手の台頭として注目されやすい
正代(5勝)は25歳、貴景勝(5勝)は20歳、宇良(7勝)は25歳、
輝(5勝)は23歳、石浦(7勝)は27歳、遠藤(休場)は26歳です。

貴景勝と阿武咲の若さは群を抜いていますね。



こうして見ると若手の印象に残る活躍(金星関係)は多かったものの、
安定的に星を稼いでいるのはまだまだベテラン勢が中心と言えそうです。

て言うかバランスいいっすね幕内の年齢構成。
豪栄道(31歳)琴奨菊(33歳)もまだまだいけるぞ来場所に期待。
そのうち安美錦(38歳)も幕内復帰してくれるかも。

 

 

休場した稀勢の里(31歳)、鶴竜(31歳)、照ノ富士(25歳)。

揃って今後が不安です。

とりわけ鶴竜
次に途中休場・大負けしたら……と師匠がとうとうコメントしはりました。
白鵬の復調におおいに刺激を受けているはず……
このままあっさり……とはなりませんように。



怪我関係についてはもう少し協会の方でも対策を考えてほしいです。

トップの八角理事長が休場続出に「申し訳ない」と頭を下げてはって、
それ自体は立派だと思うんですが、ちょっと怪我による休場を
個々力士の自己責任にし過ぎだと思うのです。

工場でも事務でもミスは絶対起こりますけど、
ちゃんとした企業ならミスを起こした人だけの責任にはしないですよね。
組織としてミスを防ぐ仕組みづくりに励みますよね。

協会業績のリスクは「不祥事」と「人気力士の休場」なんですから、
重点的に手は打ってしかるべきかと存じます。

 

以上、いろいろと書きましたが今場所も面白かったです。

秋場所も充実した内容になりますように。

 

 

 

定点観測
相撲界の毛利三兄弟の成績

 若隆元(幕下四十九枚目)4勝3敗
 若元春(幕下十四枚目)3勝4敗
 若隆景(幕下三十八枚目)6勝1敗