長い長いハンバーガー歴を経て、自分が「モスチーズバーガーこそ至高」というポジションに還ってきたことに気づいてかんたんしました。
※画像はオフィシャルホームページより引用
モスチーズバーガーがうまくてうまくてたまらない……
やわらかい食べ味のハンバーグ。
モスを象徴するトマト。
安心するうまみのミートソース。
モスならではの白いまったりチーズ。
驚くほど鮮やかなオニオン。
すべてを抱き留めてくれるバンズ。
はしたなさとか何もかもを忘れて、紙で包んだヤツを大口で喰らう。
かぶりつく。
気持ち的にはがぶり寄り。
ああ、個々素材の一体感……漲る感……ハピネスチャージ……!
素材がいいだけではないんです。
渾然一体。
ハンバーガーの一種というより「モスチーズバーガー」という独立した食べ物になっているくらいのまとまり良さ。
やさしくて……あたたかくて……うまい!
モスチーズバーガー。
こんなにおいしい食べものでしたっけ。
<回想>
数十年前、初めてモスチーズバーガーを食べたとき。
私はたちまち彼のことを大好きになった。
そうだ、あの時も私は彼との出会いを感謝していたんだ。
時が経って。
私はたくさんの恋を重ねた。
ライスバーガー。
ホットドッグ。
とびきりハンバーグ。
白状するとフレッシュネスバーガーに心を移してもいた。
「他のチェーンと俺はちょっと違うで」感。
パティもバンズも個性的な強さの持ち主で。
あのアボガドを入れようが収まることのないクラシックバーガーの肉汁の迫力。
ちょっとしょっぱめのマッシュルームクリームスープもセクシー度が高い。
だいたいあそこのオレンジジュースはなんであんなにおいしいんだ。
世間は「ボリューム・肉汁たっぷりハンバーガー」が花盛り。
次々に現れるハンバーガーがウリの個人店舗。
ビールとハンバーガーを合わせる喜び。
流行っているものを食べているんだというイケてる社会人感。
そんなこんなで、私はモスチーズバーガーを注文しない大人になっていた。
だが。
転機が訪れた。
身の回りのちびっ子たちが大きくなって、ハンバーガーを食べたがるようになってきたのだ。
あれはいいものだ。
500円もするだけはある。
手づくり感漂うおもちゃもいい。
何より、モスバーガーではシニアが積極的に活躍していて、お婆ちゃん方の対子ども接客が素晴らしい。
子連れにとっては最高の店のひとつなのである。
私は再びモスバーガーのメニューあれこれを食べるようになった。
子連れで昔の恋人に会っているような背徳感を胸に抱きつつも。
肉汁感や流行感を無理強いしない、居心地のよい包容力が私を捕らえて離さない。
そして、行き着いたのはモスチーズバーガーだった。
数多いモスのメニューラインナップのなかで、私が選んだのはやっぱり「はじめての味」だったのだ。
モスチーズバーガー。
私が他のハンバーガー野郎たちに目移りしている間に。
あなたは静かに着実に実力を磨いてはったんだね。
優しい人柄は何も変わることなく……!
若い頃に気づかなかったあなたのオニオンのよい仕事ぶり、いまなら分かるわ。
もうあなたから離れたりしない。
私はずっとモスチーズバーガー一択よ。
<回想終わり>
そんな心持ちで最近おる次第です。
ハンバーガーに限らず、「定番品」の味を再発見したり回帰したりした時って、なんか妙に嬉しいですよね。
これからもモスチーズバーガーが堅調にブラッシュアップされていきますように。