肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

【私は】「ぼくたちは勉強ができない 問35.人知れず天才は[x]どもの戯言に踊る」筒井大志先生(週刊少年ジャンプ)【文系派】

 

 

ジャンプの「ぼくたちは勉強ができない」のうるかさんが突き抜けたかわいさを発揮していてきょうたんしたのですが、それでも私は文乃さんの閑静な魅力の方にかんたんしている次第です。

 

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↓3巻表紙。右手前がうるかさん、奥の青髪が文乃(文系)さん。

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以下、週刊少年ジャンプ'17.46号のネタバレを含みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぼくたちは勉強ができない」はジャンプで連載中のラブコメ漫画です。


連載開始間もないので試行錯誤している感じでして、微エロ要素がときどき入ったりしつつも。

最近は登場人物の内面描写クオリティがメッキメキ上がってきていて、「読ませる」「読み返してしまう」実力派ラブコメとして存在感抜群になってきているように思います。

 


ざっくりしたストーリーとしましては、優しくてがんばり屋さんな男の子「唯我成幸」さんが、その名のとおり様々ななりゆきで同級生の「緒方理珠」さん(理系)・「古橋文乃」さん(文系)・「武元うるか」さん(水泳)に勉強を教える役目を引き受けるというものです。

女の子三人はそれぞれ魅力的な人物造形がなされておりますし、成幸さんも「初恋の相手に最適」な人物像ですから、そりゃなりゆきで恋愛的な展開もしてくる訳であります。

(他にも魅力的な女性キャラが複数登場しているのですが今回は割愛します。先生とか先生とか)

 

 

 

女性陣の中で、とりわけ物語に大きな活力をもたらしてくれた貢献者が「うるかさん」です。

連載当初の文系・理系二人だけ状態のときは展開がぎこちなかったのですが、うるかさんが投入されて以降、話の筋も人間模様も格段に面白くなってまいりました。

 

 

 

うるかさん。


「鮎の内臓の塩漬け」という凄まじく個性的な名前をしていますが、彼女は全登場人物の中でも随一の乙女可愛さを有してはります。

見た目も褐色元気系でキュートなんですが、それ以上に、彼女は当初から「成幸さんのことが大好き」という唯一無二の特長の持ち主なんですよね。

 


他の女の子たちは成幸さんに大なり小なり好意を持ってはいても、「恋」と自覚するレベルにまでは至っておりません。


一方で、うるかさんは「成幸さんのことが心底好き」なのに、「成幸さんの勉強の足を引っ張りたくないから思いを封印している」という心持ちなのです。


……なんといういじらしさ。

 

 

 

以前の展開で、成幸さんは「うるかさんは好きな人がいるらしい」という話を知り、「それって俺のことか」とうるかさん本人へ思いを質すに至ったことがあります。

その時も、うるかさんは自分の気持ちに蓋をして「成幸ではない」と嘘をついたのです。


本当になんといういじらしさ。

 

 

 

で、それ以来、成幸さんとうるかさんは何となく気まずくなり、二人になるととっても話しづらいよ……というのが今週の導入部分でございました。

 

 

 

詳細な説明は省きますが、今週のジャンプは「文乃さんのフォローで」「成幸さんとうるかさんの間のもやもやが解消する」という展開なんですけど。



その過程のうるかさんの表情の移り変わり、発する一言一言がとんでもない破壊力のかわいさだったのです。

とりあえず立ち読みでもなんでもしておくれ。

当作品を初見でも「なんやこの愛しい娘っ子」と衝撃を受けること間違いなしの穿ち力ですよ。

こんなん男性読者も女性読者も「うるかさん推し」コンクリートですよ。

 

当たり前じゃん


中学から
ずっとずっと


もう意味
わかんないくらい
好きなんだから


でもだめ


ただでさえいつも
いっぱい
抱え込んじゃう人
なんだもん


受験が終わるまで


心の重荷に
なっちゃうくらいなら
別に好きな人が
いるって思われてる
方がいい


だから もしも


もしも叶うなら、ね


元の関係に
戻って…


本当に…本当に
たまにでいいから


女の子として
可愛いって
思ってもらえたら


今はそれが
一番


幸せかなあ

 

 

からの……「●●●●」ですよ。

 

 

かあ!!

たまんねえなこの若い衆めてやんでえ!!!

 

 

となれますのでなんしか必読ものであります。

 

 

 


そういう訳で、35話にして早くも「うるかさんエンド間違いなし」で決着ついたんじゃないかなと思わなくもないほどのエポックな回でした。

 


文系さんも理系さんも、究極的には「成幸さんである必要」が薄いですからね。


理系さんは恋愛という概念そもそもがよく分かっておりませんし、
文系さんは恋愛というものに理解と興味はありつつもまだまだ自分ごとじゃないので。


二人とも成幸さんのことを好きになったり好きだと自覚したりする日が来るかもしれませんが、それは多分成幸さん以外の相手でもいずれはそうなれる気がします。

 


でも、うるかさんは「成幸じゃなきゃダメ」ですからね。

 

 

ブコメというと男性主人公に自身を投影する読者も多いので、「一番人気の女の子エンド」になりがちですけど。

私は漫画の中の話とはいえ各登場人物の心情を大事にしてほしいので、「一番主人公のことを好きな女の子エンド」になってくれたらいいなと思います。

 


……まあ、下手したらうるかさんは「一番好き」かつ「一番人気」という高みに到達するかもしれませんが。


よくこんな素晴らしいキャラクターを生み出せたものです。

 

 

 

 


と、これだけうるかさんを上げておいてなんですが、私は文系の文乃さん推しです。


今週も友人として二人を的確にフォローしていたりシレッと替え玉を頼んでいたり、静かにマイペースに魅力を振り撒いてはりました。


何より、ラスト1ページの文乃さんが……。


目立たないんですけど。

さりげない仕草なんですけど。


今週は明らかにうるかさんが(読者を)穿ち抜いた回だったんですけど。


文乃さんだって僅かラスト1ページで「五分に戻す」ほどの魅了を見せつけてくださったんですよ。

 


うるかさん大勝利! 


ん? 


いや。


待てよ……。


そう言い切っていいのだろうか……(煩悶)

 


てな感じに読者を悩ませる締めくくり。

 


いいですね。


ますます巧みになってますねこの漫画。

 

 

文乃さんは文系の天才というだけあって、この漫画で唯一「あらゆる登場人物の思考心情を直ちに確かに理解できている」という特長を持ってはります。

数学や水泳は直接恋愛と結びつきませんが、「この女の子の気持ちを類推しなさい」は国語力そのものですもんね。

(ラブコメにおいてはジョーカーとなり得る存在だと思います)


恋愛やら人間模様やら何やらかんやらを通じて、文乃さんが「文系学問がいかに世界を豊かにしているか」に気づいてくださったりしたら個人的には嬉しいです。

もちろん、天文学の夢はそのままで。

 

 

 

 


今週のジャンプは、他にもいじらしい女性が目立つ展開でした。

 


Dr.STONEのコハクさん。

めっぽういい女ですね。

 


火ノ丸相撲の礼奈さん。“ぐっ…”

ラストの豪栄道関っぽい顔のライバルも気になります。

 


ゆらぎ荘の幽奈さんの緋扇さん。

「色好い答え以外聞く気はない!」という、残念な人が口にすれば超ヤバくて、魅力的な人が口にしても超ヤバい台詞を決めてくださりました。

 

 

最近の少年はいじらしい女の子が好みなんでしょうか。

「Wrestling with もも子」のように男を導いていくような女性像もいいもんなんですけどね。

 

 

 

他、まったくいじらしくはありませんが、食戟のソーマが久しぶりにけしからんイリュージョンを見せてくれて満足度が高かったです。

 

 

後は、磯部磯兵衛物語が唐突に終わっていて悲しかったです。

カムバックアーリィ仲間りょう先生。

 

 

 

 

本題に戻しまして。


ぼくたちは勉強ができない」のキャラクターの掘り下げが更に進んで、きれいに着地いたしますように。