久しぶりに東洋陶磁美術館に行ってみたら面白い展覧会をやっていてかんたんしました。
東洋陶磁美術館は大阪市の中之島にある施設で、国宝・重要文化財クラスの陶磁を気軽に見れる上に写真は撮れるわ何時も空いているわで個人的おすすめスポットです。
私は散歩がてら2-3年に1回行っている感じです。
唐代胡人俑。
その名の通り、中国唐代の胡人を模した俑の展示です。
「胡人」は中国史や中国歴史小説でよく出てくる名前で、シルクロードを通じて中国に来ていたソグド人(イラン・ペルシア人)などを総称する言葉です。
東アジア系と違って彫が深かったり髭が濃かったりラクダが友達だったり。
「俑」は秦の始皇帝の兵馬俑に代表される、偉い人の墳墓に備えられる人・動物型の陶製副葬品です。日本の埴輪と位置づけが似ていますね。
今回の展示品は、唐の游撃将軍「穆泰(ぼくたい)」さんのお墓から出てきたものだそうです。
胡人と仲良かったんでしょうか。
印象に残った胡人俑。
髭が跳ね上がっていて乳首が垂れていて腹毛が生えているおじさん。
下の解説で「どや!」と書かれていたり、他の展示品では「イケメン」「ウインク」と書かれていたり、親しみやすい工夫がされておりましたよ。
ヒョウ柄パンツがおしゃれなお兄さん。この方は耳たぶが垂れています。
いななく表情が猛っていて愛しいラクダさんとその飼い主さん。
胡人俑、全体的にデフォルメの効いたデザインがイケていると思います。
ちょっとコミックっぽい造形ですよね。
しかめっ面の官僚っぽい人。表情豊かな俑が多いです。
キリっとした表情の頭上に蓮の花が咲いているおじさん。シュールだ。
私のボロスマホカメラとボロ腕では魅力がまったく伝わらないと思いますので、大阪にお立ち寄りの際はぜひ生で見てみてください。
'18/3/25までやっているそうです。
胡人俑と対を成す展示として、「いまを表現する人間像」という展示もやってました。
近現代の人物彫刻をめいめい楽しんでみましょう。
「踊子」マリノ・マリーニさん。朴訥な表情がキュートです。
「銀の扉に触れる」舟越桂さん。あ、どもとか挨拶してしまいそうな胸像です。
「入道雲の少年」棚田康司さん。ご家庭に飾るには不向きかもしれません。
「美女と野獣」マーク・クインさん。表面の赤みは動物の血をかけたものだとか。
胡人俑と現代彫像との対比、それぞれの印象強さが面白いと思います。
この美術館はいつも展示のセンスが冴えてはるなあと勝手にリスペクトしています。
その他の通常展示なども少しご紹介。
中国の侍女。ほっぺが赤いのがかわいい。
ぽっくりちっちゃい織部の小壺。いとおかし系の魅力がありますね。
アバンギャルドな鉄砂文様の壺。虎の顔、大胆な草花がステキ。
唐三彩の壺。白地に緑と茶色の組み合わせっていいですねえ。
反対に、藍色の色彩が美しい壺。鳥さんの無表情さがクール。
私の写真ではまったく魅力が伝わらない国宝の青磁花入れ。生で見てください。
私の写真ではまったく魅力が伝わらない国宝の油滴天目。生で見てください。
もともと羽柴秀次さんの所蔵だったそうで。
こんな国宝が、日曜日に、行列皆無・一部屋に客は数人という環境でまじまじ観れるんだから贅沢なことです。
いい施設だ。大阪市よ援助を惜しまないで。
以上、'18/1月の東洋陶磁美術館のご紹介でした。
胡人俑はとても魅力的でしたので、また何年か何十年かしたら再び展示会が開催されますように。
何年か何十年か後も、スムーズに美術品を貸し借りできるような穏やか国際情勢でありますように。