ジャンプの新連載「アクタージュ」が、「少女読者の願望」を「少年漫画の手法」で描き出した感があってかんたんいたしました。
以下、ジャンプ2018年8号の一部ネタバレを含みます。
「アクタージュ」。
一見ジャンプっぽくない漫画ですが大変面白かったです。
連載が続いて画力やコマ割り力が高まっていけば凄いことになりそう。
役者モノの漫画で、主人公は女子高生の「夜凪景」さんになります。
彼女は芝居について天性の才能を有していますが、現実と演技の境目があいまいな感じで、生きていくうえで危うい感じが漂うタイプです。
友達もいなさそうですし、それどころか父親は蒸発、母親は早世、残された弟妹を一人で養っていると……すでに実生活も危うい状況です。
ちなみにビジュアルは黒髪ロングのツリ目美少女です。
ツリ目いいよね……。
1話では、夜凪景さんが大手芸能事務所の“俳優発掘オーディション”を受ける話です。
題材的には少年漫画っぽくないんですが、話の演出はとても少年漫画っぽいんですよ。
・主人公は圧倒的な実力・才能を有している
・圧倒的すぎて、初見で主人公の才能を正しく理解できる人は限られる
・「適切な場」に立てば、主人公の才能は多くの人々を魅了する
・現役俳優や現役モデルなど「誰が見ても凄い人」が「カマセ」として配置されている
・主人公を見守る「分かっている大人」キャラがいる
・主人公を阻む「別の価値観を持っている大人」キャラもいる
・主人公は家族のために戦っている面もある
・主人公はヒロインを兼ねているのでヌードシーンもある(なおサービス感は薄い)
……などなど。
リアルライフではイケてないけど実は私には女優の才能が眠っていて……的な少女読者の「中二病(悪い意味でなく)」を、ジャンプ的文法で漫画にしたらこんなに面白くなるんだなあ、とかんたんしました。
万人受け・少年受けするかどうかはちょっと分かりませんが、私にとっては実に魅力的な第1話でした。
失速せずに連載が続いていったらいいなあと願います。
8号で、ほかに印象に残った漫画。
Dr.STONE「Z=43 人類最後の6人」
千空パパ超かっこいい!
ヒゲイケダンいいよね……。
ハリウッド映画観あふれる展開でした。
逆度胸星。
ぼくたちは勉強ができない「問47.露知らず[x]はその深淵をのぞかれるものである」
やばい、全員かわいい。
前に文系派と名乗ったことがあるのですが、さいきんは先輩派に傾いてきました。
ツリ目いいよね……。
「んー…?」
「ひっひっひ」
がたまらんっす。
火ノ丸相撲「第177番 鬼丸国綱と数珠丸恒次」
あかん、数珠丸関の好感度ストップ高がストップできない。
「こった大勢の前で言ったらいげねぇよ!」
この優しさだけで嫁取りできるわ。
力士と母親のドラマいいよね……。
食戟のソーマ「247 “氷の女王”」
えりな様が田所さんリスクペクトを示しつつ大勝利。
女の連帯いいよね……。
ラストページの一色先輩と司先輩の整った顔立ちぶりも相変わらずイイ。
トマトイプーのリコピン「14 クレーンとゴリラとやみ」
ゲーセンのクレーンの闇に迫った内容で笑いました。
しゃあないんや……こうでもせんとゲーセンはもうアカンねや……。
クレーンの実用的なテクがたくさん紹介されているので、普段クレーンで遊ばない人にとっては新鮮ではないでしょうか。
「橋渡しタイプはやっかい」「3本アームタイプの上限設定という理不尽」はまったくその通りで国民生活センターで注意喚起してほしいくらいの内容です。
「ありがとうウシジマくん」
「そんな名前のかたにお金借りて大丈夫?」
というそのまますぎる会話にも笑ってしまいました。
全体的に女性読者受けのよさそうな号でしたね。
(少年ジャンプとしていいか悪いかは置いといて)
できればアクタージュの連載が続いていきますように。
「アクタージュ 1巻感想……なぜにこの漫画をおすすめするのか」原作:マツキタツヤ先生 / 漫画:宇佐崎しろ先生(週刊少年ジャンプ) - 肝胆ブログ