ジャンプに帰ってきたなにわ小吉先生の読切がなにわ小吉先生らしい世界観の作品でかんたんしました。
なにわ小吉先生と言えば「王様はロバ」で一世を風靡した方ですね。
漫画賞に名前・連絡先を書き忘れて応募して、ジャンプ本誌で作者名乗り出てくれとかやっていたデビュー経緯からして印象に残っています。
王様はロバで強く記憶に残っているネタは「日本ちょっと沈没シリーズ」「原始時代シリーズ」あたりです。
原始時代に「よく考えたら裸って恥ずかしくねーか」「本当だ!」とか言い出して服を着だして、そのまま毛皮服のファッション流行ネタに推移しつつ「みんなが服を着ている中、裸のままでいることの快感に初めて気づいた奴」という危ないネタでオチをつけていたのが好きでした。
「ケンカが強い中井出シリーズ」もすごく笑った記憶があるのですが、どんなネタだったのかは詳しくは思い出せません……。
中井出さんの髪型(センター分け)はくっきり覚えているのですが。
ジャンプ+でこのたび掲載された読切「さびれ森のらら子さん」は、あの頃のなにわ小吉先生らしい「ちょっと捻ったシチュエーションからのフフッと笑えるネタ」な味わいが変わらずに楽しめて、しかもその後のなにわ小吉先生らしいちょっと少女漫画感のあるテイストまでが一緒になっている、読んでいて快い作品でした。
オチ関係や本筋関係はネタバレしませんが、個人的に私が気に入ったのは
1ページ目の「もう とにかくすっげー山奥」という雑な場面設定と、12ページ目の「池 歩ける」。
本筋よりも、こういう導入部の解説とか、印象的な大ゴマとかがやたら頭に残る。
これってものすごくなにわ小吉作品らしい魅力だと思うんですよね。
気楽に読める読切ですので、お目通しいただいて気に入っていただければ幸いです。
同じく本日更新の漫画の中では。
打ち切りが確定したような勢いで笑いました。
次回はいよいよトラックが突っ込んでくるのでしょうか。
あと、今週のジャンプ本誌の読切「破格の家賃(カワサキ先生)」が面白かったです。
ティーンの絵本という感じで。
連載に向いているかとかそんなんは置いておいて、少年少女の心の一部にずっと居続けるような作品ではないでしょうか。
※手塚賞準入選と書いていたので新人さんの作品だと思うのですが、
一瞬「大河原遁」先生が別名義でちょっと作風変えて読切を載せたのかと
思ってしまいました。
大河原先生の「かおす寒鰤屋」も印象にずっと残る作品でしたね。
「濡れるのも風情だ」。
「アクタージュ」なんかもそうなんですが、最近の週刊少年ジャンプはあらためて「現代の少年(少女)の視点に雑誌を合わせに行く作業」を丁寧に試行錯誤している雰囲気があっていいですね。
どんな作品がいまの子どもたちにフィットするのか私には分かりませんが、かつての少年の声だけにとらわれず、新たな可能性を切り開いて更に飛躍していただきたいと願っています。
あと、そういうこと関係なしにワンピースのカタクリ戦が面白いです。
斉木楠雄の相卜さんも超かわいい。
ベテラン勢の安定感ある作品は頼もしいですね。
(斉木楠雄はなんか終わりかけている気がしないでもないですが)
紙媒体のジャンプ本誌で新たな才能が活躍し始めている一方、Web媒体のジャンプ+にレジェンド作家が合流しつつある現状は面白いと思います。
そのうち「えんどコイチ」先生なんかも+に登場してくださいますように。
(ギャグではなく、ヒューマンドラマ系で)