肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

「こううんりゅうすい<徐福>3-4巻感想 卑弥呼さんいいよね」本宮ひろ志先生(グランドジャンプ)

 

本宮ひろ志先生の人類史漫画「こううんりゅうすい」が飛鳥や隋の時代まで進んできたところ、歴史漫画というテイストを残しつつ徐福さん・卑弥呼さん夫婦の旅番組っぽくなってきているのが穏やかかつ大望感があっていいなあとかんたんしました。


grandjump.shueisha.co.jp

 

 

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最新巻表紙の人物は聖徳太子さん(少年)です。

ちなみに3巻表紙は秦の始皇帝さんです。

 

「徐福・卑弥呼夫婦」というのも初めて聞いた方には意味が分からんでしょうけど。

 

 

以前も紹介しましたが、

「こううんりゅうすい<徐福> 1-2巻」本宮ひろ志先生(グランドジャンプ) - 肝胆ブログ

 

 

この漫画は本宮ひろ志御大による人類の歴史の流れを眺めていく漫画でして、

 

 ・富士山パワーで西暦二千二百年までの寿命を得た徐福さんと、

 ・同じく富士山パワーで年を取らなくなった卑弥呼さんと、

 ・水銀パワーで死ななくなった秦の始皇帝ことエイセイお爺ちゃんと、

 ・たぶんこれから富士山パワーを得るのであろう聖徳太子さんとが、

 

人間って何なのかなとか思いつつ、各地諸国家の興亡を眺めていく代物であります。

 

 

4巻の卑弥呼さんのセリフがこの物語のスタンスをよく表しているかと思います。

たとえ全世界の王になろうと 人間は決められた時間で死ぬ

私たちの運命はその馬鹿げた妄想に駆られた人間を…

ずっと見続けていく事よ

二千年を越える命を授けられたのはきっと意味がある…

人間たちはこれからもずっと争い続け殺し合うわ

でももしかしたら私たちは見る事が出来るかも知れない

いつの日にかその愚かさに気づき争いを捨てる人間たちを…

私はそれを見てみたいの

 

漫画なので時々主人公たちの戦闘シーンがあったり、エイセイお爺ちゃんがかめはめ波的なものを杖から発射したり、蘇我氏の陰謀や物部守屋の変なんかの歴史ファンが興味を抱きそうなシーンがあったりしますが、大きくは大河の流れ、苔むす大岩、時の流れを茫漠と見つめているのが本筋なのでありましょう。

 

 

そんな中での卑弥呼さん。

3巻では邪馬台国時代だったので卑弥呼さんは現役施政者ですから、けっこうドSな面を発揮していてそれはそれで大変魅力的だったのですけれども。

「ブラックティガー 3話 溟海の銃撃手」秋本治先生(グランドジャンプ) - 肝胆ブログ

 

 

4巻になると人間としての現役を退いて徐福さんと夫婦になって世界各地を気ままに旅することになりまして、険のなくなった卑弥呼さんの様子が大変魅力的なのです。

大草原で突厥の方々と向き合ったり、フランク王国の街角で踊ってみたり。

 

男性サイドの徐福さんやエイセイさんがまだまだガキっぽい、たまに妄想や激情が顔に出るところがあるのに比べて、卑弥呼さんの達観した、静かで、余裕のある気品が。
(そして多分キレたら一番怖いのが卑弥呼さんなのでしょう)

 

なんとなく本宮ひろ志御大の価値観が出ているのかなあとも思います。

 

大御所の描く理想の女性像ってそれぞれ個性があって好きなんですよね。

この卑弥呼さんもそうですし、

秋元治先生が手掛けているブラックティガー姐さんもそうですし。

富野由悠季さんのディアナ・ソレルさんなんかも私は好きです。

格と人間らしさが両立している女性像が、何かの参考になるような気がいたします。

 

 

 

こううんりゅうすい、歴史的な出来事に立ち会っている場面も面白いんですけれども、私は徐福さんと卑弥呼さんがゆったりと大陸の原野を歩いていたり、ヨーロッパの街道で馬車に揺られていたりする場面がいちばん好きだったりします。

 

夫婦で行くBS歴史旅番組みたいで、ストレスフリーに大きなものに接している心持ちになれるのです。

 

 

漫画の展開はまったく予想できませんが、西暦二千二百年まで連載があんじょう続いてくださいますように。