さいきん発売された工場夜景をドローンで撮影した写真集が興奮するほどダイナミック綺麗でかんたんしました。
小林哲朗さんのお名前、色んな媒体で目にするようになってきましたね。
氏のHPでは写真作品を多数拝見することもできますよ。
中之島の空撮写真は建物が背の順に並んでいるみたいなおかしみがありますし、
赤ん坊の昼寝写真はすこぶるかわいいですし、
姫路城や彦根城は縄張りを理解しやすいですし、
言い出したらきりがありませんがとにかくどの写真も素敵です。
こちらの写真集はその名の通り工場夜景をドローンで撮影したものです。
たぶんその響きだけでよだれが出るような工場ファンも多いのではないでしょうか。
人間の視点で見ても大きくて迫力があって機能美があってロマンがある工場を、鳥のような空からの目線で俯瞰的に見ることができたらそりゃエクスタシーですよね。
こんな写真を目にすることができるとは、本当にいい時代になったものであります。
是非手に取って写真を見ていただきたいのですが、
私は大きいモノ好きですので#001のタンク、#031の蒸留塔、#041、#045や#049の煙突、#053・#054の船と工場……などにまず惹かれました。
他にも、工場独特の細密なパイプ網と灯りの対比が美しい#009や#014、#032。
#019や#024、#094など、工場から吐き出される蒸気は幻想的でさえありますし、
#50の夜霧と煙突の構図は異世界と繋がったかのような神秘性が漂っていますし、
夕暮れ時の工場を写した#70や#71、#77などにはなぜだか郷愁を覚えます。
うねうねしたパイプが魅力の#82のセメント工場、
年季と質実を感じさせる#096の鉄工所なんかもたまりません。
真俯瞰、完全真上から工場の幾何学を捉えた#067、#068には未来を感じますね。
工場に関する資料としても最高な写真集になっていると思います。
漫画背景とかでこうした工場を緻密に手書きしたら死んじゃうでしょうけど、重要なシーンの舞台にしたら映えるだろうなあ。
巻末のインタビューの、次のエピソードもよかったです。
迫力のある真俯瞰を撮ろうと思ったら、今はドローンでしかできない。撮影させていただいた工場の方にも驚かれていました。「うちの工場はすげえな!」と(笑)。
こういうのがドローン写真の魅力ですよね。
うちの工場はすげえな!ってセリフ、よっぽど嬉しくて驚嘆したからこそでしょう。
よく知っているモノの知らない面を知る喜び。
好き。
けっこう売れているみたいで、本屋さんで平積みプッシュされていました。
いまなら手に入りやすいと思いますし、確保をおすすめしたい一冊です。
港、橋、駅、道路、空港、寺社、城、ビジネス街……
人間の築いた巨大インフラとドローン空撮は相性いいですね。
今後も素敵な続編が登場しますように。
「ドローン鳥瞰写真集 住宅街・団地・商店街」著 小林哲郎さん / 監修 東地和生さん(玄光社) - 肝胆ブログ