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かんたんにかんたんします。

「じゃりン子チエ 文庫版15巻 感想 お好み焼き屋のオッちゃん(百合根)の火力マシマシ」はるき悦巳先生(双葉文庫)

 

じゃりン子チエの文庫版15巻、ギャグのキレが高い巻でかんたんしました。

脂がのっている時期というやつですかね。

 

www.futabasha.co.jp

 

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15巻に載っているお話は次のとおりです。

 

  • テツに客は来ない
  • 商売繁盛ゲン直し
  • テツの白星ホルモン
  • さぁ勝ち越しだ
  • エイハブの逆襲①
  • エイハブの逆襲②
  • エイハブの逆襲③
  • エイハブの逆襲④
  • ユニフォームの品切れ
  • 黒シャツパワー
  • 黒シャツの群れ
  • 黒シャツ騒動お忘れ会
  • 梅雨の出前「ラーメン一つ」
  • 梅雨の出前「ラーメン三つ」
  • 「リメンバーヘルクラブ」
  • 男は黙って「ばくだん」!?
  • 堅気屋突撃
  • フルチン・カブ
  • 暑い夏のすごし方
  • 即席太極拳
  • 早朝氷食べ放題
  • 呪いのパッチワーク
  • お化け退治
  • それぞれの反応

 

以下、ネタバレを含みますのでご留意ください。

 

 

 

 

 

 

 

内容としましては

テツが真面目に働き出したら力士のゲン担ぎで大繁盛する話、

巨大猫モービーディックと小鉄・アントニオジュニアの戦い、

コケザルのしょうもない銭稼ぎ、

地獄組再び、

おバァはんのお化け退治、

等々が収録されています。

 

全体的にギャグの勢いがよくて満足度が高い感じです。

 

 

主な登場人物の名ゼリフを紹介しますと。

 

チエちゃん

ハッキリゆうとくけどな

身内以外の客が来て初めて働いてるてゆえるんやで

 

辛辣ゥ!

おジィはん相手にホルモンを焼いているテツにこのセリフ。

小学五年生にして年季の経た商売人らしくなっているのが実にたくましいっす。

 

 

ウチ

テツのこと考えんですむのは学校に居る時だけなんやで~~

常識あんのかオッちゃん学校に来て…

ウチ爆発するのおさえてるんやで~

 

授業中、テツのことで相談に来たヤクザを追い返すチエちゃん。

たいそうな迫力ですが不憫でならない感じもしますね。

 

 

 

テツ

ド…ドアホが

ワシをタダのホルモン焼屋と思うなよ~~

 

力士のゲン担ぎでテツのホルモン焼屋は大繁盛。

はじめは喜んでいたテツも、もともと働く意欲が低いのでそのうち疲れ果ててしまい。

幕内力士3人を闇討ちして自ら繁盛騒動にピリオドを打つのでした。

 

……幕内力士3人に重傷を負わせるってバキ道の主要闘士並みですね。

 

 

 

ヨシ江はん

宿題ですか!?

宿題やったらお母はん手伝えませんなぁ

 

チエちゃんとヒラメちゃんに洋裁を教えてくれるという話だったものの、宿題なんだったら自分たちでやりなさいと突き放すヨシ江はん。

趣味なら手伝う、勉強なら自分でやらせる。

こういう教育スタイルも筋が通っていていいかもしれません。

 

 

 

おバァはん

これを着て…

それから頭を…

どぉだすこんなもんで

お化けとどっちがこわいか勝負ですわ

 

潰れた生地屋に夜な夜な出没するお化けに対して、自分もお化けの格好して殴り込むおバァはん。

結果としてお化けの正体はしょうもない陰謀だったのですが、おバァはんの無駄に高い迫力がキレッキレで愉快なお話です。

 

 

 

テツ

ヒラメー

ワシや

もぉなにも心配することないどー

明日からワシも一緒にやったるからなぁ

そやからもぉドンくさいことなんか気にせんでもええどー

 

諸事情あって自分のドンくささに落ち込むヒラメちゃんへ、彼女の家の外からデカい声で励まそうとするテツ。

動機は立派だったんですけど、ヒラメちゃんがひっくり返ってしまう結末に。

 

 

 

小鉄&アントニオジュニア

アントニオ「ヒラメちゃんランランランゆうだけでも調子はずれてるで」

小鉄「こ…こら失礼なことゆうな」

 

人間を観察してニヤニヤ笑う若猫と、たしなめるオッサン猫。

アントニオは毎々はねっ返り者でかわいいです。

酒を飲み過ぎて腰が抜けるアントニオもかわいい。

(※猫にお酒を飲ませてはいけません!)

 

 

 

ヒラメちゃん

そやけど周のオッちゃんのゆうてたことほんまやわ

そやから基本のこぉゆうハズ押し

ウチあのやり方で兄ちゃんと相撲取ったんやけどニ十回やってニ十回とも問題にならんと勝ったもん

 

周センセに相撲を教えてもらって、まんざらでもないヒラメちゃんがかわいい。

彼女は周りの大人たちから愛されていていいですね。

 

 

 

お好み焼屋のオッちゃん(百合根)

おまえ相手に日本酒じゃまわりが遅いわい

これからはウイスキーで即 人間やめるんじゃ

うるさいわい!!

ニャオニャオニャオニャオゆうんやないわい

男はこぉゆう時は黙って酒呑むしかないんじゃ

そのために神さんは酒を発明してくれたんじゃ

ワシを素人やと思とるな~~~

ワシは悪酔いのプロやど~~

どいつもこいつも皆殺しじゃ~~~

 

力士の騒動や地獄組の騒動に巻き込まれたり、

チエちゃんに酒の中身を「ばくだん」に変えられたりして、

いつも以上に荒れ狂うオッちゃん。

 

この方に火がつくとテツですら逃げるしかない訳ですが、寿命は確実に縮んでそうで心配になります。

ふだんは気のいいオッちゃんなだけに。

でも、この両面性がキャラクターとして愛しいんだよなあ。

 

 

 

 

 

変わった新キャラに頼ることもなく、いつものメンツでいつも以上に盛り上がっている巻というのもいいものですね。

 

早くコロナを克服して、この巻で描かれたような春先に力士がうろつく大阪の風景が戻ってきますように。

 

 

 

「じゃりン子チエ 文庫版14巻 感想 掛け合いが楽しい巻」はるき悦巳先生(双葉文庫) - 肝胆ブログ

「じゃりン子チエ 文庫版16巻 感想 ヒラメちゃん最高やなとなる鉄下駄編」 - 肝胆ブログ

 

 

「アイデンティティが人を殺す 感想」アミン・マアルーフさん / 訳:小野正嗣さん(ちくま学芸文庫)

 

アイデンティティが人を殺す」というエッセイを読んでみたところ、まこと現代世相にフィットした考察や意見が記されていてかんたんいたしました。フランス語の原文には触れていませんが、小野正嗣さんによる訳もすごくいい気がいたします。

このテキストは、高校生の現代国語とか、大学一般教養の題材とかに使うと今後の世界を生きる若者的にもいいんじゃないかなあ。

 

www.chikumashobo.co.jp

 

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著者アミン・マアルーフさんの作品は、前に「アラブが見た十字軍」を読んだことがあります。

「アラブが見た十字軍」アミン・マアルーフさん / 訳:牟田口義郎さん・新川雅子さん(ちくま学芸文庫) - 肝胆ブログ

 

かの本も著者の高い知性やフェアな感性を感じることができる名作でしたが、この「アイデンティティが人を殺す」は著者の人間的な魅力・スタンスを一層感じとることができていいですね。

 

 

 

当著は200ページ弱の小品でして、

宗教や国家や民族や言語等々、アイデンティティとは?

アイデンティティが時には戦争や弾圧や虐殺を招く事実をどう思うか?

今後の世界を生きる者はアイデンティティをどう飼いならしていけばいいのか?

等々についてをテーマに、ご自身の考えを記されています。

 

著者のアミンさんはレバノン生まれ※でフランス在住、一族はイスラム教徒で自身はキリスト教徒とのことです。

レバノン・フランスという二国にまたがった経験、

イスラム教とキリスト教の二大宗教に接した経験があればこそ、

ある程度アイデンティティというものを客観的に見つめることができるのでしょう。

 

※そういえばゴーンさんもレバノン由来の人ですね。彼もレバノン・ブラジル・フランス・アメリカ・日本と、各国をまたいで活躍してきた人物です。日産事件について現在週刊漫画ゴラクで白竜さんが仕切り始めているのが楽しみでなりません。

 

 

 

アイデンティティ、宗教、民族、国家、言語……的な話をすると、一般的な日本人には馴染みにくく感じるかもしれませんが、日本人とて出身県や地域、学校、会社、方言、性癖、推し、クラスタ、界隈、右と左等々、様々な属性を帯びて日々誇ったり争ったり内輪ノリを築いたりしている訳ですので、決して縁遠くはないと思うんですよね。

さすがに人の死亡にまで繋がる事案は多くないと思いたいですけど……。

 

ので、以下でアラブとか英語みたいな話が出てきて、もう一つノリについていけない場合は、適当に「大阪生まれ」「関西弁」とかに脳内変換してお読みください。

 

 

 

それでは、本の中で印象的な箇所を引用しつつ、私見を付記していきます。

 

 

私のアイデンティティとは、私がほかの誰とも同じにはならないようにしてくれるものです。

アイデンティティは例外なく複合的なものなのです。

 

要するに、アイデンティティを問われた際、得てして人は「●●人です」「●●教徒です」となりがちですが、実際の個々人は●●人で●●教徒で●●語を話し●●出身で●●の性的嗜好を持ち●●の趣味を……と複合的な帰属先を有しているものなので。

●●人、●●教といった1つの帰属先だけに着目して「●●人はこんな奴ら」「●●教を追い出せ」とかやるのは変だよね、ということを書いてくれています。

アイデンティティってとても大事、でもそのうちの1パーツを抜き出してラベリングするのはちょっとね、的な。

 

まったく仰る通りですけど、同質性の高い日本社会でもこういう思考をしがちですから人間のバイアスってのはなかなか根深い陥穽でありますね。

 

 

 

私たちには、いちばん攻撃にさらされる帰属におのれの姿を認める傾向があります。

傷つけられたコミュニティのそれぞれに扇動者が現れるのは自然の流れでしょう。

 

「心の傷」としてアイデンティティを実感する、というのは慧眼だと思います。

誰かを攻撃している人は、相手に傷つけられていると感じているから……という場面、実際に見たことある方も多いのではないでしょうか。

 

 

 

イスラムが他の諸文化と共存しあい豊かに交流しあう巨大な潜在能力を持っていることは歴史的にはっきり証明されています。しかし昨今の歴史が示しているように、後退は起こり得るし、その潜在能力が長いあいだ、まさに潜在的な状態にとどまり続ける可能性もあるわけです。

影響というのは相互的なものです。社会が宗教を形成し、すると今度は宗教が社会を形作るのです。

近代化が非西洋地域の人々のアイデンティティに与える傷

 

「アラブが見た十字軍」にも表れていましたが、著者は自分のルーツであるアラブ社会の近代化の遅れを冷静に認識しています。

一方、その要因のひとつとして、近代化=西洋文明受容とは、自身のアイデンティティを傷つける面を孕んでいる……という点までをも冷静に見つめている視野の広さにはかんたんしますね。

この辺の記述は、日本の古代史ファンや幕末・明治史ファン、戦後復興史ファンの方々等にも刺さるものがあるかもしれません。

 

 

 

加速するグローバル化が、その反動として、アイデンティティの欲求を強くさせていることは疑うべくもありません。

不信は、間違いなく私たちの時代のキーワードのひとつです。イデオロギーに対する不信、よりよい明日というものに対する不信、政治、科学、理性、近代に対する不信。進歩の概念に対する不信、二十世紀――有史以来前例のないほどの偉業を成し遂げてきた世紀、しかし許しがたい犯罪とかなえられなかった希望の世紀――を通じて私たちが信じてきたほとんどすべてのものに対する不信。さらにまた、グローバルだとか世界的だとか地球規模だとか形容しうるすべてのものに対する不信。

「人間はもはや彼らの父親の息子というよりは彼らの時代の息子なのだ」と歴史家のマルク・ブロックは言いました。おそらくそれはいつの世でも真実だったのですが、今日ほどそれが真実になった時代はありません。

実のところ、私たちがこれほど激しくみずからの差異を主張するのは、まさに私たちがだんだんとたがいにちがわなくなってきているからなのです。

 

アイデンティティが心の傷に呼び起こされるのならば、世界が急激に変化し、自身が得てきた価値観が揺らぐ場面が増える現代こそ、もっともアイデンティティについて自問せざるを得ない時代なのでしょう。

これは、日本国内にあっても、例えば東京型文化の普及だとか、どの県でも国道沿いの店は似たような店ばかりだとかで、各都道府県らしさが揺らぐ……みたいなのがありますもんね。

 

 

 

パリやモスクワや上海やプラハの大通りを歩いていれば、確かに「ファースト・フード」という看板がすぐに目に入ってきます。しかし世界中どこでも、昔から海外に広まっていたイタリア料理やフランス料理や中国料理やインド料理ばかりでなく、日本料理やインドネシア料理や韓国料理、メキシコ料理やモロッコ料理やレバノン料理など、この上もなく多様な料理に出会る機会が増えているのもまた事実なのです。

 

著者は、グローバル化は下手したらアメリカ文化が世界を画一的に塗りつぶすことになるのではと懸念しつつ、こうした多様性の価値を見出していたりもします。

この本の原著は1998年刊行とのことで、2021年現在は当時ほどアメリカ一強でないようにも思いつつ、特定の強力な文化が世界を覆っていくのでは的な懸念はいまも議論されていますもんねえ。

 

 

言語には、アイデンティティの要素であると同時にコミュニケーションの手段でもある、という素晴らしい特性があります。この事実に目を向けていただきたいのです。だからこそ、宗教に関して私が願っていることとは反対に、アイデンティティを構成するものから言語的なものを切り離すことなど考えられないし、そうすることが有益だとも思えないのです。言語には、文化的アイデンティティの軸となる使命があるのです。そして言語的多様性には、あらゆる多様性の軸となる使命があるのです。

知へのアクセスという巨大な領域に目を移すと、事態は複雑になります。若者たちが世界の他の地域の出版物を、英語ではなくアイスランド語で読み続けられるようにするために、アイスランドはたえずコストのかかる努力を強いられています。

今日、この世界で安らぎを感じるために、そして世界を理解するために、自分のアイデンティティの言語を捨てなくてはならないようなことがあってはなりません。誰であれ、本を開くたびに、画面の前に座るたびに、議論し考えるたびに、「故郷から離れる」気がするようなことがあってはなりません。誰もが近代を他者から借用していると感じるのではなく、近代をわがものとすることができなければならないのです。

 

著者の、言語への熱い思いが伝わるパートです。

留学経験のある方とか、地方から東京の大学に進学した方とかならピンと来やすいかもしれません。

私個人としても、祖父世代が話していたマイナーな方言が滅んでいっているのを感じているので少し複雑です。

 

 

 

現在生まれつつある共通の文明から、誰ひとりとして排除されていると感じることがあってはなりません。各人がその共通の文明のなかに自分のアイデンティティの言語を、自分自身の文化を表すシンボルのいくつかを見出せるようでなくてはいけません。そしてまた各人が理想化された過去に避難するのではなく、周囲の世界にいままさに生まれつつあるものに、たとえわずかでも一体感を感じられなくてはなりません。

 

いいこと仰いますね。

自分もまた、そのように生きていけたらいいのですが。

 

 

 

 

どうでしょう。

面白そうと感じた方は、ぜひ手に取って読んでみてくださいまし。

世相にフィットした文章だと思いますので、こういう本を読んで物思いにふけってみるのも有益だと思いますよ。

 

 

アイデンティティを傷つけられた気がして誰かを攻撃しようとしている方が、本当にアイデンティティを傷つけられたのか、攻撃することがアイデンティティを癒すことに繋がるのか、一呼吸おいて考えられるような風潮が広がっていきますように。

 

 

 

「東日本の動乱と戦国大名の発展 感想」丸島和洋さん(吉川弘文館 列島の戦国史⑤)

 

列島の戦国史シリーズ、丸島和洋さんの「東日本の動乱と戦国大名の発展」が最新研究の反映を含めて密度・分量たっぷりな内容でかんたんしました。

シリーズの中でも、いい意味で戦国時代についてやや詳しい人向けだと思います。

 

www.yoshikawa-k.co.jp

 

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16世紀前半、東日本では古河公方の内紛と連動した戦乱から、戦国大名の衝突へ変化する。伊達・上杉・北条・武田・今川・織田―大名間「外交」と国衆の動静を軸に、各地の情勢を詳述。戦国大名確立の背景に迫る。

 

 

 

内容をイメージしやすいよう、目次を細かめに引用いたします。

 

戦国大名の戦争と「外交」―プロローグ

    戦国大名という地域国家

    戦国大名誕生の背景

    家中の形成と外様国衆

    本巻の狙い

 

一 東日本戦国時代の転回

 1 越後における戦国大名の成立

    越後守護上杉氏の戦国大名

    守護代長尾氏の台頭

    長森原の戦いと上杉定実幽閉

    越後享禄・天文の乱

    時宗丸入嗣問題と長尾晴景

 2 伊達氏の台頭と南奧の大乱

    奥州探題大崎氏と葛西氏

    伊達稙宗の入嗣政策と陸奥守護職

    白河永正の変と南奧諸氏

    伊達氏天文洞の乱

    晴宗の勝利と稙宗の抵抗

    戦国大名蘆名氏の確立

    最上義定と寒河江

    出羽庄内と仙北

 3 北方世界とアイヌ

    謎に包まれた南部一族

    浪岡御所北畠氏

    安藤氏から安東氏へ

    蠣崎氏の成立とアイヌ

 

二 古河公方の分裂と小田原北条氏

 1 古河公方府の内乱

    長享の乱終結と下総篠塚陣

    永正の乱勃発と上杉氏

    永正の乱の展開と小弓公方の成立

    関東享禄の内乱

 2 関東に波及する内乱

    佐竹の乱終結と部垂の乱

    両那須氏の統合と宇都宮錯乱

    結城政朝と小山氏

    常陸南部の情勢

    千葉・原氏と上総武田氏の分裂

    安房里見氏の内乱と系図改竄

 3 戦国大名北条氏の誕生と関東支配の正統性

    伊勢宗瑞の小田原城攻略

    扇谷上杉氏との手切

    宗瑞の相模制圧と死去

    北条改苗字

    河越落城と扇谷上杉氏の衰退

    小弓公方滅亡と北条・里見氏の政治主張

 

三 中部・東海地方の戦国大名

 1 今川氏の遠江三河進出

    斯波義寛との抗争

    三河侵攻と斯波氏の反攻

    今川氏親の死去と寿桂尼

 2 武田信虎の甲斐統一

    信虎の家督相続

    小山田氏と穴山武田氏

    甲府開創と甲斐統一

    信虎の外交と戦争

    小笠原氏の統一

    諏訪頼満と頼重

    高梨政盛の国衆化

    飛騨三木氏と姉小路

 3 今川義元家督相続

    今川氏輝急逝と花蔵の乱

    第一次河東一乱と三河侵攻

 4 斎藤道三の美濃奪取と織田信秀の台頭

    船田合戦

    道三の父長井新左衛門尉

    道三の下剋上

    清須・岩倉の両織田氏と斯波氏

    信秀の台頭

    信秀の病

    今川勢の尾張侵攻と信秀の死去

 5 松平氏の盛衰

    永正三河大乱と松平信忠失脚

    霧の中の松平清康守山崩れ

    松平広忠復権と横死

 

四 甲駿相三国同盟の成立と長尾景虎

 1 武田晴信のクーデター

    武田信虎追放

    支持された追放劇

    諏訪頼重の滅亡

    第二次河東一乱

    武田氏の信濃経略と二度の大敗

 2 甲駿相三国同盟への道

    河越合戦と扇谷上杉氏の滅亡

    山内上杉憲政の没落

    古河公方の傀儡化

    甲駿相三国同盟の成立

 3 長尾景虎の登場と新たな対立軸の形成

    景虎家督継承

    川中島合戦の開始

 

五 戦国大名「国家」の内実

 1 領国支配と印判状

    差出検地か丈量検地か

    差出と検地

    貫高制と石高制

    所領高帳の作成

    印判の使用

    印判状の確立とその背景

    税と役

    商人の統制

    北条氏康の徳政と目安箱

    伝馬制

    撰銭令

    金山・銀山の開発

 2 家臣団統制と領国支配

    若き越後国主の悩み

    寄親寄子制

    支城制の展開

    国衆の自律性

    「郡」と「領」

    「洞」と「屋裏」

 3 大名の裁判と分国法の展開

    分国法と家法

    『今川仮名目録』

    『甲州法度之次第』

    『結城氏新法度』

    伊達氏と『塵芥集』

 4 「外交」の仕組み

    取次と副状

    和睦・同盟の作法

    幕府と朝廷

 

六 文化と宗教の伝播

 1 連歌と蹴鞠

    猪苗代兼載の晩年

    宗祇の死去と宗長・宗牧

    冷泉・飛鳥井両氏と和歌・蹴鞠

    武人画家の活躍

 2 戦国大名と宗教

    寺社の修造

    禅僧と戦国大名

    醍醐寺高僧の旅と文永寺

    「一向宗」と戦国大名

    美濃別伝の乱

 3 在地社会と戦乱・信仰

    十六世紀前半の気候

    河口湖周辺の在地社会

    村落と土豪

    土豪の活動の広がり

    足軽乱取り

    熊野三山出羽三山信仰

    伊勢・高野山信仰

    富士山信仰

 

七 進展する地域統合と大名領国の再編

 1 織田氏の分裂と斎藤道三の敗死

    武田・今川氏と斎藤道三

    長良川の戦いと道三敗死

    一色改苗字と義龍の死

    織田信勝の挙兵

 2 桶狭間合戦の衝撃

    今川義元の隠居と三河平定

    桶狭間の戦い

    松平元康の自立と「一向一揆

 3 並び立つ関東管領

    上野横瀬氏の下剋上

    長尾景虎関東管領就任

    第四次川中島合戦

    北条・武田氏の反撃

    越中大乱から謙信出馬へ

 4 東関東・東北の情勢

    下野の情勢

    常陸佐竹氏の躍進

    北条か上杉か

    伊達・蘆名同盟と佐竹氏

 

戦国大名を動かしたもの―エピローグ

    古河公方の時代とその終焉

    大名・国衆間の外交と戦争

    永禄年間への助走と統合の動き

    今川氏滅亡の遠因

    新たな秩序へ

 

あとがき

参考文献

系図

略年表

 

 

盛りだくさんですね。

詳しい方であれば、目次を見ただけで「おっ、これも取り上げてくれている」と分かるのでしょう。

 

 

高校生の歴史教科書より小学生の歴史教科書の方が分かりやすいのと同じで、当巻は分量が多く題材も広範囲に及びますので、ぱっと見では通史としての流れやテーマ性を掴みにくいかもしれません。

そういう意味では「武田家や上杉家や北条家や今川家の歴史を軽く触りたい」といったニーズには合致しないかもしれませんが、丁寧に読み進めると、メジャー大名も含めた各氏の興亡を題材に「戦国大名とは」「国衆とは」「どのような流れで戦国大名の勢力が拡大していったか」等を掴める構成になっておりますので、腰を据えて向き合うことをおすすめいたします。

 

 

当著の特徴として、冒頭で戦国大名について定義いただいているところがいいですね。戦国時代に限らず、歴史ってけっこう用語の定義に幅があったりいたしますし。

 

筆者が用いている戦国大名の定義を示しておく。

  1. 室町幕府・朝廷・鎌倉府・旧守護家をはじめとする伝統的上位権力を「名目的に」奉戴・尊重する以外は、他の権力に従属しない。
  2. 政治・外交・軍事行動を独自の判断で行う。伝統的上位権力の命令を考慮することはあっても、それに左右されない自己決定権を有する。
  3. 自己の個別領主権を越えた地域を一円支配した「領域権力」を形成する公権力である。これは、周辺諸領主を新たに「家中」と呼ばれる家臣団組織に組み込むことを意味する。
  4. 支払領域は、おおむね一国以上を想定するが、数郡レベルの場合もある。陸奥や近江のように、一国支配を定義要件とすることが適当でない地域が存在することによる。 

 

分かりやすいですね。

この定義なら、戦国大名扱いされないことがある畿内の皆様も範疇に入りそうで個人的に嬉しいです。三好家はもちろん、不明瞭な部分を孕みつつ木沢長政さんなんかも戦国大名と呼べるかもしれない。

 

 

その上で、この本では戦国大名が担った役割として

つまり戦国大名とは、軍事力という「暴力」を背景とする権力体ではあるが、戦乱の世における軍事的保護(「軍事的安全保障体制」、第五章で詳述)と、実効性を期待できる裁判と紛争調停を期待され、社会的要請で生み出された存在でもあった。

たとえば戦争時に援軍を出さないことは、戦国大名の信頼失墜に直結するから、政策に大きな影響を及ぼした。

現在では、戦国大名一般が「家臣の一揆」に支えられた権力と理解されている。

国境を越えた国衆の動向が、戦国大名の戦争・外交に大きな影響を及ぼしていた

境目地域の安定と現地国衆の保護は、戦国大名にとって大きな課題であった。解決方法のひとつは同盟締結・和睦による停戦であったが、領国拡大による境目地域の大名領国内への組み込みが取られることもあった。戦国大名の戦争は、領国拡大のためと捉えられがちだが、政治の一手段としても行われるものであったといえる。

 

という点に比重を置いて解説いただけまして、その典型例として今川氏の滅亡……同盟国北条氏への援軍(対上杉謙信さん)を優先し、三河国衆への対処に手が回らなかった故……を紹介いただけたりします。

 

矛盾するような話ですが、戦国大名とは暴力装置であり、平和機構でもあるという。

各地で紛争が頻発する世相にあっては安全保障を提供してくれる大型大名権力が要請されるのは自然な帰結でして、時代は伝統権威の後退および各国衆の内乱・統合を通じて広域戦国大名権力の登場を誘いますよ的な流れをイメージしやすい構成になっているのが満足度高いですね。

 

そのほか、本著で印象に残った点としては

  • 戦国大名のルーツは越後の上杉房定さん説。なるほど。
  • 長尾晴景さんの実像。長尾為景さんへのクーデターっぷり。
  • 個人的に縁遠い北関東諸勢力の動向に触れられて嬉しい。大乱に乗じて各家内で陣営が分裂して戦いまくるのが地獄感高い。
  • 石川高信さん=南部安信さんの弟説で記載されていますね(南部晴政さんの弟説もありますが、どっちが正しいのかは私には分かりません。南部家は謎だらけだす)。
  • 松平「清康」? 松平「清孝」が正しいっぽい?
  • 戦国大名権力の国・郡・領を単位とした連帯感=郷土意識の芽生え。
  • 結城政勝さんは分国法の執筆中に気持ちが高ぶってしまいがち。
  • 美濃別伝の乱、面白い。
  • 北畠具教さんによる今川家撃退

 

等々です。

どれも興味深いですね。

 

 

とても濃密な仕上がりですので、通史シリーズだからといってサラリと通し読みするにはもったいない、じっくり読み込みたい一冊でした。

こうした良質な書籍を通じて散りばめられた研究成果の共有化が進み、更なる深掘りを招いてくださいますように。

 

 

 

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信長の野望20XX「平安編第4章 朝家の守護 攻略の感想」

 

信長の野望20XXに平安編第4章が実装されまして、難易度がいっそうハードになりつつ、物語の展開も急激にシリアス度が増してきてかんたんしました。

こういった好き嫌いが分かれそうな重いシナリオを下地にしていただけるなら、戦国時代の人物が平安時代に行くより、平安時代の人物が各時代に赴いた方が話が膨らんで楽しそうな気がしないでもないですね。

 

↓アップデートのリリース

nobu201x.gamecity.ne.jp

 

 

以下、けっこうネタバレを含みますのでご留意ください。

攻略に役立つ要素はほとんどありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんとか全部S評価は取れました。

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20XXになってから三好之長さんとクリスマス三好長慶さんくらいしか大規模ガチャ投資を図っていない自分としては攻略がそろそろいっぱいいっぱいです。
(しかも彼らは攻略上ほとんど役に立っていない)

之長さん副産物の芦屋道満さんや、クリスマス長慶さん副産物の塩輝さんや、たまたま手に入れた斎藤小少将さんのおかげで妖や機をなんとか倒せているような状態でこまったこまった。

「壮麗の煌」ガチャの名古屋山三郎さんに「戦国武将がよく来るキャバクラ」の青柳尊哉さん三郎ぽさを感じて思わず貴石を突っ込みかけましたが、そのうち星5三好家が来るはずという憶測を胸にかろうじて理性を保っています。

 

 

 

第4章の攻略面に少し触れると、第3章で出てきた強敵たちが再登場してくれまして難儀でしたね。

 

星熊童子さん、今度は1,000万超のダメージを与えれば倒せるようになっていたので、倒すのはかんたんなのですが1戦仕様のせいでスキルフリークとかを狙わないとS評価取りにくくて困りました。

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ちなみに私の場合、なぜか耐久&兵器作戦での縦陣連鎖ジャベリンでは1,000万の壁を超えられませんでした。無属性軽減とは書いていないけど、何らかの仕様で兵器ダメージが抑えられているのかなあ? たまたま?

 

 

星熊童子さんは1例ですが、4章にもなるとボスの種族やギミックが多様化していて、自陣の構成も引き出しを多くしないとしんどいですね。

三好家縛りで全部S評価とかは私の腕では無理だす。

 

 

 

 

さて、攻略面は置いておいてストーリーです。

 

 

見どころは多く。

 

相変わらず薫り高い陰陽師コンビ&小野好古さんであったり。

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というか源博雅さんに星4グラが追加されていてウケました。

たぶん20XX平安編でいちばんキャラがイキイキしているのは彼なので、そのうち星5博雅さんも実装されるのかもしれません。小説陰陽師での彼の希少性や特異性を踏まえれば、星5レアでもまったく違和感ありませんし。

 

 

 

橋姫さんも3章に続き、何かの解釈がおかしいキャラになっていてかわいい。

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源頼光さんは引続きまっすぐ格好いい勇者っぷりで。

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黒田官兵衛さんも、黒田家臣を召喚することで魅力が多層化したように思います。

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とりわけ栗山善助さんの渋い洞察力がよございました。

素敵な家臣がいると殿の魅力も高まる。というのはいいものですね。

 

 

 

かさねさんも徐々に超人化が進んでいて好感度の高い活躍をされています。

既に10万パワー程度(ビビンバさん程度)の超人強度はありそう。

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個人的には、かさねさんに対する好感度がまつりさんに並んできた印象です。

引続きいい意味ではっちゃけてキャラを掘り下げていってほしいですね。

 

 

 

 

で、そんな楽しい20XXにおいて。

 

この第4章のストーリー、実際のところはそうとう重厚でしたね。

 

20XXのシナリオはおおむね「幽魔を倒せば争いは終わって平和が訪れる、登場武将は基本的にみんないい人!」というやさしい世界なのですが……。

 

今回は

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こういう「ん?」となるプロローグで始まってからの。

 

 

 

怒涛の敵キャラ事情掘り下げが……

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等々を大量にぶつけられた上に。

 

 

 

源頼光さんたちが命がけで守護している朝廷は驕りまくっており。

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芦屋道満さんはそんな社会矛盾に対して怒りを露わにし。

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そして、安倍晴明さんは無慈悲なまでに強大な力で鬼たちを祓うという。

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こうした4章シナリオ全体の構図は(坂田金時さんや安倍晴明さんを除いて)主人公サイドの登場人物は認識しておらず、ユーザーである我々だけが両方の視点からすべてを目撃し、結末として「鬼やろう」「鬼やろう」と「人々が力を合わせて悪い鬼を祓い」「京に平和を取り戻す」という一見きれいな場景を迎えることになるのです。

 

美しい都、尊い平和の裏で、救いなき敗者の気持ちはいかばかりぞ。

 

的なやつで胸をグリグリされるんですよ。

 

 

こんなにビターでハードボイルドなトスを上げられると、今後のメインストーリーへの期待がすごい上がっちゃいました。

どう平安編を決着させていくんだろう。

長篠異聞といい関ヶ原異聞といい、シリアスに舵を切った時の20XXの爆発力は凄いものがありますので、正直とても楽しみです。

 

 

 

あと、今後の楽しみといえば、

 

初の邪ボスとして登場した茨木童子さんがガチャで仲間にできるということで

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やろうと思えば、星5武将はストーリーのボスにできるということですよね。

 

これは新三好異聞で「邪:木沢長政」が登場する奴やわ……! 

あるいは新国府台異聞で「邪:足利義明がセルフリバイブ間違いなしっすよ。

うきうき。

どの武将を星5ボスキャラにしたいか、を考えると楽しい。

 

 

 

ちなみに茨木童子さん、4章橋姫さん&朱雀門イベントを見るに、100%鬼じゃないから晴明さんの祓いサーチの対象から外れて助かったんでしょうね。

よかった。

と一瞬思いつつ、彼の立場に立てば、100%鬼でないから助かったってのは救いにならないだろうなと考え直してやはり悲しいです。

 

傷だらけの平安時代、最後に癒してくれるのは晴明さんの呪か博雅さんの笛か。

いろいろ思うところが出てまいりますね。

 

 

 

あと、ユーザーからのヘイトを集めてしまっている藤原道長さん、私としてはむしろ彼が戦国時代にやって来て、窮乏している朝廷や五摂家を見てどんな気持ちになるか描いてほしいなあとかも空想しちゃいますね。

若い頃の近衛前久さんに良からぬ影響を与えちゃったりして。

 

同様に、源頼光さん(や平将門さん)が源平や南北朝を見てどう思うか、とか。

普通に現代カルチャーを楽しむことができる安倍晴明さん&源博雅さん、とか。

 

時代が古いだけに、平安時代のキャラを他の時代に送り込むと色々面白そうです。

 

 

 

いろいろ書き散らかしましたが、20XXのストーリーがこれからも輝きを増し続けてくださいますように。

安心してゲームや課金を楽しめるよう、サービスがサスティナブルでありますように。

 

 

 

 

信長の野望20XX「3章および源頼光&四天王絵巻 攻略の感想」 - 肝胆ブログ

 

 

漫画「食の軍師とは 概要と力石」泉昌之先生(週刊漫画ゴラク)

 

漫画「食の軍師」、いつまでたってもゴラクに掲載されないし単行本も出ないもんだと思っていたら8巻で連載終了していたことに今さら気づき、あらためて全巻読み返してみたら力石さんあっての食の軍師やなということをひしひしと再認識できてかんたんしました。

 

www.nihonbungeisha.co.jp

 

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ドラマ化もしていたのでご存知の方も多いかもしれませんが、食の軍師はトレンチコートのおっさん「本郷さん」が、一人で脳内軍師(諸葛亮=蜀の軍師)と喋りながら格好よく食事しようとするも、たいていメニュー選びにミスったり、同じ店で出くわす「力石さん」の方が格好よく食事を楽しんでいたりして敗北を喫する※という漫画です。

 

※例

 蕎麦屋で大量のアテ・蕎麦・酒を注文して長居する本郷さんと、
 板わさ&ビール、天ざる&燗酒でサッと引き上げる力石さん

 

 

もともと料理漫画だけを集めた漫画雑誌「食漫」で連載していたのですが、雑誌が休刊する運びとなり、週刊漫画ゴラク本誌に移管して連載が継続したという経緯があります。

それだけ「食漫」の中でも人気・完成度が高くて、ドラマ化されるのも分らんでもないというコアな盛り上がりがあったんですよね。

 

一般的には「食漫」で掲載されていた時期にあたる1巻がずば抜けて完成度が高く、2巻以降は迷走感を含めて楽しもうという感じに評されることが多い気もしますけれども、あらためて読み返してみたら2巻以降もしばしばスマッシュな面白さを放っておられて、作者方の地力にかんたんしました。

 

 

全8巻の構成と力石戦は次のとおりです。

  1. 力石激闘編。
    おでん、もつ焼き、寿司、蕎麦、とんかつ、餃子、焼肉、シウマイ弁当で力石さんと戦うも、基本的に全敗。餃子だけは両者ノックアウト気味ですけど。
    なにげにシウマイ弁当編では力石さんと二人で新幹線に乗ってお出かけしており、二人の関係が急速に進展していることが伺えるという。

  2. 地方遠征編。
    本誌移管に伴い、本郷さんが各地方に遠征して一人で食事するスタイルに。
    力石さんは横浜中華街編、埼玉東松山編だけに登場し、颯爽と本郷さんを悔しがらせます。
    ちなみに力石さんは埼玉県出身とのことで(現在は中央線沿線在住ぽい)。

  3. 名城攻略編。
    都内各地の名店に本郷さんが突撃。
    読者要望の高まりか話の作りやすさか、再び力石さんの登場機会が増加。
    松茸編、新宿駅ベルク、森下魚三酒場、浅草神谷バー銀座ライオン日本橋たいめいけん、デリー銀座支店、神保町いもや、で本郷さんが力石さんと遭遇し、全敗。
    本郷さんは終始悔しがっていますが、力石さんは本郷さんに舌を出してアピールしたりスープを味見させたりと憎からず思っている様子なのがエモい。

  4. 寺社参拝編。
    有名な寺社仏閣に参拝しつつ、近隣で食事を楽しむ流れです。
    力石さんとは王子稲荷神社、小網神社、町屋稲荷、増上寺(後日談)、上野寛永寺、花園神社、新井薬師門前仲町で遭遇し、本郷さん全敗。
    力石さん、上野では西洋人の友人を連れて登場し、国際派な一面を見せてくれます。


  5. 東京で地方飯を喰らう編。
    本郷さんが都内の各地方料理の名店を攻めることで各地方を制した気になるという展開です。
    力石さんとは佐渡料理、秋田料理、佐賀料理、秩父料理(後の缶詰バー)、岩手料理、大阪料理(串カツ)、土佐料理、薩摩料理、愛媛料理、岡山料理、北海道料理、どぜう丸鍋で勝負し、やはり本郷さん全敗。というか力石さんの登場頻度がどんどん上がってますね。
    力石さん、串カツ屋では初手「エビ、ウインナー、紅生姜……色味を赤に統一した海の幸・陸の幸・地中の幸という"水、陸、土中  赤三形の陣"」を放ったり、土佐料理屋では酔いつぶれた本郷さんのために「彼が起きたらアイスクリンを」と注文し会計を済ませて先に帰るというイケメンっぷりを見せつけたりと、男ぶりがストップ高で手がつけられなくなってきています。

  6. 大衆食堂編。
    いまも町に残る大衆食堂を愛でる章になります。
    力石さんは板橋区役所前、田端、野方、高尾、京成高砂、押上、淀橋、千住魚市場、清澄白河、川越に登場。もちろん本郷さんは全敗。
    力石さんは各店のオバちゃんとスッと打ち解けたり、高尾では山ガールと意気投合していたりと、ここにきてモテ属性をこれでもかと出してきはります。

  7. 朝食編。
    朝から食べられたり飲めたりするお店を愛でる章となります。
    力石さんは綾瀬、築地、羽田空港、神田、三鷹、桜台、武蔵小山(幻影)、浦安、橋本に登場し、毎度のことながら本郷さんに全勝して去って行かれます。
    この巻でも力石さんが美女を連れて登場したりしますが、それ以上に、朝食という特殊な状況下でこれだけ遭遇率が高いとなると力石さん実は本郷さんを追跡してるんじゃないかと勘繰りたくもなりますね。

  8. 最終巻は昼食編。
    ランチを楽しむ章で、ますます力石さんの登場頻度が増加。
    銀座、赤坂、汐留、新宿三丁目、神泉、有楽町、御徒町、日比谷、池上、本川越、鶯谷、前橋、川崎、吉祥寺にて本郷さんと激突し、全てに勝利されます。
    ますます力石さんの女連れ率が上がりそっちでも本郷さんを悔しがらせるのですが、一方で前橋(群馬県)でも遭遇したり、川崎や吉祥寺では初めから二人で出かけていたりして、やはり連れの女性はカモフラージュで本命は本郷さんなんだろうなと思ったりもします。
    前橋で「やっぱりいたか…そろそろ現れるんじゃないかと思っていたのさ」と登場したときはマジかと驚愕しましたね。

 

 

と、各巻それぞれで角度の異なる食レポを楽しめる上に、本郷さんと力石さんの関係性にどきどきすることもできる、異色のグルメ漫画に仕上がっているんですよね。

泉昌之作品は基本的にサブカルチャーだと思うんですけど、力石さんという稀有なキャラクターが導入されたことで、グッとメジャーシーンに馴染んだ感じがします。

 

力石さん、最終8巻では妙にまつ毛が伸びていたり、かわいい顔を見せたりして、色気がマシているのもズルい。

 

ちくわ天そばをこんなにセクシーに食べるキャラはいないと思う。

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菓子パンを食べるとき、幼い笑顔を見せるのも卑怯だぞ。

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この二人の関係性いいなあ。

こういう食のライバル 兼 友達がいたら、さぞ楽しかろうと思います。

 

 

いったん連載終了を受け止めつつ、そのうちシレッと続編が始まりますように。

まだまだ本郷さんと力石さんの組み合わせを見ていたいです。

 

 

 

「とんかつの食べ方(食の軍師1巻by泉昌之先生より)」 - 肝胆ブログ

 

 

 

 

大相撲'21春場所感想「鶴竜関との別れ、明生関の覚醒」

 

大相撲春場所、相変わらずコロナで東京開催が続いているのがいい加減寂しい感じもしますが、内容としては横綱たちの出場/休場騒ぎだったり鶴竜関の引退であったり高安関の奮闘であったり照ノ富士関の完全復活であったりこれまであまり目立たなかった力士たちの目覚ましい活躍であったり、いい意味でも悪い意味でも賑やかな場所になりましてかんたんしました。

 

www.sumo.or.jp

 

 

今場所、幕内の勝ち越し勢は次のとおりです。

 

12勝 照ノ富士(優勝・殊勲賞)

11勝 碧山(敢闘賞)

10勝 朝乃山、貴景勝、高安、若隆景(技能賞)明生(敢闘賞)

   翔猿、英乃海

  9勝 北勝富士、剣翔、大奄美

  8勝 隆の勝、御嶽海、大栄翔、千代翔馬、照強、琴恵光、魁聖

   豊昇龍

 

 

かなり、面子が入れ替わった気がしませんか。

この'21春場所はターニングポイントになったような気がしないでもないです。

 

 

まず、休場した白鵬関と鶴竜関について。

 

白鵬関は7月場所に全てを懸ける、

鶴竜関は引退ということになりました。

 

白鵬関は身体が限界を迎えていることは自身でもたぶん分かっているのだろうと思いますが、引導を渡す後継が出てきていないことが最大の難点ですね。

相撲ファンやメディアが口を揃えるように、いまはどんぐり状態で、毎場所誰が優勝するのか分からない状況……世間イメージ以上に白鵬関不在の穴はどでかいなあと。

あと二場所で「ケガ知らずの照ノ富士関」「えげつない立ち合いを体得した朝乃山関」等が出てきて、白鵬関を気持ちよく決心させてあげられるような活躍をしてくださるといいんですけどね。

外野からやいや言われて去っていく、というかたちにならないことを祈ります。

 

鶴竜関は、ホッとした顔をされていたのが印象的でした。

やはり綱の重みというのは半端ないのでありましょう。

力士方からもファンからも愛されている方ですから、これからは親方として永く活躍いただきたいものです。

個人的には、今場所惜しくも負け越し(上位で7勝8敗)はしましたが、霧馬山関がまわし取り合い攻防のよい技術を引き継いでくれている感じがしますので寂しい気持ちが和らいだんですよね。霧馬山関にいままで以上に注目していきたいと思います。

 

 

 

優勝された照ノ富士関は本当におめでとうございます。

見事過ぎる復活劇に、勇気をもらったファンも多いはず。

伊勢ヶ浜部屋の絆の強さに涙ぐんだファンも多いことでしょう。

優勝インタビューで、あの手この手で照ノ富士関を泣かそう、涙ぐましいエピソードを引き出そうとされていたのに、柔らかい笑顔でさばききった照ノ富士関もほっこり面白かったですね。

 

照ノ富士関の強さは言わずもがなです。

知ってた。帰ってきてくれた。

あとは心底ケガしないでいただきたい。

大きすぎる苦難を経験してきた男が今後の相撲界を締める存在になるなら、新たな時代の訪れを実感できやすいかもしれません。

 

 

ベテラン勢の中では、碧山関、高安関、北勝富士関あたりの活躍が目を引きました。

高安関は終盤の失速がさぞショックかと思いますけど、この構図こそかつて荒磯親方が現役時代に散々苦しんだやつですから、これを糧に一層の活躍を祈りたいですね。

 

 

新しい世代の中では、若隆景関、明生関、豊昇龍関あたりが印象深いです。

 

一番かんたんしたのは明生関で、あくまで私見ですが、飛躍的な成長を感じました。

具体的に何が変わったのかは正直よく分からないのですけど、踏み込みや、身体の芯の強さがハネ上がったような印象です。

あの愛くるしい表情含め、これから明生関の応援に力が入ってしまいそうです。

 

若隆景関もものすごいですね。

この方はもともとポテンシャルをみんな感じていたと思いますが、今場所はコロナ休場の悔しさもあったのか、そうとう相手力士を研究していたんだろうなあと感じました。

研究と地力が噛み合っていて、今後も相手からすると怖い力士ですね。

相撲界の毛利三兄弟といった目線先行で注目するのはもうやめようと思います。

 

豊昇龍関は地味に更に瞬発力、足腰の強さが増している気がします。

まだまだ化けそうで楽しみ。

 

 

あとは、もともと推している大栄翔関や隆の勝関がしっかりと勝ち越しを決めてくれて、実力の確かさは見せてくれたので安堵しています。

多少崩れても大負けはしないところが嬉しい。

 

 

いよいよ相撲界の潮目が変わって参りました。

寂しい気持ちと、いままでと異なる顔ぶれが活躍する楽しみとを抱きつつ、今後も豊かな土俵を目撃していけますように。

 

 

 

 

 

小説「陰陽師 生成り姫 感想 陰陽師シリーズを初めて読む人におすすめ」夢枕獏さん(文春文庫)

 

陰陽師シリーズ初の長編作品「生成り姫」が、シリーズを初めて読む人にもシリーズのファンにもサービスレベルが高い逸品でかんたんしました。

 

books.bunshun.jp

 

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十二年前、月の明るい晩。堀川の橋のたもとに立ち、笛を吹く源博雅と一人の姫。すべては二人の出会いから始まった。淡い恋に思い悩む友を静かに見守る安倍晴明。しかし、姫が心の奥底に棲む鬼に蝕まれてしまった。はたして二人は姫を助けられるのか? 急げ博雅! 姫が危ない。シリーズ初の長篇、遂に登場。

 

 

以下、一部ネタバレを含みますのでご留意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陰陽師シリーズの3巻「付喪神の巻」に収録されている短編「鉄輪」をセルフリメイクして長編仕立てにした作品となります。

小説「陰陽師 付喪神ノ巻 感想 1巻2巻より更に好き」夢枕獏さん(文春文庫) - 肝胆ブログ

 

もとが陰陽師シリーズのヒロイン第二の主人公である源博雅さんと、心身が半ば鬼と化した(生成り)姫君を巡る傑作エピソードですので、シリーズファンとしてはもうあらすじだけで充分期待できる感じですね。

 

 

 

この作品は他のシリーズ作品と異なり、朝日新聞での連載をまとめたものだそうで。

著者さんの狙い通りなのかもしれませんが、結果として陰陽師シリーズさんに一見さんを呼びこむには最適な内容となっています。

 

通常、順番にシリーズ作品を読み進める場合は、主人公の特徴をざっくり把握したり、主要キャラが出揃うのに数巻を要してしまう訳なのですが。

この作品では「安倍晴明」「源博雅」「蘆屋道満」「生成り姫(徳子)」といった主要キャラがしっかり出てくる上に、

  • 陰陽師という存在の解説
  • 読み進めやすい文体、軽快かつ洒脱なテンポ
  • 安倍晴明さんの素性や、謎めいた美しさや、卓越した陰陽術
  • 源博雅さんの人柄や、卓越した音楽の才や、名笛「葉双」入手・「秘曲流泉」習得の経緯
  • 安倍晴明さんと源博雅さんとのエモーショナルな関係性
  • 呪・妖・鬼の恐ろしい描写、それらを生み出す人の哀しさ
  • 悪さ一辺倒ではない蘆屋道満さんの孤高の魅力と萌え要素

 

等々をばっちり味わえてしまうのです。

さすがシリーズ人気・アピールポイントが確立してからのリメイクは強力ですわ。

 

陰陽師シリーズに興味があるけれど、作品数が多いから取っつきにくいなあと感じている方は、まずこの「生成り姫」を読んでみるといいのではないでしょうか。

 

ちょうど信長の野望20XXで源博雅さんのイベントやってますしね。

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(この葉二(葉双)のエピソードも当巻に収められています)

 

 

 

 

その上で、こちらも意図的だと思うのですが、シリーズファン向けに「従来作品名場面のセルフオマージュ」が多いのも嬉しいところです。

 

個人的に一番かんたんしたのは、陰陽師1巻の源博雅さん超男前シーンの鏡映し版なこちらの描写。

「おまえ、しばらく前に、誰の心の中にも鬼が棲んでいると言っていたな」

「うむ」

「よいか、晴明。もしもだぞ、ある日、もしもこのおれが鬼になってしまったらどうする――」

「安心しろ、博雅。おまえは鬼になぞならぬ――」

「しかし、誰の心にも鬼が棲んでいるのなら、おれの心の中にも鬼が棲んでいるのだと言ったではないか」

「言った」

「それはつまり、おれが、鬼になることもあるということではないのか?」

「――――」

「もしも、このおれが鬼になってしまったらどうなのだ」

博雅は、また同じことを尋ねた。

「博雅よ。もしも、おまえが鬼になってゆくとするのなら、おれはそれを止めることはできぬだろう」

「――――」

「もしも、それを止めることができる者がいるとするなら、それは、おまえ自身だ」

「おれが……」

「そうだ。もしも、おまえが鬼になろうというのなら、それは誰も止めることができぬのだよ」

「――――」

「おれは、鬼になってゆくおまえを救うことはできぬ」

「徳子殿も?」

「ああ」

晴明はうなずいた。

「しかし、博雅よ。これだけは言える」

「何だ」

「もしも、おまえが鬼になってしまったとしても、この晴明は、おまえの味方だということだ」

「味方か」

「ああ、味方だ」

晴明は言った。

博雅は、琵琶を抱えたまま、また沈黙した。

ごとり、

ごとり、

と牛車の音が響く。

博雅の眼から、涙がひと筋こぼれている。

「ばか……」

囁くような声で、博雅は言った。

 

1巻で博雅さんが晴明さんへ「何があってもおれは晴明の味方だ」 と伝えていたことへの、見事な返歌になっていますよね。

「小説 陰陽師」の「安倍晴明&源博雅ぐりとぐら感がすごい、愛しい」夢枕獏さん(文春文庫) - 肝胆ブログ

 

……ッ!

たまらん…………ッ !!

 

 

 

そのほか、博雅さんが徳子姫との昔話を語り始めるきっかけになった

「おまえ、いるのではないか」

「いる?」

「だから、愛しいお方がさ。おまえ、どこぞのお方を好きになったのではないか」

「いや、そういうのとは違うのだ」

「何がどう違うのだ。違わないお方ならいるということか――」

「話を急くな、晴明――」

「急いてはおらん」

「おれはまだ、そのお方の手も握っておらぬし、お名前すらも存じあげぬのだぞ」

「やはりいたのか」

「いるとかいないとかいうのとは違うのだ。そのお方がどちらに住まわれているのかもおれは知らぬのだからな」

「いるのだな」

「――――」

「そうか、いるのか」

「昔のことだ」

博雅は、顔をやや赤くしている。

 

という、日ごろクール極まりない安倍晴明さんの熱い喰いつきっぷり畳みかけっぷりが無性に面白すぎてもうダメです。

 

 

 

かように、この「生成り姫」はシリーズバージンにもシリーズファンにもおすすめできる素敵な作品なのでおすすめですよ。

 

今さらシリーズを読み始めている私が言うのもなんですけど、面白いので支持層が広がっていくといいですね。

 

 

何はともあれ、原作や20XXで「源博雅さんが鬼と化す」ような心無い展開なんて導入されませんように。

マジで。

 

 

 

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