肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

「ベーコン 随筆集 感想」訳:成田成寿さん(中公クラシックス)

 

フランシス・ベーコンさんの随筆集を読んでみましたら、けっこう実際的というかイギリス貴族っぽい経験知に富んでいてかんたんしました。

日本で言えば戦国時代末期くらいの人物ですが、現代の上級マネジャー層に求められる素養に通じるようなことをたくさんおっしゃっている良い古典だと思いますよ。

 

www.chuko.co.jp

 

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随筆集なので、テーマとなる目次を引用いたします。

興味を引かれたら読んでみてくださいまし。

 

 

 

  1. 真理について
  2. 死について
  3. 宗教の統一について
  4. 復讐について
  5. 逆境について
  6. 偽装と隠蔽について
  7. 親と子について
  8. 結婚と独身生活について
  9. 嫉妬について
  10. 恋愛について
  11. 偉大な地位について
  12. 大胆について
  13. 善良と性質の善良について
  14. 貴族階級について
  15. 反乱と騒動について
  16. 無神論について
  17. 迷信について
  18. 旅行について
  19. 帝国について
  20. 忠告について
  21. 遅延について
  22. 狡猾について
  23. 自分自身のための分別について
  24. 革新について
  25. 事務の敏速について
  26. 賢明に見えることについて
  27. 友情について
  28. 出費について
  29. 王国と国家の偉大さについて
  30. 養生法について
  31. 疑念について
  32. 談話について
  33. 植民地について
  34. 富について
  35. 予言について
  36. 野心について
  37. 仮面劇と祝賀行列について
  38. 人間の性質について
  39. 習慣と教育について
  40. 運について
  41. 利子について
  42. 青年と老年について
  43. 美について
  44. 障害者について
  45. 建物について
  46. 庭園について
  47. 交渉について
  48. 追従者と友人について
  49. 依頼人について
  50. 学問について
  51. 党派について
  52. 礼儀と身だしなみについて
  53. 賞賛について
  54. うぬぼれについて
  55. 名誉と名声について
  56. 司法について
  57. 怒りについて
  58. 事物の推移について
  59. 噂について(未完)

 

 

文章は簡潔でとても読みやすいですし、ところどころ西洋史の有名人エピソードを例として挙げてくれるので歴史ファン的な楽しさもあります。

個人的に推しているシラ(スッラ)さんのエピソードもちょいちょい取り上げてくれるのが嬉しい。

 

 

59編のテーマの中で、特に印象に残ったのは11の「偉大な地位について」ですね。

偉大な地位にいる人は三重の召使である。君主あるいは国家の召使であり、名声の召使であり、仕事の召使である。だから自分の体にも、自分の行動にも、自分の時間にも、自由をもたない。権力を求めて自由を失おうとするのは妙な欲望である。あるいは他人に対する権力を求めて、自分自身にたいする権力を失うことになるのである。

偉大な地位へのぼることは、みんな、曲がりくねった階段を通るものである。そして党派がある場合に、のぼりかけているときには、自分の身を一方の側につけ、地位を得てからは、どっちつかずにいるのがよい。自分の前任者の記憶を利用するときには公平でやさしくするのがよい。というのは、もしそうしないと、自分がいなくなったとき、きっと借金が返されるということになる。同僚があったら、その人たちを尊敬することである。そしてその人たちが求めていないときでも、その人たちの助けを呼ぶ方が、呼ばれることを期待する理由があるのに除外するよりよいものである。話しあっているときや、ものを頼む人にたいする私的な答えのときに、自分の地位をあまり意識したり、考えたりしない方がよい。そして、「公けの仕事のときは別人になる」といわれるようにした方がよい。

 

心構えとしても具体的姿勢としても、よい忠言であると思います。

もっと広まるといいですね。

現代社会はいい意味でも悪い意味でも実力があればそれなりに偉くなることができますけれども、偉くなる過程でこういうメッセージを誰からももらえない人も多いですし。

 

同様に、20の「忠告について」も含蓄のある内容でして、偉くなる人は読むべきです。

 

 

 

40の「運について」もいいですね。

明らかに目に見える徳性は賞賛をもたらす。だが、秘密の隠れた徳性があって運をもたらすものなのである。

たくさんの小さく、ほとんど見分けられないような徳性というか、むしろ資質と習慣があって、人間を運のよいものにするのである。

シラは自分の名に「大」をつけず「幸運な」という方を用いるようにした。そして、これまでも気のつかれていることだが、自分自身の知恵や政策を、あまり大っぴらに自慢する人は、不運に終わるものである。

 

 

 

45「建物について」、46「庭園について」は、イギリス人らしい美意識と趣味が出まくっていてエッセイとして純粋に面白いです。

 

 

47「交渉について」も実際的な名文だと思います。

巧妙な人物を相手にするときには、いつでも、その人の目的をよく考えて、その言葉を解釈してみなければならない。そして、そういう人たちにたいしては、口数を少なくして、相手にいちばん思いもかけないことをいうとよい。困難な交渉の場合にはいつでも、種をまくと同時に刈り取ろうと思ったりしてはいけない。問題を準備し、だんだんと、それを熟させるようにしなければならない。

 

 

 

幾つかを引用しましたが、君主的な視点で実用的な知恵をたくさんいただけるよい本だと思いますので、これからも広く読まれていくといいですね。

 

どうか才能ある方には相応しい徳性を身につけていただいて。

もったいないつまずき方が世の中から減っていきますように。

 

 

「応仁・文明の乱と明応の政変 感想」大薮海さん(吉川弘文館 列島の戦国史②)

 

列島の戦国史シリーズの2巻「応仁・文明の乱と明応の政変」が、応仁・文明の乱について京周辺だけでなく地方各地への波及っぷりを詳しく整理してくれていてかんたんしました。

応仁・文明の乱は書き手によってフォーカスを当てる点がかなり変わってくる気がいたしますが、この本はかなり包括的に描写されているのでおすすめですよ。

 

www.yoshikawa-k.co.jp

 

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京都での東西両軍の対立に至る政治過程や、大乱の様子と乱後の情勢を西国にも目を向けて叙述。乱世へと向かう時代を通観する。

 

 

 

内容をイメージしやすいよう、細かめに目次を引用いたします。

 

室町幕府の運命を決した争乱―プロローグ

    いまだに謎多き大乱

    足利義教の登場

    義教の恐怖政治と波乱の予兆

 

一 斜陽のはじまり

 1 嘉吉の乱

    将軍「犬死」

    細川持之の孤軍奮闘

    自信を喪失する持之

    進まない赤松氏討伐

    嘉吉の徳政一揆

    足利義勝の早過ぎる死

 2 足利義政の登場

    困難な船出

    管領執政の継続

    管領執政か将軍親政か

    義成と大名、今参局日野重子の対立

    有馬元家の出家

    今参局烏丸資任の失脚

    伊勢貞親と日野氏を中心とする体制

    義政の親政への意気込み

    財政的に先細る幕府

    内裏再建の政治的効果

    分一徳政令

    さまざまな増収の試み

 3 管領家内部の争い

    畠山持国と持永の争い

    持国の後継者争い

    畠山政長と義就の争い

    細川氏一族の協力と対立

    最弱の管領家、斯波氏

    管領家同士の争い―加賀国

    管領家同士の争い―近江国

 

二 中央における応仁・文明の乱

 1 義政と足利義視

    跡継ぎがいない!

    斯波義敏の帰還

    斯波義敏・義廉をめぐる対立軸

    文正の政変

 2 畠山義就の帰還

    二度にわたる復活戦

    義政からの家督認定

    御霊合戦

 3 応仁・文明の乱

    開戦

    事態の収拾を図る義政

    「室町殿幡」と義政

    東軍と西軍

    両軍の思惑

    義視の逃亡

    逃亡先として北畠氏が選択された理由

    伊勢国での義視

    義視の帰京と西軍化

    東幕府と西幕府

    西軍の南朝復活計画

    劣勢の東軍

    室町社会のひずみが生み出した「足軽

    応仁二年八月の東軍大攻勢と伊勢貞親の再登板

    朝倉孝景の交渉術

    騙された孝景

    東軍内の分裂と疫病の流行

    両軍和睦への動き

    京都における終戦

 

三 地方における応仁・文明の乱

 1 北陸地方

    地方への視点

    越中国

    能登国

    加賀国

    越前国

    若狭国

 2 東海地方

    三河国

    尾張国

    飛騨国

    美濃国

    伊勢国

    志摩国

    伊賀国

 3 畿内近国

    近江国

    大和国

    紀伊国

    摂津国

    河内国

    和泉国

    丹波国

 4 山陽地方

    播磨国

    淡路国

    美作国

    備前国

    備中国

    備後国

    安芸国

    周防国長門国

 5 山陰地方

    丹後国

    但馬国

    因幡国

    伯耆国

    出雲国隠岐国

    石見国

 6 四国地方

    讃岐国

    阿波国

    伊予国

    土佐国

 7 九州地方

    筑前国

    対馬国

    壱岐国

    筑後国

    豊前国

    豊後国

    肥前国

    肥後国

    日向国

    薩摩国大隅国

 

四 戦後の世界

 1 武家社会の再建

    京都を離れる大名たち

    止まない赤松氏と山名氏の対立

    日野勝光の執政

    日野富子の執政

    義政の「錬金術

    義政期の日明貿易

    親離れしたい義尚

    「東山殿」義政と「室町殿」義尚

    義政の出家

    義政・義尚と東山文化

 2 公家社会の衰退

    京都から逃げ出す公家衆

    奈良での一条兼良

    京都に残った公家衆

    理想と現実

    後土御門天皇の努力と挫折

 3 寺社社会の苦悩

    貧する京都と富める奈良

    避難民の受け入れに苦慮する興福寺

    法会の退転、院家の廃絶

 

五 国一揆明応の政変

 1 各地で頻発する一揆

    両畠山氏の対立

    山城国一揆

    和泉国の文明一揆

    加賀国の文明一揆と長享一揆

 2 継続される応仁・文明の乱の対立構図

    義尚の焦り

    義尚の近江親征

    義材の焦り

    義材の近江親征

    細川政元伊勢貞宗による新将軍擁立

 

再び争乱の世へ―エピローグ

    義材の敗者復活戦

    室町幕府の行方

 

あとがき

参考文献

系図

略年表

 

 

盛りだくさんですね。

 

列島の戦国史シリーズは地方の視点や社会・文化の視点が充実していることが特色でして、そういう意味では四章の文化面はあっさりな印象を受けますが、三章各地方史の厚さが素晴らしいのであまり気にならない感じです。

同時代の九州の様子などを紹介している本はレアなので、一回読んだくらいでは頭に充分入ってはいませんが、たいへん興味深く面白かったですね。

 

 

全体を通じて印象に残ったのは、

応仁・文明の乱を幅広な視点から分かりやすく(それでもかなり複雑ですが)立体的に記載してくれていること、

足利義政さんの評価(主に政治面)がキツめ、日野富子さんに対しては再評価姿勢等、けっこう人物ごとの著者の評価がはっきりしていること、

著者の文体やカッコ内補足がところどころツッコミ待ち感があってユーモアセンスを感じること、

等でしょうか。

 

私の勉強不足もあって個々の史実への解釈どうこうよりも、著者のフック力高い文章の個性の方が記憶に残った感じですね。元々の素材からして面白い史実を描写するのにマッチしている気がします。

 

 

(参考)センスやツッコミ待ちを感じる描写事例

満祐は幕府からの討伐軍がすぐに派遣されるものと思って屋敷で応戦の準備をしていたものの、いくら待っても来ないため、屋敷に義教の首無しの遺体とともに火をかけ、義教の首を携えて自らが守護を務める播磨国に下国した(ただし首はその途次で放棄)

なぜ河内国大和国に攻め込んでの完全な討伐が実施されなかったのかは不明であるが、後土御門天皇の代になってからはじめて行われる新嘗祭、すなわち大嘗会が近日中に予定されていたことが関係しているのかもしれない。しかし、義政に仕える女官が入江殿(三時知恩寺)の清浄(トイレ)で赤子を産み落としたことが清浄を掃除した際に発覚して一か月の天下蝕穢となり、大嘗会の前に行われる御禊行幸が延期された(『御法興院政家記』)。

しかし「東山御物」と呼ばれる美術品コレクションには義政以前の将軍たちが収集した美術品も含まれており、すべてが義政の時代に形成されたものではない。また、義政は幕府の財政難のためにそれを解体して売却すらしており(第一章参照)、見方によっては義政を「御物」文化に終焉をもたらした人物とも捉えられる

しかし後土御門の思い通りにいかないことも多く(そしてその原因の大半は義政が非協力的な態度を取っていたことにある)、文明十年にはたびたび譲位を口にしている。

 

 

 

あと、塩瀬饅頭がこの2巻でも登場していたり、次代の主役である三好家が登場したりしている点は4巻に続く感があって楽しいですね。

当時の人々は日照りにより困窮しており(「法隆寺文書」)、京都では徳政の名を借りた暴動も発生していた。その暴動の首謀者は阿波守護細川政之被官の「三吉(好)」など大名の被官人であったという(「後法興院政家記」)。そしてこの暴動は土一揆として周辺各国に拡大する気配をみせていた。

 

この頃から三好家は民の味方だったようです(棒読み)。

 

 

 

などなど、楽しく読んだ面を中心に紹介しましたが、この本全体を通じて室町幕府や有力守護の実権がどのように剥がれ始めたかがよく分かる構成になっていますので、戦国時代のはじまりを学ぶ上で良著になっているように思いますね。

 

1巻の享徳の乱等ともども、戦国時代初期への関心が一層高まっていきますように。

 

 

 

「享徳の乱と戦国時代 感想」久保健一郎さん(吉川弘文館 列島の戦国史①) - 肝胆ブログ

「大内氏の興亡と西日本社会 感想」長谷川博史さん(吉川弘文館 列島の戦国史③) - 肝胆ブログ

「室町幕府分裂と畿内近国の胎動 感想」天野忠幸さん(吉川弘文館 列島の戦国史④) - 肝胆ブログ

「東日本の動乱と戦国大名の発展 感想」丸島和洋さん(吉川弘文館 列島の戦国史⑤) - 肝胆ブログ

「毛利領国の拡大と尼子・大友氏 感想」池亨さん(吉川弘文館 列島の戦国史⑥) - 肝胆ブログ

「東日本の統合と織豊政権 感想」竹井英文さん(吉川弘文館 列島の戦国史⑦) - 肝胆ブログ

「織田政権の登場と戦国社会 感想」平井上総さん(吉川弘文館 列島の戦国史⑧) - 肝胆ブログ

「天下人の誕生と戦国の終焉 感想」光成準治さん(吉川弘文館 列島の戦国史⑨) - 肝胆ブログ

 

 

 

 

 

「めしばな刑事タチバナ 42巻 感想 チャレンジスピリットを感じる」原作:板戸佐兵衛さん / 作画:旅井とりさん(アサヒ芸能)

 

めしばな刑事タチバナがめでたく500回を突破してかんたんしました。

グルメ漫画ブームの盛衰に流されることなく卓越した構成力とサービス精神とで長寿安定連載になっていることを言祝ぎたい気持ちでいっぱいです。

 

www.tokuma.jp

 

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以下、内容の一部ネタバレを含みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

42巻は主にとんかつ回でして、その他にルノアール(最近はコメダ)の社長ですとかトミーさんですとか青木さんの挑戦回ですとかが挟まっている感じです。

トミーさんの宛先なきイケメン力が高まっている気がしてウケますね。

 

 

 

で、メインのとんかつ回はなかなかギミックが凝っている内容でして、

  • 娘の結婚相手が失業したのでとんかつでも驕りながら奮起を促そうとしている源さん(ベテラン刑事)に対して、刑事課のみんなでとんかつを題材にした格言をアイデアラッシュしながら
  • 美味しんぼの名作「とんかつ慕情」を現代世相&現代とんかつ屋シーンを踏まえてリブートしつつ
  • おっさん読者に義理の息子との距離感について注意喚起をする

 

という非常に高度な展開が繰り広げられるのです。

 

 

具体的には、まず源さんが

「たまにはうちの娘もとんかつぐらい連れてってやってな」

(店でとんかつを食えるぐらいは男らしく稼いでくれ)

 

と、まさにとんかつ慕情100%な名ゼリフを言おうとしていたところ、

 

 

若手刑事たちからはリーズナブルな「かつや」「松のや」を念頭に

心の中では「うるせーな よく連れてってるよ」って思いますかね

 

とバッサリいかれてしまい。 

 

 

そこから各メンバーから

「とんかつにソース直がけ出来る男になりなよ」

「とんかつを“塩”で食ったりしない男になりなよ」

「とんかつを塩で食う人をバカにしない男になりなよ」

ヒレよりロースを選び続ける男になれ!」

みそかつまで踏み込むべし!」

三元豚を愛すべし」

 

等々の奥深い格言が次々と飛び出すのであります。

(誰がどの格言をどういう意図で言ったかは伏せておきます)

 

 

今回登場するめしばな刑事タチバナの議論メンバーって、アサヒ芸能の読者層に合わせて

  • 副署長(たぶん50代、娘が嫁いだので傷ついている)
  • 源さん(たぶん50代、娘の夫が頼りない)
  • 志波さん(たぶん50代、関西人枠)
  • 韮沢課長(たぶん40代、妻子と別居中)
  • 立花さん(たぶん40代、独身中年)
  • 丸山さん(たぶん30代、独身でケチ)

 

と、おおむねアサヒ芸能読者を10~20歳くらい若返らせつつ共感できるような感じに構成されているのですが。

 

このとんかつ格言議論では、読者層であるおっさんの固定観念を是正しにいくようなバランスコメントがいつも以上に豊富なのですよ。

 

 

例えば50代っぽい副署長や源さんが「とんかつに塩なんて……」という反応をすると、若い丸山さんたちからは

「新しいことを"なんとなくイケすかないから"って排除したりバカにするのはそもそも若い人には受けないと思うんですよ」

「わざわざマッチョなルールを押しつけるのっていわゆる同調圧力ですよね」

 

とバッサリいかれちゃうんですね。

 

 

そして、とんかつ格言議論の果てには、乱入してきた女子軍団から

「何も言わない」っていう選択肢もあり

 

と、そもそも娘から相談された訳でもないのに夫なら稼ぐべしみたいな性固定バイアス説教するのはどうかと思いますよと火の玉ストレートを喰らって終わるんですよ。

 

 

まったくその通りなのですけど、これはおっさん読者にとってはそうとうキツい一撃ではないでしょうか。

そもそもアサヒ芸能は現実を忘れるために存在するような雑誌なのですから、うまい外食チェーンの話題で共感するような内容ならともかく、「お前そろそろ価値観変えんと手遅れになるぞ」みたいな注意喚起を漫画から受けるのは不意打ち感がありましょう。

 

あえて甘い夢を見せずに読者へ斬りかかる作品づくり。

それは読者のおっさんたちを大事に思っているから。たぶん。

 

私としては安定連載している当作品が500回を超えたタイミングでこうした啓蒙的な話をブチ込んでくるそのチャレンジスピリットを高く評価したいんですよね。

マンネリしてねえぞ、牙ァいつでも磨いてるんだぜ、的な意気込みを感じました。

まあアサヒ芸能ですから自分の身に置き換えて読んでいる読者なんてそもそもいないでしょうし、こういう直球説教回をときどき入れて、無意識下で日本のおっさんの民度が上がっていくなら大変よいことだなあと。

 

 

 

こうした真面目な話は置いておいて、

 

個人的にはあいだに挿入されていた

  • 剣豪みたいな佇まいの渋いおっさん再登場
  • 韮沢課長の妻とのエピソード

 

に一番痺れました。

 

特に韮沢課長は「妻と別居することがいかに辛いことか」を絞り出しつつ、若い夫婦の安寧を祈っている感が凄まじいのでめちゃくちゃ格好いいと思います。

もう本当に、めしばな刑事タチバナの最終巻くらいで復縁できるといいなと願ってやみませんわ。

 

 

こうした意欲的な回を人知れず混ぜ込みつつ、めしばな刑事タチバナの群像劇がますます豊かに濃密に描かれていきますように。

 

 

 

 

「ウルトラマンZ 完全超全集 感想 ウルトラマンZの秘密が明らかになり……ません!」

 

ウルトラマンZ完全超全集を興味深く読み進めたところ、各種インタビューや各種詳細設定が大変楽しくて大満足だったのですが、よく考えると主人公ウルトラマンZについては何も明らかになっていないことに気づいてかんたんしました。

この魅力的なキャラクターについては慌てずにこれからゆっくり掘り下げられていくのでありましょう。

 

 

televi-kun.net

 

 

ジャグラー関係とセブンガー関係は別の記事にて。

「ジャグラスジャグラークロニクル ジャの道は蛇&写真集 感想」 - 肝胆ブログ

「セブンガーファイト 感想 溢れ出るウルトラファイト・レッドマン愛」 - 肝胆ブログ

 

 

 

超全集本体の目次は次の通りです。

 

充実っぷりが素晴らしいですね。

ギャラクシーファイト 大いなる陰謀や博品館劇場(ウルトラマンゾフィー)についても収録されているのがめちゃ嬉しいです。

 

 

読んでいて個人的に印象に残ったポイントを縷々書いていきます。

ネタバレを含みますのでご留意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • ユリアンの光線は「セレニティショット」。
  • ストレイジメインルームにて、ヨウコが書いたゼットの絵がかわいい。
  • セレブロ(カブラギ)の怪獣メダル製造機の名前は「メダルガッチャー」。割とまんまな名前だった。
  • セレブロ(カブラギ)はギルバリスの破片から色々つくっていた。そうだったのか。
  • ブルトンのアンテナ(A~D)はそれぞれ固有の機能がある。知らなかった。
  • 最終回のヘビクラ隊長演説時は出演者みんなが本気で泣いていた。
  • 吹原幸太さんの追悼記事を読んで泣きそうになった。
  • 田口監督インタビュー。
    じゃあガンマフューチャーは平成かな、ということで、やっぱりTDGかなと。それも最初はまんま過ぎないって言ってたんですけど、ティガ、ダイナ、ガイアで変身すると言ったら、それ以上のものはないよねって(笑)。
    ゲネガーグは光の国に単身突撃して生還してますから、かなり強い怪獣なんですが、その分、疲弊していると考えて、わざと傷だらけにしてもらってます。
  • 辻本監督インタビュー。
    ――あのゼットの名づけ親というのは。
    辻本 あれはエースがゼットの親戚とかそこまでは具体的には関係を決め込まないでおこう、ということになりまして。なにせ監督の想いだけでエースを客演させようとしているわけですから、あまりに濃い関係性は設定に無理が生じるわけで。で、それでもなにかZと接点が欲しいよねとアイデアを絞った結果、絶妙なバランスだったのが名づけ親だったんです。名づけ親なら師匠のゼロの邪魔もしませんし。
  • 坂本監督インタビュー。
    セブンガーが博物館に展示されている、というのは僕の中では『グレートマジンガー』の頃のマジンガーZの感じなんですよ。セブンガーもボスボロットのイメージだったので…これって若い子には通じませんよね(笑)。
  • 尾上監督インタビュー。
    あと特撮そのものというよりはキャラクターが好きで来る人も多いので、現場を見てイメージが違うって辞めてしまう場合もあります。それに、今は現場での撮り切りが減って、合成前提で素材を別々に撮る、みたいなような、地味な仕事のことが多いので、特撮独特の達成感みたいなのは薄くなってるのかもしれませんね。
  • 武居監督インタビュー。
    キングジョーの口から出てくるというのは僕が最初に書いたプロットから決めてました。バコさんは現場まで車で来たという想定ですが、地上からバズーカを撃つだと、自分的に燃えなくて(笑)。口から出て撃つ、とにかくそれがやりたかったんです。あの回って、バコさんは「昔ちょっとな」を言ってないんですよね。つまりバズーカを撃ってる状態こそが、本来のリアルバコさんなんですよ(笑)。
  • 越監督インタビュー。16話のホロボロス回について。
    普段は見れないユカの表情が欲しくて、きっかけの怪獣、初恋の人に会ったつもりで演ってくれと話しました。それに応えてユカの方でも表情に変化をつけてくれたんですが、初恋の怪獣って言いすぎたせいか、撮ってる時は気づかなかったんですけど、編集でみたらすごい色っぽい顔していて(笑)。それで編集の方に「これ、カットかかった後の表情ありますよね」ってお願いして、そっちを使うことにしました。
  • 撮影の村上聡さんによるケム―ル回の光の当て方に関するお話が面白い。
  • スーツアクター岩田栄慶さんのインタビュー。
    坂本組ですね。もうベータスマッシュの出番がなくなるから「やり残しない?」って監督に聞かれて、「スペースローリングエルボーがやりたいです」って即答しました(笑)。
  • ハルキ、ヨウコ、ユカの3人は、セブンガー(ヘビクラ操縦)による「伝説のナメゴン戦」に感動してストレイジを志願した。
  • 「チェストー!」の元ネタはヨウコの父。
  • クリヤマ長官は後任適任者不在のために定年延長して胃を痛め続けている。
  • カブラギは20歳のときに初めて彼女ができるが3カ月で別れている。
  • ユウキマイは客室乗務員だった母親に憧れている。なんか分かる気がする。
  • ゼロマントのデザイン案が、ボツになったものも含めてどれも格好いい。フュージョンファイトオリジナル形態「グランセイバードゼロ」(マン・エース・セブンのメダルで変身)のデザイン画も好みです。
    グランセイバードゼロ、誕生!! − ニュース|データカードダス ウルトラマン フュージョンファイト!
  • 付録のエース写真集がたまらん。バキシム戦やアリブンタ戦の写真が好き。

 

等々、興味は尽きないですね。

 

 

その上で、けっこう多くの人が気にしているであろう

ウルトラマンZはどういう生まれなのか、黒い模様が入っているけど本当に光の国生まれなのか」

「エースがなぜ名づけ親になったのか」

については現段階で特に答がないことが分かった、というのが自分としては大事なポイントだなあと。

 

今後もウルトラマンZが活躍し、こうした点も掘り下げられていくのが楽しみですね。

 

 

 

あらためてウルトラマンZの諸々に思いを馳せてしまう、よい超全集でした。

やっぱりZは面白い番組だったなあ、という感慨がひとしお。

 

後続のウルトラマントリガーもZの勢いに負けず盛り上がっていきますように。

 

 

 

「セブンガーファイト 感想 溢れ出るウルトラファイト・レッドマン愛」

 

ツブラヤイマジネーション(ウルトラマンのサブスク)およびウルトラマンZ超全集にて公開された「セブンガーファイト」のウルトラファイトリスペクトっぷりが半端なくてかんたんしました。

 

imagination.m-78.jp

 

televi-kun.net

 

 

 

ツブラヤイマジネーションで毎日1話レッドマンを観ているくらいにはウルトラファイトレッドマンの味わいが好きなので、この企画には痺れましたね。

超全集についていた夕陽のセブンガーフィギュア(グリッターセブンガー感がある)も嬉しかったです。

 

 

セブンガーファイトは10話構成でして、内容と時期は次の通り。

ウルトラマンZの公式設定に組み込まれているのが熱いと思います。

 

  1. 必殺!セブンガーかすみ斬り
    ジラース登場。Z本編開始前のお話。
  2. 本家特空機の意地を見せろ
    ヘルズキング改登場。漫画「戦え!セブンガー」2話と3話の間のお話。
  3. その銃弾で血に染めろ
    エレキング登場。Z8話と9話の間のお話。
  4. ダンカン捕獲作成!
    ダンカン登場。Z10話後のお話。
  5. 壮絶!セブンガー引退試合
    ガラモン、ピグモン登場。Z10話と11話の間のお話。
  6. 怪獣無法惑星
    エレキング、ガゾート、改造パンドン登場。Z最終回後のお話。
  7. 帰ってきた赤いアイツ。
    ベータスマッシュ、ジャグラー改造パンドンイカルス、ガラモン、ガンダー、ゴース登場。6話の続き。
  8. 恐怖の要塞ロボット
    ビームミサイルキング登場。セブンガーファイト4話と5話の間のお話。
  9. 灼熱!凍結!大地獄!!
    ペスター、ガンダー登場。8話の続き。
  10. 獅子の瞳が輝く時!
    レオ、アクマニヤ、サタンビートル、ケットル、ボーズ、オニオン登場。9話の続き。

 

 

出てくる怪獣がZ本編でメダルになったりデストルドスさんに吸収されたりしているのが絶妙ですね。ダンカンかわいそうです。

 

怪獣、普段出せないけど出したい連中を集めたそうですが、個人的には8話~10話(超全集収録)の登場怪獣に昂ります。

ビームミサイルキング。さいきん復刊された内山まもる先生のメビウス外伝で出て来たばかりなので映像作品で動いているところを観れて嬉しい。

ペスター。かわいい。ヌメヌメで磯臭く抱きつくという攻撃方法もかわいい。ハルキさんのリアクションアフレコもかわいい。

レオ怪獣勢揃い。オニオンまで出てきてびっくり。さすがにタマネギガスは出しませんでした。

 

 

最終話は原点に戻ってレオ、というのがいいですね。

ヨウコさんがレオを「いままで出会ったウルトラマンの中で一番渋い」と讃えていました通り、近年のゲストレオはベテラン戦士感が強過ぎて本当に格好いいと思います。

本物の夕陽で撮影した別れの場面は、低予算番組と思えないくらいの仕上がりの良さで一見の価値ありまくりですよ。

 

 

 

そして、全話通して醸し出されるウルトラファイトレッドマンリスペクトっぷりが最高ですね。マジ最高過ぎます。

  • 突然始まる相撲
  • だらだらと続く追いかけっこ
  • 自滅する怪獣
  • ダンカン戦の顛末
  • 取ってつけたようなガラモンの弱点、からの大爆発
  • エレキングとガゾートの喧嘩の始まり方
  • ペスター・ガンダー戦

 

等のシュールさは非常にウルトラファイト味がございました。

今後セブンガー陰陽の構えとか出てきたらどうしよう。

 

 

また、

  • ベータスマッシュが繰り出す「ベータフォール」「ゼットランスアロー」の演出が完全にレッドマン
  • セブンガーが取り出した「20式銃剣2型」が完全にレッドナイフ

 

というのにも感涙ですね。

レッドマンギャラクシーファイトとかにも出てきてくれないかなあ。

 

超全集本編の内田監督インタビューで、カネゴンと赤いアイツの顛末を田口監督がLINEのレッドマンスタンプを見せながらすごい勢いで教えてくれたと語られていますが、じっさいLINEのレッドマンスタンプは名作なのでおすすめですよ。

nlab.itmedia.co.jp

 

 

 

この他、超全集のDVDにはメイキング映像(めっちゃ楽しそうだし子どもに見せたい内容)が収められていたり、セブンガーファイト超全集収録のスーツアクター梶川賢司さんインタビューが大変興味深い内容だったりしますので、セブンガーファンはチェックしてみるといいんじゃないでしょうか。

 

 

○○ファイトはウルトラシリーズの貴重な遺産だと思いますので、今後もこうした楽しい作品が製作されるといいですね。ツブラヤイマジネーションやyoutube等ネット媒体との相性もよさそうですし。

 

ウルトラマンZはひとまず終了いたしましたが、今後もセブンガーやストレイジの皆さまが楽しく活躍する機会に出会えますように。

 

 

 

 

「ジャグラスジャグラークロニクル ジャの道は蛇&写真集 感想」

 

ウルトラマンZ完全超全集が発売されましたところ、ジャグラスジャグラーさん関係の充実っぷりが異常なレベルに達していてかんたんしました。

田口監督をはじめ、スタッフから愛されすぎててヤバい。

 

televi-kun.net

 

 

以下、ネタバレをそうとう含みますのでご留意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オーブ超全集におけるウルトラマンオーブクロニクル構想に続き、ジャグラスジャグラー単体でのクロニクル構想が収録されています。

 

地球人類でいうと20歳頃がオーブ ジ・オリジン・サーガ、

21歳~25歳頃がテロリスト時代、

26歳頃が魔王獣復活暗躍開始(ヌル・ラ・ホテップ~ルサールカ)、

30歳頃がウルトラマンオーブ本編、

31歳頃が劇場版ウルトランオーブ、

32歳頃が劇場版ウルトラマンジード、

33歳~36歳頃が小説「ジャの道は蛇」~ウルトラマンZ本編、

 

となるそうで。

 

各編のかんたんな紹介も書かれていますが、ウルトラマンオーブ本編におけるジャグラスジャグラーさんのまとめられっぷりが的確過ぎて笑いました。

魔王獣を復活させる準備を整えたジャグラーは、次々にウルトラマンオーブに挑戦。

しかしことごとく返り討ちにされ、ダークリングも失う。徐々に自分は何がしたいのか分からなくなって行くジャグラー

復活した最強の厄災・超大魔王獣マガタノオロチの猛威から、再びナターシャの子孫ナオミを救ってしまう。

結局自分の行動はガイへの執着でしかなかった事を自覚・認め、マガタノオロチを倒す為ウルトラマンオーブに協力してしまう。

 

 

 

続いて、超全集には小説「ジャの道は蛇」が収録されていまして、劇場版ウルトラマンジードからヘビクラ隊長までの期間にジャグジャグさんが何をしていたかを紹介されています。

重大な要素が盛り込まれまくっているのでジャグラスジャグラーファンは入手して読むといいと思いますよ。

 

細かな描写を伏せて、ジャグラーさんの行動だけを説明しますと。

  • 惑星カノンにてミコットの墓参り(シーサーのぬいぐるみを供える)
  • 星間連盟に追われる
  • ガイさんの夢を見る
  • 星間連盟から「いのちの実(いのちの木の種)」奪還&ビランキさん救出ミッションを依頼されて断るが断らない
  • 敵地で活躍する
  • ガイさんの夢を見る
  • 敵地で活躍する
  • 「いのちの実」をゲットし、ビランキを救出しつつ、グルジオライデン誕生の哀しい経緯を知る
  • 記憶を失ったビランキを知人に預ける
  • グルジオライデン暴走の元凶であるセレブロの存在を突き止める
  • グルジオライデンと一緒にZ世界の地球に突入、断熱圧縮でダメージを負い巨大化能力を失う
  • 「いのちの実」が芽吹いたので盆栽にする
  • ヘビクラ隊長になる

 

という流れです。

マジかマジかよオイマジッすかみたいな内容があり過ぎて驚きましたね。

 

 

 

ミコットさんの墓参りで始まるのがいきなり最高ですね。

オリジンサーガ、本当に苦い記憶です。

 

惑星カノンが頽廃都市になっているのは重いものがあります。

命の木を失ったアマテさんたちは上手く星を舵取りできなかったのでしょうか。ジャグラーさんは確かにあの戦争を止めたけれども、命の木という精神的支柱を奪ったことは惑星カノンにとってやはり大きな分岐点だったのかもしれません。

何もかもがジャグラーさんのせいではないんですけど、何もかもをジャグラーさんのせいだと思っている人は多いのだろうと思います。本人も含めて。

 

 

 

そんな暗い背景から一転、ガイさんの夢や、1章~2章の切り替え場面なんかはめっちゃウケます。面白みと暗みの振れ幅がデカすぎますわ。

数十人のクレナイガイがオーブニカを演奏している。

「うわあああああ!」

想像を絶する頭痛をもたらす悪夢からジャグラーは目覚めた。

 

ジャグラーは激高した。

「俺を善人かなんかだと思ってるのか? 行くわけねーだろ! 俺は絶対にイムバット連邦になんか行かない!」

 

■第二章 魔都バホメット

ジャグラーはイムバット連邦にいた。 

 

 

 

敵地での活躍シーンも見どころが多いです。

ジャグラーさん、グリーザのことをどこで知ったんだろうと思っていたらこんなところで出会っていたんですね。

タイガに出ていたチブル星人マブゼさんが出てきたりするのも楽しい。

ビランキさんが相変わらずギャンゴを出してくれるのも嬉しい。初代派としてはギャンゴが強くてなお嬉しい。

 

 

 

そして、ヘビクラ隊長の持っていた盆栽ですよ。

あれ、いのちの木を斬り倒したことを引きずっているんだと思っていたら、まさかのいのちの木そのものだったとは。

青柳尊哉さんと田口監督との写真集対談によれば、なんなら盆栽の周りをベゼルブが飛んでいるくらいのつもりだったとは。

 

本人は深く考えずにやっているのかもしれませんが、これジャグラーさんいのちの木の守護者になってるやつやん。

そのうちいのちの木の力で魔人態が戦魔神態に進化したりするんでしょうか。

オリジンサーガみたいな滅茶苦茶な急成長をしないで、少しずつ木が育っているのがジャグラスジャグラーという存在の成長とリンクしているみたいで今後が楽しみですね。

というかいのちの木を持っている時点で、ジャグラーさん狙われるヒロイン化待ったなしじゃないか。ライバル→隊長→ヒロインと役柄を制覇していくのかマジかスゴいな。

 

 

 

 

続いてジャグラスジャグラー写真集。

これは服用量注意ですよ。マジで急に摂取しすぎると中毒になるやつです。命があぶない。

 

 

そもそも届いたストレイジボックスを開封したら、上の方にジャグラスジャグラーポスターが入っている時点でヤバい。

格好いいな、

と思って裏面を見たら実写ビランキがいて「うぉ」と声がでて、密着度高いなこれ大人の女性ファンが動揺しまくるやつやなというかビランキいいやんイメージ通りだわこれ役者さん誰だろうとなって、

よく見たら「黒木ひかりさん(オオタユカ)じゃねぇか!」となって。

青柳 
ビランキ。まさかの黒木ひかりですよ。

田口 
ビランキって黒木ひかりなのかなぁって話はしてたんだっけ。

青柳
うん。『ウルトラマンZ』撮ってる時に、ユカがジャグラーに近づいてくるのが、ジャグラー的になんか既視感があるぞって。ユカとビランキをニアイコールにしようというか。

 

 

収録されているジャグラー&ビランキの写真は、どれも構図や雰囲気がすごいハマってていいですね。

ビランキさんも今後機会があれば登場してもらいたいものですが、ジャグラーファンの大人の女性からジェラれまくるのかなあ。その事態も含めて面白そうですが。

 

 

 

4500枚も写真を撮った、しかもクロニクルに即してセリフを言いながら撮った、というエピソードからも分かる通り、どの写真も大変秀逸です。

 

個人的にはヌル・ラ・ホテップが、そのもののインパクトに加えて、ダークリングやマガタノゾーアが映っていて色んな感情が湧いてきますから好き。

ルサールカの写真も好き。気持ちがオーブ最終話に直結する。

ヘビクラショウタ襲名写真も好き。その後律義に全身大火傷したという設定もたまらん。

その後のヘビクラ隊長としての写真も多く収められていていいですね。ルービックキューブで遊んでいる写真や、笑顔でスタッフに声をかけている写真等がめちゃ好みです。

 

 

で、写真集でスルー出来ないのがラスト2点ですね。

 

1つ目は青柳-田口対談のラスト。

詳しくは引用しませんが、遠い将来の構想として、ウルトラマンジャグジャグとかジャグラーが育てた少年とかO-50性格悪いからこういうことしそうだよねとかで盛り上がってるのが面白いです。

公式にそう考えているという訳ではないと思うんですけど、ジャグラーの未来って色んな選択肢が思いつくよね妄想すると楽しいよねという当事者の雰囲気が伝わってくる感じがしますね。

 

2つ目は写真集ラストカット。

「予告編」として、ジャグラーさんが探偵? やっているカットが映っているんですよね。隣ではいのちの木が盆栽サイズから人間大の観葉植物サイズにまで成長していて。

青柳尊哉さんの服装がとてもおしゃれで格好いいので、このネクストステージもいずれ具体化されてほしいものであります。

 

 

 

 

このほか超全集の中でのジャグジャグ関連で心に染みたのは、橋爪淳さん(バコさん)インタビューですね。

ヘビちゃんとは昔から一緒にやってた仲間、というのは最初に説明されていまして。僕の中ではキリマンスペシャルをいつも一緒に飲んでる仲というイメージでいました。

 

という箇所。

何気ないコメントですが、こういうのを読むと

  • ヘビクラ隊長とバコさんはいつも一緒にコーヒーを飲んでいる仲。
  • セブンガーの各種テストの後とかナメゴン戦の後とか、節目節目で一緒にコーヒーを飲んでいたんだろう。
  • 夜明けに飲んだこともあるだろう。
  • そうか、ジャグラーは、ナオミともビランキとも夜明けのコーヒーを飲んでいないけれど、ストレイジとは夜明けのコーヒーを飲んだんだな。

 

みたいな妄想をしてしまって尊い気持ちになりました。

ありがとうバコさん。

 

 

あと、超全集の巻末にナツカワハルキマスクとヘビクラショウタマスクがついていて、ヘビクラショウタマスクの下に「また、やっちまった…。」と記載されているのに笑いました。

オーブ超全集読んでいる前提のネタが多過ぎる。

ていうかジャグラーさん、だんだん活躍すべてを追うのが一番難しいウルトラキャラになってきてませんか。

 

 

 

最後に、写真集冒頭のテキスト。

ジャグラス ジャグラー

誰よりも光を求め、光に突き放された男。

しかしそれは、この宇宙で生きていく上で、

圧倒的な自由を手に入れたということだったのかもしれない。

 

「宇宙のどこかで悪い噂を聞いたらジャグラーは達者だと思ってくれ」

 

この解釈いいですね。

 

確かにウルトラキャラの中でも圧倒的に自由なキャラに育ってしまいました。

その上で、ガイさんとの関係性、ウルトラマンへの感情、ミコットやビランキやオリジナルヘビクラショウタやストレイジの仲間たちへの思い等々、抱えているものも圧倒的に大きくて、自由なんだけどジャグラスジャグラーらしい選択をして生きているところがまことに魅力的だと思います。

 

 

ファンやスタッフの声を受けて、今後もジャグラスジャグラーの活躍機会が何かしらのかたちで訪れますように。

 

 

「ウルトラマンオーブクロニクル(年代記) エピソード10構想」ウルトラマンオーブ完全超全集より(小学館てれびくんデラックス) - 肝胆ブログ

「ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA 感想 ピュアなガイ、ナイーブなジャグラー、イケてるガイア・アグル」 - 肝胆ブログ

ウルトラマンZ「最終回後のジャグラスジャグラー/ヘビクラ隊長 考察」 - 肝胆ブログ

 

 

信長の野望20XX「異聞 信濃平定 感想 武田家ドラマいいよね」

 

信長の野望20XX、久しぶりに実装された大型異聞のストーリーが見応えあってかんたんしました。

武田家ドラマは江戸時代から代々続くコンテンツの積み重ねがあって様々な軸で楽しませてくれるのがいいですね。

 

↓6周年「甲斐の虎」アップデートのリリース

nobu201x.gamecity.ne.jp

 

 

以下、少しネタバレを含むのでご留意ください。

攻略に役立つ情報はありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回の異聞は武田晴信(信玄)さんの信濃進出を題材にした物語で、前編では信虎さん追放が、後編では砥石崩れがメインテーマになります。

 

 

のっけから不穏なプロローグ。

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天文の飢饉がなければ……という、タイミングに恵まれなかった大名も多かった気がしますね。

 

 

 

前編のキーパーソン、武田信虎さん。

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星5になったのに格のお低いことで……と思わせてからの

 

 

 

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甲斐国の結束を守るために恨みを自分に集めて去っていく……という非常に気高い御仁として描かれておりました。

この父子のドラマ、とても良いやつですね。

 

 

 

 

後編のキーパーソン、村上義清さん。

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人生のネタバレを喰らいます。

これはそうとう残酷な処置ではないか。

 

詳しくは書きませんが、こうやって幽魔勢力へ与しつつも最後は格好よく決めてくださり、しかも明確に戦では武田信玄さんを二度も破った強豪として描かれています。

私は歩き巫女九尾シリーズ(R-18)を読んで以来村上義清さんが好きなので、満足度が非常に高うございました。

 

 

 

 

武田家ドラマで信濃平定とくれば、名臣たちの熱い活躍や死に様、そして信玄さんの成長ですよね。

今回の異聞でもそういった外せないポイントをクオリティ高く投入してくれていたのが嬉しかったです。

 

 

まだまだ発展途上の武田信玄さん。

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存在感を増していく途上の山本勘助さん。

 

個人的には、格好よく戦場で活躍している場面以上に、今川家にネチネチ言われつつも信玄さんのために我慢して交渉している姿に社会人的な魅力を感じました。

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ライバル会社に転職しておきながら前の会社に力を貸してちょうだいとお願いするの、すごいタフなシチュエーションだと思います。

太原雪斎さんからは「勘助殿は、すっかり武田家に染まっておるようですな」とかバッサリやられているし。

 

 

 

そして砥石崩れ。老臣たちの散り様が胸を熱くさせます。

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20XXコラ画像なので絵面は絶妙にジワジワきますけれども、話の内容は最高です。

後の長篠の戦い等も含め、武田家臣はそれぞれの死に様に名場面が与えられているのがドラマとしての完成度を感じさせてくれますよね。

 

 

 

この段階では老臣たちに救われた側の馬場さんが、後に似たような行動に出て武田勝頼さんたちを逃がす、というのも熱いものがあります。

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この二人の組み合わせもいいものだと思います。

 

 

 

また、砥石崩れといえば真田幸隆さんですが……

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幼児なのにオッサングラの筒井順慶さん等、信長の野望シリーズや太閤立志伝シリーズで誰もが突っ込んだであろうことをブッ込んできたかさねさんには参りますね。

 

 

 

かさねさん、今回の異聞ではいままで以上に好き放題活躍していてウケました。

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霊体化して幽魔を蹴り回すヒロイン。自由過ぎる。

20XXリリース当初、かさねさんがここまで面白いキャラに育つとは予想できなかったなあ。おみそれしました。

 

 

 

話の流れ上、霊体同士で諏訪頼重さんと仲良くなっているのも好き。

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「神通力なぞ無い。」→「霊体化して活躍」という一人ボケツッコミみたいな活躍が楽しい諏訪頼重さん。

20XXのシナリオは、こうしたコメディリリーフみたいなキャラの動かし方が上手でいいなあと思っています。

 

 

 

また、武田家ドラマとしては信玄さんと女性(男性含む)たちとの恋愛ドラマも見ものでございまして。

 

当異聞でも三条の方や諏訪姫が星5で登場して彩りを添えてくれていますが、個人的には信玄さんと禰津御寮人さんのこの会話が一番よかったですね。

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こうゆう、メインドラマパートを踏まえたセリフが恋愛ドラマパートでもポロッと出る演出好きよ。

後編で禰津御寮人さんが大活躍されるのも美々しいことだと思います。

 

 

 

かように、武田家のドラマは昔から積み重ねられてきた「型」がふんだんにあって、それを活かして20XXらしさも加えて質の高いシナリオを完成させてくれている……というのがまことに素晴らしいと思います。

こうゆうのを温故知新というのでしょう。

 

20XXのテイストを想えば家臣たち全員生存のハッピーエンドも選択できたのでしょうけど、そうするとドラマとしての深みとか武田信玄さん成長フラグとかが不足する気もしますし。

 

まとめると、今回の異聞シナリオも大変面白かったです。

 

イベント更新ペースが落ちている気がしないでもないのですけれど、できれば今後もレベルの高いシナリオがクリエイトされていきますように……。

 

 

 

 

雑談①:小笠原長時さん

信濃守護の小笠原長時さん。

ジャンプの「逃げ上手の若君」を意識した登場セリフなのかもしれません。

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史実の小笠原長時さんはこの後同族の三好長慶さんを頼って上洛します。

でも、20XXでは私は常に三好長慶さんを使用しているので、この世界では小笠原長時さん勢力を三好長慶さんが現代兵器ぶっ放して撃破していることになるんですよね。

この異聞に限りませんが、エージェントが使用する武将たちって他家のイベントをどんな気持ちで見つめているんでしょう。話に介入しないのはマナーなんでしょうけど。

 

 

 

雑談②:猛虎焔砲最高やね

全体攻撃・ボス特効の猛虎焔砲。

「敵全体攻撃+ボス追撃」的なさいきんの人気スキル武将を持っていない私としては、たいへんありがたい兵器であります。

兵器特化キャラにして無理やり主力アタッカーになっていただいている長慶さんが輝く輝く。

 

素打ち。ボスに48万ダメージ。

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連鎖&馬印130%。ボスに550万ダメージ。

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連鎖&馬印130%&防御デバフ。ボスに740万ダメージ。

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ボスの数や配置でジャベリンと使い分けることにしましょう。

スキルは変えれませんが、現代兵器は場面場面で変更できるのがいいですね。

 

 

 

雑談③:EXCつらかった

突破錬士欲しさにコンティニューしまくってクリアしました。コンティニュー貴石の数&プレイ時間と、突破錬士の価値との天秤に非常に悩みましたね……。

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