肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

歴史(畿内戦国史以外)

「斗南藩――「朝敵」会津藩士たちの苦難と再起」星亮一さん(中公新書)

会津藩のその後……である斗南藩を軸に幕末・明治期の歴史を取り上げた新書が非常にエモーショナル過多でかんたんしました。 www.chuko.co.jp 帯で「会津の“国辱”」「雪ぐまではここは戦場なるぞ」と大見出しにされているのがさっそく重いものを感じさせてくれ…

「スラ(スッラ)」モンタネッリ版ローマの歴史より

モンタネッリさんが描写するスラ(スッラ)さんも格好良すぎてかんたんしました。 スラさんはモムゼンさんであったりモンタネッリさんであったり割と近現代の人から高く評価されている気がしますが、じっさいワークライフバランスだとか自己実現だとか働く理…

「ローマの歴史 感想」I・モンタネッリさん/訳:藤沢道郎さん(中公文庫)

読み物として面白いと評判のモンタネッリさん版「ローマの歴史」を読んでみたところ、確かに取っつき易い歴史紹介文章とイキイキとした各登場人物の活躍がお見事でかんたんしました。 www.chuko.co.jp ローマの歴史を学んでみたいけど、文庫ベースで43巻もあ…

群馬県館林市「館林城、田山花袋、榊原康政・善導寺、日清製粉ミュージアム」

群馬県の館林市を訪問しまして、榊原康政さんや田山花袋さんゆかりの史跡を見学できたり、日清製粉さんのミュージアムに興奮したりと楽しい時間を過ごさせていただいてかんたんしました。 www.webgunma.com www.danrin-zendouji.com www.city.tatebayashi.gu…

青森県「恐山、堀越城、種里城」

青森県の恐山、および津軽氏ゆかりの城跡に行ってきたのですが、なかなかお目にかかれない霊場の雰囲気、また、失礼ながら意外なほどに立派な城跡の威容にかんたんいたしました。 simokita.org www.city.hirosaki.aomori.jp www.town.ajigasawa.lg.jp 恐山(…

隠岐の島観光「島後:山中鹿之介潜伏先、水若酢神社、玉若酢神社、白島等」

隠岐の島にかんたんした続きです。 隠岐の島観光「島前:後鳥羽上皇、後醍醐天皇、摩天崖トレッキング等」 - 肝胆ブログ こちらは島後。 島後には、山中鹿之介(幸盛)さんや尼子勝久さんがしばらく潜伏していたという伝承があり、城跡もいくつか残っており…

隠岐の島観光「島前:後鳥羽上皇、後醍醐天皇、摩天崖トレッキング等」

歴史ファン憧れの島である隠岐に行ってみたところ、歴史関係のロマンを存分に味わいつつ、想像以上の大自然スペクタクルにも出会えてかんたんしました。 oki-dougo.info 隠岐の島の図。 隠岐の島ってひとつの島だと思っている人が多いんですが、実は複数の諸…

「承久の乱 真の「武者の世」を告げる大乱 感想」坂井孝一さん(中公新書)

中公新書の「承久の乱」がさいきんの史実研究を丁寧に紹介してくれつつ、ポエジーな和歌等の解釈も楽しめる良本でかんたんしました。 www.chuko.co.jp 源実朝さんや後鳥羽上皇の人物像を再評価しつつ、どのような経緯で承久の乱が勃発し、どのような要因で鎌…

「戦国史を歩んだ道 感想」小和田哲男さん(ミネルヴァ書房)

有名な歴史学者、小和田哲男さんの自伝が面白くてかんたんしました。 www.minervashobo.co.jp ミネルヴァの自伝シリーズです。 小和田哲男さんの幼少時代~研究者へ~一般に広く歴史を紹介……という人生の流れを語って頂く内容になっています。 歴史に興味を…

「中世武士 畠山重忠 秩父平氏の嫡流 感想」清水亮さん(吉川弘文館)

前から興味のあった畠山重忠さんの真っ当な書籍が発売されていてかんたんしました。 www.yoshikawa-k.co.jp 畠山重忠さんといえば平家物語や吾妻鏡などで褒めたたえられている武士として有名ですね。 戦強い、腕力強い、優しい、誠実、清廉、などなど、おお…

「仁淀川に染む 感想」植木博子さん(郁朋社)

戦国時代、長宗我部元親さんの配下国人「片岡氏」の盛衰を描いた郷土小説にかんたんしました。 www.ikuhousha.com 偶然手に入れたのですが、これはなかなかレアな題材ですね。 メインの登場人物は、 土地に善政を敷いたことで知られる「片岡光綱」さん、 そ…

鎌倉「満福寺の鎌倉彫源義経襖絵」

鎌倉の満福寺さんにお参りしたところ、源義経さんの生涯を描いた素晴らしい鎌倉彫の襖絵を拝見することができてかんたんしました。 www.manpuku-ji.net ↑オフィシャルHPのムービーが超きれいで驚きますよ。 満福寺さんは鎌倉の腰越にあります。 腰越といえば…

山岡鉄舟小説「命もいらず名もいらず 感想」山本兼一さん(集英社文庫)

山岡鉄舟さんの生涯を描いた小説「命もいらず名もいらず」がストイック極まりない精神性推しの展開の数々でかんたんしました。 books.shueisha.co.jp 幕末~明治期に活躍しはった山岡鉄舟さんの生涯を1,000ページ以上にわたって丹念に描写してくださる長編小…

「大阪堂島米市場 江戸幕府VS市場経済 感想」高槻泰郎さん(講談社現代新書)

堂島米市場の取引模様や江戸幕府の財政政策を紹介する新書がめちゃくちゃ面白くてかんたんしました。 bookclub.kodansha.co.jp これは良著ですよ。 歴史と経済との見事なラグランジュポイント。 ワクワク、エキサイティングな本でございました。 日銀前総裁…

「海帝2巻感想 鄭和艦隊vsダイオウイカという狂気」星野之宣先生(ビッグコミック)

中国は明代の宦官にして武将「鄭和」さんの航海を描く漫画「海帝」。 2巻ではいよいよ大艦隊が出港し、どんな国でどんなドラマがと楽しみにしていたら、マラッカ海峡でダイオウイカとの激しいバトルが始まるという完全に斜め上すぎる展開の面白さにかんたん…

「天下普請の名城 丹波篠山城 国指定の史跡……青山忠成・忠俊の紹介等」梶村文弥さん(あいわ書房)

郷土史家による丹波篠山城の紹介冊子が、城の成り立ちだけでなく青山氏の人物紹介や幕末の動きなんかも書いてあり、短いながらも読み応えがあってかんたんしました。 ネット上に情報がほとんどなく、流通経路が不明の本です。 平成20年第一刷、平成22年第二…

「書物と権力 中世文化の政治学」前田雅之さん(吉川弘文館)

印刷技術確立以前、書物がどのように流通していたか、また、書物の譲り渡しにどのような政治的意味合いが付与されていたかを論じる表題の本が、思いの外ライトな分量ではあったものの、興味深い事例が多数収録されていてかんたんしました。 面白い切り口なの…

滋賀県栗東市「鈎の陣跡」と草津市「うばがもち」

六角氏の風を受けている気分だったので滋賀県の草津・栗東を訪れ、六角高頼さんが活躍した鈎の陣跡地と六角義賢さん由来のうばがもちを初体験し、いい年末だなあという気分になってかんたんしました。 www.ritto-kanko.com www.ubagamochiya.jp 鈎の陣跡 草…

「お城EXPO2018でウキウキ」@パシフィコ横浜

横浜まで行ってお城EXPOなるイベントに参加してみたところ、ウッキウキにかんたんしました。 www.shiroexpo.jp (クリスマスにこんなことして楽しんでいる人たちがいるんだなあ) と思わずにはいられない看板。自分もその一人ですが。 お城EXPOの来客者は男…

「アナバシス 敵中横断6000キロ」クセノポンさん / 訳:松平千秋さん(岩波文庫)

以前読んだ「ヘンリ・ライクロフトの私記」(ギッシングさん)で絶賛されていた「アナバシス」を読んでみたら、確かにめちゃくちゃエキサイティングな戦記&紀行ものでかんたんしました。 アナバシス - 岩波書店 「ヘンリ・ライクロフトの私記」ギッシングさ…

埼玉県比企郡嵐山町「杉山城(続日本百名城)」

有名な杉山城に行ってみたところ、噂通り、小規模な山城ながら巧み極まりない築城の工夫がたくさんなされていてかんたんしました。 こんな城を攻めたくはないものです。 国指定史跡・杉山城跡公式HP 菅谷館の続きです。 埼玉県比企郡嵐山町「菅谷館(続日本…

埼玉県比企郡嵐山町「菅谷館(続日本百名城)と嵐山史跡の博物館」

畠山重忠さん所縁の菅谷館にようやく行けたのと、併設の嵐山史跡の博物館で手に入るガイドブック類がとても充実していたことにかんたんしました。 www.ranzan-shiseki.spec.ed.jp 前も畠山重忠さん目当てで埼玉県を訪れたことがあり、今回が2回目の訪問です…

「戦国の肥前と龍造寺隆信 感想」川副義敦さん(宮帯出版社)

龍造寺隆信さんの生涯をまとめた本が売っていてかんたんしました。 宮帯出版社/商品詳細 戦国の肥前と龍造寺隆信 川副義敦 著 龍造寺家の本ってレアで、意外とこれまで見かけなかったんですよね。 ちょっと前に鍋島直茂さんの本も売っているのを見つけました…

「鉱物の人類史」サリーム・H・アリさん / 訳:村尾智さん(青土社)

「鉱物の人類史」という本を読んだのですが、内容は看板に偽りという感じであんまり史書的要素はなく、むしろ未来に向かって我々はどんなことを考えなければならないのだろうか的な内容になっていてうーむとは思ったのですが、それはそれでけっこう面白かっ…

山梨県甲府市の「武田神社(躑躅ヶ崎館跡)」

山梨県の武田神社に行ってみたところ、ご当地での武田一族の愛されっぷりにかんたんしました。 甲斐 武田神社 シャインマスカットとワイン目当てで山梨県を訪れたのですが、少し前に上杉神社に行ったことを思い出して武田神社にも行ってみようと思い立った次…

「ポーツマスの旗 外相・小村寿太郎 感想」吉村昭さん(新潮文庫)

日露戦争の講和交渉をテーマにした小説「ポーツマスの旗」が緻密かつ実際的な描写を次々と味わうことができてかんたんしました。 www.shinchosha.co.jp 著者は私が好きな吉村昭さんです。 入念な取材を基に執筆されているので何もかもが史実のように思えてし…

「北条氏康の妻 瑞渓院 政略結婚からみる戦国大名」黒田基樹さん(平凡社)

北条氏康さんの妻「瑞渓院」さんを切り口に今川家・北条家の興亡を追った書籍が興味深くてかんたんしました。 www.heibonsha.co.jp さいきんの中世本は「家格」「身分秩序」といった当時の価値観をあらためて評価する本が多いような気がいたしますが、この本…

山形県山形市「最上義光歴史館」と「文翔館(旧県庁舎・県議事堂)」

山形市の歴史散歩が満足度高い上に全部無料でかんたんしました。 これは温存できた資金を米沢牛やだだちゃ豆につぎ込めというメッセージでしょうか。 mogamiyoshiaki.jp www.gakushubunka.jp 米沢市に続いて山形市を歩いてみました。 まずは最上義光歴史館。…

山形県米沢市「上杉神社」と「国宝 上杉本 洛中洛外図屏風」

山形県に行ってきて、念願の洛中洛外図屏風(但し複製)をまじまじ見ることができてかんたんしました。 上杉神社も想像以上に見どころが多くて楽しかったです。 観光スポット:やまがたへの旅/山形県観光情報ポータルサイト [伝国の杜]米沢市上杉博物館/…

「トラクターの世界史を読んでSociety5.0への移ろいを思う」藤原辰史さん(中公新書)

“トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち”という新書がトラクター愛と新技術に向き合う人類の様子とを克明に表してはって大変かんたんいたしました。 トラクターの世界史|新書|中央公論新社 「人類の歴史を根底から変えた」というコピーがい…