肝胆ブログ

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和歌山県海南市 平和酒造の日本酒「紀土(キッド)」

 

「紀土(キッド)」というお酒がおいしくてかんたんしました。

 

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最近は日本酒の静かなブームが続いていて、
次から次へと人気銘柄が出てきております。

色んなお酒に目移りし始めるときりがないものですから、
私はもっぱら昔なじみの「呉春」(大阪府池田市)と
「黒牛」(和歌山県海南市)ばかりを飲んでいます。

 

が、最近日本酒好きの知人から教えていただいたこの「紀土」というお酒、
「黒牛」の名手酒造さんの近くでこしらえているということだったので、
ついつい浮気して手を出してしまいました。

(黒牛の名手酒蔵さん)
http://www.kuroushi.com/



とりあえず何本か買ってみて、「純米大吟醸 山田錦」というのを開けてみます。


吟醸香……って言うんでしたっけ。

華やかな、でも華やか過ぎない落ち着いた香りがします。
香りだけで「気が合いそう」という第一印象です。



口に含みますと。

先ほど来の香りが膨らんで、それから切れ味が走って、
続いて豊穣な味わいで口の中が満たされます。


おいしい。


軽すぎず、重すぎず。
ミドル級です。ミドルキックです。
めっちゃいい香りのムエタイ選手のミドルキックをミットで受けている感じ。
姉ちゃんのビンタでも力士のぶちかましでもありません。



晩ごはんのおかずの、たけのこの煮物と合わせてみます。

……合います! 無論です!


ミドル級の味わいですから、ご飯にあう料理なら何にでもいけそうな印象です。
おお、こいつはいい酒だ。

もう。
呉春・黒牛の二股でも罪悪感があったのに……。

三つ股になってしまいそう。

 

 

 

ところで、「和歌山の日本酒おいしいですよ!」って主張しても
誰も信じてくれないんですよね。

まあ、黒牛しか飲んでこなかった私が言っても説得力がないのですが。
(黒牛ひとつを論拠に和歌山の日本酒の味をアピールしてきた私)


この平和酒造さんの紀土もこんなにおいしいということは、
もちろん杜氏さんたちの腕前や努力あってのことだとは思うのですが、
ひょっとして海南市の水と風土がお酒造りに適しているのでしょうか。

黒牛の名手酒蔵さんは幕末から続いているらしいのですが、
和歌山に酒どころの印象ってないですよね。
関西人の私にもないんだから、他地方の方にはなおさらないと思います。


冷静に考えたら紀州徳川家のお膝元ですし、
その前から根来寺だの高野山だの熊野三山だの独自文化がある土地柄ですし、
むしろ洗練されたフード文化があっても不思議ではないのですけど。

でも、醤油や金山寺味噌や梅干しやらの質実フードは盛んなのに、
和菓子とか料亭料理とかの華やかフードが盛んな印象はないなあ。

やっぱり吉宗さん系というか、紀州は質素倹約な文化風土なんですかね。

 

 

こんなことを書いていると、和歌山に久しぶりに行きたくなってきました。

季節は過ぎちゃいましたが、南部梅林は最高ですし。
これから季節が来ますが、白浜での行楽は定番の楽しさですし。

 


いつか、ぶらくり丁に往年の賑わいが戻ってきますように。

 

 

※翌日('17/4/28)追記


冷蔵庫で冷やして飲むと、甘みがものすごく強くなりました。
高級吟醸酒な感じです。

 

面白いですね。
常温だとしみじみご飯に合わせるようなおいしさ、
冷たいとキャッキャパーティ感のある甘さ。