肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

「三菱東京UFJ銀、留学基金の外貨運用 大学に提案開始」日刊工業新聞

 

 

BTMUが大学に外貨建の留学基金積立・運用を提案しているという
ニュースにかんたんしました。

 

www.nikkan.co.jp

 

 

いい着眼点ですね。

言われてみれば、もっと早くからこんな取組みがされてても不思議ではないのに。
ありそうなサービスでもなかなか思いつかないものだと再認識させていただきました。



 ※円建で留学奨学金基金を1億円貯めていたとします。

  1ドル100円なら100万ドルになりますが、
  1ドル120円なら83万ドルに目減りしてしまいます。

  留学生一人を送り出すのに仮に1万ドル必要だとしたら、
  1ドル100円なら100人送り出せますが、
  1ドル120円なら83人しか送り出せません。

  円建の積立てではこのような不安定さが付きまといます。


  だったら初めから外貨建で基金を運用したらいいんじゃないすかという
  発想がこのニュースです。

  定期的に円を外貨に換えていけば投資も安定しますし、
  外貨建の方が運用利回りもいいですしね。   
  



既に関西では提案を採用した大学も出てきているようです。

通じる保護者さんには通じるでしょうから、
上手くPRすれば学生集めにも繋がることでしょう。


この取組み、買い手によし。

 


留学をきっかけに外貨口座を開いたり外貨送金機会が増えたりすれば
BTMUもしっかり手数料稼ぎができるでしょうし。

奨学金基金を外貨で運用すればそっちでも手数料を確保できるでしょうし。
リーマンショック時に問題になりましたが、大学ってけっこうな額の資金を
運用している大口資産家なんですよ。


この取組み、売り手によし。

 

 

現状、日本の海外留学生の数は世界22位、受け入れでも7位と後れを取っている。

福本秀和副頭取は「日本の企業や経済にとってグローバル人材の育成、確保は重要な課題。留学生制度の発展に寄与したい」と語った。

 

仰る通り、別に学生全員が留学する必要もありませんけど、
一定数のグローバルセンスを有する学生は不可欠です。

為替変動に左右されず安定した数の学生を海外に送り出せたら
良質な人材基盤が蓄積されていきますよね。


この取組み、世間によし。

 

 

まさに三方によしだと思います。

銀行の商売が苦しい時代ですから、立派な取り組みをしている時くらいは
惜しみない称賛を送って差し上げたいものであります。

(当件、あんまり話題になってませんけど)




上手く普及すれば……

奨学金サイドだけではなくて、意識の高い親御さんへのリーテール提案にも
繋がっていきそうですね。


今後、早くから我が子を留学させるビジョンを持つ親は増えていくでしょう。

それこそ幼稚園・保育園段階の時点で目指せアイビーリーグ的な。


そんな方々やそんな方々の親(祖父母)に、外貨で学資積立てしましょうよと。

これから日本は低成長時代、円建の貯蓄・学資保険だけやったら
二十年後には為替負けして思ったような国に送り出せないかもしれませんぜと。

まず外貨口座を開くでしょ、ああ運用は米国債と豪国債とこの投信の組み合わせで
いきましょう、子どもが大きくなったら感謝されますよ慧眼を尊敬されますよと。


高学歴だけど資産ストックの薄い、都市部エリート層にウケそうじゃないすか(笑)。

 

 

親から子どもへの贈与・相続財産については、伝統的に貯金・保険・株・不動産が
主流でしたね。


全部円ベースの。


ドメスティックに暮らしていく分にはまあいいかもしれませんが、
日本が低成長で海外が高成長でずっと推移していったら、
これら財産は実質的には目減りしていることになります。

留学するかどうか抜きにしても、これからは外貨建(できれば複数通貨)の
資産を遺してあげる……というスタンスが必要かもしれませんよ。



お年玉あげるでしょ。

取り上げるでしょ。

お母さんが貯金しといてあげるからって言うでしょ。

そこで半分を円で、半分を米ドルで積立て・運用ですよ。

二十歳の誕生日にそれを渡すんですよ。

留学するなり海外でたこ焼き屋やろうとするなり考えてたお子様は
感謝感激雨あられですよ。

うちのママすげぇ! ドルコスト平均法を使いこなしてらぁ! てなりますよ。



妄想はどこまでも広がりますね。

ひょっとしたら外貨ではなくビットコインで積み立てた方がよかったりして。

 

 

こうしたインフラ整備も一助となって、立派な若い衆が巣立ったり
帰ってきたりしてくださいますように。