肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

東京藝大で「皇室の彩 百年前の文化プロジェクト」……大正期の皇室献上品アート展をやるそうです(美術手帖の記事より)

 

 

10月の末から東京の上野にある東京藝術大学大学美術館で面白そうな展覧会をやるとのニュースにかんたんしました。

 

bijutsutecho.com

 

東京藝術大学大学美術館のサイト

皇室の彩(いろどり)

 

およそ 100 年前。大正から昭和最初期の頃に、皇室の方々の御成婚や御即位などの御祝いのために、当代選りすぐりの美術工芸家たちが技術の粋を尽くして献上品を制作しました。中には、大勢の作家たちが関わった国家規模の文化プロジェクトがありましたが、今日ではそれを知る者がほとんどいなくなっています。いったん献上されたそれら美術工芸品は、宮殿などに飾り置かれていたために、一般の人々の目に触れる機会が極めて限られてきたからです。
古くから皇室は、日本の文化を育み、伝えてきましたが、近代になってからは、さまざまな展覧会への行幸啓や作品の御買上げ、宮殿の室内装飾作品の依頼などによって文化振興に寄与してきました。皇室の御慶事に際しての献上品の制作は、制作者にとって最高の栄誉となり、伝統技術の継承と発展につながる文化政策の一面を担っていました。大正期には、東京美術学校(現、東京藝術大学。以下美術学校)5代校長・正木直彦(1862 ~ 1940)の指揮下で全国の各分野を代表する作家も含めて展開された作品がこの時代の美の最高峰として制作されました。本展では、宮内庁に現存する作品とともに、その制作にまつわる作品や資料を紹介いたします。
また本展は、東京美術学校を継承する東京藝術大学の創立130周年を記念して、東京美術学校にゆかりある皇室に関わる名作の数々も合わせて展示いたします。皇室献上後、皇居外で初めて公開される作品を中心に、100年前の皇室が支えた文化プロジェクトの精華をお楽しみください。

 

 

 


これは楽しみですね。

スケジュールを合わせて行ってこようと思います。

 

⇒行ってきました('17.11.11追記)

 (感想)「皇室の彩 百年前の文化プロジェクト」東京藝大美術館 - 肝胆ブログ

 

 

上村松園さんなど明治大正期の芸術家の文章を読んでいると「献上品を制作している」旨がサラッと記載されていたりして、前から気になっていたんですよね。

美術手帖の記事には上村松園さんや横山大観さんの絵が展示されるとありますし、絵画以外にも蒔絵や飾り棚といった工芸品の数々が公開されるとのことで。

 

皇居外で公開されるのは、作品献上後、今回が初めてとなる。


たいへん貴重な機会です。

一品一品が至宝レベルなんでしょうし、意気込んで見てこようっと。

 

 

 

 


「100年前の皇室が関わった文化プロジェクト」という文化事業の面も興味深いですね。

 


アートは、文化は、誰のものなのか。

 


よく出るような話題ではありますけれども。

 


経産省がクールジャパンと言っていたり
企業メセナが定着しそうでそうでもなかったり
無償でネットに作品をアップするクリエイターが増えたり
クラウドファンディングを活用したアート制作なんかも始まったり


一方で


昔ながらに大寺社や大金持ちがアートを発注していたり
地域地域の伝統文化がしっかり継承されていたり。

 

 

アートって、スポンサーも楽しむ人もものすごく広がってきていますよね。


そんな中、「皇室が関わった大正期の文化プロジェクト」って……

逆にとても新鮮な響きがございます。

 

 

「現世の最高権威へ献上するために作品を制作」ですよ。

商業性やメッセージ性がどうしても前に出がちな現代文化から見れば、ものすごく珍しい切り口ですよ。


きっと、現代では珍しくなってしまったタイプの気概や気品を感じ取ることができるのではないでしょうか。

こういった展示会は、クラッシックな趣味の方だけではなくて、むしろ前衛的なクリエイターこそ見に行ったら刺激になると思います。

 

 

開催までまだ一箇月ありますが、とても楽しみです。


展示会の内容が期待以上のものでありますように。

わくわく。