倉木麻衣さんの「Time after time」を聴きたくてコナン君の映画「迷宮の十字路」を視聴し、想像以上に面白くてかんたんしました。
「Time after time」は「迷宮の十字路」の主題歌(エンディングテーマ)なんですが、私は世代的にコナン君をあまり知らないので、いままで映画は観たことありませんでした。
この歌、名曲なんですよね……。
倉木麻衣さんならではの通り抜けるような歌声と、切ないながらも凛とした恋の姿が浮かびあがる世界観。
Time after time。
「繰り返し」「何度も何度も」。
歌詞から繋がるイメージは「輪廻」と言った方がいいでしょうか……。
花御堂や巡る季節というモチーフは、「二世の契り」という古い日本語を想起させます。
昔の人は「夫婦の縁は来世まで続く」という言い方をしていたんですよ。
「生まれ変わるなら他の人を選ぶ」という意見もよく聞くところではありますが(笑)、私は生まれ変わっても同じ人を選びたい派です。
好きな曲なので、主題歌として採用されたコナン君映画も好きな内容だろう……
と思いついて、映画を観てみました。
「迷宮の十字路」、素直に面白かったです。
十代の頃に観れたらなおよかったなあ。
京都を舞台に連続殺人事件の謎を追うストーリー。
西の高校生探偵「服部平次くん」がコナン君と同じくらいに活躍する展開。
見どころとして、京都の美しい景観……再現度が凄かったですね。
よい取材をされたのでしょう。
京都駅や寺社、橋、通り……がめっちゃリアルでした。
仏光寺が出てきたのは個人的に嬉しい。
かつて京都に縁があった身としては、映像だけでしみじみ感じ入るものがありました。
コナン君と服部君はよい若者コンビですね。
お互いの初恋事情を語るシーン、いいなあ。
ティーンだなあ、いいなあ。
アクションシーンがよかったです。
とりわけバイクチェイスシーンと弓矢シーン全般。
コナン君が小さい身体でぐりんぐりんアクションするところは想像以上に格好良かった。
服部君の彼女的な人「和葉さん(かわいい)」がブラックジャックを使いこなしているのも凄味がありましたね。
灰原哀さんが一人で一条戻橋を見物していたのも不思議な情感がありました。
数多の京都名所が登場する中、戻橋だけ由緒がテロップ表示されたのも何故だかグッときます……。
それにしても、どうして哀さんは一条戻橋を見物していたんでしょう。
大人の身体に「戻りたい」とかなんですかね。
原作……灰原哀さんのキャラクターに造詣が深い方なら何か考察できるんだろうか。
あと、真犯人が動機を白状するシーンが意味不明で面白かったです(笑)。
そうして、最後に流れるエンディングシーン。
毬を手にして駆ける少女と、倉木麻衣さんのTime after time。
…………
ああ、これいいわ。
いい映画だったわ。
いい京都だったわ……と。
きれいなものを観た、という印象が残りました。
コナン君ファンの間でも評判がいいそうですが、さもありなんです。
京都はいいですね。
何がいいって、こうした名曲や名作映画をつくりだすだけの憧憬を集め続けているのが素晴らしい。
私ごとですが。
昔、某所の研修で「奈良の東大寺に、観光客を増やすコンサルをしなさい」という課題を出されたことがあります。
奈良から見れば……京都の文化的憧憬は強敵過ぎるんですよね。
同じ古都なのに京都ばかり……くすん。
という気持ちになったことを覚えています。
(あくまで研修上の脳内シミュレーションです)
京都がこれからも人々を惹きつけ続けるとともに、奈良や滋賀にももう少し光が当たりますように。