ジャンプ+の「透明人間の骨」がてっきり読み切りだと思っていたら第二話が掲載されていてかんたんしました。
この作品、とてもアトラクティブですよ。
(↓そのうち見れなくなると思います)
詳細なネタバレは避けますが、異能力ものと家庭問題ものがフュージョンしたような内容になります。
第一話を読んだ時に「おもしろい読み切りやなあ」とかんたんしていたんですが、まさか普通に連載が続くとは。
キャラクター造形が大変魅力的かつ生真面目ですから、連載していくには展開・着地ともに難易度が高いと思うのですけど……。
是非このクオリティを保ったまま、話を積み重ねていって欲しいですね。
現時点でも、数か月後にブレイクし、「映画化」等に繋がる姿が具体的にイメージできる作品だと思います。
原作の真摯なテキスト、透き通るように美しい線のテイストを再現するのは難しいでしょうから、映画化してもファンのバッシングを浴びそうですけど。
絵がいいですね。
線の誠実さ、白と黒のバランス。
読みやすさと個性が同衾できているところが凄いと思います。
主人公の女の子「花(あや)」さんはしっかりとかわいい。
第二話の最後に出てきた同世代の女の子も続きが気になるほどかわいい。
それ以上に主人公のお母さんが健気な佳人でして。
娘世代を差し置き一番人気を取れるポテンシャルを感じます。
それ以上に秀逸な点は、主人公の花さんが自身の感情、魂の芯の部分にしっかりと向き合っているところ。
異能力を手に入れた! この力で無双してやるぜイエーイみたいな空疎感はまるでなく。
力を持つこと、力を使って起こした結果を……じっと見つめて、観察して、懸命に受け止めようとしている姿。
異能力ものでありながら「能力の強さ」を掘り下げるのではなく、主題はあくまで主人公の「心魂の強さ」の掘り下げにあるようです。
なるほど、こうした主人公の描き方があるんだなあと胸を打たれました。
今日的なヒロイックのあり方を示してくれているのかもしれません。
これは……追随できるクリエイターは少なそうだ。
いかんせん第二話の時点ですから、あまりだいそれたことは言えないのですが。
花さんが自分の人生を全うする……幸せな方向に進んでいくことを祈ります。
併せて、ジャンプ+で第二話まで連載が進んだ「星の王子さま」(作画:漫☆画太郎先生、原作:サン☆テグジュペリ先生)。
(↓そのうち見れなくなると思います)
第一話の原作再現度にも笑ったのですが、第二話がギャグ漫画のお手本のような勢いで吹き出してしまいました。
逆~~~~~ッ!!!
ちなみに、星の王子さまの原作は青空文庫で読むことができますよ。
(訳:大久保ゆうさん)
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ Antoine de Saint-Exupery 大久保ゆう訳 あのときの王子くん LE PETIT PRINCE
イキってる女性が好きそうな文学作品と画太郎漫画のマリアージュは相性抜群なことに定評がありますね。
ジャンプ+の連載が失敗したら、次は「東京カレンダー」辺りで連載が始まりますように。