肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

映画「マジンガーZ INFINITY」志水淳児監督(東映)

 

マジンガーZ INFINITYが素晴らしすぎてかんたんし過ぎて涙がぼろぼろ零れました。

 

www.mazinger-z.jp

 

かつて世界征服を目論む悪の天才科学者Dr.ヘルによって滅亡の危機に瀕した人類。しかし“くろがねの城”と呼ばれたスーパーロボットマジンガーZ”を操る兜甲児とその仲間の活躍により、平和な時を取り戻していた。

そして世紀の戦いから10年―。

パイロットを離れ科学者となっていた兜甲児はある日、富士山地中に埋まった超巨大遺跡インフィニティと、そこから現れた謎の生命体リサに遭遇する。そして、時を同じくして謎の復活を遂げたDr.ヘル。彼は無限の可能性を秘めるインフィニティで、かつての野望を完遂しようとしていた。

有史以来最大の危機、絶体絶命の状況の中、伝説のパイロットがマジンガーZと共に再び立ち上がる。

 

 

面白かった……!

超よかった……!!

 

20世紀のSFと21世紀のSFがきれいに融合していた。

各キャラもロボットアクションもこれ以上ないくらいにイキイキしていた。

BGMも歌もSEも背景も小物も小ネタも愛と熱量が詰め込まれまくっていた。

 

こんなダイナミック新作が現代で観られるなんて。

少しでもロボットアニメに愛があるなら絶対観に行きましょう。

私もまた行きます。

 

 

以下、若干のネタバレを含みます。

 

 

 

 

 

 

 

マジンガーZグレートマジンガーの10年後の物語になります。

グレンダイザー要素はありません。

 

開幕早々、グレートマジンガーと機械獣軍団の激闘が。

グレートの武装を惜しげもなく見せつけてくださる鉄也さんの格好良さに興奮。

 

そこから水木一郎さんの熱唱OPに繋がり、日本の兜甲児さんパートに続きます。

 

 

詳細なストーリー展開は伏せますが、ドラマパートとバトルパートの両方が非常に高いクオリティで、製作陣の思いの丈を受け止めたような気持ちになりますよ。

 

 

見どころ。

 

兜甲児さん&マジンガーZ

これぞ英雄、これぞ兜甲児!

こんなに応援したくなる主人公もそうはいないと思います。

彼がパイルダーオンして出撃する場面でもう涙が。
なんで甲児さんがマジンガーを操縦しているだけでめっちゃ嬉しくなるんでしょう。

 

マジンガーと機械獣軍団のバトルは必見モノです。

敵の位置や状況に応じて武器を使い分け確実に撃破していく甲児さんの“判断力”“当て感”が素晴らしいですよ。

あしゅら男爵&ブロッケン伯爵への切り返しも最高でした……!

 

過剰なまでに詰め込まれたマジンガーの兵装の豊かさも存分に堪能できますよ。
冷凍ビームやマジンパワーまで使っていましたからね。

 

 

 

弓さやかさん

めっちゃ気の毒ポジション、でも彼女はめっちゃタフ。

新光子力研究所の所長となっておりますが、これがもう物語屈指のストレスたまる立場なんです。

光子力エネルギー偏重への反対運動やら国際政治への対処やら。
(お父さんの弓教授は弓総理大臣になっています)

 

マジンガーのメインメンバーの中で、こういう役割を果たせそうなのは確かに彼女だけですもんね。

挫けることなく、皆を、誇張なしに世界を支えている彼女はとても魅力的です。

唐突にミニスカのパイロットスーツ姿になるのもかわいかったです。

 

 

 

剣鉄也さん&グレートマジンガー

序盤勇者で中盤ヒロイン。

おいしいな鉄也さん。

 

今作は「兜甲児さんとマジンガーZこそ至高」という物語ですので出番は少なめ。

それでも、鉄也さんとグレートマジンガーの活躍、鉄也さんとジュンさんの絆はとても印象に残りましたよ。

 

 

 

炎ジュンさん

「お腹がつかえてフットペダルを踏めない」

鉄也さんの子を身ごもってはります。

下町の古アパートで鉄也さんと暮らしている描写、めっちゃよかったです……!

ドラマパートにおいては彼女が一番情感を振りまいてくださっておりました。

 

 

 

ボス&ボスボロット

元祖三枚目好漢の面目躍如!

ラーメン屋の店主になっています。店員はヌケとムチャ。
親戚のみさとさんまで登場してました。

 

ラーメンパートもボスボロットパートも格好よかったです。

ちょっと抜けてたりギャグやったりしつつ、きっちり役目を果たす頼りになる男。

いいっすねえ……!

 

 

 

兜シローさん

すっかり頼もしくなって……!

甲児さんの弟で、現在は統合軍の隊長を務めてはります。
イチナナ式」という量産型マジンガーみたいなロボに搭乗。

要所要所でしっかり活躍していたのが好印象です。

 

 

 

のっそり博士&せわし博士

なんだその3Dプリンター。欲しい。

ボスと一緒に美味しい活躍を見せてくださいます。

クライマックスで「もりもり博士」の遺影を抱いていたのが涙。

 

 

 

Dr.ヘル&地獄大元帥

人類の弱点は“多様性”であると喝破。

世界征服の目的も、富や権力ではなく、好奇心が目的だったと考察されております。

 

蘇ったDr.ヘルは悪役としての凄みが凄いですよ。

 

地獄大元帥に搭乗してマジンガーと戦いますが、これがまた超強い。

超合金ニューZのマジンガーを壊して溶かして燃やしますからね。

 

でも、傷つきまくったマジンガーZがまた美しいんですよこれがもう……!

 

 

 

あしゅら男爵&ブロッケン伯爵

やっぱりこの人たちの存在感は異常。

数えきれないほど存在するアニメ悪役の中でも、この二人の異彩はいまだに際立っておりますね。

新たな敵役を出さずにかつての敵キャラを蘇らせたのは英断だったと思います。

 

 

 

機械獣軍団

愛の詰まったオールスター。

あいつもこいつもみんなみんな出てきよります。

ガラダK7やダブラスM2、ジェノサイダーF9、タイターンG9あたりが目立っていました。

ジェノサイダーF9のミサイルは板野サーカスのような演出で、この40年のロボットアニメの進化を思い起こさせてくださいました。

サタングロースP10の後ろ姿にも笑いました。

 

 

 

リサさん

新キャラ要らねという迷妄を粉砕してくださいます。

リサさんは私の娘。

詳細は伏せさせていただきます。

 

 

 

背景等

美麗!!

富士山の清々しさ、青空の色、漢字を多用したオリエンタル感演出、浅間大社富士講などなど……こだわりまくった描写がとても美しい。

各シーンのカット1枚1枚にうっとりさせられます。

とくに富士講の六根清浄はよい“間”を生み出しておりましたね。

 

 

 

歌・BGM・SE

昂ります。

かつてのあの歌やあの音がいい感じにリメイクされて。

各シーンの高揚や風趣を高めまくってくださいます。

水木一郎さんと吉川晃司さんの熱唱もただただありがたい……嬉しかったです。

 

 

 

声優さん

味方役も敵役も皆さん好演してはりました。

兜甲児さん役の森久保祥太郎さんの演技が、石丸博也さんの演技をリスペクトしつつも大人になった甲児さんぽさも充分に表現されていてつまり素晴らしい主人公でした。

甲児さん以外であえて一人取り上げるならボス役の高木渉さんかなあ。
すごいボスっぽくて、ボスの好人物っぷりを一層高めてはりました。

元祖の石丸博也さんと松島みのりさんも別の役で出てはって嬉しいです。

 

 

 

永井豪先生(冷奴さん)

なんと思い出のK君が!

ちょいちょい小ネタとして出てはって笑いました。

ナンバープレートの地名が「永井」だったり。

 

 

 

 

 

……などなど、語り切れないほど感動いたしました。

 

製作者の方々、本当にありがとうございます。

21世紀にこんなクオリティのマジンガーが見れるとは露も思っておりませんでした。

 

この作品の誕生で、リメイク・リブートに期待されるハードルが何十メートルも上がってしまった気がいたします。

でもでも、どうかこんなクオリティのロボアニメがこれからも製作されていきますように。

 

 

グレンダイザーも見たいなあ。