肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

映画「TAP(1989)」ニック・キャッスル監督

 

タップダンスムービー「TAP」にかんたんしました。

タップダンスに詳しくない人間でもめっちゃ面白かったです。

 

 

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↓トレーラー(英語、低画質)。1:19~のタップダンスをご覧ください。

www.youtube.com

 

 

 

グレゴリー・ハインズさん演じる「マックス・ワシントン」さんの更生物語です。

 

以下、あまり大事な内容ではありませんがネタバレを含みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

有名タップダンサーの息子であるマックスさん。

ただ、父親は伝説的ダンサーだったものの、生活は困窮していたようで妻にも愛想を尽かされ逃げられていました。

 

マックスさんも幼少時からタップダンスの才能を発揮しておりましたが、父親のような人生は御免だと、ギャングの仲間になってビル荒らしを手掛けてしまいます。

 

逮捕され、刑務所に3年間服役。

 

刑務所の懲罰房。

状況に押しつぶされそうになり、呼吸することすら困難になったマックスさんを救ったのは……身体の奥底から湧き出るタップのリズムでした。

 

牢屋の中で踊るマックスさん。

他の囚人もだんだんノッてきて刑務所中がソウルフルになりますよ。

 

(ここまでがOP)

 

 

出所後。

 

 

詳細は割愛しますが、マックスさんが

 

 ・タップダンスで生きる道

   -愛や仲間やソウルや一体感に恵まれているけど、収入面でリスキー

 

 

 ・ギャング団に復帰する道

   -収入はデカいけど、生命的にも司法的にも楽しさ的にもリスキーな道

 

の二択で迷いつつ、やがては正しい道を選んでいくストーリーになります。

 

本人も前者がいいとは分かっているんですけど、父親のトラウマや、強烈過ぎる自分の才能に振り回されてなかなか前者に着地できないんですよね。

 

 

 

と、あらすじは一応書きましたが、この映画で大事なのはストーリーに絡めて場面場面、10分に1回くらいのペースで挿入されるタップダンスであります。

 

このタップダンスがもうものごっつい眼福で、アルバムを聴くような感覚で映画を流し続けたくなるような代物なんですよ。

 

 

 

印象的なタップのシーンを紹介いたしますと。

 

 

昔仲間のお爺ちゃんたちと「チャレンジ(挑戦)」するシーン(18分~)。

(タップバトルみたいなノリです)

 

チャレーンジ!!!

チャレンジ?

チャレンジ!

チャレンジ!!

 

みたいな流れで始まるお爺ちゃんタップがキレッキレで驚かされます。

なんでもこのお爺ちゃんたちみんな往年のリアル名タップダンサーだそうで。

 

 

 

ニューヨークの雑踏をリズムにして皆で踊るシーン(46分~)。

 

タクシーが鉄板を踏み鳴らす音、

工事現場の音、

ストリートミュージシャンの音などなど……

 

ニューヨークの雑踏リズムを即興で取り込んで、自分たちのタップ音をフュージョンさせていく流れになります。

 

めっちゃ楽しそうです……!!

めっちゃ憧れます……!!!

 

フラッシュモブのルーツのひとつなのかもしれません。

 

 

 

ルイス少年(セイビアン・グローバーさん)のタップダンス(57分~)。

 

ヒロインの連れ子であるルイス少年が、母親の代わりに同年代の子どもたちにダンスを教えるシーン。

ルイスさんのダンスがハンパなくて、ダンスに興味なかった子どもたちも夢中になっていく流れが素直に染み入ります。

 

ドラマパートも全体的にルイスさんが要になっていた印象です。

やっぱり主人公は子どもの期待に応えてこそですよね。

 

 

 

ヒロイン「エイミー」さん(スザンヌ・ダグラスさん)とのダンス(1時間12分~)。

 

チークっぽいメロディの曲に乗って二人でタップを踏むシーン。

 

踊るほどに情愛が盛り上がっていくのが肌感覚で伝わってきます。

いいなあ、ダンスとリズムで織り上がっていくような恋愛。

 

 

 

悪党「ニッキー」さん(ジョーモートンさん)の口ずさむリズム(1時間33分~)。

 

タップのシーンではないのですが。

 

闇堕ちしかけているマックスさんの悪事を応援するニッキーさんが、

 

楽勝だろ さあ行け

いいぞ 登れ

ダッ グッ ダァッ ドゥッ ダカダカダカダカ……

 

といきなり口でリズムを刻み始めるのです。

 

ニッキーさんはマックスさん同様黒人ですが、黒人カルチャーを捨てて白人系ギャングの一員になっており、タップを普段はバカにしているキャラです。

 

それなのに……

 

めっちゃノリいいじゃねえか!

と楽しく突っ込めるシーンで私は好きです。

 

 

 

マックスさんによるクライマックスのダンス(1時間41分~)。

 

映画の集大成ともいうべき最高のダンスを披露いただけます。

 

ロック以後の音楽に負けないよう、タップシューズにピックアップ/シンセサイザーをつけてタップ音のボリュームとバリエーションを拡大し、ロックとタップをミックス。

新たな時代を確信できるようなパフォーマンスになっておりますよ。

 

1989年の作品ですけど、まったく古めかしさを感じません。

(私がタップダンスに詳しくないからかもしれませんが)

 

 

 

 

以上、ノリとソウルを大事にしたい日に最適な映画だと思います。

これはDVD買って手持ちしておきたいやつだなあ。

 

 

 

さいきんアメリカブラックカルチャーの空気感やリズムに興味が湧いていまして。

 

音楽や映画やダンスなどをいろいろ見てみようかなと思います。

 

この「TAP」に続き、知らなかった凄いものに出会えますように。