肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

大相撲'18春場所感想「鶴竜関お疲れさまでした」

 

18年度の春場所

一人横綱を務めた鶴竜関が満身創痍疲労困憊の中で薄氷を踏むような勝利を積み重ね優勝をもぎ取らはったことにかんたんしました。

 

www.sumo.or.jp

 

 

幕内で勝ち越した力士は次のとおりです。

 

13勝 鶴竜(優勝)

12勝 高安、魁聖(敢闘賞)

11勝 勢

10勝 栃ノ心(殊勲賞)、阿炎、大奄美豊山

9勝   豪栄道逸ノ城遠藤(技能賞)玉鷲、大栄翔、大翔丸千代翔馬

8勝   松鳳山、碧山、朝乃山、竜電

 

 

 

鶴竜関は悲壮感を見事に跳ね除けはりましたね。

序盤戦で休場しても不思議じゃないほどの状態だったはずなのに。

 

勝利の仕方もご本人が毎回苦笑いせざるを得ないような形ばかり。

相手のまわしも充分に握れないのによくぞ13勝も積み上げはったものです。

 

足の手術が功を奏したのか、立ち合いの出足が鋭かったのが大きかったのでしょうね。

しっかり当たれているからこそ、その後の引く展開でも辛うじて優位を保てた訳で。

加えて、鶴竜関ならではの技術の冴えが要所要所(特に逸ノ城戦)で光って……

 

それでも一人横綱のプレッシャー、しかも指をまともに使えない……という過酷な状況は想像を絶するものがあったのでしょう。

千秋楽の高安戦。

取り直し時に高安関の足の痛みが注目されていましたが、私はそれよりも鶴竜関の顔に疲れがありありと浮かんでいたことの方が心配でした。

ちょっと見たことのないくらいの疲労の濃さが伺えたのです。

高安関に敗れはしましたが、鶴竜関が更なる大けがを負うことなく十五日を終えたことに深く安堵いたしました……。

 

鶴竜関は人のよさ、賢明さ、地味さ、かわいさが愛されていますよね。

優勝しても「鶴竜時代」とか誰にも言われない奥ゆかしさが切なくも好き。

塩をまくとき、塩の量が他の力士よりも控えめなのもいいと思います。

 

 

 

高安関はまたも準優勝。

前回同様に序盤戦で優勝戦線から離れて、注目されなくなってから勝ちまくるという。

そのうち綱取りもあるんじゃないかなと思っているんですが、北の富士さんが仰るように来場所の成績次第ではもしかするともしかするんでしょうか。

綱取り基準については常に激論が交わされますが、私は上げれるならどんどん上げちゃっていいんじゃないかなと思っています。

 

 

 

魁聖関は敢闘賞おめでとうございます。

優勝争いを終盤まで引っ張ってくださった活躍は素晴らしかったですね。

勢関もご当地大阪で活躍しはって何よりです。

どちらも上位陣でそろそろ定着していただきたいものです。

 

 

 

栃ノ心関は10勝を確保し、来場所は大関取りの場所になりそうです。

白鵬関やもしかすると稀勢の里関も復帰するでしょうから、来場所は盛り上がりそう。

千秋楽の栃ノ心ー逸ノ城戦はたぎりましたねえ。

この二人のパワーファイトは本当に好きです。

北の富士さんが顔の向きが勝敗を分けたと仰ってたのがめっちゃ腑に落ちました。

 

逸ノ城関もますます上位安定してきました。

千代大龍関の当たりにビクともしなかったのがスゲェ。

栃ノ心関を除けば、逸ノ城関をパワーのみで攻略するのはもはや無理そうです。

やはり鶴竜関のような攻め方がキーになってくるのでしょう。

 

 

 

名勝負製造機こと遠藤関がついに三役に上がりそうです。

この方は実績がポテンシャルに見合うようになってきた上、上位陣といつも熱い勝負を見せてくださいますから、女性ファンだけでなくだんだん男性ファンも増えてきている気がいたします。

怪我することなく、三役に定着していただきたいなあ。

 

そして、大栄翔・大翔丸・大奄美という追手風部屋メンバーも近頃調子がいいですね。

部屋全体がいい雰囲気なんでしょうか。

私は元園芸部でひまわり好きという大栄翔関を密かに応援しています。

 

 

 

松鳳山関も今場所よかったです。

特に張り差しの立ち合いと速攻相撲が見ていて小気味よかった。

やっぱり相撲は色んなスタイルの力士がいてこそで、特定の取り口ばかりを求めたり否定したりは違うと思います。

 

竜電関も昨日の荒鷲戦、今日の朝乃山戦と二日続けてよい取組でしたね。

勝ち越しできてよございました。

 

 

 

負け越した力士の中では、千代丸関(6勝)と妙義龍関(6勝)。

 

千代丸関は結果として優勝争いの行方を決めたお方となりました。

まさか二大関を破るとは。

千代大龍関に続き、いよいよ上位陣からしても「怖い」存在になってきましたね。

これで千代の国関も更に地力がつけば、「上位陣殺しの九重部屋」という部屋みんなが玉鷲関みたいな存在になっていきそうです。

 

妙義龍関は胸を打つ取組が多かったです……。

こういう言い方したら本人やファンは不快かもしれませんが、傷ついたエリートが懸命に一番一番闘っている姿に目が釘付けになりました。

いつも以上に応援に身が入りました……。

千秋楽の相手が幕内復帰を目指す安美錦関というのがもうまたね審判部めこの野郎。

 

 

 

 

白鵬関や稀勢の里関がいない中、更には土俵外の無益な争いが騒がしい中でも、土俵の上では心に響く取組がたくさん見られた春場所でした。

 

しっかりと務めを果たしてくださった力士や親方や行司や呼出や関係者の皆さま、本当にありがとうございました。

 

来場所は取組が更に盛り上がって、どうでもいいニュースは盛り下がりますように。

 

 

 

 

定点観測:相撲界の毛利三兄弟

 

若隆元(幕下二十二)5勝2敗

若元春(幕下十二) 4勝3敗

若隆景(幕下筆頭) 4勝3敗

 

みんな着実に番付を上げていますね。

若隆景さん、来場所は関取かな……?