肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

愛媛県西予市/松山市の「山田屋まんじゅう」

 

愛媛県名物の山田屋まんじゅうがイカしていてかんたんしました。

 

山田屋150周年|山田屋まんじゅう

 

(写真はオフィシャルHPより引用)

f:id:trillion-3934p:20180327231451j:plain

f:id:trillion-3934p:20180327231501j:plain

 

梅鉢紋がステキですね。

 

 

前から気になっていたんですが、食べたのは初めてです。

後から調べたら、けっこうあちこちで買うことができるようで。

 

 

1個97円(税込)からというお手ごろ価格。

清冽な印象を与える白い包装紙。

包みをはがすとポロンと登場するちっちゃいまんじゅう。

 

 

この小さなお菓子に、透き通るような美しさがあるんですよ……。

淡い紫色の皮・こしあんは、まるで宝石のようです。

味の宝石箱や的な大げさ宝石じゃなくて、おばあちゃんの形見的存在の宝石です。

 

皮は極薄で、中のこしあんと一体化しております。

こしあんは味も舌触りもさらさらと儚く、名残惜しくてもう一個もう一個と食べてしまいたくなる代物なんですよ。

 

まこと貴重なものをご馳走になった、という思いを抱きました。

 

 

ちなみにお店のおすすめ通り、凍らして食べてもたいそう美味でしたよ。

冷凍しても硬くならなくて、しっとりしたまま冷たいんです。

実に不思議な体験だ。

 

 

 

創業150年、昔から多くの著名人に愛されていると聞いたことありますが。

まんじゅうについていた「ぜいたくな時間に出会う」(天野祐吉さん)というコラムの共感度が極めて高かったので一部抜粋します。

 

……あまりにおいしかったので、ぼくは三つ食べた。

そのまんじゅうは、ひとくちで食べてしまえるような小さな形をしていたが、その小さな形のなかには、家並みと同じようにたっぷり時間がつまっていて、口に入れてそっと噛むと、その時間がくちのなかいっぱいに、ゆったりひろがっていく。

(中略)

薄い皮につつまれた漉し餡のちょっと例を見ない洗練と品位のなかに、このまんじゅうを黙々とつくりつづけてきた人たちの時間が、ぎっしりつまっている感じがしたのだ。

 

 

まんじゅうのなかに時間がたっぷりつまっている。

 

いい言葉だなあとかんたんいたしました。

きらきらした宝石だって、大自然の時間がつくりだした美しさですもんね。

 

かような“時間の美”をおいしく味わい、自分のからだに入れ込むという喜び。

ありがたく思います。

 

 

 

多くの人々の称賛を集める訳だな、自分もたくさんの人々の共感の輪に入ったんだな、とストンと納得できるおまんじゅうでした。

 

愛媛県に行ったりデパ地下で見かけたりしたらおすすめですよ。

軽くて小さいスイーツ、という意味でもとても使い勝手がよいですし。

 

 

 

和菓子屋さんも経営が難しい(独特の勘が要る)ものだと伺いますが、この老舗の味が少なくとも向こう一世紀くらいは安泰に続いていきますように。