アクタージュ2巻をちゃんと発売日に買いに行ったのにどこにも売っていなくて何軒も本屋さんを巡ってやっと確保できたのでかんたんしました。
ヤングキングアワーズや週刊漫画ゴラクの漫画でもあるまいに、どうしてジャンプのコミックを買えただけでこんなに喜ばなくてはならないんだ(笑)。
表紙は主人公のライバル……
というか絶対王者的な女優であらせられる百城千世子さんです。
白を基調としたデザイン、ふわりとした髪質、瞳のニュアンス、演技に対する姿勢と、何から何まで主人公の夜凪景さんと対照的で、それでいて大変魅力的な女性だという。
この作品は次から次に引力の強いキャラが出てくるのが凄いと思います。
アクタージュ、ありがたいことに打ち切りを回避し、さいきんの本誌ではセンターカラーまでいただいてはりました。
じわじわ人気出てきたのかな、よかったなあと思っていたのですが、こんなけ単行本が刷られていないところを踏まえるとまだまだ危険水域なんでしょうか。
それとも、もしかしたらめっちゃ売れすぎて品切れだっただけ……?
あるいは品薄商法だったりして……?
(なんでもいいから右肩上がりに人気が出るといいなあ)
2巻では「デスアイランド編」……いわゆるバトル・ロワイアル的な青少年が殺し合う設定の漫画の実写映画化に夜凪景さんが参加しはる内容になっています。
百城千世子さんに会ってみたいがためにオーディションを受けて、なんやかんやで合格するも自身の演技上の大きな課題を自覚して、それを頑張って克服しながら支え合える仲間を得ながら百城千世子さんに近づいていく……という流れ。
詳細はネタバレいたしません。
単行本でまとめて読み直して抱いた感想としましては。
まずは何と言っても手塚監督(丸メガネサングラスの人)のしたたかさ。
本誌で1話1話見てても「喰わせものやなあ」と思ったもんですが、通して読んでみるとこの人夜凪景さんのことを「百城千世子さんの新たな魅力を引き出すための駒」として徹頭徹尾扱ってはるんですね。
まったくブレていない。
パーツパーツで見たら主人公を評価していたり導いていたりしているんですけど、それはあくまで主演女優を更に引き上げるための手段に過ぎない訳です。
漫画演出上はともすれば夜凪景さんと百城千世子さんの実力が肉薄しているように映るのですが、この辺りの手塚監督のスタンスが埋めがたい彼女たちの実力差・実績差をリアルに表現しているように思えて、漫画として重層的な印象を与えてくれる感じがしてええなあと感じ入りました。
逆に、監督としての対比と言いますか。
登場回数がぐっと減った黒山監督のおまけ漫画での魅力掘り下げがよございました。
コミックに収録されているおまけ漫画、ぜひ見てみてください。
めんどくさい映画愛と親バカが超いいですよ。
このアクタージュ、場面場面では夜凪景さんや百城千世子さんがまさしく主役なんですけど、通して読むと、流れをつくっている監督たちが裏の主役なのかもしれませんね。
構成、演出の意図は全容を見てみないと分かりにくいので、監督の意図を想像しながら読み進めると一層楽しい漫画なのかもしれません。
本誌であまり印象に残らなかったけど2巻を読んだときは印象に残った箇所としては。
「scene10.顔合わせ」の扉絵デザインのよさ。
本編と趣の異なる衣装を着ている夜凪景さんが素敵です。
「scene13.夜凪の俯瞰」で斬られた堂上竜吾さんの表情。
夜凪景さんのゲロに注目してしまいがちですが、いままさに絶命しようとしている堂上竜吾さんの演技がきれいでいいなあと思いました。
漫画的には主人公に意地悪なことを言う役回りですが、そういう人がちゃんといい仕事してるのが好感度高いのです。
ゲロがかかっても喜んだりせずに動揺しまくってる精神の健全さも素晴らしい。
(おまけ漫画より)
星アキラさんといい、スターズのメンバーはさすがの魅力実力ですね。
それに、何といっても夜凪景さんが友達を得ていく過程の描写。
これもまとめて読み直すと更によさが分かりますね。
なんというか人生やり直している感があるというか。
ドラゴンボール初期の孫悟空さんや連載初期のキン肉マンさんなんかの、世間からけっこうズレていた主人公が、仲間を得ていくなかで自身のスケールをどんどん大きくしていったような感、仲間も主人公の影響を受けてそれぞれが成長していくんだ感があるというか。
やーほんまジャンプ漫画のよさですわ。
あと、ジャンプGIGAに袋とじで掲載されていた漫画が収録されていたのも良心的だと思います。
(肉体の欲求に抗えず夜凪景さんの情動が露わになるというエキサイトな内容です)
表紙カバーをめくると出てくるボツ表紙カットも相変わらずキュートですし。
2巻もたいへん満足度が高かったです。
引続き連載が堅調に続いていきますように。
デスアイランド編の次が大事なんでしょうね。
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美少女系の漫画の話のあとにオッサン漫画の話をするのもアレなんですが。
同時期に発売されためしばな刑事タチバナの30巻もめっちゃ面白かったです。
いつも以上にプロットもセリフもキレッキレで。
めしばな刑事タチバナも、実は多分に映画的・芝居的な漫画だと思っています。
アクタージュが好きな人はめしばな刑事タチバナも好きなはずなんだ(暴論)。
微百合シーンもありますしね(強調)。
「アクタージュ 1巻感想……なぜにこの漫画をおすすめするのか」原作:マツキタツヤ先生 / 漫画:宇佐崎しろ先生(週刊少年ジャンプ) - 肝胆ブログ
「アクタージュ3巻 感想 百城千世子は偉大なり」原作:マツキタツヤ先生 / 漫画:宇佐崎しろ先生(ジャンプ) - 肝胆ブログ