山口県萩市は井上商店さんの「しそわかめ(青ラベルタイプ)」というソフトタイプのふりかけが地味ながら類を見ないようなおいしさでかんたんしました。
(画像はオフィシャルHPから引用)
パッケージに書いてはる通り、しそ・ごま・わかめで構成されるシンプルな内容のふりかけになります。
皆さまふりかけはお好きでしょうか。
私は大好きです。
ふりかけと一口に言っても種類はものすごく多様でパリパリタイプやのソフトタイプやの小魚系やのおかか系やの海苔系やの肉系やのゆかりやののりたまやの数えきれないくらいございますが、一般にふりかけといえば「ご飯がすすむ味の濃さ」が特徴の品が多いような印象がございますよね。
もちろんそれらはそれらでとても美味しいですし愛しているのですが、こちらの「しそわかめ」はそうした一般的なふりかけと一線を画しており、見かけの黒さからは想像もできないくらい「やさしい薄味」なんですよ。
しそ、わかめ、とくればしょっぱい系の味わいをイメージしてしまうのですが。
実際の味わいは、しその香り、わかめの風味、ごまのアシストを……やわらかい出汁のうまみがそっと支えている。
そんな調味になっているのです。
しそ・わかめの持ち味を活かしたソフト系のふりかけですから、食感も同じく柔らかい訳でして。
ごはんなどにふりかけて、もぐもぐしているとじわじわじわじわと風味うま味をプラスしてくださるのです。
この、ごはんの進みを力強く引っ張る訳でもなく、他のおかずに並び立つほど存在感がある訳でもなく、食事全体の幸福感をやんわり高めてくれる……ストイックなほど脇役に徹している……お仕事が素晴らしいなと思いました。
「このふりかけさえあればおかずはいらない!」ではなく、
「このふりかけがあればおかずがもっとおいしくなるよ!」という感じ。
しそもわかめもごまも身体にいい食材ですし、ありがたいことですね。
味わい以外で気になったことをひとつ。
ふりかけの裏面で、唐突に毛利元就さんの三本の矢の逸話が紹介されています。
この協力一致の精神を説くメッセージが、商品紹介のどこにも繋がっていない、特にオチがないのが面白かったです。
そうだね、萩だもんね、毛利家だよね……えっ、それで!?
という感じがいい。
能動的に解釈するなら、しそ、わかめ、ごまの三食材を毛利三兄弟に例えているんでしょうか。
その場合、どれが誰になるんだろう……。
食材は三つなのに商品名は「しそわかめ」と二つに絞られている感じが「毛利両川」感に繋がっている気がしないでもありません。
そうすると「ごま=毛利隆元さん」となって、なるほどお兄ちゃんはアシストが得意なんだねと思えてまいりました。
残るしそとわかめですが、これは「しそ=吉川元春さん」でしょうね。
寒中梅花で有名な元春さん ⇒ 梅 ⇒ 梅といえばしそ、という連想で。
しそとわかめなら、しその方が攻撃力高そうですし。
最後に「わかめ=小早川隆景さん」ですが、これもわかめの万能食材感、海産物からの毛利水軍感が隆景さんに仮託できそうな気がいたします。
おっ、なんかそれっぽいコジツケができてしまいました。
みなまで言わずとも、萩市民ならこれくらい連想できるだろうという心意気なのかもしれませんね(笑)。
脇の話が長くなりましたが、とても素敵なふりかけなので人気が更に高まるといいなあと素朴に思いました。
ほかのメーカーさんも含めて、こうしたじわじわ系の薄味ふりかけのレパートリーも増えていきますように。