肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

「新鋭女流花便り寄席」@お江戸上野広小路亭

 

東京は江戸風の寄席に生まれて初めて行ってみたら女性出演者限定の公演をやっていて、それがまた一つひとつとても面白くてかんたんしました。

 

「お江戸上野広小路亭」::日本有数の繁華街上野で落語・講談・古典芸能を楽しむ

 

 

↓行った日のプログラム(オフィシャルHPより引用)

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歴史好きなもので、伝統的創作コンテンツ「講談(講釈)」もけっこう好きです。

「島抜け」吉村昭さん(新潮文庫) - 肝胆ブログ

 

関西の寄席は何度か行ったことがありますが、本場お江戸の寄席は行ったことがなかったので前から行ってみたかったんですよね。

 

上野というアクセス良い土地で、3時間2000円で楽しめると思えばイイ娯楽。

あっという間に満席になっておりましたし、確かな人気に支えられているようです。

客層は大半が後期高齢者でしたが、意外と若い人もちらほらいらっしゃいましたよ。

 

 

講談というのは、歴史上の有名人の逸話(真偽が怪しいのはご愛敬)を独特のリズムで面白おかしく語っていただくタイプの話芸です。

正確な定義は存じませんが、落語が笑い重視で講談が説明重視という感じでしょうか。

小説・映画・テレビ・ゲームの普及前、庶民は講談を通して昔の人物の活躍に触れていたのでありましょう。

 

 

本日のプログラム。

 

まず、一龍斎貞奈さん(美人)が話してくれたのが「木村又造 鎧の着逃げ」という元六角家牢人ものだったのにかんたんしました。

最近六角義賢さんの顔グラに萌えていた私にとってタイムリー。謎の縁を感じます。

前座の持ち時間は15分しかないので、いいところで「続きはまた今度」となるのがいかにも講談的、現代で言えば週刊少年漫画のヒキ的でさっそく楽しい。

 

続いて神田こなぎさんの水戸光圀公もの、神田真紅さんの赤塚不二夫先生もの(こういう最近の偉人を講談化しているのも楽しい)と着実に会場の熱が上がっていき。

 

一旦講談を離れ、スージィーさんの見事な腹話術芸に笑わされて会場の空気がリフレッシュ。

 

一龍斎貞寿さんの清水次郎長伝成立の物語と相成って公演前半が盛り上がりのピークに達します。

この清水次郎長伝の講談、筋という点では私一番のお気に入りでした。

明治時代の講談師「京伝」さんと「三代目神田伯山」さんのエピソードなんですが、実にいい人情ものでね、ツボに入って感動してしまいましたよ。

聞けてよかったです。

 

 

10分の休憩を挟んだ後。

 

後半、まずは鳳舞衣子さんの浪曲「八重と藤吉郎」。

木下藤吉郎豊臣秀吉)さんが八重さん(たぶんねねさんのこと)を前田犬千代(利家)さんと取り合う筋で、浪曲の伸び伸びした声・調子と相まって心地よかったです。

実際、鳳舞衣子さんは人気のある出演者のようで、場内のあちこちから「待ってました」の声が上がっておりました。

 

その次の紙切り芸は代役の三遊亭絵馬さんでした。

パンダ、猪、力士、宝船、観客の似顔絵等、次々と見事なハサミさばきで魅せてくださり、非常に満足度が高い演目でしたよ。

腹話術や紙切りは素人や子どもにも凄さが分かりやすくてありがたいですね。

 

最後に神田阿久鯉さんの忠臣蔵もの「赤垣源蔵 徳利の別れ」。

年末に忠臣蔵ものを聞けたのは思わぬ僥倖でした。

何より、神田阿久鯉さんの名演に圧倒され、感動してしまいました。

さすがトリを飾る人は素晴らしい実力の持ち主なんだなあと。これが話芸なんだなあと。腑に落ちること落ちること、あらためて2000円でこの3時間、幸福だったなあと。

 

 

以上、初めてのお江戸の寄席での講談体験、超楽しかったという話でした。

また機会を見つけて再訪したいものです。

 

講談という素敵な文化がこれからも続いていきますように。

ちょっと習ってみたい気持ちになった。