201Xで開催されていた長篠異聞のストーリーが素晴らしいもので、控えめに言っても201Xでこれまで開催されてきたイベントの中でも随一じゃないかというくらいにかんたんしました。
↓長篠異聞(後編)のリリース
終わってから語るなという話ですが、ネタバレ多めのためご容赦ください。
攻略に役立つ情報はありません。
こちらの長篠異聞(後編)は、武田家視点での長篠の戦いを描くものになっています。
例によって幽魔が大量発生していますが、織田・徳川連合軍とも対峙している状況にありますので、武田家としては織田・徳川相手に進むか退くかという判断を迫られているのであります。
そんな武田家に現れた意外な人物……
なんと史実版の勝頼さんが登場したのであります。
しっかりと長篠の戦いやその後の武田氏滅亡の記憶を引き継いだままに……。
ていうか、ベースは201X世界ですので
今川義元さんもお元気ですし、義信事件も発生しませんしということで、武田義信さんが元気に新当主をやってはるという。
(でも徳川家康さんは独立して織田信長さんと同盟を結んではるという。
あるいは義元さんは討死するも義信事件だけ回避した世界なんでしょうか)
長篠の戦いに至る前提条件がもうなんか滅茶苦茶な気がしますが、それはそれとして、この長篠異聞のストーリーはめっちゃ面白いのですよ。
本家信長の野望のような史実再現/解釈型ではなくて、if創作型、この人物がこういう状況に置かれたら、確かにこういう行動を取りそう……という意味で。
史実と創作とメタのフュージョン!に酔い痴れられるのです。
勝頼さん再評価の風潮を勝頼さんに語るまつりさん。
「後から見つかった、同時代での評価の方が高かったみたいですよ」と一次史料研究の大切さを教えてくださるまつりさんもいいですし、「好きに言わせておけばよい」と自分から後世の評を聞いておいて泰然と流そうとする勝頼さんもイイですね。
発言力の大きい武田親族衆の描写も。
代替わり後の武田家統制の難しさを充分に理解しつつ、名臣たちの死亡フラグをへし折っていく勝頼さんが輝いています。
幽魔の向こうには、鉄砲大量装備&強固な陣城構えの織田・徳川軍がいらしゃいます。
幽魔追い散らしがてらに織田・徳川と戦うか、戦うならどうすべきか、どういう状況なら退くべきか、という難しい判断を武田軍は迫られている訳ですね。
そんな中、意外な人物も生存していて笑いました。
義信事件回避の影響がこんなところにも笑。
史実を知る勝頼さんの武田氏滅亡回避の努力が胸を打ちます。
今川家が健在なので、海もございません。
(武田家臣として岡部元信さんが目立つチャンスはなさそうです)
その後、なんやかんやで武田氏は織田・徳川と戦わずに兵を退きますが、織田信長さんと武田勝頼さんの巡り合いがまたいいんですよね。
まさに武田勝頼さんの同時代の評価を集約したような会話がいいのです。
書籍「武田氏滅亡」のヒット等もあり、武田勝頼さんの再評価、というかシンパシー?が高まっている昨今にあって、この長篠異聞(後編)ほど素晴らしい創作コンテンツはそうそうないと思いますよ。
さすがコーエー社。
歴史ゲーム老舗の本気。
大志PKで言行録追加がほとんどなかったのは、この201Xにカロリーを注ぎ込んでいたからに違いない笑。
更に更に。
いちばん痺れたのは、EX:信濃路周回後のオマケストーリー。
武田義信さんと武田勝頼さんの会話の中、義信さんが語る父武田信玄評。
会話の内容は伏せますが、武田氏ファンは絶対一読した方がいい内容です。
201Xをやっている友達を探すか、201Xを始めて復刻要望を送りまくるかした方がいいと思います。
コーエー社の、信長の野望シリーズの来し方を踏まえれば、ここで義信さんが語る内容は物凄く勇気の要る武田信玄像だと思うのです。
それこそ松永久秀忠臣説の採用以上に。
なるほどな、と。
武田信玄さんのこういう一面を踏まえて、201Xのこういう世界観を踏まえれば、確かにそういう風になるのかもな……と首肯してしまったんですけどね私は。
こんな奥深い考察を、201Xの、期間限定イベントの、中級者以上しか見れないようなオマケストーリーでシレッと語ってしまっているのが実にもったいない。
要は、201Xユーザーがもっと増えて、語らう人がもっと増えますように。
ちゃんと詳しい人が詳しく考察しているような場が増えたらいいなあと思いました。
信長の野望・大志「武田勝頼と武田家(1577年高城川)」&「長篠の戦い・御館の乱(運命の選択)」 - 肝胆ブログ