鎌倉の満福寺さんにお参りしたところ、源義経さんの生涯を描いた素晴らしい鎌倉彫の襖絵を拝見することができてかんたんしました。
↑オフィシャルHPのムービーが超きれいで驚きますよ。
満福寺さんは鎌倉の腰越にあります。
腰越といえば源義経さんの「腰越状」で有名ですが、その腰越状をしたためたのがこの満福寺さんだよと伝わっているのだそうです。
かんたんに言えば義経さんが頼朝さんに「お兄ちゃん許して」と書いた手紙ですね。
そういう経緯があり、この満福寺さんは源義経さん推しなのです。
個人的には、開山が行基さんというのも熱いなと思います。
そして、200円でお寺の中を拝観させていただけるのですが、これが200円とは思えないほど見どころが多くて実にイイのですよ。
オフィシャルHPトップのムービーでも出て来ますが、家紋細工の天井とかね。
とりわけ、源義経さんの生涯を描いた鎌倉彫襖絵の風情が素晴らしいの。
西国での対木曽義仲さん対平家一同の晴れやかな場面よりも、腰越状に代表される源義経さんの落日の場面中心にセレクトされていてですね。
落ちゆく義経さん、矢を浴び絶命する弁慶さん、そして漂う静御前さん。
この静御前さんの悲哀の表現がめちゃくちゃいいんすよ。
義経さんを想って舞う場面の襖絵とかね、思わず「ほあぁ」と動けなくなってしまうくらいに。
静御前さんの物語にあらためて接してみると、非常に胸が打たれるものがありますね。
伊達に800年以上かけて練り上がった物語じゃないな、と再発見したような気分に。
平家物語など、治承・寿永の乱の物語では魅力的なヒロインが多数登場しまして、ファンも「巴御前派」「静御前派」「建礼門院派」など推しが分かれることに定評がありますよね。
さいきんのビジネスシーンの風潮を踏まえれば、巴御前さんなんかは人気がいっそう高まりそうな気がいたしますし。
モーニングで連載されていたかわぐちかいじ先生の「ジパング 深蒼海流」のような強靭かつ業が深いスタイルの二位尼さんも素敵ですし。
そうした強さや自立性には欠けるものの、静御前さんや建礼門院さんのような、世の移ろいに翻弄された女性の、あわれ、追想、流転、の儚い味わいもいいよなあと。
しみじみ感じてしまいました。
おすすめですよ、満福寺。
春の終わりから初夏にかけて、緑が鮮やかな時分の鎌倉はいいですね。
龍口寺
御霊神社近く
長谷寺のもみじ
なかなか鎌倉にはしょっちゅう行けませんが、この鎌倉のよき風情が今後も保持されていきますように。
平家物語でも太平記でも戦国時代でも多くの人物がこの地で命を散らしていますが、いまは静かに眠ってはるといいですね。