大相撲初場所が大河ドラマ「麒麟がくる」に負けず劣らず従来秩序が崩壊して混沌とした戦国時代を迎えていてかんたんしました。
私、なんだかんだで白鵬関(と鶴竜関)のこと好きなんですけど、これはもういよいよ時代の変化を認めて受け入れ新たな楽しみを見出していく時が来たんですねと得心した気持ちです。。
そして高安関の大関復帰失敗。
もう本当に千秋楽当日の北の富士さんコラムの通り、
白鵬が休場すると、誰が優勝するかわからない。皆にチャンスがある。幕尻と大関が戦って、看板の大関が負けた。横綱を目指す力士が平幕に敗れる。いったい番付って何だ! ということになりはしまいか。私には人が言うほど新旧交代が進んでいるとは思えない。去年も初めて優勝した力士が何人もいたが、白鵬不在の場所が多い。しっかりした、実力通りの横綱、大関がいて、それを倒し優勝を争うのが大相撲の本来の姿ではなかろうか。
室町時代の家格秩序ならぬ「番付秩序」の崩壊といっても過言ではないように思えます。
ただ、延々と繰り返される白鵬関批判のネットニュース&コメントにもいい加減倦んできていたこともあり、こうしたいまの状況下、相撲の面白さが削がれてきたなあと思っていたら。
まさかの徳勝龍関優勝というリアル下剋上を目撃することになってしまい、従来の大相撲の面白さとはまた違う、戦国時代的エンターテインメントの時代が到来したような潮目変化感にワクワクしちゃいましたね。
あらためて、今場所の幕内勝ち越し者は次のとおりです。
14勝 徳勝龍(優勝・殊勲賞・敢闘賞)
13勝 正代(敢闘賞)
10勝 朝乃山、竜電、輝
9勝 遠藤(殊勲賞)、阿武咲、栃煌山
8勝 隠岐の海、炎鵬、勢、照強
皆様おめでとうございます!!
徳勝龍関、正代関の今場所のよさはもはやコメントすることもありませんね。
終盤戦を両者が実力で引っ張ってくれて、観客としてはただただ満足・感謝するばかりであります。
彼らと、今場所の監督に捧げる勝利を見ていると、相撲ファンはもういつまでも「大学出」に偏見を持たなくてもいいんじゃないかなあ、とあらためて思いましたがどうでしょう。
貴景勝関はただ一人、若き大関として踏ん張ってくださいました。
朝乃山関が上がってくるまでは、しばらく孤独な責任感を負うことになりそうです。
朝乃山関は辛うじて10勝、ここから星を積み重ねてほしいところですね。
北勝富士関、豊山関、輝関の仕上がりのよさも今場所は目を引かれました。
彼らも、いつビッグな栄誉を得ても不思議でない段階にまで来ている気がします。
遠藤関もいよいよポテンシャルを開花させてきておられます。
序盤戦の連続殊勲星は主人公感アリアリでしたね。
ここに、惜しくも負け越しましたが、大栄翔関や御嶽海関もいますから。
(大栄翔関、負け越したけど内容はどれもよかったので心配していません!)
まさしく大相撲戦国時代。
今場所はまさに大和の松永久秀的なジャイアント成り上がりが見られましたが、来場所以降の覇者もまったく予想が出来ません。
いずれ朝乃山関は大関になると思いますが、いずれにせよ朝青龍関・白鵬関による長い長い蒙古幕府(言葉矛盾)は崩壊しかかっていると言わざるを得ないでしょうし、朝青龍関・白鵬関に続く大横綱候補もまたいまだ見つかっていないと考えざるを得ません。
そう、「誰も勝者を予想できない」という、実は相撲ファンがもう十年以上も経験していない、新たな楽しさが目の前に現れつつあるのです。
ちなみに。
朝乃山関は富山だから神保氏……
貴景勝関は名前から上杉氏……
これは、現代大相撲を舞台に上杉VS神保の再戦が執り行われることになってしまうのでしょうか。
とりあえず黄昏の白鵬関や鶴竜関、凋落しつつもまだまだ長く活躍を見たい豪栄道関や栃ノ心関、しっかり幕内に残ってくれそうな琴奨菊関なども引続き応援しつつ。
朝乃山関や大栄翔関、更には隆の勝関や幕内復帰目前の照ノ富士関等々、個人的に響く若い世代も応援してこの混沌の時代を楽しんでいこうと思います。
※'20/1/27夕刻追記
あああ豪栄道関……
お疲れさまでございました涙
※'20/3/22追記
私が間違っていました。
しばらくは相撲ファンも勝手が違って混乱が続くと思いますが、多様化した楽しみ方も丸ごと呑み込んで大相撲が引続き隆盛でありますように。
バキ道の相撲篇もなんとかまともな内容に着地しますように。
定点観測
若隆景(十両五枚目) 9勝6敗
若元春(幕下筆頭) 6勝1敗
若隆元(幕下十七枚目)4勝3敗