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「アクタージュ10巻 感想 夜凪景、圧巻の主人公力≒ラスボス力」原作:マツキタツヤ先生 / 漫画:宇佐崎しろ先生(ジャンプ)

 

アクタージュ10巻、いよいよ夜凪景さん主演の舞台「羅刹女:サイド甲」が開演。

様々語りたいことはあるのですが、何よりも夜凪景さんの類を見ない張り詰めた存在感にかんたんしました。

 

www.shonenjump.com

 

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表紙は天知心一さん。

怪しくて妖しい。

隠されたお口はいったいどんな表情していることやら。

 

扉絵について言えば、「scene86.必死」の、夜凪景さんと百城千世子さんが相互にメイクしているイラストが素晴らしいですね。

 

 

以下、ある程度のネタバレを含みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サイド甲の開演にあたり、山野上花子さんがとんでもない爆弾を夜凪景さんにギフトしてしまいました。

「私はあなたのお父さんとお付き合いしていました」

「あなたのお母さんのお葬式の夜も私は彼といました」

 

 

花子さん、不倫とか似合いそうだな笑 と思ってたら……

まさか本当に不倫ネタをブチ込んでくるとは……

ここ、週刊少年ジャンプですよ……

 

 

この時点の、ドロドロに歪んだ花子さんのグルグル瞳が、美しい石川賢といった風情に狂気を孕んでいて堪らないのですが。

 

 

 

 

ここからの夜凪景さんが圧巻でしたね。

 

最期まで父を愛していた、心優しき母を思い浮かべ。

思わず花子さんを、出血させるほど本気でブッ叩きつつも……

 

 

ライバル百城千世子さんの横顔がよぎり。

 

大切なのは一つだけ

この“怒り”を羅刹女に使うこと

飲まれるな

利用しろ

私は役者だ

 

と。

まさしく主人公なりと賛辞すべき意志の力を発揮するに至ります。

 

 

そうして誕生した夜凪景さんの羅刹女は……

ジャンプ史上でも類を見ないほどの迫力を備えたラスボスでしてね。

 

 

主人公力を発揮した結果、できあがったのがとんでもないラスボスという因業。

カムパネルラのときも思いましたが、これ、実写化ムリですわ。

 

 

詳述はしませんが、「scene83.大切なのは」「scene84.ヒーロー」での夜凪景羅刹女は、数多ある漫画のラスボス登場シーンの中でも稀有な迫力、緊迫、恐怖、そして美しさに満ちていると思うのです。

 

私もたいがい漫画読んでいる方だと思うんですけど、類似する登場シーンがちょっと思い浮かびません。

キャラの方向性は違いますが、インパクトだけで比べても、3部DIO登場シーンや始祖編シルバーマン登場シーンに勝るとも劣らないですよ。

まこと、キャラの登場シーンや入場シーンは漫画の華でございます。

 

夜凪景羅刹女に怯える幼女客(有島あゆみさん6歳)の反応・感受性、夜凪景さんと日ごろ親しき友人・仲間たちが青ざめる様子もまた、素晴らしいですね。

読者と同じ反応を登場人物たちが示してくれる、この一体感ライブ感よ。

 

 

 

読者としてのライブ感で言えば、ここからの活躍MVPは王賀美陸さんであります。

 

百城千世子さんとの甲乙対決に加え、山野上花子さんの何してくれてんのレベルなセルフ炎上無差別テロが混ざり、「アクタージュという作品」「舞台羅刹女編」の方向性が極めて視界不良になったと思わせておいて。

 

細かくは伏せますが、毎話毎話の王賀美さんの活躍描写とピンチ描写に、読者の気持ちも毎話毎話「終わった」「スゲェ!」を繰り返すことになり、展開の先行きが見通せなくても過程を抜群に楽しむことができるというね。

 

これはいい舞台。

ドキドキできりゃあなんしかいいゲイジュツですよね。

 

結果として山野上花子さんの人間性評価が暴落する一方、王賀美陸さんの実力評価人間性評価がストップ高につぐストップ高であります。

これはスター。いまなら王権神授説も信じられるよ。

 

私はそれでも山野上花子さん、好きですけどね。

お酒ぐびぐびしてたらなおかわいいし。

人間性? いんだよ細けぇことは。

 

 

王賀美陸さん、いずれどこかで愛してくれる作品に出会えるといいですね。

 

あと、10巻ラストの変化の術を解くシーン、スモーク焚いて一瞬で牛魔王衣装から孫悟空衣装に引抜していますけど、これは実写で見てみたいな。

 

 

 

と、夜凪景さんの圧倒的存在感、そして王賀美陸さんによる毎々の盛り上がりと、瞠目せざるを得ない仕上がりになっている10巻でしたね。

10巻にして主人公がラスボス化しているというのもスゴいことです。

漫画としての勢いを感じる。

 

 

先行きはまったく不明瞭なままではありますけど、さんざんに読者の気持ちを弄んでくれたうえで、最終的には目の覚めるような鮮やかな結末に至りますように。

 

 

 

なお、単行本特典で羅刹女パンフをもらったんですけど、サラッとサイド乙のメンバーの名前が明らかになっていますね。

 

メガネデブの人は山寺英司さんで、お笑い芸人出身のマルチタレント。

ヒゲ短髪の人は渡戸剣さんで、天球以前に巌裕次郎さんに鍛え上げられた舞台俳優。

 

サイド乙は、巌裕次郎つながりの役者が二人もいる設定だったのか。

明神阿良也さんとの絡みを楽しみにせざるを得ない。

 

そして明神阿良也さんのパンフコメントが完全にアウトな代物で、予備知識なしに客が読むと「百城千世子ワキガ説」とか出かねないような内容なのが酷い。

スタッフはチェックしていないのかこの野郎レベルでウケますから、一見の価値ありますよ。

 

 

 

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