異色作と名高いウィザードリィ#4をプレイしてみたところ、思いのほか肌にあって楽しくて何周も周回するほどかんたんしてしまいました。
昭和の作品なのに、「1作目のラスボスが主人公」「従来の敵モンスターを仲間に」「モンスターの組み合わせで攻略難易度が変わるぞ」という要素は今日の様々なゲームに通じるものを感じますね。早すぎたのか。
ニューエイジオブリルガミンのアレンジ版は周回要素が入っていたり、クラシック版よりもユーザーに親切になっていたりと、大変プレイしやすかったです。
これはいいアレンジではないでしょうか。
※クラシック版の感想はこちら。
「ウィザードリィ#4 ワードナの逆襲 クラシック版の感想」PSニューエイジオブリルガミン - 肝胆ブログ
まずはタイトル画面。
暗いので見にくいかもしれませんが、画像左下がワードナさん、悪魔が仲間モンスターだと思われます。
モンスターの巨大さを実感できる、いいイラストだと思いますね。
以下、ネタバレを含みますのでご留意ください。
あらためてゲームの設定を。
舞台はいつものリルガミン。
時系列としては#1→#2→#3→#5→#4っぽいです。
主人公はウィザードリィ#1のラスボスにして悪の魔術師「ワードナ」さん。
封印が解けて復活した、ダンジョンの奥底から魔物を引き連れ地上を目指すぞ、という流れになります。
復活のワードナさん。
ちょっと壁にぶつかっただけでイライラする性格です。
女性に対してはそっけないクール男子だったりもします。
ゲームプレイの流れとしましては、
各フロアに存在する魔法陣に入るとワードナさんのレベルが上がるぞ、
魔法陣では仲間モンスターを召喚することができるぞ、
ダンジョンは異常に意地悪な構造になっていてお使いクエストも多くて敵(冒険者)は異常に強くてトレボー(#1の王様)の亡霊も追いかけてくるけどがんばってね!、
という感じになります。
自力でのダンジョン踏破や謎解きはそうとう難しいので、他のシリーズ作品以上に、攻略本や攻略サイトに頼っても恥ずかしくないと思いますよ。
たとえばB3階~B1階は「コズミックキューブ」という超難度ダンジョンになっているのですけど、がんばって出口まで踏破したとしても、特定アイテムを持っていないと地上には出れない、それどころかB4階以前に戻ることもできない、という完全ハマリ状態になったりしますからね。
具体的には、B3階に行くには多くの謎を解いた上で手に入るアイテム「オックおばさんの聖なる手榴弾」を用意する必要があるのです。
ワードナさんのティルトウェイト(核爆発呪文)でも壊れないダンジョンの壁を破壊することができます。
なお、呪われているので、ピンを抜いた後に「クレンジングオイル」というアイテムで呪いを洗い流して装備から外してその場に捨てる必要があります。
当初のワードナさんや召喚可能モンスターはとても弱く、頻繁に冒険者に退治されてコンティニューしまくることになります。
完全にリセットゲーです。
ただ、しっかりとプレイヤー自身の経験値を積み、
最強装備「はげのカツラ」を装備し、
聖遺物をつかってトレボーさんの亡霊を鎮められる頃には、
コズミックキューブすら恐ろしいものではなくなって参ります。
経験値稼ぎの必要はないゲームですので、実は慣れればサクサク攻略できる面もあったりするのですよ。
なお、倒した冒険者の死骸を漁っていると
こういう三種の神器的なアイテムもたくさん手に入りますが、魔術師のワードナさんやモンスターは装備できないのでコレクターズアイテム以上の意味はございません。
(カシナートの剣だけは別の、本来の使い道があったりもしますが)
これに限らず、攻略上ナンセンスな要素の多い、遊び心に溢れた作品という面もあったりします。
それはそれとして、
初めて地上に到達したときの開放感・爽快感たるや!
3Dマップとして描かれたリルガミンの街をプレイヤーとして闊歩できるというのは、ウィザードリィ好きにはなかなか感慨深いものがございます。
しかも、訓練場、ギルガメッシュの酒場、冒険者の宿、カント寺院といった、おなじみの施設に立ち寄ることができたりしますからね。
ボルタック商店なんて長年のボッタクリ商売が祟ったのか、倒産しとります。
少し驚いたのが、リルガミンを治める政治家連中が意外と強いこと。
面倒なことはすべて冒険者任せというダメな政治形態をイメージしていたのですが、どちらかというと腕っぷしが強くないとおちおち貴族もやってられないハードボイルドな世界観だったようです。
ちゃんと公爵方の職業がロードになっているのがいいですね。
初期ウィザードリィの象徴的な存在、最強忍者もラストに立ち塞がります。
こちらを無視してお寿司を注文するホークウインド卿。
エルフ忍者という設定に粋を感じます。
#1でワードナさんの首をはねたのは彼らしいですよ。(何歳なんだ?)
最強忍者なので、普通の攻撃は一切当たりません。
唯一の弱点はアキレス腱的な感じになっています。
ゲームの最後はマルチエンディングになっておりまして、人類に復讐するもよし、人類の上に君臨するもよし、新たな神となるもよし、結婚するもよし、という感じです。
エンディングの数が多いので、周回する楽しさがありますね。
全部見たところ、私が一番好きなのは結婚エンドです。
さて、後はこのゲームのいちばん楽しいところ。
素敵なモンスター連中のご紹介を。
のっけからネタバレしてくれている最初期の仲間。
レベルの低いニンジャとはこういうものらしいです。
懐かしい存在にも出会えます。
仲間モンスターを選ぶときは、「麻痺・石化・ドレイン」持ち、「呪文(範囲攻撃・回復)」持ち、という観点で選ぶのがコツです。
で、こういう頼りない面々に守られながら、後半のレベルの高い魔法陣に辿りつくと。
今度はこちらの戦力が過剰な強さになっていきますよ。
悪魔の王デーモンロードさん。ため口をきいても決して怒ってはいけない。
養殖でお馴染みグレーターデモンさん。
かつての賓客ヴァンパイアロードさん。イケメン。
#1のレア敵マイルフィックさん。
謎の怪物フラックさん。
ビジュアルでも貢献してくれるサッキュバスさん。
更に。
ゲームをクリアし、周回し始めると……。
#5までのイベントモンスターや裏ボスまでも仲間に加わり始めるんですね。
こうなると戦闘は楽々になりますので、さくさく周回できるゲームに早変わり。
(ワードナさんの実力は変わらないので、たまにあっさり殺されますが)
侍や忍者たちの王、魔人マサカドさん。とても強い。
悪魔の中の悪魔、アークデビルさん。
同じく天使の中の天使、アークエンジェルさん。
#5からゲスト出演する女性陣。
同じく#5から登場する徳の高い実力者。
同じく#5のビッグマックスさん。あんたこんなに強かったのか。
参考:#5のビッグマックスさん。ヘッヘッヘ。
挙句には、伝説のダイヤモンドの騎士の装備やの、神々そのものやの、ラスボスやのまでが降臨なさる始末です。
こうやって紹介すると、とても取っつき易く、楽しいゲームのように見えますね。
さあ皆でウィザードリィ4の世界に飛び込もう!
リルガミンの街が今日も平和でありますように。
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