肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

亀屋陸奥「松風 大人になってから食べると超うまい一向一揆の兵糧」

 

ものすごく久しぶりに亀屋陸奥さんのお菓子「松風」を食べてみたところ、ものすごく美味しくて何コレこんなにうまかったっけ!? と3切れ連続で食べてしまうほどかんたんしました。

 

kameyamutsu.jp

 

f:id:trillion-3934p:20201030234542j:plain

 

(画像はオフィシャルHPから引用)

 

 

 

松風は、小麦粉、砂糖、麦芽糖、白みそを練り込み、少し発酵させてから焼いて、仕上げにケシの実を振りかけたお菓子です。

短冊形に切り分けられた焼き菓子ということで、見た目は和菓子というより古典的なケーキ類に近いような気もしますね。

 

 

若い頃は麦芽糖系の味にあまり興味がなかったので、食べた時も「うん。……うん。」みたいな反応しかできなかった記憶がありますけれども。

あれからかなりの年月が経ち、味覚の幅が広がったのか単に年寄り趣味になっただけなのか、久しぶりに食べてみると「うっま。うっま。……え? うわ、うっま!」と語彙力が乏しくなるくらいハマってしまいまして。

しみじみした甘味、複雑玄妙なクセのある香り、もへもへした絶妙な食感、快い余韻と、非常に大人向けの魅力がございます。

 

万人受けはしないと思いますが、ハマる人はハマるし、なかなか似たような食べものも思い当たらない感じで、非常にキャラが立っている。

 

 

亀屋陸奥さんは山科の蓮如さん時代から本願寺に仕えていて、その後、石山合戦時代に松風のルーツとなる食べものを兵糧として考案。

顕如さんにも愛好され、彼の「わすれては 波の音かとおもふなり まくらに近き 庭の松風」の歌から銘をとって「松風」と呼ばれるようになったそうです。

 

織田信長さんに苦戦して、毛利家とかからの兵糧補給も減ってきて、あ゛ーーやべーーってなっているときにこんなうまいもの(のプロトタイプ)を口にしたら、士気はうなぎのぼりだったでしょうし、生き残った方々は「また食べたい、何度でも食べたい」とDNAに刻まれたことでありましょう。

 

とりあえず信長の野望とかの歴史コンテンツでHGJや雑賀衆が好きな方は食べてみるといいんじゃないでしょうか。

 

 

さいきん畿内史の本を読んでいて「塩瀬饅頭」を食べたくなったのと同様。

「室町幕府分裂と畿内近国の胎動 感想」天野忠幸さん(吉川弘文館 列島の戦国史④) - 肝胆ブログ

 

戦国時代当時から食べられているお菓子が現代でも大人気というのは、どえらいことだなあと敬意を払わずにはいられませんね。

 

こうした料理や食材、まだまだ知らないものが多いと思いますので、これから先も意外な出会いや喜びに巡り合うことができますように。