映画「相撲道」がたいそう面白くてかんたんしました。
これは相撲ファンは観るべきだし、相撲に興味のある方や海外の方にも胸を張って見せられそうだし、何より後進の力士方のモチベーションアップに繋がりそうですね。
後半は高田川部屋・竜電関(19年夏場所)に密着ルポルタージュする映画です。
ネタバレ……という概念が相応しいかは分かりませんが、以下、内容の紹介を含みますのでご留意ください。
大まかな流れとしては、
- 満員御礼の国技館の映像
- 境川部屋の稽古風景
- 豪栄道関や妙義龍関や佐田の海関等へのインタビュー
- 境川部屋に監督が焼肉をご馳走!
- 19年初場所の豪栄道関
- 高田川部屋の稽古風景
- 竜電関や輝関や高田川親方(元安芸乃島)へのインタビュー
- 高田川部屋のちゃんこ!
- 19年夏夏場所の竜電関
- 竜電関の結婚式
といった感じです。
その中で、
- 相撲部屋の激しい稽古風景
- 力士がバチコォーンとぶつかり合う迫力
- 稽古や土俵づくりの中で描かれる土・砂のリアリティ
- 妙義龍関の筋肉美
- 30人強で80万円分の焼肉を食い尽くす力士の胃袋
- 豪栄道関の「やせ我慢」
- 竜電関の四股
- 高田川親方の有能プレイングマネージャー感
- めっちゃうまそうな高田川部屋のちゃんこ
- 両部屋ともに若手力士たちがかわいい
- 竜電関夫婦が実に幸せそうで何より
などなどを堪能できまして、相撲を知っている人もよく知らない人も楽しめることうけあいです。
映画館で観たところ、あちこちのシーンで観客方が息を呑んだりケラケラ笑ったりしていて、一体感も楽しめましたね。
映像の美しさ、編集のテンポ、三味線等のBGMも非常に上品質で、特にダレることもなく、時間を忘れて見入ることができました。
個人的に、映像の中で特に印象に残ったのは妙義龍関の身体のキレッキレっぷりと、相撲部屋の稽古シーンです。
ともに下半身の映像がよく撮れていて、力士方が足の指で砂をかむようにしている、パネェ筋肉と柔軟性で巨体を支えている、のがよく伝わってくるんですよ。
TVの相撲中継とはまた違う迫力や実感がありますので、ぜひ一度ご覧になっていただきたいものです。
あわせて感慨深いのが、映画を通じて相撲の変わらない部分と、変わってしまった部分の両方が描かれていたこと。
映画では「サムライを継ぐ」と表現されていた力士の強さ偉大さ精神性といった面は、これまでもこれからも不変の相撲の魅力だと思いますので、「そうそう」とおおいに同意できて嬉しいんです。
一方、「豪栄道関」「満員御礼の国技館」等、映画撮影から1年半後の現在ではもう見られない映像は「失ったものの大きさ」を実感でき過ぎて胸に来ました。
映画冒頭の栃煌山関へのエールや、元気そうに歩いている豊ノ島関で泣きそうになりましたし……。
コロナ下にあって一人マス席の快適さをおおいに評価しつつも、ギュウギュウ詰めで騒がしい国技館の場景、久しぶりに見るとこんなにこんな気持ちになるんだ、と驚いてしまいました。
この辺、思い入れのあるファンは鑑賞時に注意くださいませ。
相撲好きにとっては素晴らしい映画ですし、アピール力も高いと思いますので、翻訳されて海外配信されたりしてグローバルに相撲ファンを増やすきっかけになっていただけますように。
この映画で描かれた豪栄道関や竜電関のような魅力的な力士が、これからも続々と登場し活躍してくださいますように。
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当時、ちゃんと豪栄道関と竜電関を褒めていた自分を褒めてやりたい。