外伝版のミニ作品が先行リリースされていたフリーのアクションRPGゲーム「アストリブラ」本編がいつの間にかリリースされていて、プレイしてみたら大変な傑作でまさに製作者さんの生きた証的な情熱を感じてかんたんしまして、本編を2週、ついでにmini外伝版ももう1週してしまいました。
↓製作者さんのHP。
↓ダウンロードできるHP。投げ銭もできますよ。
以下、少しネタバレを含みつつ内容を紹介していきますのでご留意ください。
OP画面。
ロード画面。
難易度は「適正」で1週、「地獄」でもう1週プレイしました。
難易度は途中で変更できません。
2Dアクションゲーム初心者やサクッと攻略したい方は難易度を下げるといいのですが、難易度を下げるほどやり込み要素を収集しにくくなりますので、アイテムやスキルの取り逃しが気になる方は「適正」以上でプレイすることをおすすめしますよ。
主人公は超イケメンという設定です。
そしてヒロインは超美少女という設定です。
物語をものすごくざっくり説明すると、行き別れたヒロインを探し求めて主人公が大変な苦労をするという流れです。
全9章の物語を通じて主人公が辿った旅路それ自体が主人公の「生きた証」的美しさがあって素敵なんですよ。
幼少時からブレることのない主人公の意志の強さが大好きです。
主人公の相棒を務めるのは烏っぽい生き物のカロンさん。
主人公と強い絆で結ばれています。
俗っぽい一面もございますが、いつも主人公の幸せを願っている親のような親友のような人格の存在でして、全登場生物の中で私はカロンさんが一番好きだな。
カロンさんの存在を前提にした技やスキルが多いので、カロンさん不在の局面ではシナリオだけでなくアクションゲームとしても苦労することになるのが上手くできていると思います。
そして、物語の核となるのが神器である「天秤」。
使用することで、なんと歴史を改変することができます。
都合の悪いできごとをなかったことにできてしまうというハチャメチャな神器の存在が、さまざまな重厚ドラマを招いていくのですよ。
勘のいい方はピンとくるかもしれませんが、過去を変えたくなるような悲惨なストーリー展開があるということでもあります。
私はインディーズ特有のグロ表現や少年少女がつらい目に遭う展開……が好きではないので、この点は当作品を万人におすすめすることを躊躇してしまうポイントです。
まあ、最終的にはハッピーになりますし、「天秤」の重みを表現するためにもキツい絵面が必要なのは理解できるんですけどね。
将来、ジェンダーレスやエイジレスの感覚が更に変わっていくのかもしれませんが、2021年現時点では成人男性のモヒカンがあべししても受け止められるけど、女性や子どもやお年寄りの肉体が露骨に傷つくような表現は受け止めにくい……のが本音であります。
ただ、そんな生理的に苦手な展開も含め、この作品の主人公が挫けずに前に進んでいく姿は本当にイケメンで美しいので、一部グロい展開があるからと言ってこの作品を避けるのもまたもったいない……と思ってしまうのも本心なんですよね。
ちなみに、エロさや性癖を感じるシーンもあります。ふんだんにあります。
そうとう露骨な画像もあるので、気になる方はプレイしてみてくださいまし。
インディーズ特有のいかがわしい表現、まったくけしからんですね。
それにしてもこのゲーム、景色がいい。
画像では分かりませんが、BGMやSEも超いいんですよね。
操作性の良さや爽快感の高さと相まって、心地よくて仕方ない。
さまざまなフリー素材のお力を借りているようですが、製作者さんの構成力レベルそのものがめちゃくちゃ高いと思います。
mini外伝の時点でめちゃくちゃハイレベルやなあと唸っていたのに、本編だと更に数段クオリティが高くて本当に驚きました。
各章のあいだに流れるメインムービーも素敵なんですよ。
ムービーでは、「藤崎わと」さんという方の「Memoria“君の赴くままに”」という歌が流れます。
私はボーカロイド曲や「歌ってみた」カルチャーに疎いのでしっかりした評価はできませんけど、とても素敵な歌声と歌詞やなと思いました。
ゲームではこの歌詞に沿った演出が随所に見られますので、製作者さんの強い思い入れを感じます。
製作者さんの強い思い入れという点では、アクションやシューティング等、名作ゲームへのリスペクトを感じるのも好き。
単なるパロディというより「製作者さんが好きなものを入れずにはおれなかった」感があっていいんですよね。
こういう属人的な情熱こそ、インディーズゲームの一番の魅力だと思います。
攻略的なチップスに少しだけ触れますと。
おすすめの憑依技は「聖」属性と「風」属性です。
当て方にコツが要りますが「闇」属性も強力ですね。
「聖」属性の最強技「斑鳩」。
憑依技は「GROW」メニューから習得していきます。
GROWに必要なフォースは敵を倒したり食事をしたりで得ることができますが、各属性のフォースを交換できたりもします。意外とこの機能、見落としがちなんですよね。
おすすめのKARON(スキル)は色々ありますが、生存能力を格段に高めてくれるエナジードレイン、使っていて楽しいタタミリフレクトあたりは特におすすめです。
奥義は、個人的には「エアブレイド」「バックステップ」「カウンターバッシュ」以外は封印してしまって暴発を防ぐ方がいいんじゃないかな……と思っています。
特に「エアサーフ」は暴発してピンチになることが多かったです。
初期技の「シールドバッシュ」もタタミリフレクト入力ミス時に暴発するので封印してしまいたいくらいですが、仕様上封印できないんですよね。
「エアブレイド」はアクションとして楽しいし威力もかなりあるので好き。
あと、終盤のクエストで全ての武器・防具を集める展開があるのですが。
前作主人公のような存在のお爺ちゃん。
なんでもできそうなのになんにも手伝ってくれないのは何か理由があるのだろうか。
全防具のうち、私が最後まで見過ごしていたのは「石像の盾」でした。
一度吹雪で立ち往生すると入手できるようになるようです。ご参考まで。
あとは、mini外伝プレイ済みの方にとって嬉しい要素も。
あらためてmini外伝を地獄でクリアしてみたのですけど、このパン屋の娘さん、何者なんでしょう……。
本編主人公のイケメンより、明らかにフィジカルもマジカルも強いような……。
箒一本で魔物の大軍を止めてしまうし、ポリンさんがいなくても各種スキルを発動できるし、唱える魔法は神々と同等以上のレベルだし、ステータスの伸びもすごいし、デカい武器持ってても盾を装備できるし、強さの理由は「素質」としか説明されていないし……。
リヒターさんに対するマリアさんのような感じなんでしょうかね。
それにしても本編終盤、アレキサンドライトを手に入れていったい何をしようとしているんだろう?
あんがい別の神々と別の物語でも進めているのかもしれませんね。
アクションRPGとしての完成度、ゲームから伝わる熱量、いずれをとっても凄い作品だと思います。
近い将来、製品版としてグレードアップしたバージョンも発売されるそうで。
より万人に愛される作品に仕上がって、製作者さんの努力や情熱がまっとうに報われますように。
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