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かんたんにかんたんします。

信長の野望・新生「三好家・畿内イベント感想2/2 三好家崩壊・松永久秀の最期」

 

信長の野望・新生の三好家・畿内界隈イベントの充実っぷりにかんたんした続きです。

 

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未プレイの方はご留意くださいませ。

 

 

 

信貴山城の天守

 

信貴山城の改修について。

おおきくは大志と同じながら、木沢長政さんの先例に習ってという文脈が出てくるあたり、木沢長政さんの知名度・存在感が増してきている感じがしていいですね。

 

ゲームには出てこない多聞山城、あるいは最近発掘調査が進んでいる飯盛山城等、三好家の権勢を「見せつける」という視点が注目されてきているのも時代が変わったものです。昔は信長さん以前の畿内城郭ってこんなに注目されていなかったよなあ。

 

 

 

鬼十河の最期

 

流れは大志と同じながら、かなり文脈が変わっています。

十河一存殿が亡くなりました!」

「マジで!?」

「犯人は久秀様って噂です!」

「マジで!?」

 

「実休殿・冬康殿にもし似たようことが起きれば……」というあたり、「実休・冬康も死ねばいいのに」と言っていた大志とはだいぶ違いますね。

新生の久秀さんは、梟雄と忠臣のハイブリッドではなく、「梟雄の才能もあるけどほぼ100%忠臣、ただし家中の人望はない」という感じ。

 

 

 

暗闘

 

こちらも大志からだいぶ文脈が変わりましたね。

  • 三好家の表の顔は長慶さん、裏の代表取締役は実休さん
  • わしほど三好家に忠節を貫いている者はおらぬ
  • いっそのこと本当の奸臣にでも…なってみるか?(いまは奸臣ではない)
  • 実力者は安宅冬康と松永久秀の二人しかいない(三好長逸「」)

 

いわゆる松永久秀さんの誤解されがち属性含め、面白い描写になっています。

 

 

 

三好義興の死

 

こちらは大志とほぼ同じ。

長慶様だーい好き宣言、初見の方にはインパクトが強いのではないでしょうか。

 

 

 

観音寺騒動

 

三好家崩壊の終局前に挟まれる、六角家の観音寺騒動。

これもこんなにしっかり描かれるのはすごいことだと思いますよ。

六角家、武将能力という点では三好家以上の低評価に甘んじていますが(除く定頼さん)、シナリオライターさんの中では着実に評価が高まっているのが感じ取れます。

 

個人的に感動したのが、のちの備中高松城水攻め時のこのセリフ。

 

これ!

まさか六角承禎(義賢)さんの水攻め伝説が拾われるとは。

羽柴秀吉さんや黒田官兵衛さんの会話に畿内戦国史ネタを挟んでくる蛮勇、私はおおいに賞賛をお贈りしたい。

 

 

 

日本の副王

 

「日本の副王」。

じっさいに宣教師さんが長慶さんのことをそのように呼んだ記録はなさそうで(足利義輝さんや和田惟政さんは副王と呼ばれていますが)、たぶん司馬遼太郎さんの「街道をゆく」における「歴世の三好氏のなかでも、スターは、全盛のころ日本の副王とよばれた長慶入道である」が元ネタになって定着したものじゃないかと思います。ちなみに長慶さんは出家していないので、「長慶入道」という表現も正確ではないのですが。

 

とはいえ、戦国武将の異名なんてものは大半が後世につくられたやつなので、ゲームや漫画での異名として扱われるくらいなら別にいいんじゃないかなとも思います。さすがに研究論文とか真面目な歴史記事とかに書いてあったらマジかってなりますが。

「日本の副王」という呼び方、確かに長慶さんのイメージに合うは合うんですよね。

その辺はさすが司馬遼太郎さんというか、「街道をゆく」もじっさい紀行エッセイとしてはとても面白いので印象に残っちゃいますよね。

 

こちらの新生版イベントでは

  • 義継さんにまったく期待してなさそうな長慶さん
  • 三好家を乗っ取る選択肢すら出てこない久秀さん
  • 殿あっての久秀
  • 長慶様はわしが唯一忠節を捧げるに足るお方
  • 亡くなって早々回想シーンに登場する長慶さん

 

等に見応えがあり、ひたすら久秀さんの切なさが強調されています。

 

 

 

永禄の変

 

さいきんのトレンド、「永禄の変に反対していたけど世間からは主犯だと思われている久秀さん」をストレートに投げ込んできてくださいましたね。

細川藤孝さんの切り替えの早さも好き。

 

 

なお、永禄の変、仮想イベントで久秀さんが義輝さんを救う驚きの展開もあります。

 

さすがに久秀さんが三好家に愛想を尽かすの早すぎる感じもしますね笑

永禄の変ルートを通らないと久秀さんと三好三人衆の亀裂が決定的なものにはならない気もしますが、この辺りは色んな人の色んな解釈・if展開を食べてみたいところです。

 

 

 

三好家分裂

 

長慶さん死後の三好家分裂を分かりやすくダイジェスト化してくださっていますが、一番の見どころは「長慶さんの回想、2回目!」だと思います。久秀さんがなんか迷うたびに殿の幻影がもわもわ出てきてくれるやつになってるやん。

「信長さんの器量、長慶様と一緒くらいだったりしないかなあ」というもの言いも、長慶さんの代わりを探し求めている感じがビンビンで切ない。

新生の久秀さんはことあるごとに長慶様を連呼するというか、自分語りと見せかけて殿語りをすぐし始めるのが重たかわいいですね。すぐにタツノリさんの話を始めるネメシスさんみたい。

 

あと、久秀さんの顔グラと長逸さんの顔グラが対称的になっていたり、三好家の面々は腕組みしている人が多過ぎ(長慶さんリスペクト?)だったりするのも勢力としての三好家の個性付けになっていて良いものだと思います。

長逸さんは能力値も久秀さんと匹敵する様になっていただきたいものだ。

 

 

 

三好康長改名

 

こちらは以前感想を書いた通りです。

 

信長の野望・新生「1582年夢幻の如く 信長生存仮想イベント後の攻略 三好咲岩(康長)無双」 - 肝胆ブログ

 

 

 

本願寺蜂起

 

シレッと差し挟まれる山科本願寺の炎上エピソード。

往年の法華一揆や六角家の勢威が偲ばれますね。

「どうにも危うい」という理由で蜂起される信長さんも気の毒と言えば気の毒ですが、じっさいに本願寺が蜂起した理由、信長さんにムカついたのか、義昭さんにムカついたのか、三好家の調略によるものなのか、本当のところを聞いてみたいものであります。

 

 

 

平蜘蛛の釜

 

「信長は亡き長慶様の器はない」

「長慶様を超える畿内の覇者」

久秀さんさあ……!

長慶さんなら上杉謙信さんも余裕でしたよみたいな神格化が久秀さんの中で進んでいるのがえらいことです。

この局面の久秀さん、コンテンツによってはご自身の老いを実感したりすることも多い訳ですけれども、新生久秀さんは老いて感情にブレーキ効かなくなって長慶愛が漏れに漏れまくっている感じなのがもうなんかすごいわ。

 

 

 

松永久秀の最期

 

大志同様、今わの際に長慶愛を呟いてお亡くなりになる久秀さん。

信長さんの言うとおり、まこと面白い男であります。

 

久秀さん的には「長慶様がいれば上杉謙信にも織田信長にも負けないもん、長慶様は無敵なんだから!」ということで……

新生久秀さんは奸臣になったり三好家を担ったりする能力ポテンシャルが充分にありながらも、どこまでいっても「殿あっての久秀」から一歩も動いていない撞着っぷりが本当に魅力的だと思います。

 

 

 

 

 

以上、冷静にイベントをまとめて振り返ってみると、大志よりもはるかに天丼された久秀さんの長慶様愛に圧倒されてしまいますね。

だんだん三好長慶ファンが世の中で増えてきているとは思うのですが、そうした一般ファンを蹴散らす勢いで久秀さんが作品内で愛を叫んでいる構図が面白すぎる。

長慶さんのことを好きになるなら、トップファンの水準はこれくらいですよとガイドしてくれているような感じ。なんなんだこの沼。

 

 

信長の野望の三好家や三好主従がどこに向かっているのか分からなさ過ぎて楽しい。

他の地域の戦国時代ファンにドン引きされないようバランス感には配慮いただきつつ、これから先も信長の野望で三好家周辺の存在感が増していきますように。