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小説「陰陽師 瀧夜叉姫 上下 感想 信長の野望20XX平安編の元ネタはこれか?」夢枕獏さん(文春文庫)

 

小説「陰陽師」シリーズの長編作品「瀧夜叉姫」を読んでみましたところ、信長の野望20XXの平安編で登場する主要人物が大勢出てきて話もすごく面白くて、この作品へのリスペクトオマージュ心があったのかもしれないなあとかんたんしました。

 

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妊婦殺し、会話する瘡……平安の都に起きる怪事。それらは都を滅ぼす陰謀へと繋がって行く——。晴明と博雅はどう立ち向かう?

 

 

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晴明と博雅は俵藤太とともに、平将門の死の謎を追ううち、将門の遺灰を盗み出した者がいたことを突き止める。事件の裏に見え隠れする将門との浅からぬ因縁。誰が、将門を復活させようとしているのか? そして、その背後に蠢(うごめ)く邪悪な男の正体とは? ラストまで息をつかせぬ展開と壮大なスケールで読ませる人気シリーズ長篇。

 

20年前の「平将門の乱」「藤原純友の乱」から続く因縁が京の都を襲う……!

という。

 

必要以上にネタバレするのもあれなのでストーリーの詳細は上記あらすじレベルにとどめておきますが、この巻はたくさんの登場人物がそれぞれの個性をフル発揮した活躍をなされますので見どころたくさんですよ。

 

ちなみに、信長の野望20XXの登場人物では次の方々が登場します。

 

 

少し主要人物について紹介しますと。

 

安倍晴明源博雅

シリアスな事件が立て続けに起こるのでこの二人きりで話す場面はいつもより少ないのですけど、下巻の冒頭でめっちゃくちゃいちゃいちゃするのでお楽しみに。

 

 

蘆屋道満

シリーズが続くほどに格が上がっていくお方。

今回は「我が心すでに空なり、空なるが故に無」的な場面が超格好よございました。

 

「もともと、誰かにたぶらかされておるのが人よ。何かにたぶらかされずには、生きてゆけぬのが人じゃ」

「将門よ、舞え。狂え。たぶらかされて踊るがよい」

 

 

俵藤太

当巻の実質主役。

陰陽師シリーズとしては珍しい、物理バトルをたくさん見せてくれるのが好き。

 

「おれと、あの男とは、妙に通ずるものがあったよ……」

「気にいっていたのさ、あの漢のことはな……」

 

 

平将門

「瀧夜叉姫」が登場することからも察せられる通り、超暴力的な一面と、超情け深い面のギャップ萌えが激しい漢です。

正直、いままで読んだ平将門モノのなかで一番好きだな。

 

「たのしいなあ、藤太」

「おもしろいな、将門」

 

 

藤原純友

一般的にコンテンツキャラとしては平将門さんの方が立ちがちですが、この作品内では歴史上の平将門さんの乱がはじめは一族内の私闘から発展していったことに対して、藤原純友さんの乱ははじめからファ●ク朝廷で始まった、という解釈づけがされているのがいいですね。

 

 

瀧夜叉姫

ヒロイン力が高い……!

架空の人物としての彼女について、もっと怖くて近寄りがたい人物像をイメージしていましたけど、この作品の彼女のことは「庇護せねば……」という気持ちになります。

夢枕獏さんの描く女性ヒロインって好きだな。

 

 

 

 

陰陽師シリーズに少し触れたことがある方には、ぜひ読んでもらいたい快作娯楽小説だと思いますね。

おすすめです。

 

 

20XX平安編、個人的にはけっこう好きなのでそのうち再開しますように。

 

 

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