休館しているホキ美術館の画集が発売されていたので購入してみたところかんたんするような美麗な風景画が満載でした。
↑ 絵です。
以前も別の画集を取り上げたことがありますが、写実絵画と呼ばれるジャンルに興味を持っています。
「息をのむ写実絵画の世界 美しい女性像」編:近衛ロンドさん(日東書院) - 肝胆ブログ
千葉県のホキ美術館はそうした写実絵画を収集している美術館でして、一度時間をつくってGoToしてみたいと思っていたのですが、去年の水害によりそもそも現在休館中とのことです。
'20年8月から再開予定とのことですので、またの機会に訪れてみたいものですね。
こちらの画集に収められている画家は次のとおりです。
【掲載画家】(50音順)
青木敏郎/安彦文平/石黒賢一郎/岩下慎吾/岩本行雄/大畑稔浩
小尾修/後藤勇治/五味文彦/塩谷亮/島村信之/曽根茂/野田弘志
羽田裕/原雅幸/廣戸絵美/藤原秀一/松田一聡/森本草介/芳川誠
上記の芸術新聞社HPにて、10枚ほどのサンプルプレビューを見ることができますので是非ご覧くださいませ。
約120ページの中に多くの作品が収められている中、私が気に入った作品を備忘に書いておきます。(ページ順、敬称略)
- 森本草介《ロットの川面》
- 原雅幸《薄氷の日》
- 原雅幸《光る海》
- 大畑稔浩《瀬戸内海風景―川尻港》
- 大畑稔浩《仰光―霞ヶ浦》
- 小尾修《雨上がり》
- 原雅幸《クリストファーロビンの聲》
- 五味文彦《木霊の囁き》
- 石黒賢一郎《SHAFT TOWER(赤平)》
- 大畑稔浩《祖谷 かずら橋》
- 廣戸絵美《階段》
どうやら私は原雅幸さんの絵と大畑稔浩さんの絵が好みのようですね。
とりわけ原雅幸さんの「薄氷の日」と、大畑稔浩さんの「瀬戸内海風景―川尻港」がいいなと思います。
いずれも透き通るような青白さが心地よくて満たされました。
備忘兼参考に、各作家名でのグーグル画像検索リンクも貼っておくことにします。
(一部ヌード注意)
写実絵画での風景画って、不思議な魅力がありますね。
「写真と何が違うんだろう」「わざわざ絵で描く理由はなんなんだろう」と、写真とのアプローチの違いが脳裏をよぎったりもするのですけれども、実際に画集を眺めていると、写真とはまた違う美しさが表現されていることを否応なく理解できてしまいます。
もしかしたら、現実を写し撮った写真よりも、写実絵画の方が実際の人間の認知寄りなリアルさ・親近感があるのかもしれないなあと思ったり。
記録媒体が充実している現代にあっては、写実的な絵画はそんな一種哲学的な面白さをも孕みつつ、風景そのものが持つ神秘的な美しさが染み入ってくるという、重層的な魅力に満ちているような気がしますね。
こうした画集がポピュラーに評価されて、作家やホキ美術館の収入へと適切に繋がり、天災を乗り越えてサステイナブルに興隆していきますように。