肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

「三好一族――戦国最初の「天下人」 感想 マストバイ」天野忠幸さん(中公新書)

 

とうとう三好一族を題材とした新書が発売されてかんたんしました。

しかも凄まじいクオリティを携えて……!

 

www.chuko.co.jp

 

f:id:trillion-3934p:20211023224457j:plain

 

 

阿波の守護細川氏に仕え、主家に従い畿内に進出した三好氏。

全盛期の当主長慶は有能な弟たちや重臣松永久秀と覇業に邁進し、主家を凌ぐ勢力となる。

やがて足利将軍家の権威に拠らない政権を樹立し、最初の「天下人」と目された。

政権が短命で終わった後も、織田信長の子や羽柴秀吉の甥を養子に迎えるなど名門の存在感は保たれ、その血脈は江戸時代になっても旗本として存続する。

信長に先駆けて天下に号令した一族の軌跡。

 

 

 

著者は三好家研究の第一人者とも言われる天野忠幸さんです。

無人の荒野だった三好家研究が、遂にここまで来たのだと思うと感慨深いものがありますね……。

 

推しの歴史人物に何が起こると一番嬉しいか。

論文、専門書籍、ドラマ、小説、マンガ、ゲーム……人によって好みはあろうかと思いますが、個人的には新書の発売が一番嬉しいです。

現代にあって、研究成果をまっすぐ広く伝えるという意味では新書がいちばんバランスがいいと思うんですよね。

論文や専門書籍はどうしても手に取る人が限られますので、手に取りやすい新書を元ネタにファンが増えたり、質のよい各種創作も捗ったりするといいなあと願います。

 

 

しかも、当著「三好一族」は、

  • 戦国時代の流れとその中で三好一族が果たした役割を分かりやすく解説する構成の妙であったり、
  • 一般的な戦国時代ファンに取っつきやすいよう、各地方のメジャー人物との関連性に目が行き届いていたり、
  • 天野忠幸さんのこれまでの研究成果に加えて、木下昌規さん、馬部隆弘さん、村井祐樹さん、山田康弘さん等々、近年盛り上がっている畿内戦国史研究のエッセンスも意欲的に取り入れられていたりと、

クオリティとしても素晴らしいものであっただけになお嬉しく思います。

 

 

推し人物の魅力を広める良質な新書が発売された。

めっちゃ幸せです。

 

 

そういう訳でこのブログ記事を読むよりも実物マストバイをおすすめしたいのですが、せっかくなので内容や読みどころをかんたんに紹介しておきます。

 

 

目次

はじめに

第一章 四国からの飛躍

     ――三好之長と細川一族

   1 阿波守護細川家と室町幕府

   2 細川政元の権勢と死

   3 細川家の分裂

第二章 「堺公方」の柱石

     ――三好元長足利義維

   1 将軍家の分裂

   2 細川晴元・氏之兄弟

   3 堺公方と晴元の対立

第三章 静謐を担う

     ――三好長慶足利義輝

   1 阿波から摂津への移転

   2 細川晴元への下剋上

   3 足利将軍家を擁立しない政権へ

第四章 将軍権威との闘い

     ――三好長慶・義興と足利義輝

   1 将軍権威の相対化

   2 義輝との「冷戦」

   3 長慶の周辺

第五章 栄光と挫折

     ――三好義継・長治と足利義昭

   1 三好本宗家の分裂

   2 阿波三好家の足利義栄擁立

   3 織田信長との戦い

   4 三好本宗家の名跡争い

第六章 名族への道

     ――三好康長・義堅と織田信長羽柴秀吉

   1 信長と義昭の抗争

   2 秀吉の統一戦争

   3 三好一族と江戸幕府

終 章 先駆者としての三好一族

主要参考文献

三好氏関連略年表 

 

全部で約200ページです。

この一冊で、戦国時代の主な流れを通観しながら三好一族の活躍を描けているのがまずすごいですね。 

 

 

目次通り、

  • 応仁の乱明応の政変以降、足利将軍家や細川家や畠山家が分裂して世の中が大変なことになりました。
    三好之長さんも世の中を大変なことにしながら名を上げました。

  • 三好之長さん死後、孫の三好元長さんが足利家・細川家の内乱に決着をつけかけましたが、最後に内輪もめで粛清されてしまいました。

  • 三好元長さん死後、息子の三好長慶さんが足利家・細川家・畠山家・三好家の内乱すべてを(だいたい)解決し、畿内に静謐を取り戻すとともに、足利将軍に代わって京を支配したり全国の裁判に介入したり明の外交官に応対したり改元したり天皇即位をアシストしたりして、足利将軍家の権威を相対化しました。

  • 三好長慶さん死後、三好義継さんたち三好家の後継者たちは長慶さんほど上手く三好家中・畿内四国諸勢力をまとめることができず、徐々に衰退していきます。
    しかしながら世間のイメージとは違って、三好家関係者はものすごく長いあいだ織田信長さんや毛利家等を苦しめていたし、三英傑時代にわたって三好家のブランドは強く残っていたんですよ。

  • 織田信長さんや羽柴秀吉さんによってつくりだされた新たな時代も、三好一族が先駆者として果たした役割があってこそじゃないすかね。

 

という流れを追っていけますので楽しんで読み進めてくださいまし。

 

 

 

戦国時代ファン的に注目してもらいたいところ

三好家ってずっとマイナーな存在でしたので、戦国時代ファンであっても三好一族のことはよく知らないという方が大半だと思います。

 

この本を通じて三好一族への関心が高まればたいへん幸いですが、それとは別に。

先述の通り、この本では戦国時代全体の流れの中で三好一族の果たした役割を幅広に書いてくれていますので、結果として「各地域の出来事と中央政界の関係」という感じで、各地域の戦国時代への理解がより立体的になるという効能があります。

 

三好一族という補助線を引けば、戦国時代をより理解しやすくなる。

 

そういう点でも当著を推していきたいですね。

 

 

詳述はしませんが、例えばよく知られる

 

等々も、三好一族の影響という視点から見ていくとまた違った面白みが出てきて楽しいんですよ。

 

 

 

三好家ファン的に注目してもらいたいところ

ものすごい量の情報がアップデートされていますので、「自分、けっこう三好家詳しいっすけど?」という方ほど当著を読んでいただくのがおすすめであります。

 

ちょっと各人物の見どころを書くだけでも……

 

  • 三好之長さん
    そもそも本当に小笠原氏の末裔なのか、三好家嫡流の末裔なのか、何もかも真偽が明らかでないとのこと。
    特技は「京都近郊で一揆を蜂起させること」。完全に悪のカリスマです。

  • 細川氏之さん
    細川持隆さんとして知られていますが、「持隆」は一次史料には見られない、どうやら「氏之」が正確ではないかとのこと。
    つまり、三好之虎(実休)さんの「之」はそういうことなんでしょうね。
    あと、細川晴元さんの「弟」説が採用されています。

  • 足利義維さん
    足利義澄さんの「長男」(義晴さんの兄)と明言されていますね。

  • 柳本賢治さん、六角定頼さん、足利義晴さん、木沢長政さん、細川氏綱さん等
    評価が↑↑。畿内戦国史各研究者の評価がしっかり採用されています。
    採用のされ方を見るに、天野忠幸さんは一次史料等で根拠がしっかりしている論説についてはご自身の当初見解と違っていても受け入れるお人柄のようでご立派ですね。

  • 三好宗三さん
    評価が↑↑。武将、数寄者、現実的な判断力、最後まで細川晴元さんを支えた姿等々。嬉しい。

  • 三好長慶さん
    元長さん存命の頃から仕事していたり、猿楽能好きな面が新たに着目されていたり、明使節との応対など幅広い活躍っぷりが従来以上に補強されたり。
    一次史料からは死因は不明としか言えないので、メンタル説はいい加減慎むべきとも書かれています。
    なお、当著では長慶さんの死後、後継者たちが家中や地域の利害関係を上手くまとめられずに散っていった姿がビビッドに描かれますので、結果として「こいつらまとめていた長慶さんってやっぱパネェ~」感が増しているのがいいですね。

  • 野口冬長さん
    やはり一次史料では存在を確認できないそうです。

  • 遊佐長教さん
    三好長慶の兄貴分」というキャラ付けが!
    「三好一族」で「兄貴分」とくるとなんとなくVシネマ感が出てきていいですね。実写化したら白竜さんあたりが演じることになりそうです。

  • 谷宗養さん(連歌師
    三好長慶の弟分」というキャラ付けが!
    「三好一族」で「弟分」とくると略。連歌って現代だとMCバトルが近いと思いますので、実写化したら呂布カルマさんあたりに出演を依頼する感じでしょうか。

  • 松永久秀さん
    柳生文書収録の石成友通さんとの文通、従来は三好義興さん危篤時のものと認識していたが、実は長慶さん危篤時のものではないかとのこと。

    長慶は重篤であり、久秀は釈尊や八幡も生を享けた者は死ぬべき定めと言うが残念なことだ、気も心も消え入りそうだ、取り乱しては無念と思う、と長慶への心情を吐露する。~(注略)~久秀は、もしかしたら、めでたく長生きしてくれるのではないか、そのように言うのも祈祷だと、一縷の希望を友通に述べている。この約十日後に、長慶は世を去った。

    こんなん泣くわ。
    ますます奸臣説が薄らぎ、忠臣説が勢いを増していきそうですね。

  • 正親町天皇
    三好長慶さんに好意的であった姿がまざまざと。
    むしろ、朝廷は現実の実力者である三好家を受け入れていたけど、地方の武家はなかなか「足利将軍家あってこそ」という従来の価値観から離れられないよね……という風に描かれています。
    朝廷は意外と進取的、というのは大事な視点なように感じます。

  • 三好三人衆

    長逸は長慶以来の被官を率い、宗渭は長慶に敵対した経験を持つ旧晴元被官をまとめ、友通は畿内出身の新参の被官を久秀に代わって代表する立場であった。

    この鋭い三好三人衆論が新書に収められたことに感動しました。
    三人衆の中でも、三好長逸さん人生最後の輝きはまことに尊いので必読です。
    さいきん私の中では、長逸さんは実直な武人・実務家として人生を歩んだ果て、寿命が尽きる直前に三好長慶さんの域に到達しかけた、かつての大三好家を復活させかけた人として、ロマンの塊のように思えてきています。

  • 篠原長房さん
    超実力者。
    ただ惜しいかな足利義栄さん推し過ぎて、足利将軍家要らないんじゃね派の三好義継さんや三好長逸さんと方針が合わないという悲劇。
    本当に長慶さんや実休さんはどうやってこの大三好家をまとめてたんだろう。

  • 小少将さん
    江戸時代に創作された逸話として、存在ごとあらためて否定されています。

  • 三好康長さん
    三好元長さんの弟」ではなく三好元長さん期に活躍(柳本甚次郎さん殺害→三好元長さん死因)した三好一秀さんの子孫であろう、長慶さんたち四兄弟よりも若いであろうとのこと。薄々そうじゃないかと思われていたことが明言された感じですね。
    三好長慶さんの創作をする上で、一人くらい最後まで登場できる高齢者がいると話を膨らませやすいんですがこれからは難しくなりそうです。元長…長慶…義興…義継…長治…義堅…三好家の男は代だい短命の伝統…(除く之長さん)。

 

こうやってつらつら書いているだけでも楽しい。

いい新書だぁ。

 

あとは、全体として通観すると「三好一族側の勢力、大事な場面で大事な人が病死し過ぎ」感が目立ちまくりますね。

戦国時代通して肝心な時に肝心な方が亡くなってしまう運に見放され具合が三好一族の哀しい魅力であります。

 

 

 

足利義輝さんについて

最後に。

 

最新研究を踏まえて多くの人物について評価が上方修正されている中、足利義輝さんだけは評価が全く上がっていない、むしろ更に下がっているのがおつらいです。

 

足利将軍家にかかわる研究が進んで、それを天野忠幸さんも取り入れているので、この本でも足利将軍家が持つ権威の力、武家トップとしての役割の重さについては描写の迫力が増しているんですよね。

足利義稙さんや足利義晴さんの評価はすごく上がっていますし。

そうした足利将軍家を相対化した長慶さんの評価も更に上がっていますし。

 

それだけに、「こんなにすごい足利将軍家の権威の力を、よくもまあここまで失墜させたもんだね」みたいな書きぶりになっている義輝さんが悲惨でなりません。

 

 

天野忠幸さんによる他の研究者の成果の採用っぷりを見るに、現代の歴史学者として一次史料で根拠がある説については素直に反映されているように思えますので、要は足利義輝さんを明確にフォローできるような一次史料が不足しているということでしょうか……。

じっさい、足利将軍家サイドの研究者の方々からも、足利義輝さんについては今のところ「どうしてこんなことに……」「いや、義輝さんも才能はあったんやけど、相手が悪すぎたんや……」的なコメントも散見される気がしますし。

義輝さんをフォローする説も一部存在しますが、天野忠幸さんから見ればまだまだ補強が足りないように映っているという状況なのかな。

 

義輝さんの葬儀では大勢の弔問客が訪れて偲んだみたいな記録もあるので、決して悪いだけの人ではないとも思いたいところなのですけど。

 

11月には戎光祥出版から「足利義輝と三好一族」(木下昌規さん)という本が発売されるみたいですし、天野忠幸さんが思わず採用してしまうような足利義輝さんの美点が論じられているといいなあ。

 

 

 

 

 

なんしか三好一族の新書が出て嬉しいです。

本当にさいきん畿内戦国史関係の出版がめちゃくちゃ増えてきていて、ということは、この界隈のファンやおぜぜもまた増えてきているということなのでしょう。

ごはんを食べられないジャンルは発展しないですからね。

 

このささやかな盛り上がりが今後も続き、論説の充実や知名度の高まりに繋がっていきますように。

三好家や足利将軍家細川京兆家に続き、河内畠山家や阿波守護家(細川家)や波多野家や六角家や将軍家奉公衆等の研究も進んでいきますように。

 

 

 

 

「じゃりン子チエ 文庫版21巻 感想 アントニオの霊」はるき悦巳先生(双葉文庫)

 

じゃりン子チエの文庫版が21巻まできまして、ここ数巻で今は亡きアントニオの生前のエピソードが様々語られ、更にこの巻ではとうとうアントニオの霊を口寄せする展開まで出てきてかんたんしました。

憑依合体まで繰り出すとは、じゃりン子チエってのは本当に自由でネタが豊富な漫画であります。

 

www.futabasha.co.jp

 

f:id:trillion-3934p:20211018214705j:plain

 

 

 

21巻に収録されている話は次の通りです。

 

  • 失業保険のパイナップル
  • みんなトイレ仲間
  • 追放者の行先
  • お好み焼屋突撃
  • 一ツ目入道の怪
  • イチコロ・ラーメン
  • 一ツ目入道 現る
  • 渉の通訳
  • ひょうたん池の再会
  • ビチビチ天丼
  • ひょうたん池 爆発寸前
  • ひょうたん池 大爆発
  • ノレンは たたる
  • 呪われた就職
  • 女神・ヒミコ様
  • ヒミコのお告げ
  • 恐怖の猫の霊
  • 小鉄の災難
  • イタコ猫を捜せ
  • 天井裏の太鼓
  • 太鼓が呼ぶモノ
  • 呼び合う霊
  • 忍び寄る愛
  • 愛しのグラミーちゃん

 

 

以下、ネタバレを含みますのでご留意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前半は20巻からの続きで、ハワイからやって来た地獄組の刺客とテツやお好み焼屋のオッちゃんが戦う話、

後半は霊媒師やイタコ猫が登場して騒動になる話、

となります。

 

 

ハワイ勢との戦いでは、渉先生が久しぶりに活躍したり、お好み焼屋のオッちゃんがあぶないセリフを吐いて戦ったりという見どころがあります。

後半のオカルトコメディでは、本筋ではありませんがアントニオの霊が登場するのがめっちゃウケましたね。アントニオのキャラクターが複雑になればなるほどジュニアが混乱していくのもかわいいです。

 

 

以下、各キャラの名ゼリフを。

 

 

チエちゃん

「………静かや

 宿題がどんどん出来るど

 おかしい………

 ひょっとしたらウチかしこいんとちゃうんか」

 

テツがハワイ勢とのいざこざで不在のため、宿題がはかどるチエちゃん。

成績は悪いけれども地頭がよいタイプなのは誰もが納得でしょう。

コケザルもそういうタイプな感があります。

 

何らかのきっかけで彼らの成績が急上昇する可能性もあると思いますが、そうなるとマサルが曇ること間違いなしですね。

 

 

 

テツ

「こぉゆう時が一番危険なんやど」

「そやからこの眼ェ開いたままパクパクして寝てるのは人間が死ぬ用意してる時やんけ」

「とにかくこぉゆう時はビンタかましてでも眼ェさまさんと」

 

謎の巨人「一ツ目入道」を目撃したショックでぶっ倒れたヒラメちゃんを介抱するテツ。こういうときに落ち着いた判断が下せるテツは、それだけの修羅場をくぐってきているということなのでしょう。

ちなみにパクパクして意識を失っているヒラメちゃんは大変かわいいです。かわいいとか言っていられる状況ではないんですけど。

 

 

 

渉センセ

「アイアンダスタンド オコノミヤーキ」

 

一ツ目入道の正体、ハワイからの刺客と英語で意思疎通できる渉センセ。

さすがじゃりン子チエ界随一のインテリです。

 

 

 

地獄組のボス

「リメンバーオオサカ リメンバーテツ」

 

姿を現した黒幕にしてオチ担当、地獄組のボス。

その後の展開はお察しの通りであります。

 

 

 

お好み焼屋のオッちゃん(百合根)

「もぉ逃がさんど恩知らず

 今おまえに人間の心ちゅうもんを

 たたき込んだる~~~」

「男度胸の片道燃料

 ガマンにガマンをかさねて爆発した時の

 日本人のおとろしさ見せたる~~~」

「お父さんお母さん

 行ってまいります

 プハ~」

「死ね~~オンボロ空母」

「わ~

 なんじゃなんじゃ」

「アントニオバンザーイ」

 

 

一升瓶を飲み干してハワイからの刺客に突貫するオッちゃん。

ハワイの人相手にこのセリフはそうとう危ないのですが、これをブラックユーモアとしてチャンポンできるじゃりン子チエという作品フォーマットの強さにかんたんしてしまいますね。

 

 

 

ヒミコ

「お金をかくしておるな」

「この店の中に三か所」

 

登場するなり、チエちゃんのへそくりの隠し場所を当てる霊媒師ヒミコさん。

巻き込まれで焦らされるチエちゃんがいじらしいですね。

 

 

 

アントニオジュニア

「知らんかった……

 父さんがあんなにオレのことを

 思てたなんて」

「父さんは勝手なことしてたけど

 オレのことを一時も

 忘れたことなかったて」

 

イタコ猫にアントニオの霊を呼び出してもらって、父から泣けるような話を聞かされたジュニア。ここで終わればいい話なのですが……。

 

 

 

イタコ猫(憑依していない時)

「オレにはわがまま勝手のやりたい放題

 あの世に向かって一直線って男に見えるがな」

「たしかに顔はおまえとウリ二つでも

 この顔からおまえの持ってる

 悲しみや憂いのようなものが

 みじんも感じられねえからさ」

「もしおまえのオヤジが

 泣けるような話をしたのなら

 死んでまでウソをつく

 とんでもねえ野郎かも知れねえぜ」

 

イタコ猫の冷静で的確なコメントがもうつらい。

 

 

 

イタコ猫(アントニオ憑依)

「死ね~~~

 三日月野郎~~」

「かかって来い~~

 もぉ一ぺん

 オレと勝負せえ~~」

「オレのキン玉

 勝手に盗みやがって」

「今度はお前のキン玉

 二つ取って

 タコ焼きにして食てしもたる~~」

「息子やと~~~

 息子やったらオレに加勢して

 なんでこいつのキン玉取らんのじゃ~~」

「煮え切らん

 おまえの頭から割ったろか~~~」

 

いきなりイタコ猫に憑りついて、小鉄とジュニアに襲い掛かってくるアントニオ。

どうやら生前のアントニオは暴れん坊なだけでなく、女癖が悪いわ、図々しいわ、呼んでもないのに勝手にイタコ猫の身体に入ってくるわという、無茶苦茶な猫だったようですね。

ジュニアにとってはおつらいイベントですが、息子はいずれ父親の理想像を砕いて父親の現実を乗り越えていかねばならぬ的なテーマがあるのでしょうか笑。

 

 

 

イタコ猫(憑依していない時)

「供養のつもりなら

 まず 土に返してやらねえと」

「おまえの父さんは成仏出来ないで

 鉄板の周りをウロウロしてるじゃねえか」

「それが証拠に

 この前小鉄さんの身内の霊を呼び出そうとしたら

 いきなり横入りして出て来たじゃねえか」

 

そもそも、アントニオの遺体を剥製にして飾っている時点でマトモちゃうわという冷静で的確なツッコミをしていくイタコ猫。

飼い主がお好み焼屋のオッちゃんやからなあ……。

 

 

 

 

 

そんなこんなで、死んだ父親からもノイローゼの種を植え付けられるジュニアが愛しい巻でした。お好み屋のオッちゃん、アントニオ(霊)、アントニオジュニアのトリオはスパイシーが過ぎて面白いですね。

 

なんか猫を捨てたとか拾ったとかの動画がなんやかやあるらしいですけど、どちら様も良い飼い主と良い猫とで幸せな暮らしを送ることができていますように。

 

 

「じゃりン子チエ 文庫版20巻 感想 ジェミニの悪太郎1/2」はるき悦巳先生(双葉文庫) - 肝胆ブログ

 

 

 

 

小説「三好長慶の遺命 篠原長房士魂録 感想」三日木人さん(郁朋社)

 

世にも珍しい篠原長房さん主役の小説が発売されてかんたんしました。

「新三好長慶伝 龍は天道をゆく」の続編にあたる作品なのですが、小説としては前作よりも面白いと思います。

 

小説「新三好長慶伝 龍は天道をゆく 感想」三日木人さん(幻冬舎MC) - 肝胆ブログ

 

f:id:trillion-3934p:20211017095624j:plain

 

 

 

現物の帯には"ヒット作『新・三好長慶伝』の続編、圧倒的支援を受けて、ここに刊行!!"と書かれていました。

前作の三好長慶さん小説、ご当地三好ファンにたくさん売れたようで何よりですね。

 

 

また、帯には"織田信長を最も怖れさせた知将、篠原長房"というどこかで見たことがあるようなフレーズも載っていてオオゥと思いました。

確かに、最もかどうかは置いておいて、織田信長さんが篠原長房さんを怖れたことは充分あり得るのですけれども、この「信長が怖れた」「家康が怖れた」的なブランド付けの流行はどちら様から始まったんでしょうねいったい。

 

加えて、巻末の寄稿文では、篠原長房さんについて「実在の人物である」と書いてあるのにめっちゃウケました。

そうだよな、篠原長房さんはまず存在を認知されることからだよな、とひしひし感じる名解説であります。

 

 

 

さて、前置きが長くなりましたがこちらの小説では、三好長慶さんの死からスタートして、篠原長房さんの後半生を描ききり、エピローグで阿波三好家崩壊までやる感じの構成になっています。

 

内容はオーソドックスで、前作同様に「味方は良い人、敵は悪い人」という分かりやすい書きぶりになっていますので大変読みやすいです。

 

関係者の人名や三好康長さんの年齢は最新説未反映です。

小少将(大形殿)さんは登場します。

オリキャラも登場します。

篠原長房さんが追い詰められる経緯は、いわゆる阿波三好家内部事情だけでなく、織田信長さんと戦う派/和平したい派の争いという近年の説が反映されています。

 

 

 

読み味としましては、前作もそうだったのですが、著者の出身地が徳島県のためか材料提供者が四国関係者のためか、四国の人物や場景の描写はイキイキとしており、畿内の人物や場景の描写はどんよりしている傾向があります。

そのため、松永久秀さんや足利幕府のファンなんかは読んでいて難しい気持ちを抱くかもしれませんけれども、赤沢宗伝さんや細川真之さんのファンは読んでいて嬉しい気持ちになれると思います。

なお、篠原長房さんの敵はとことん悪く描かれますので、四国関係者でも十河一存さんや三好長治さんや十河存保さんはアカン感じになっています。十河一存さんは次回作の主役を務める構想があるらしいのですがここから挽回できるのだろうか。

 

総じて、前作よりも四国の描写量が多いため、小説全体の熱量や読み応えは前作よりも高い印象を抱きました。

 

 

最後に、主な登場人物について軽く感想等。

 

  • 篠原長房さんは、篠原長房さんファンが期待するような活躍、賢さ、忠義高さ、個人的武力をしっかり見せてくれます。篠原長房さんの小説が出るなんて本当にありがたいですね。
  • 三好長慶さんは、タイトルではメインに据えられていますがほとんど登場しません。いざ登場したと思ったら精霊みたいな上位次元の存在みたいになっていて素敵でした。
  • 松永久秀さんは、織田信長さんに「篠原長房なんてたいしたことありませんわ」みたいな陰口を言って皆から呆れられるような小人物として描かれていますが、後に篠原長房さんと和睦して織田信長さんと戦うようになると急に格好良くなってきます。主人公の敵ならしょうもない人物、味方なら格好いい人物という法則どおりですね。
  • 十河一存さんは、若い時の篠原長房さんへの逆恨み、からの闇討ちエピソードがばっちり描かれ、しょうもない人物だったと振り返られる扱いです。いいところがない!
  • 三好康長さんは、三好元長さんの弟として、したたかに活躍する老将という扱いです。この人は従来説通り超高齢者として扱う方がエンターテイメント的には面白いんですよね実際。
  • 三好三人衆は、個性がありません。篠原長房さんのファンネルみたいな感じ。
  • 篠原自遁さん、三好長治さん、十河存保さん、小少将(大形殿)あたりの描写は、お察しの通りです。ある意味期待通りです。
  • 織田信長さんは、悪く描こうとしつつ、実力者過ぎてあまり悪く描かれていない印象です。お供に5歳くらいの森蘭丸さんを連れているのはご愛敬でしょう。
  • 毛利元就さんは、篠原長房さんに晩年慌てさせられたせいで亡くなったみたいな描写になっているのがウケます。時系列に沿って上手く事実を並べるとこういう印象を与えられるんだなあと、勉強になりました。
  • オリキャラは、蝙蝠を召喚して越水城を落としたりします。マジかと思いつつ、この時代の四国人ならこれくらいの呪法は使えるのかもしれないと受け入れられる気もします。

 

 

総じて、篠原長房さんの活躍を楽しめる小説、というだけで確固たる値打ちがある作品だと思います。

 

篠原長房さんの名や事績がますます世に知られるようになっていきますように……。

 

 

 

 

信長の野望・蒼天録「寿三昧攻略:1507年細川政元」

 

久しぶりに蒼天録をやってみたらやっぱり面白くてかんたんしたので、寿三昧もクリアしてみました。

 

信長の野望・蒼天録「早解三昧攻略:1560年足利義輝」 - 肝胆ブログ

信長の野望・蒼天録「合戦三昧攻略:1495年足利成氏」 - 肝胆ブログ

信長の野望・蒼天録「武将三昧攻略:1570年織田信長」 - 肝胆ブログ

信長の野望・蒼天録「お宝三昧攻略:1534年大内義隆」 - 肝胆ブログ

信長の野望・蒼天録「調略三昧攻略:1582年羽柴秀吉」 - 肝胆ブログ

 

store.steampowered.com

 

 

 

今回プレイしたカスタマイズはこちらです。

f:id:trillion-3934p:20211009222038p:plain

 

「寿三昧」。

カスタマイズの中では難易度がかなり低い方でして、毎期のように娘が登場しますので能力の高い配下や大名家に嫁がせれば加点されていき3000点でクリアというもの。

 

 

戦国時代に大名の娘さんが外交等で活躍した事例としては、伊達稙宗さんや甲相駿三国同盟等の事例が思い浮かびますね。

伊達稙宗さんなんて名前からしてタネ自慢っぽいから印象に残っている方も多いことでしょう。

 

 

そういう訳で、「寿三昧」に相応しい大名を選ぶことにいたしましょう!

f:id:trillion-3934p:20211009222413p:plain

f:id:trillion-3934p:20211009222427p:plain

 

1507年夏「三人の養子」細川政元さんです!!

 

「おいやめろ」という声が各界から聞こえてきそうですね☆

 

 

 

細川政元さんといえばこちらのイベントであります。

f:id:trillion-3934p:20211009222614p:plain

 

細川政元さんには子が無かった…

なんてこった、いきなり寿三昧のコンセプト全否定。

 

 

さて、実子がいないなら養子を取ればいいじゃない的な。

f:id:trillion-3934p:20211009222653p:plain

f:id:trillion-3934p:20211009222803p:plain

f:id:trillion-3934p:20211009222821p:plain

f:id:trillion-3934p:20211009222837p:plain

 

一人目の養子、細川澄之さん!!

 

「何とも可愛げな子」という表現が意味深ですね。

 

 

 

続いて。

f:id:trillion-3934p:20211009222935p:plain

f:id:trillion-3934p:20211009222953p:plain

f:id:trillion-3934p:20211009223010p:plain

f:id:trillion-3934p:20211009223029p:plain

 

二人目の養子、細川澄元さん!!

 

「なかなかの器量」だそうです。身体も丈夫だったらなあ。

 

 

 

そして。

f:id:trillion-3934p:20211009223257p:plain

 

三人目の養子、細川高国さん!!

 

この方もなかなかどころではない大器量の持ち主です。

 

 

 

さあ大変だ。

f:id:trillion-3934p:20211009223226p:plain

f:id:trillion-3934p:20211009223349p:plain

f:id:trillion-3934p:20211009223405p:plain

 

いよいよ応仁の乱に続く畿内地獄変細川京兆家の分裂」開催間近ですよ。

これはそうとうヤバい。

 

 

 

そこで、細川家内衆たちは知恵を絞りました……。

 

 

 

「養子が中途半端に三人だから揉めるんだ」

 

「いっそ婿養子でも増やせばいいんじゃないか。収集つかなくなって内輪揉めしている場合じゃなくなるだろ」

 

「娘がいない? 大天狗が拾ってきたことにすればいいじゃん。修験の極みを!!! とか言って政元様喜ぶよきっと」

 

 

 

勢力均衡こそ秩序の奥義!

 

さあ、寿三昧スタートです!!

 

 

 

 

たとえ細川政元さんであっても、寿三昧なら娘は登場してくれます。

f:id:trillion-3934p:20211009224114p:plain

f:id:trillion-3934p:20211009224100p:plain

 

しかも1-2ターンに一人は登場してくれるという。

天狗じゃ、天狗の仕業じゃ!

 

 

 

さあ、さっそく結婚相手を選びましょう。

f:id:trillion-3934p:20211009224403p:plain

f:id:trillion-3934p:20211009224416p:plain

f:id:trillion-3934p:20211009224430p:plain

f:id:trillion-3934p:20211009224444p:plain

 

栄えある四人目の(婿)養子は三好之長さんです!!

 

この調子で「おいやめろ」系婿養子を増やしていけば、家中分裂なんてやっている暇はなくなるはずなんだ……天狗の崇高な使命感……!!

 

ちなみに三好之長さんの能力で195点とのことです。

 

 

 

 

さあ、どんどん嫁がせていきますよ……。

f:id:trillion-3934p:20211009224834p:plain

 

五人目、宇喜多能家さん!!

(これでお家も安泰だ……)

 

 

 

f:id:trillion-3934p:20211009225055p:plain

f:id:trillion-3934p:20211009225214p:plain

 

六人目、木沢長政さん!!

畿内ドリーム……)

 

 

 

f:id:trillion-3934p:20211009224910p:plain

 

七人目、浦上村宗さん!!

(やっぱり宇喜多家は安泰じゃないかも……)

 

 

 

f:id:trillion-3934p:20211009225310p:plain

 

八人目、波多野稙通さん!!

(元清さん時代ですかね……)

 

 

 

f:id:trillion-3934p:20211009225412p:plain

 

九人目、今川氏親さん!!

(ごめんよ寿桂尼さん……)

 

 

 

f:id:trillion-3934p:20211009225512p:plain

 

十人目、朝倉孝景さん!!

(かえって一向一揆を刺激してしまうかもしれない……)

 

 

 

f:id:trillion-3934p:20211009225615p:plain

 

十一人目、武田信虎さん!!

(これで甲斐の国衆も一目置いてくれるかもしれない……)

 

 

 

f:id:trillion-3934p:20211009225755p:plain

 

十二人目、長宗我部兼序さん!!

(増長して土佐の国衆から反感を買うかも……)

 

 

 

f:id:trillion-3934p:20211009225907p:plain

f:id:trillion-3934p:20211009230001p:plain

 

十三人目、足利義稙さん!!

(受けてくれるんだ……)

 

 

 

f:id:trillion-3934p:20211009230057p:plain

 

十四人目、赤沢朝経さん!!

(元祖畿内ドリーム……)

 

 

 

f:id:trillion-3934p:20211009231048p:plain

 

十五人目、尼子久幸さん!!

(尼子本家との関係がややこしくなるかもしれない……)

 

 

 

いやあ、徳の高い立派な方々に嫁げてよございました。

 

 

これにて寿三昧目標の3000点に到達し、同時に日ノ本の平和と安定を実現したことでありましょう。たぶん。

f:id:trillion-3934p:20211009231442p:plain

f:id:trillion-3934p:20211009231454p:plain

f:id:trillion-3934p:20211009231505p:plain

 

クリア画像は一族の集合写真です。

  1. 細川澄之
  2. 細川澄元
  3. 細川高国
  4. 三好之長
  5. 宇喜多能家
  6. 木沢長政
  7. 浦上村宗
  8. 波多野稙通
  9. 今川氏親
  10. 朝倉孝景
  11. 武田信虎
  12. 足利義稙
  13. 長宗我部兼序
  14. 赤沢朝経
  15. 尼子久幸

 

が勢揃いして細川政元さんと談笑していると考えたら凄まじい光景ですね。

 

三好長慶さんや武田信玄さんは生まれる前から存在が抹消。

果たしてこの世界の日ノ本は江戸時代を迎えることができるんでしょうか。

 

 

とはいえ、この一門衆が睨みを利かせているのであれば細川澄之さんもそうそう変な動きは出来なさそうですし、細川家内衆と天狗の寿三昧戦略は奏功したと言えるのかもしれません。

 

 

現代ではコロナ禍でもともと少ない婚姻数が更に減少しておりますが、その分それぞれの夫婦がより幸せになって世の中の幸せ総量は増えていってくれますように。

 

 

 

ちなみに細川政元さんプレイ、薬師寺長忠さんが反乱してくれたのが趣深かったです。

f:id:trillion-3934p:20211009233036p:plain

 

細川家の中でいろいろ誤解を受けやすい立場だったのかもしれません。

 

 

 

信長の野望・蒼天録「調略三昧攻略:1582年羽柴秀吉」

 

久しぶりに蒼天録をやってみたらやっぱり面白くてかんたんしたので、調略三昧もクリアしてみました。

 

信長の野望・蒼天録「早解三昧攻略:1560年足利義輝」 - 肝胆ブログ

信長の野望・蒼天録「合戦三昧攻略:1495年足利成氏」 - 肝胆ブログ

信長の野望・蒼天録「武将三昧攻略:1570年織田信長」 - 肝胆ブログ

信長の野望・蒼天録「お宝三昧攻略:1534年大内義隆」 - 肝胆ブログ

信長の野望・蒼天録「寿三昧攻略:1507年細川政元」 - 肝胆ブログ

 

store.steampowered.com

 

 

 

今回プレイしたカスタマイズはこちら「調略三昧」。

f:id:trillion-3934p:20211007222832p:plain

 

調略で敵城を寝返らせたり、敵武将を引き抜いたりすると点数が上がり、5000点でクリアというもの。

 

 

 

ここで要注意なポイントがございまして、蒼天録は合戦以上に調略が充実しているゲームですから、例えば自分の下剋上についてくるよう他の城主を説得したり、忍者を使って敵武将を暗殺したりという調略がすこぶる豊富に用意されているのですけれども。

 

このカスタマイズはあくまで「寝返り・引き抜き」で加点される仕様ですので。

 

例えば敵城主を襲撃して見事仕留めてみせても……

f:id:trillion-3934p:20211007223143p:plain

f:id:trillion-3934p:20211007223157p:plain

 

0点!!

 

 

 

下剋上に同調するよう同僚を説得しても……

f:id:trillion-3934p:20211007223304p:plain

f:id:trillion-3934p:20211007223318p:plain

f:id:trillion-3934p:20211007223334p:plain

 

0点!!

 

これは厳しいですね。

 

 

 

 

更に、寝返りや引き抜きの採点もかなり厳しいものでございまして。

 

敵武将を引っこ抜いてみたところ……

f:id:trillion-3934p:20211007223516p:plain

f:id:trillion-3934p:20211007223532p:plain

 

30点!!(クリア条件は5000点)

 

 

 

敵を城ごと内応させても……

f:id:trillion-3934p:20211007223614p:plain

f:id:trillion-3934p:20211007223630p:plain

f:id:trillion-3934p:20211007223640p:plain

 

90点!!(クリア条件は5000点)

 

 

 

……クリアまでの道のりが大変遠いように思えてきますね。

 

 

 

ただ。

 

要は敵城や敵武将を味方勢力に加えれば加点される仕様ですので、実は早解三昧で使った手口が今回も活用できるんです。

 

 

 

ここで、今回選んだシナリオと大名はこちら。

f:id:trillion-3934p:20211007223925p:plain

f:id:trillion-3934p:20211007223937p:plain

 

1582年秋「清須会議」の羽柴秀吉さん!

これから天下人への道を駆け上がっていくところです。

開始時点で8つの大名家を従属させている圧倒的存在なんですよ。

 

 

 

実際に駆け上がっていただきましょう。

 

1ターン目。

おもむろに従属勢力の皆さまを脅迫します。

f:id:trillion-3934p:20211007224528p:plain

 

 

 

 

とりあえず4勢力を屈服させてみましたら。

f:id:trillion-3934p:20211007224611p:plain

 

880点!!

 

点数がハネ上がりましたね。

どうやら武将数や城数がそのまま採点に反映される仕組みのようです。

 

 

 

調子に乗って2ターン目に残り4つの従属先も脅迫し尽すと。

f:id:trillion-3934p:20211007224726p:plain

 

1760点!!

 

とても良いペースで進んでいます。

 

 

 

 

更に天下人気取りで各地の大大名を脅迫しましたら。

f:id:trillion-3934p:20211007224827p:plain

f:id:trillion-3934p:20211007224842p:plain

f:id:trillion-3934p:20211007224854p:plain

 

なんと毛利家・徳川家・北条家・雑賀衆があっさり軍門にくだってくださいました。

蒼天録、武将はほんとかんたんに裏切りますし、大名はほんとかんたんに諦めますね。なんてゲームなんだ。

 

 

 

この時点で点数はこちら。

f:id:trillion-3934p:20211007225027p:plain

 

4480点!!

もうここまでくればあと少しです。

 

 

 

 

4ターン目。

適当に関東の諸家を脅迫していたら5000点に到達しました。

f:id:trillion-3934p:20211007225128p:plain

f:id:trillion-3934p:20211007225256p:plain

 

さすがに戦闘状態だった柴田勢は屈服してくれませんでしたし、九州三強や上杉家にも断られてしまいました。

中立状態なのに強気で断ってきた河野家はむしろ尊敬したい。

 

 

しかしまあ4ターンで日ノ本を半分支配してしまった秀吉さんはマジ日輪ですね。

f:id:trillion-3934p:20211007225811p:plain

 

クリア画面もなんとなく一般的イメージの秀吉さんと家康さんっぽい。

 

 

 

そういう訳で、調略三昧は実質脅迫三昧だよと強調しておきたいと思います。

いちばん蒼天録っぽいカスタマイズ名なのに、いちばん忍者が不要だという。

 

 

現実世界も蒼天録以上に暗闘が多いのかもしれませんけど、怪しい勧誘や下剋上の誘いにうかうかと乗ることのないよう、知略60以上の判断力や優れた忍者等のサポートが広く世に行き渡っていきますように。

 

 

 

信長の野望・蒼天録「お宝三昧攻略:1534年大内義隆」

 

久しぶりに蒼天録をやってみたらやっぱり面白くてかんたんしたので、お宝三昧もクリアしてみました。

 

信長の野望・蒼天録「早解三昧攻略:1560年足利義輝」 - 肝胆ブログ

信長の野望・蒼天録「合戦三昧攻略:1495年足利成氏」 - 肝胆ブログ

信長の野望・蒼天録「武将三昧攻略:1570年織田信長」 - 肝胆ブログ

信長の野望・蒼天録「調略三昧攻略:1582年羽柴秀吉」 - 肝胆ブログ

信長の野望・蒼天録「寿三昧攻略:1507年細川政元」 - 肝胆ブログ

 

store.steampowered.com

 

 

 

今回プレイしたカスタマイズは「お宝三昧」です。

f:id:trillion-3934p:20211005224232p:plain

 

 

自城に家宝をたくさん集めると加点されて、5000点でクリアというものです。

武将に比べると目立ちませんが、家宝の収集もまた信長の野望シリーズの楽しさなのでこういう着眼点のゲームモードは素敵ですね。

 

 

ただ、家宝って集めるには相応の経済力や支配力が必要になる上、このカスタマイズでは募兵ができない、従属脅迫ができない等と制約がけっこう厳しいので、意外と難易度が高いモードでもあります。

ので、ある程度大勢力でプレイしたほうが取っつきやすいと思います。

 

 

 

今回選んだ時代と大名はこちらです。

f:id:trillion-3934p:20211005224725p:plain

f:id:trillion-3934p:20211005224746p:plain

 

1534年夏「信長誕生」、大内義隆さん28歳。

 

さいきんの信長の野望シリーズと違ってやや厳しい能力評価と清潔感のある顔グラでございますが、政治面や国力にはまったく問題ございません。

はじめから水軍衆を従属させているので貿易での家宝ゲットもやりやすく。

1534年だとまだまだ登場武将も少ないので、毛利元就さんを筆頭に良将が揃う大内家は合戦も容易なのです。

 

 

 

 

初期保有家宝。

f:id:trillion-3934p:20211005225131p:plain

 

上杉瓢箪、大内筒、青磁松本、藍韋威肩赤鎧。

さすがいいものをお持ちでございます。

 

 

 

 

さっそく貿易や商人取引で家宝を集めていきましょう。

f:id:trillion-3934p:20211005225519p:plain

f:id:trillion-3934p:20211005225545p:plain

f:id:trillion-3934p:20211005225600p:plain

f:id:trillion-3934p:20211005225614p:plain

 

水軍衆との関係が親密なら、貿易は元手が金銭500なので取っつきやすいです。

ただ、結果はランダムですし時間がかかります。

 

商人取引はいつでも欲しいものが買えますが、シンプルに高価なのが困りもの。

 

やはり、ある程度の勢力拡大はした方が効率がよさそうです。

 

 

 

 

そこで、まずは大内家を憎む尼子家、少弐家と戦うことに。

 

 

少弐家は史実に則り龍造寺家兼さんを口説いて嫌がらせしようとしましたが上手くいかず、普通に滅ぼしました。

f:id:trillion-3934p:20211005225919p:plain

f:id:trillion-3934p:20211005225952p:plain

 

家兼さん、主の悪口には付き合ってくれるんですが寝返りまではしてくれませんでした。誠実なお爺ちゃんです。

龍造寺家推しとしてはこの後一族を襲う悲劇を回避させてあげたいので、早めに少弐家を滅ぼしてよかったと思いたい。

 

 

 

 

尼子家はガチンコで滅ぼしました。

大内家で出雲遠征を成功させるというのは感慨深いものがあります。

 

ハイライトは尼子経久さんの策戦「混乱」を毛利元就さんが跳ね返した場面

f:id:trillion-3934p:20211005230342p:plain

 

毛利元就さんは相手が尼子経久さんだろうが竹中重治さんだろうが問答無用で混乱をマホカンタする特殊技能をお持ちなのです。

なにそれずるい。

 

 

 

月山富田城の戦いを制した以上、大内義隆さんがしょげる恐れもありません。

武の道、文の道、衆の道。どれをとっても一流の紳士と言えるでしょう。

f:id:trillion-3934p:20211005230930p:plain

f:id:trillion-3934p:20211005230944p:plain

f:id:trillion-3934p:20211005231001p:plain

 

この頃の尼子経久さんの顔グラも、味があって格好いいですね。

 

 

 

 

そうこうしていたら陶隆房さんが元服して参りました。

f:id:trillion-3934p:20211005231251p:plain

 

この頃の陶隆房さんは美青年化される前でして、能力もあまり高く評価されていませんでした。

こうやって一昔前の信長の野望をやっていると大内家や三好家の再評価が進んだありがたさをひしひしと実感いたしますね。

 

 

 

 

西国を安定化させた大内家にとって、心残りといえば足利義稙さんに取って代わった足利義晴さんへの落とし前と、細川高国さんに取って代わった細川晴元さんへの落とし前でしょうか。

足利義晴さんが元気だと陶隆房さんが陶晴賢さんになってしまうかもしれなくて縁起が悪いですし。

 

 

そういう訳で、打倒細川晴元さん・足利義晴さんまで外征を続けます。

f:id:trillion-3934p:20211005232042p:plain

f:id:trillion-3934p:20211005232055p:plain

f:id:trillion-3934p:20211005232219p:plain

 

 

 

 

ここまでくると、配下にこういう方々も加わりますので。

f:id:trillion-3934p:20211005232210p:plain

f:id:trillion-3934p:20211005232244p:plain

 

家宝保有数の底上げにもつながります。

 

それにしても三好政長(宗三)さんの低評価が悲しい。

三好家傍流の身で落日の細川京兆家を文武両面から支えていた訳で、三好一族の中でも長慶さんや実休さんに並ぶオールラウンダーだと思いますから、信長の野望・新生ではそろそろ再評価されてほしいところですね。

 

 

 

さて、この時点で点数は4000点弱。

f:id:trillion-3934p:20211005232746p:plain

 

貿易・商人取引で着実に家宝を増やし、畿内の数寄者を配下に加え、足利家至宝を強奪してもなお5000点には届かず。

やはりお宝三昧はなかなかハードです。

 

 

 

もうここからは配下城主からカツアゲして、金銭をブーストして家宝を買いあさることにします。

f:id:trillion-3934p:20211005233011p:plain

 

操作は面倒ですが、蒼天録は配下城主の物資を強制的に巻き上げることが可能です。

 

ここだけ見れば「殿はちかごろ戦に関心を示さず、重い税をかけて私腹を肥やし、役にも立たぬ家宝を城に集めて一人悦に入っておる……」等と陶隆房さんたちから見なされかねない怖さがありますね。

 

 

 

そういう訳でクリアです。

f:id:trillion-3934p:20211005233344p:plain

f:id:trillion-3934p:20211005233353p:plain

f:id:trillion-3934p:20211005233407p:plain

f:id:trillion-3934p:20211005233433p:plain

 

一等級家宝だけで15個もありますね。

個人的には胡桃餅が堺で一等級家宝として販売されているのが好き。

(なお、堺のくるみ餅に胡桃は入っていません)

 

 

6年もかけて足利幕府を滅ぼしてまで家宝を収集するとは、なかなかコレクター趣味というのも大変です。

 

以前観た戦国時代展ではじっさい大内文化コーナーが輝きを放っておりましたし、これからも大内義隆さんの事績と魅力が世に広く知れ渡っていきますように。

 

「桃山―天下人の100年展 感想」東京国立博物館 - 肝胆ブログ

 

 

 

「寛容論 感想 批判してよさそうな人を皆で傷つけていいか」ヴォルテールさん(中公文庫)

 

ヴォルテールさんの寛容論を読みまして、18世紀としてはそうとう先進的で啓蒙的な内容と文章のキレッキレっぷりにかんたんいたしました。

 

一方で、この本では当時のフランスで少数派だった新教徒を傷つけた旧教徒の方々の無自覚で多数派な攻撃性を思いっきり批判している訳ですが、

現代の世相を見ていて思うのは、批判してもよさそうに見える人をメディアを介して無関係な方々が攻撃しまくるってえのは「寛容」の精神に相応しいかどうかというところですね。

 

 

www.chuko.co.jp

 

f:id:trillion-3934p:20211003101908j:plain

 

新教徒の冤罪事件を契機に、自然法が不寛容に対して法的根拠を与えないことを正義をもって立証し、宗教を超えて寛容の重要性を説いた不朽の名著。初文庫化。

 

 

 

フランス革命が起こる少し前のフランス(ルイ15世時代)。

 

「カラス事件」という、フランス国内で多数派である旧教徒が、フランス国内で少数派である新教徒を無実の罪で処刑した冤罪事件がございまして、この本はカラス事件の再審を求めたり旧教徒の不寛容っぷりを糾弾したりするキャンペーンブック的なものであります。

 

本の流れとしましては

  • カラス事件の概要を説明し
  • 不寛容が自然法や人定法に含まれていないということを説明し
  • ローマ人は寛容だったと説明し
  • 不寛容が人の世に害をもたらすことを説明し
  • キリストも不寛容なんて推していないことを説明し
  • 旧教徒(特にイエズス会)が世界各地で不寛容っぷりを発揮して迷惑をかけていることを紹介し
  • 寛容っていいよね……して
  • カラス事件が無事にひっくり返って無罪最終判決が出たことを加筆して終わる

 

となっていまして、論拠がたいへん充実しています。

こんな本をばらまかれたら、さぞ当時の世論に影響があったことでしょう。

 

 

巻末解説も含めこの本を読む限り、「カラス事件」の顛末はものすごくドラマチックで興味を引くものです。

宗教が絡むのでなかなかコンテンツ化は難しいと思いますけど、映画や小説になってもまるで違和感がない、逆転裁判そのものな事件なんですね。

 

 

 

寛容論の中では名言も多く。

虎が相手を八つ裂きにするのは、もっぱらこれを餌食とするためである。そしてわれわれ人間のほうは、わずか数章節の文句のために、お互いに相手を一人残らず殺してしまおうとしていたのである。

 

もしあなた方がイエス・キリストにあやかりたいと望むなら、首切り役人にではなく、殉教者になりたまえ。

 

お前たちは力弱きものなのだから、お互いに助け合わねばならぬ。お前たちは無知なのだから、お互いの知識を持ち寄り、お互いに許し合わねばならぬ。お前たちのことごとくがそろって同じ見解を持つことは、とうていありえぬが、もしそんな場合にたった一人の者が見解を異にしたとしても、お前たちはこの者を大目に見ねばならない。

 

等々。

明快に論理的に多数派の驕りを糾弾する様がクールであります。

 

 

 

また、新教徒の不寛容さをびしばし指摘する中で、とりわけイエズス会のことを厳しく評しているのですが、日本とイエズス会の関係を次のように説いているのが興味深いですね。

日本人は全人類中もっとも寛容な国民であり、国内には穏和な一二の宗派が根を下ろしていた。イエズス会士がやってきて一三番目の宗派を樹立したのだが、しかしすぐに他の宗派を容認しようとしなかったために、ご存知のような結果を招いてしまった。すなわち、カトリック同盟のさいにも劣らぬすさまじい内乱がその国土を壊滅させてしまったのである。そのあげく、キリスト教は血の海に溺れ死んだのである。

 

……フランスの貴族たちには日本の話がどのように伝わっていたのでしょう。

 

 

 

さて、この「寛容論」を現代の世相に当てはめて考えてみますと。

 

宗教的な不寛容、外国人への不寛容、若年者や女性やLGBTQへの不寛容等々……いろいろ課題はございますけれども、いま一番世の中で盛り上がっているのは「批判してもいいだろうと思われる方に対しては、集団でいくらでも批判してもいいだろう」という空気感の是非でしょうか。

なんかヤフーニュースを運営している方々も大変そうですし。

 

 

なんだかんだで民度は少しずつ高まっており、一昔前に比べればあからさまな暴力やイジメやイジリは減って、「人を傷つけない笑い」みたいな概念も普及しつつある中。

 

それでも人のサガとして「誰かを傷つけてストレスを解消したい/正義側になりたい」というプログラムは強固に機能しているようで、罪を犯した方、不適切な行動をした方、有名な人が批判した対象の方……等々に対しては、攻撃する大義名分があるだけに、いくらでも攻撃していいだろうというのが無自覚な社会的合意になってしまっている感がございます。

 

こういう多数・匿名・無自覚な攻撃性こそヴォルテールさんが批判※した18世紀当時の旧教徒の空気感に通じるものがあるように思いますし、カラス事件のようなセンセーショナルな悲劇が起きないとなかなか啓蒙って進まないものなの? 的な人類への悲観も想起させられてしまいますけれども。

 

※ちなみに、寛容論も当初匿名で発表されたそうで。

 

 

ジャーナリズムもメディアもインターネットもSNSもそれらに接する我々ユーザー一人ひとりも、今後更に多くの経験を経て成熟していくものだと期待したいところです。

 

宗教改革から寛容論まで2世紀かかった訳ですから、現代のこうした課題も一定の解決を見せるまで1-2世紀かかるのかもしれません。

人類ってときどきすごく賢いですから、あと1世紀くらいかけたら、もっと人を批判するに際して想像力を駆使できたり言葉を上手に選べたりするようになっていけるかもですよ。

 

 

あちこちで大規模なバッシングが起きておりますけれども、どうかカラス事件のような悲劇が起きることなく軟着陸していくことができますように。

 

相撲界の旧教徒と新教徒も互いに寛容の精神を発揮して仲良くやっていけますように。