肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

ウルトラマンZ「ジャグラスジャグラー/ヘビクラ隊長の目的予想」22話視聴時点

 

ウルトラマンZが毎話毎話まことに面白くかんたんしていたらもう終盤ですね。

 

気がつけば、もともと好きだったジャグラスジャグラーをますます好きになり、

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更には青柳尊哉さん出演の舞台まで観に行ってしまいと、

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身体のどこまで沼に嵌まっているのか分からなくなってきております。

 

 

せっかくなので、ウルトラマンZの終盤をますます楽しむために、ジャグジャグさんが何を目的にして行動しているのかを予想しておこうかなと思います。

当てにいきたいというより、自分の願望を書きなぐりたいという趣旨です。

 

 

以下、従来展開のネタバレや痛い妄言を含みますのでご留意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウルトラマンZ 22話。

とうとうヘビクラ隊長が「もう隊長じゃない」と仰り、廃棄シールをストレイジ基地に貼り、盆栽片手に去っていってしまいました。

(その前にダイナやオーブの力に手加減されずやられたのも湿度が高かった)

 

ヘビクラ隊長としての役割や狙いは一旦終了し、これからは本格的にジャグラスジャグラーとして行動するという意思表示でしょうか。

 

22話まで進みながら、実はジャグジャグさんが何を思ってストレイジの隊長になり、何を思ってセレブロさんを泳がし、何を思ってウルトロイドゼロの完成を助けたのか、まったくもってサッパリ分からないというのがすごいですね。

これからラスト3話はきっと怒涛の展開になることでしょうから、とても楽しみです。

 

 

ジャグラスジャグラーさんの目的は何か。

Zではこれまで、

  • 偉そうな能書きだけで人の生き方を否定してくるヤツらを見返す
  • ウルトラマンに頼らず怪獣を倒す
  • 斬ってみたいヤツらはいる

 

等々、「らしい」発言が出ておりましたけれど……。

 

 

私の予想としましては、ウルトラマンZにおけるジャグラスジャグラー/ヘビクラ隊長の目的はウルトラマンたちに先駆けてデビルスプリンター事件を解決すること」ではないかなあと考えています。

 

ビルスプリンター。

ベリアルさんの迷惑な置き土産。

ウルトラマンZのベースとなる設定でありながら、あまり登場してこない要素。

 

現在は各ウルトラマンが宇宙中に散らばって、デビルスプリンターで凶悪化した怪獣を討伐している模様でありますが。

もしかしたらオーブさんも光の輪から解決ミッションを受けているかもしれませんが。

 

ジード映画での行動も踏まえるに、ジャグラーさんは、ウルトラマンに頼らず宇宙の難題を解決することで、ウルトラマンやオーブの光を「見返す」つもりなのでは。

それはそれとして、機会があればウルトラマンと戦って勝利して「オレの方が上」だと直接証明したい思いはおありでしょうけどね。めっちゃエースのこと睨んでましたし。

 

 

で、具体的には、これからジャグラーさんは何らかの方法でビルスプリンターをZ地球に集め、凶悪怪獣たちを一か所にまとめてしまい、撃滅することできれいに事件を解決してしまおうと考えてはるんじゃないでしょうかね。

Z地球にとっては迷惑この上ない作戦ですが、だからこそウルトラマンにはできない作戦だろ?」的な感じで。

 

こうした、手段を問わずに課題を解決するジャグラーさんの姿勢は、命の木伐採というかたちでオーブオリジンの時点でも見られました。

それがいわゆる「光の戦士の戦い方じゃない」に繋がる訳なんですけれども。

 

あれから何千年かの時を経て、ウルトラマンオーブの物語を経て、いまのジャグラーさんは手段を問わない闇の姿勢はそのままであっても、僅かな光の部分もお持ちの方になっております。

その光の部分が盆栽(今度は命の木を伐採しない、育てる)であり、ストレイジであると思うんですけどね。

 

オリジン時点と違って、成熟したジャグラーさんは、手段は選ばないけどフォローもするようになった。

Z地球に迷惑な作戦をやるけど、Z地球にちゃんと戦力を用意し、Z地球人の成長を促し、結果として最短合理的な方法でデビルスプリンター事件を解決する。

ウルトラマンみたいに並行宇宙のあちこちで各個撃破していたら犠牲者が増えてしまうばかりだぜ、ああ、ジャグラーさんがいてくれてよかった!

 

と、ここまで上手くいけば、それはもうウルトラマンとは違うかたちのヒーローのあり方、もうひとつの正義、「闇の戦士の戦い方」と言ってもいいと思うんですよね。

 

よくないですか。

ジャグラスジャグラーは闇の戦士。

ヘビクラ隊長はジャグラーに残った光の欠片。

光を抱いて……闇となる!! 的なスケールアップですよ。

 

まあ私の妄想なんですけどね。

 

 

 

妄言ついでに。

 

Zラスト3話で、ジャグラー魔人態の巨大化きますかねえ?

私、ゼッパンドンもファイブキングも好きですけど、やっぱりジャグラーさんの最強フォームは魔人態巨大化だと思うんですよね。

オーブオリジンの対となる存在だと思いますし。

 

Zがジャグラーさん主役の物語なら、ストレイジ隊員たちの応援なんかを受けて「かつて己が捨てた力」を取り戻し、光と闇がない交ぜになった力で巨大化したりしそうなものなんですけどね。

あるいは、ベリアロクの力で巨大化できたりもしそうなもんなんですけどね。

 

ジャグラーさんは主人公ではないので、最終的に上で妄想したような作戦はおおむね成功するけれども、トドメはやっぱりウルトラマンZ、となるだろうなあ。

 

 

一方、ジャグラーさんは巨大化できないからこその魅力が強い人なので、これからも稀に巨大化することはあっても、基本的には等身大で活躍してくださるジャグラーさんであってほしいとも思うんですよ。

 

この辺は実にファンとして悩ましいところで、魔人態が巨大化してバッサバッサ大活躍するところも見たいし、そうそう都合よく巨大化してほしくないとも思うし。

 

まことに、ジャグラーさんというキャラは、人物面でも戦闘面でも多面的すぎて魅力的すぎるぜ!

 

 

 

以上、つらつらやくたいもないことを書きましたが、それだけウルトラマンZが面白いからいろいろ思いついちゃうんですよね。

 

終了前から言うのもあれですが、これからもウルトラマンシリーズにジャグラスジャグラーがときどき登場したりスピンオフられたりしますように。

 

 

 

小説「陰陽師 鳳凰ノ巻 感想 書き出しの文章がいいよね」夢枕獏さん(文春文庫)

 

小説陰陽師、4巻めまで読み進めてあらためて実感したのが、夢枕獏さんによる導入部の文章のよさ。

陰陽師シリーズはこの書き出し部分があまりにも心地よくてかんたんするので、読み続けたい気持ちになりますね。

 

books.bunshun.jp

 

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以下、ネタバレを一部含みますのでご留意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

4巻に収録されているお話は次のとおりです。

 

  • 泰山府君祭」蘆屋道満さんのタチ悪い趣向に向き合うお話
  • 「青鬼の背に乗りたる男の譚」気の毒な女が鬼になるお話
  • 「月見草」大江朝綱さん・漢詩を題材にしたしっとりするお話
  • 「漢神道士」妖に向き合うお話、導入部も結末も好き
  • 「手をひく人」鴨川の大水や橋かけにまつわるお話
  • 「髑髏譚」道具に人々の懺悔が憑く、付喪神的なお話。
  • 「晴明、道満と覆物の中身を占うこと」晴明vs道満なお話。

 

 

場景を思い浮かべて映像映えしそうなお話は、ラストの「晴明、道満と~」ですね。

すっかり蘆屋道満さんもレギュラーになりまして、1つ目とラストで活躍してくださる構成になっております。

 

基本的には主人公の安倍晴明さんが上手いことやる訳ですが、蘆屋道満さんもなかなかどうして負けておらず、格を落とさない見事なライバルっぷりがさすがです。

そして、あれやこれやの対決が終わった後、晴明さんと道満さんが仲良くお酒を飲み始めたり、隣で源博雅さんがうろたえたりしているシーンも好き。

月が、西の山の端に沈む頃――

「おもしろかったなあ、晴明……」

ぽつりと道満が言って、腰をあげた。

「はい」

道満はゆるゆると簀を歩き、階を降り、庭へ出た。

「また会おう……」

振り返りもせずに、道満は言った。

「おもしろかったろう、博雅……」

晴明が言うと、しばらく沈黙してから、

「ああ」

ぽつりと博雅がうなずいた。

 

三人の様子が、不思議で、それぞれいいですよね。

 

 

 

私が4巻の中で一番好きなのは「漢神道士(からかみどうし)」。

 

まず、導入部が良すぎる。

他のお話も導入部がいいのですが、漢神道士は特にいいんですよね。

ほろほろと、桜が散っている。

闇の中で、音もなく、桜の花びらが舞い降りてゆく。

風はない。

花びらは、自らの重みで枝を離れ、地にこぼれてゆく。

満開の桜である。

こぼれ落ちてもこぼれ落ちても、頭上には同じ量の桜が満ちている。

その上に、青い月が出ている。

酒の入った瓶子がひとつ、ふたりの間に置かれている。

杯がふたつ。

そのうちのひとつは、晴明の右手に握られ、もうひとつは博雅の左手に握られている。

他には、何もない。

ただ、桜の花びらが積もっているばかりであった。

藍の花氈の上にも、博雅の上にも、晴明の白い狩衣の上にも、桜の花びらは降り積もっていた。

博雅が手にした杯の中にも、二枚の桜の花びらが浮いている。

博雅は、左手に持った杯を口に運び、花びらごと飲んだ。

「人の才――安倍晴明という男の才も、また、この桜のようだというのさ」

「どういうことなのだ」

「黙っていても、自然におまえのなかから才がこぼれ出てくるようなものだ」

「―――」

「しかも、いくらこぼれ出てきてもおまえの才は、わずかながらも減ったようには見えないのさ」

「ほほう」

「まるで、おまえの内部で、大きな桜が枝を広げ、無尽蔵に花を咲かせながら、花びらを散らせているようだ」

 

ほろほろ舞い散る桜色、月と毛氈の藍色、安倍晴明さんの白い狩衣、夜の闇と、色合いが実によくないですか。 

のっけからこんなにも美しい情景を見せられたら、もうこれだけでいい物語を読んだという満足感で満たされてしまいますね。

安倍晴明さんを桜に例えながら、花びらごと酒を飲む源博雅さんも大好きです。

 

 

神道士は、ここから、謎の悪夢に苦しむ貴族を助けに「ゆこう」「ゆこう」することになり、見事に悪夢の原因を突き止め、酒と桜と笛の音で解決をする展開の美しさも実にいいんですよね。

悪夢の内容以外はとても静かなお話で、それだけに詩情に富んでいます。

悪夢の原因だった妖さんが、「冥利……」とつぶやいて消えるのも好み。

 

 

陰陽師シリーズは、安倍晴明さんと源博雅さんの関係性であったり、平安貴族の雅であったり、鬼や妖や蘆屋道満さんによる派手な怪異であったり、見応えがいろいろ多い作品ではありますが、書き出しや展開のしっとりさ、ほろほろとした淡い味わいもまた、大きな魅力だと思いますね。

 

この快い感覚を、これから先の陰陽師シリーズでも堪能させてくださいますように。

 

 

 

小説「陰陽師 付喪神ノ巻 感想 1巻2巻より更に好き」夢枕獏さん(文春文庫) - 肝胆ブログ

 

 

 

 

「ウルトラ6兄弟 THE LIVE in 博品館劇場 -ウルトラマン編- 感想 マン兄さんが更に強い」

 

ウルトラマンのライブステージを動画配信で初めて観てみたところ、大好きな6兄弟が勢揃いで活躍する上にウルトラマンがますます強くなられるというホクホクの中身でかんたんしました。

 

m-78.jp

ultraman.spwn.jp

 

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以下、ネタバレをけっこう含みますのでご留意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

舞台は前後半構成で、前半はマン兄さんとバルタン星人の少年バルルさんとの出会いが、後半はウルトラ6兄弟&ゼロ&ゼットと、ゼットン等怪獣軍団&タルタロスさんとの激闘が、それぞれ描かれます。

 

 

タイトルにウルトラマン編とある通り、全体を通した主人公はマン兄さんでして、ストーリーを通して更にお強くなられる展開が魅力的。

マン兄さん、最近はX映画のように神秘の存在方向での掘り下げが進んでいて(こっちはこっちで好き)、物語の生の人物として取り上げられる機会は逆に減っている気がしていましたので、こうして血肉やセリフを与えていただけるのも実に嬉しいですね。

セリフや声もベテラン戦士の威厳感に富んでいてよございました。

 

前半後半通じて、マン兄さんらしい投げ技や寝技、チョップ、泥臭い飛び蹴り等々をふんだんに繰り出す戦い場面が続きますのでまことに幸せです。

レッドキング戦での、腰を落とした姿勢からのクイクイ挑発とか、相手の腕を止めてからの飛びつき蟹ばさみとか、もうさいこう!

 

更に、後半のゼットンバルタン戦では新技「ウルトラスペシウム光線まで体得されてしまいました。

溜めてから放つ赤くて強いスペシウム光線で、シンプルな正統バージョンアップっぷりがとても格好いいです。

ウルトラ~という直球ネーミングも、マン兄さんにこそ相応しくていいですね。

ウルトラマンたちにとっての基本技であるスペシウム光線を、必殺技にまで磨き上げたのがマン兄さんで、更に磨き上げ続けたら二段階目の進化を遂げたという。

マン兄さん、各種ゲームではスペシウム光線に溜め演出が入ることもありましたけど、こうした場で新技として披露してくれると頬が緩みっぱなしになっちゃいます。

個人的には、マン兄さんの一番の必殺技は八つ裂き光輪だと思っていますので、いつか八つ裂き光輪もウルトラオーバーキル化してくれていいのよ。

 

 

 

マン兄さん以外の見どころも実に多く。

 

セブンとバルキー星人の殺陣ですとか。

ゼットを庇いながら戦うゼロですとか。

ちょっとだけ登場してくれる80とヒカリですとか。

ウルトラマンナイスの要所要所での活躍がナイスですとか。

バルキー・マグマ・ザラブ3星人のチンピラっぷりもよかった。

そもそもウルトラ6兄弟が揃って戦ってくれるだけで嬉しいですしね。

 

ウルトラマンのステージをちゃんと見るのは初めてだったんですけど、背景に映し出す映像効果とか音響・BGM含めた演出とか、すごいですね。

これは過去のEXPOとかも見たくなっちゃうやつだな。 

 

 

タルタロスさん、ギャラクシーファイト2での活躍に先んじる形で登場して暗躍しておられました。

各セリフから、ウルトラ6兄弟にはもともと悪者として認知されているようです。

また、タルタロスさんの方も、ウルトラ族のことを「我々の脅威になり得る存在」みたいな感じで敵視しておられましたが、「我々」と仰ってるところをみると、タルタロスさんにも仲間がいらしゃるんでしょうかね。

実はギャラクシーファイト2のアブソリュートタルタロスさんとは別人で、他にもエクセレントタルタロスさんとかアラモードタルタロスさんとかがいたりして。

 

 

最後にゾフィーさん。

舞台上でもM87光線を撃ちながら扇状にスイングしてゼットン2体撃破に貢献したり、雑に命を取り出して「普段からこの人 命を持ち歩いてはるんだろうか」感を醸し出したり、なかなかおいしい活躍を見せ続けてくださりましたが。

 

この6兄弟LIVEの続編、なんとゾフィー編なんですね。

さっき知って驚きました。

ついにゾフィーさんが主役の物語を見られるのか。

マジで嬉しい、ぜひ今後も配信をしてほしい。

特典動画を見る限り、戦士としても隊長としても魅せてくれることは間違いなさそうなので、もういまから来年2月が楽しみでなりません。

うきうき。

 

 

 

コロナで舞台芸術関係は稽古も公演もまことに大変な状況ですが、オンライン配信の普及等、これまでになかったプラスの面もわずかに出てきていることは前向きに受け止めたいところですね。

 

どうかこれからも素敵な舞台が製作され続け、観覧し続けることができますように。

 

 

 

舞台「迷子 感想 とりわけ青柳尊哉さんの業が深すぎませんか」劇団時間制作

 

久しぶりにお芝居を見に行ってみたところ、あまりにも業が深い内容に重いものを抱きつつ、それだけに演じられている役者方の生命力が満ち満ちていてかんたんしました。

 

zikanseisaku.com

 

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青柳尊哉さんが出ているのかあ。

DXダークリングの販促で「迷子を見つけられそう」とか仰ってたなあ。

くらいの気持ちでチケットを取ってみたところ。

 

とんでもなく重たい内容でびっくりしつつ、大人向けのハードな展開に唸らされ、役者方の好演にドキドキし、照明や音響の確かさに満足するという。

「やっぱり劇場で見るお芝居はいいよね!」な気持ちになれて幸せでした。

 

 

以下、詳細までは申し上げませんが、ある程度のネタバレ要素を含みますのでご留意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上のビラ画像にあります通り、「事故で家族を失った被害者」に焦点を当てたお話になります。

 

3家族で行った旅行先の民宿が過失で火事になり。

芦沢家は自慢の次女を失い。

葛生家は両親を失い。

加藤家は全員無事だったという。

 

3家族で民宿経営者の老人(火事で死亡)遺族を訴える。

一審は敗訴。

その間、芦沢家の母親のメンタルはボロボロに。

葛生家の残された青年は引きこもりがちに。

加藤家は全員無事だっただけに超気まずい。

 

控訴しますか? しませんか?

控訴をするだけの精神的体力は残されていますか?

民宿経営者遺族に復讐すれば、賠償金を得れば幸せですか?

過失で火事を起こした民宿経営者は悪人なの? 死後も責められて然るべきなの?

 

芦沢家の長女、葛生家の残された青年、加藤家の次男は幼馴染。

永遠に変わらないと思えた幼馴染関係はこれからも変わらないのか?

 

 

 

みたいな。

どれを取っても重たい要素が、出演者の熱演に乗ってガシガシ飛んできます。

照明の当て方、開演前含めて音響の効かせ方も、いい感じに観客の気持ちをザワつかせてくださってですね。

そうとう削られるので、疲れている時に見るのはお勧めしないっす。

濃厚な料理を食べる前は胃腸を健やかにしておきましょう。

 

 

 

個人的にとりわけ印象に残った見どころを2つほど。

 

 

1つは家族描写のリアリティの高さ

 

岡本玲さん演じる芦沢家長女の長女っぽさ。

竹石悟朗さん演じる加藤家長男の長男っぽさ。

長女は万事に気を配り、家族の意思を代弁し、ともすれば自分を失う。

長男はフォロー力に優れ、締めるところは締める役割を担う。

 

田野聖子さんと武藤晃子さんが演じる芦沢家・加藤家の母親っぽさ。

子どもへの愛情深さと、子どもを失った際の脆さ。

世間体への過剰な配慮。

 

セリフ回しと演技表現が相まって、こうしたどこかで見たことあるような家族の姿の再現っぷりがハンパないんですよ。

リアリティがめっちゃあって、共感めっちゃできますから、彼らの悲しさや優しさがめっちゃ胸にきます。

いい。

でも、重い。

でも、いい。

そんな風に気持ちがぐるぐるして満ち足ります。

 

 

 

もう1つは、青柳尊哉さんの業の深さ

 

詳しくは申し上げませんが……

青柳さんが担う葛生家の残された青年役は、あまりにも業深いです。

 

部屋に引きこもっている際の演技、

たどたどしく幼馴染の二人に語り掛ける演技等々、

惹きつけられるシーンが続きます。

 

白眉は、中盤過ぎくらいで、観客を背にひとり踊るシーン

表情を見せずに、あたかも愉快に、あたかも滑稽に踊り続ける彼の姿がですね。

もう見ていられないほどに苦しくて美しくて、来てよかったと思いました。

 

青柳尊哉さんの演技・佇まいは、もはやオリジナルな域に届いていると言ってもいい気がいたします。オリジン。

 

ウルトラマンネタで恐縮ですが、そもそもジャグラスジャグラーもたいがい業深い迷子キャラなのに、まさかジャグラスジャグラー以上に救われない設定の人物を演じてはるとは思わなかったよ!

 

 

 

 

最後に、舞台を見て思ったことを少しだけ。

 

 

この作品は明確な方向性を示さないまま、登場人物が迷子のままに終わります。

重たいものをぶつけられるだけぶつけられて救いを見せずに終わるので、観客の気持ちもしばらく迷子になってしまう感じです。

かまいたちの夜サバイバルゲーム編」みたいな、サウンドノベルゲームとかアドベンチャーゲームのバッドエンドルートだけを見せられて終わるようなイメージですね。

 

 

故意の犯罪、いわゆる「罪と罰」とは違い、

過失・重過失による不幸は加害者側も被害者側も非常に辛いものがあります。

 

火災、交通事故、スポーツ事故、労働災害等々……

人がどれだけ賢明になっても、過失による不幸をなくすことはできないでしょう。

むしろ、人の努力で過失が減れば減るほど、実際に過失による不幸が生じてしまった場合の精神的ダメージは大きくなってしまうかもしれません。

 

このお芝居で示されたケースは、自分も含めて誰の身にも起こり得る内容だけに、想像するだけで重く、辛い。

親しい身内を失えば冷静でいられるはずもなく、大きな感情に振り回されることも至極当然だと思います。

「あらゆる不幸をあらかじめ覚悟しておく」とか、「己や身内も含めて諸行無常」とか、普通の人間がスッとたどり着ける境地じゃないですからね。

 

 

そんな中、私の主観的な解釈をひとつだけ申し上げますと。

 

「迷子」って、「神隠し」や「捨て子」と違って、「誰かに見つけてもらう」結末までがニュアンスに含まれている言葉だと思うんですよね。

 

きっと、登場人物たちも、いったんは迷子になっても、どこかで手を差し伸べてくれる人に出会えることでしょう、という救いは仄めかされているんじゃないかなあ。

そうだといいなあ。

 

事故前のような関係には戻れないかもしれないし、人生の道をこれからもずっと一緒に歩いていける訳ではないかもしれないけど。

少なくとも、迷子の子が、人心地がつける場所までは連れて行ってくれる。

そういう気持ちのあたたかさを、登場人物たちは互いに持っていたと思うんです。

 

本当に、私見、妄想での希望ですけどね。

 

 

 

近頃はなかなか迷子に声をかけにくいとも言われますけれども、迷子がいたら声をかけて笑わせて案内してさしあげられるような人がたくさんいる世の中でありますように。

 

私もそうありたい。

 

 

 

大相撲'20.11月場所感想「貴景勝関はいい大関」

 

コロナや横綱大関陣の休場、更には琴奨菊関らの引退と、寂しいニュースが多過ぎた20年11月場所を、一人残った大関貴景勝関が見事に締めくくってくださってかんたんしました。

場所後の八角理事長のお言葉通り、貴景勝関はいい大関ですね。

 

www.sumo.or.jp

 

 

今場所の幕内勝ち越し力士は次のとおりです。

 

13勝 貴景勝(優勝)照ノ富士(技能賞)

11勝 北勝富士志摩ノ海(敢闘賞)

10勝 大栄翔、千代の国(敢闘賞)

  9勝 宝富士、栃ノ心、竜電、千代大龍、天空海、明生

  8勝 隆の勝、高安、玉鷲、琴勝峰、遠藤、徳勝龍、逸ノ城千代翔馬

 

 

貴景勝関はいい大関さん。

彼はぶっきらぼうな物言いをしたり、言葉足らずだったり、ご家族までニュースになったりと、損をしているような場面も多いんですけど、今日の優勝インタビューはまことによかったですね……!

ちゃんと親方たちへの感謝を口にしてくれて、見ていて嬉しかったです。

更に、

本割は自分なりに集中していきましたけど、力及びませんでした。負けて出来ることというのは無心になって、自分が挑戦者として新弟子のころから目指していたもの、何も考えずに強くなりたかった自分を意識しながら、何も考えずにただぶつかっていきました。 

 

という言葉は、貴景勝関の人柄を感じるとともに、高い次元で活躍している方の精神性の一端を垣間見れた気になれました。テレビを一緒に見ていた少年少女も感心していましたよ。

 

 

 

照ノ富士関は、もはや実力は明確に大関並、恐いのはケガだけ、という感じですね。

8日目の大栄翔戦、9日目の高安戦で、それぞれ回り込まれて苦戦していたように見受けられたのですが、そこからの10日目以降は相手を正面に捕らえる技術が一層冴えわたっていて、これは技能賞も当たり前という感じでした。

殊勲賞もあげてよかったんじゃないかなあ。

 

 

 

北勝富士関は、宝富士戦の熱戦を制して以降、モチベーションもグンと上がったようで何よりです。文字通り、実力が一枚向けた感じで、ああいう機会をモノにできたのは幸甚だったのではないでしょうか。

敗れた宝富士関も、後半は疲れが出ていたような気がしますが、前半の体幹の強さ、当たられた時の動じなさは素晴らしかった。いい意味で脂がのってきた印象ですね。

 

 

志摩ノ海関、千代の国関の敢闘賞コンビも大変喜ばしいですね。

志摩ノ海関は竜電関戦や、敗れはしたものの貴景勝関戦が印象よかったです。

千代の国関は序盤戦の生き生きっぷりと、千秋楽の小手投げの迫力がよかった。

かわいい志摩ノ海関とイケメン千代の国関、これからますます活躍していただきたいものであります。

 

 

推しの大栄翔関が地味に10勝できてよかった。特に話題にはならないけど、幕内上位でしっかり10勝しているのが大栄翔関。好き。照ノ富士関戦や玉鷲関戦が良かったなあ。

同じく推しの隆の勝関も、三役で勝ち越せてよかった。胸を張って実力が本物だと言ってよいでしょう。少し硬くなっている場面もあったので、まだまだ安定的に星を上げれそうです。

 

 

9勝した竜電関は、立ち合い時の腰をくいくいするのがめちゃくちゃ気になりましたが、あれがいい感じにリラックス効果あったのかもしれませんね。ストイックで真面目そうな竜電関に一見似つかわしくない動きではありますが、更なる高みに上る過程のような気もするので今後を見守りたいです。

新入幕の天空海関、好きなタイプですし、しっかり星を上げられてよかった。それ以上に、ダンプに追突されても無事でよかったです。リアル異世界ちゃんこにならなくてホッとした人も多いはず。

 

 

負け越した方々の中では、炎鵬関・照強関の両者がやはり印象深いですね。この二人の対決は想像以上に熱かった。

個人的には、豊昇龍関の初日、魁聖関に胸を合わせた状態から投げ勝った一番がとてもアガりました。豊昇龍関の良さが光っていたと思うんです。引続き琴勝峰関たちに負けずに昇っていってほしい。

 

 

そして、琴奨菊関の引退。

ただただ寂しい……。

昔から好きだったので……最近の、往年の人気力士が続々引退する状況と相まって……自分の中で、時代が確実に変わったことを強く実感しています。

 

 

でも、寂しい一色ではなく、上でいろいろ書いたように、嬉しい・楽しい面も多い場所でした。

重ねて言いますが、大関がしっかりと締めてくれて本当に良かった。

 

 

来年の初場所横綱二人の去就、貴景勝関と照ノ富士関の挑戦と、のっけから巨大トピックスに溢れていますが、引続き充実感の高い場所になりますように。

 

 

 

 

定点観測:相撲界の毛利三兄弟

 若隆景(前頭筆頭)   7勝8敗

 若元春(十両六枚目)  8勝7敗

 若隆元(幕下二十八枚目)4勝3敗

 

若隆景関の粘りある取組みっぷりは、幕内で確実にファンを増やしていますね。

お兄ちゃんお二人も勝ち越せてよかった。

 

 

 

「足利義晴と畿内動乱 分裂した将軍家 感想」木下昌規さん(戎光祥出版)

 

足利義晴さんの中世武士選書が出ていて、しかも非常に分かりやすく畿内戦国史研究の進展が整理されていてかんたんしました。

さいきんのこの界隈の盛り上がりっぷり、出版の充実ぶりはすごいものがありますね。

畿内戦国史の研究でごはんが食べられるなら何よりだと思います。

 

www.ebisukosyo.co.jp

 

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【目次】
第Ⅰ部 足利義晴細川高国の時代
 第一章 父・足利義澄の時代
 第二章 足利義晴の登場
 第三章 初期義晴政権とその崩壊
 第四章 宿命のライバル・足利義維
 第五章 朽木で行われた政治
 第六章 高国の死と堺政権の崩壊

第Ⅱ部 帰洛後の政権運営と幕府政治
 第一章 義晴、帰洛す
 第二章 特徴的な政権運営
 第三章 将軍家と大名勢力
 第四章 将軍家の家政と直臣たち
 第五章 新たな動乱の兆し
 第六章 義晴の没落と死

 

 

足利義輝・義昭兄弟の父、足利義晴さんの生涯を丁寧に解きほぐされています。

 

足利義晴さんは将軍在位期間+大御所としての活躍期間が1521年~1550年とけっこう長く、細川家や宗教勢力の争乱で畿内がえらいことになっている中でも、六角定頼さん等の力を活用しながら頑張って室町幕府の保持に努めたことで知られています、というか知られてほしい、という方ですね。

 

義晴さん時代の幕府運営は、実は史料に恵まれていることもあり、質の良い研究が進んできている印象がございます。

この本は畿内戦国史のさいきんの論点が非常に分かりやすく整理されており、義晴さんの努力についての理解も格段に進むと思いますので、多くの読者に手に取っていただけるといいなあと思います。

 

 

本の構成は、足利義晴さんの前史(父:足利義澄さん時代)から、義晴さん誕生、細川高国さん時代、ライバル足利義維さん(堺公方府)出現時代、細川晴元さん時代、そして三好長慶さんの登場と義晴さんの死去までを、時系列に丹念に解説いただけるものとなっております。

義晴幕府、すなわち戦国時代の室町幕府について、組織のあり方や、朝廷等から期待されていた役割がよく分かって、とても読み応えに富んでいますよ。

 

 

 

全体を通した大きな感想を2つほど。

 

 

1つは、義晴さんの努力、功績として取り上げられている要素の一つひとつが。

義晴さんの晩年、更には(本には書かれておりませんが)次世代の義輝さん期以降に崩れていき、代わりに三好長慶さんら新興勢力がその役目を担っていくことを知っているだけに、無常を感じてしまいます。

本当に、上野信孝さん、三淵晴員さん、進士晴舎さん等、奉公衆の方々はどんな気持ちで働いていたんだろう。

 

本の中で紹介されている義晴さんの功績としては、

  • 中立な立場からの全国外交・調停
  • 改元・参内等の朝廷対応
  • 六角定頼さんという有力大名の後見獲得
  • 幕府財政や奉公衆所領の保持

 

等が挙げられますが、

義晴さん晩年から定頼さんに裏切られる等これら要素が崩れ始め、

義輝さん期には三好長慶さんに改元対応や奉公衆所領等を取り上げられ、

義昭さん期には織田信長さんとのあれこれで中立的な調停機能も失っていきます。

 

義晴さんや以降の将軍たちの実力不足と言いたいのではなくてですね、

衰退期に入った産業や会社で、経営者や従業員が必死に立て直そうとしているような姿とダブってしまって応援したくなるんですよね。

 

 

 

2つ目は、本の構成として、室町幕府研究の成果という切り口で記述されていますので、六角定頼さんの存在感は非常に分かりやすく、細川晴元さんや三好長慶さんの実力が分かりにくい点。

室町幕府という組織機能をいかに義晴さんが頑張って立て直そうとしていたのかはよく分かるのですが、室町幕府という組織の外で、台頭してきている大名・国人らの動きはあまり記載されていませんので、この辺り(タイトルでいう「畿内動乱」の方)は他の本を読む等して読者側で補完した方が望ましい気がします。

ビジネス本とかでも、傾いた企業内部のドラマはもちろん面白いしたくさん描いてほしいけど、傾いた外部要因であるマーケット変化やライバル新興企業について書いていなかったら物足りなくなりますでしょう。

 

とりわけ足利義晴さんにとってのキーマン六角定頼さんが、なぜ最後に義晴さんを裏切って細川晴元さん側についたのかは、この本を読んだ後でもまだモヤっとしています。

晴元さんとの縁戚関係だけでの判断なのか、幕府の外(当著記載の外)では細川京兆家が重かった故の判断なのか、晴元さん個人のチャーミングさによるものなのか。

幕府サイドは研究が近年進んでいるのですけど、晴元さんサイドの研究はまだまだ充分にまとまっていないので、京や畿内の地域ステークホルダーから見た室町幕府細川京兆家の相対感とかどっちが頼りになりそう感とか、もっと明らかになっていくと楽しそうだなあと思いました。

 

畿内は、朝廷、幕府、有力大名、宗教勢力と、偉い人や強い人がたくさんいますから、個々事案の判断プロセスが分かりにくくて難しいですし、一方でそれだけに現代社会と通じる面も多くて面白いですね。

 

 

 

上記2点のほか、

  • 村井祐樹さんの六角定頼研究をしっかり咀嚼しつつ、定頼さんに対して穏当で納得感ある評価を与えている
  • 山田康弘さんの「足利義晴プロデュースでの細川国慶プロレス説」が取り上げられていてウケる
  • 馬部隆弘さん研究の成果か、木沢長政さんがかつてのオモシロ外道マンではなく、真っ当に注目されるようになってきている
  • 将軍の在京はやっぱり大事だよね
  • 義晴さんと本願寺のあいだで板挟みになって、思わずバックレてしまう三淵晴員さんがかわいい
  • 義晴さん目線で見ると、没落ティーンエイジャーだったのにいきなり京都に殴り込んでくる三好長慶さんが超怖い
  • 義晴さんの支持を失ったのに、平気で畿内を席巻する細川持隆さんや三好実休さんたち四国衆・淡路衆も超怖い
  • 義晴さんのやつれた肖像画は、晩年に描かれたものだったんだなあ……

 

辺りが印象に残りました。

 

総じて、畿内戦国史や後期室町幕府に関心のある方には間違いない本だと思います。

 

 

 

苦難の状況下で懸命な努力をしている方におかれましては、必ず報われるとは言えませんけど、後世の評価を含めて何かしらの救いがありますように。

 

 

 

 

おまけ

 

足利将軍とか天下人(っぽい人含む)の事績って、こんな感じなんですかね。

※この本に書いてあることではなく、私の雑な素人イメージ論です。

 

  義晴 義輝 義昭
在京
対朝廷
中立調停
財政

 

  高国 晴元 定頼 長慶 信長 秀吉 家康
対幕府 -- --
対朝廷
在京 × ×
栄典取得 家格並 家格並 家格以上 家格以上 将軍以上 新世界 新世界
全国外交
海外知名度
畿内随一
畿内制覇 × × ×
約10国制覇 × × ×
約30国制覇 × × × ×
全國制覇 × × × × ×

 

 

上でも少し書きましたが、

個々人の評価をしたい訳ではなく、また、事績が個々人の能力に比例しているとも思ってはおらず。

時代って、段階的に変わっていくもんなんだろうなあ、と思っている感じです。

 

まあ学術的な議論では、時代も立場も違う人たちをつかまえて個々人の能力評価とか「あいつよりこいつの方がスゴイ」とか普通はしないでしょうし、

信長の野望や娯楽ムック本では楽しく数値評価して盛り上がればいいと思いますし。

黎明期や衰退期の企業の経営者と、覇権期の企業の経営者、どっちがスゴイとかいう話と一緒ですね。

 

だんだん室町幕府にできることが減っていって、

天下人っぽい人たちは、はじめは室町幕府に対して強い影響力を持っている人のことで、それが室町幕府の代行者っぽくなって、最終的には室町幕府と全然違う存在にまでなって、と。

 

 

何が言いたいかというと、現代もコロナ含めて難儀な時代ではありますが、実は段階的により良い時代になっているのだろうという希望的観測です。

個々人の幸不幸は別として、総体では。

 

 

 

「じゃりン子チエ 文庫版11巻 感想 テツの結論、ヨシ江はんに酒」はるき悦巳先生(双葉文庫)

 

じゃりン子チエの文庫版11巻にて、テツとヨシ江はんの関係にちょっとした進展があってかんたんしました。

 

www.futabasha.co.jp

 

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収録されているお話は次のとおりです。

 

  • 待つ身はつらい
  • カルメラの運だめし
  • 淀に向かって走れ
  • 淀は荒れていた
  • ツキまくる三人
  • 最終レースの後で
  • みんなマトモじゃないけれど
  • ヤクザな儲けは体に悪い
  • パーティーに誘われて
  • 竹本テツ先生に来た手紙
  • 地獄の周辺交遊図
  • テツのアルバイト
  • 組開きパーティー始末①
  • 組開きパーティー始末②
  • そろそろみんなで張り切る季節
  • 働くカルメラ
  • 働くカルメラ「きざら事件」①
  • 働くカルメラ「きざら事件」②
  • 雨の日・父の日
  • 無口な「う~~」テツ
  • 梅雨明けの夜の狂宴
  • 上等の迷い猫
  • テツになつく不吉な猫
  • 歓迎 東京ヤクザ様
  • 真夏のエンドレス・カブ Part1
  • 真夏のエンドレス・カブ Part2
  • 真夏のエンドレス・カブ Part3

 

 

カルメラ兄がいろいろ頑張りつつ、

テツの競馬挑戦、テツと新興ヤクザの騒動、テツと東京ヤクザとの対決と、テツを中心にした盛り上がりが続く楽しい巻になっています。

 

そのあいまに、お好み焼屋のオッちゃん(百合根)の父の日悲しいやつ、テツが調子に乗って離婚の結論とかハッタリ言ってたらヨシ江はんが大変なことになるやつと、秀逸なエピソードが入っているのもいいですね。

 

 

以下、詳しいネタバレはしませんが、各人物の好きなセリフを。

 

 

 

 

チエちゃん

バクチは勝つもんやない

負けるからええんや 

 

競馬で荒稼ぎしてきた大人たちに胸悪くなり、ホルモンを焼く気が失せるチエちゃん。

ギャンブルについて、非常に真理を突いたようなセリフを吐くのがすごい。

 

 

そやけどええ場所やなぁ

前は何屋さんやったんやろ

そやけどこんなとこ借りるのえらい高いんとちゃうやろか 

 

カルメラの開いた店を見て。

小学五年生にして立地を語るチエちゃんがすごい。

 

 

 

テツ

ヨシ江君

……

キミ

色々と

ボクには

ウラミがあると思うけど……

 

だからその…

逃げるんやったら

ボクがその…

復活してからにしてほしいのよね

 

ボク…なんか踏んばりが……

 

からの

 

あんまりワシをただの無口なオッさんやと思てたら

その内 結論出すぞーー 

え…

ええかげんにせんと

離婚やどー

 

競馬でなんやかんやあって弱っている時はヨシ江はんにすがっておきながら、調子に乗ると離婚をチラつかせるテツ。

 

それを聞いたチエちゃんが

お母はん「ハイ」てゆうたり

いっぺんに立場が逆転するから

 

と冷静にツッコんでいるのが大阪の家庭っぽくて好き。

 

 

 

ヨシ江はん

ははははははっ

はははは

ははっはははは

はははは

はははははっ ははははは

「冗談ばっかり」ぱん

 

詳しい経緯は伏せますが、掘り下げれば掘り下げるほどヨシ江はんは無敵なんやなということが分かって参ります。

 

 

 

アケミ

そんなマジメな顔されたら分かっちゃうじゃない 

 

テツ&ヨシ江はんの旧知の女性、アケミさん。

カルメラ兄とも縁があるのですが。

 

孤高な雰囲気で、男に言葉を吐かせないところが格好いいと思います。

こういう女性こそ優しく扱われてほしいものです。

 

 

 

新興ヤクザの下っ端たち

な…なんやあの笑いは……

あいつ口が耳までさけてまっせ 

 

チエちゃんに対して。

テツの娘のため、遠巻きにしてびびってるところが情けなくてかわいい。

 

チエちゃんの笑顔を見て「口が耳までさけている」と言っていますが、あの顔は漫画的表現ではなくて本当に耳までさけているのだろうか笑

 

 

 

花井センセ(父)

適当に混ぜて味見したらええやないか 

 

チエちゃんにカクテルをつくらせて味見させる花井センセ。

この教育者がすごい。

 

 

 

おバァはん

やっぱり目標を持った男のやることは違いますなぁ

それは大丈夫だす

人間 目標を持ってなんかやってる時はヘタなこけ方しまへんから

 

頑張っているカルメラ兄を絶賛するおバァはん。

地道にコツコツやっている人をしっかり褒めてくれる人も偉大ですよね。

 

 

 

小鉄&アントニオジュニア

ジュニア「ス…スルメが焼けました」

小鉄「さあさあ もぉ一杯もぉ一杯」

 

父の日に息子から電話がかかってきて、以後無言になるお好み焼屋のオッちゃん。

オッちゃんを気にかけて、二匹でお酒の世話をしているところがめっちゃ好きです。

 

オッちゃんはその後、東京ヤクザ相手にぼろ儲けするので良かった感はありますね。

 

 

 

 

 

以上、笑いありしんみりありの詰まった巻で満足度高かったです。

 

おぼろげな記憶ですが、ファミコンじゃりン子チエの終盤でもテツが競馬場に行っていた気がしますね。

なんか小鉄編のラストバトルとか、カブのミニゲームとかが難しかったような……。

 

またやりたいな、手に入るかな。

 

 

  

お酒でも周囲の心遣いでもいいので、無用な夫婦の危機が世の中から減りますように。

 

 

 

 

「じゃりン子チエ 文庫版10巻 感想 チエちゃん台詞キレッキレ」はるき悦巳先生(双葉文庫) - 肝胆ブログ