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ゲゲゲの鬼太郎「鬼太郎の世界お化け旅行 感想」水木しげる先生(中公文庫)

 

1976年にアクションにて掲載されていたという「鬼太郎の世界お化け旅行」、初めて読みましたがドラキュラ親分やベアードさんが相変わらず立ちふさがったり、画像だけ有名な南方妖怪チンポさんが登場していたりと、読みどころが多くてかんたんしました。

 

www.chuko.co.jp

 

 

鬼太郎が世界の妖怪退治に出発! 妖怪島で吸血鬼や双頭のミイラと対決。アジアの地下都市で砂妖怪に遭遇。ゴーゴンに石にされた鬼太郎の父を元に戻せるのか!?

 

「世界お化け旅行」の鬼太郎さんは、怪物くんみたいな柄のキャップをかぶっているのが特徴です。かわいい。

 

 

 

当作品集に収録されているお話は次の通りです。

 

  1. 水精(ヴォジャノイ)
  2. 妖怪大パーティー
  3. 妖怪七人の侍
  4. ドラキュラ親分
  5. 砂妖怪(エキセル
  6. 魔女サーカス
  7. 吸血鬼(キーエフ)
  8. 蛇人ゴーゴン
  9. 狼男とゴーゴン
  10. 決斗コロセウム
  11. 蝋人形妖怪(カリーカ)
  12. ベルサイユの化け物
  13. 霊魂爆弾
  14. ベアード
  15. ブードー

 

 

鬼太郎さんたち一行が世界を股にかけて旅をし、行く先々で現地の妖怪や神様と出会い、時には戦う感じですね。

全16話できれいに完結しているところも含めて読みやすい一冊だと思います。

 

 

以下、若干のネタバレを含みながらイケてるセリフ・読みどころを。

 

 

 

 

 

 

「おい自転車屋

「へい」

「ちょっとこのパンクをなおしてくれ」

 

ペシャンコになった目玉のおやじを自転車屋で治そうとするねずみ男さん。

雑な対応で復活する目玉おやじさんの生命力を称えるべきなのでしょう。

 

 

 

「精神を集中することによって魂はぬけ出せる」

 

世界の妖怪を撲滅しに旅立とうとしたら、いきなり獏にやられて魂を抜かれた鬼太郎さん。幽体離脱して息子を助けにいく目玉のおやじがさすがであります。

 

ちなみに続く水精さんもおやじがやっつけます。相変わらずおやじ強い。

 

 

 

「ほれ二万円
 おめえチンポが三つついてるからって
 ドロボウになるんじゃないぞ」

 

一部界隈で画像だけが有名な南方妖怪チンポさん。

3本のチンポからホバークラフトのように小便を噴射し海上を走る。

近年マレにみる妖怪の中の妖怪であります。

 

 

 

めしにありつけるというので
鬼太郎は喜びのあまり
ゲタップ(ゲタのタップダンス)をやった。

 

かわいい。

どうも世界お化け旅行の鬼太郎さんはあざといくらいかわいいっす。

 

 

 

「おまえさん
 それダイヤじゃないの
 ヨーロッパの妖怪は宝石に弱いのよ」

 

宝石に弱い狼男さん。

狼男なのに荒くれ感は特になく、むしろ世渡りに長けた印象になっているのが珍しいキャラ造形ですね。

 

 

 

「日本の妖怪には切腹しかないとわしは考えとる」

 

フランスの化け猫に取りつかれ衰弱した鬼太郎さん。

ヨーロッパ妖怪に敗北するくらいなら潔く切腹せよと迫る目玉のおやじ。

ふだん優しいのにときどき気合入りまくったことをおっしゃるんですよね。

 

 

 

鬼太郎たちの乗っていた飛行機はハイジャックに乗っとられ目がさめたらアフリカの上空。

 

最終話の一コマ目がこれだからたまりません。

ちなみにハイジャック犯は鬼太郎さんたちの手で2ページ目に鎮圧されます。

 

 

 

等々、鬼太郎、目玉のおやじ、砂かけばばあ、子泣きじじい一反もめん、ぬりかべ、そしてねずみ男と、いつもの面々が楽しく活躍し世界を股にかけるのですから、全体的にアップテンポな楽しい一冊になっています。

未読の方はこの機にゲットされてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

ゲゲゲの鬼太郎が世界的にもどんどん人気になっていきますように。

 

 

これで中公文庫の復刊も刊行終了ですね。

終わってしまうと寂しいなあ。